妻は脅威から逃げようとしていると、この脅威とは何なのかというところを深掘っていくのがポイントとなりまして、
この場合でいう脅威というのは、妻に傷つきの体験を与えている出来事のことを指すんですね。
脅威と感じてしまっている出来事が日常生活の中に潜んでいるということなんですね。
普段の生活の中で脅威を感じてしまっている。そのため、フライトという本能的行為を取っている。
逃げるという本能的行為を取っているということなんです。
じゃあこの日常の中で自分が妻に対してどういう態度を取っているのかということを深掘って考えていくことがまず大事になってくるんですね。
どうすればいいのかというアクションが2つあって、
1つは今話をした妻に与えてしまっている脅威を把握するということ。
2つ目はその脅威を排除するということなんですけど、
詳しく話をすると、自分が妻にどういう態度を取っているのかというのをまず振り返る。
その中には結構共通点があって3つあるんですけど、
1つは癒やす的な態度。2つ目は命令や指示。
3つ目は感情の否定ですね。
癒やす的な態度というと、そんなのおかしいだろうと怒鳴ったりとか、
上から見せんでガーッと言ったりとかする。
強い口調でダーッと話したりとかする。
命令や指示というのは、こうやってこうやってこうやるんだと。
やっといてね、よろしくねというような感じで、上司から部下に対する指示みたいな感じですよね。
感情の否定は、妻が寂しいとか悲しいとか辛いとかというような気持ちを表現したときに、
そんなのおかしい、そういうのを思うのがおかしいんだ、みたいなふうに感情否定するという行為。
大体この3つなんですよ。
なので妻に傷つきの対処を与えている出来事は何なのかなって考えるときには、
この3つを想像しながら自分の行動の中で当てはめていくと、
ピタッと合うのがあったりすると思うんですよね。
癒やす的な態度と命令や指示というのは、結構無意識のうちにやっちゃっていることが多くて、
僕も昔はよくやってました、これ。
なので、妻が求めているものというのが、
妻のね、私に関わらないでとか近づかないでという言葉だけを受け取ってしまうと、
距離を取ればいいのかと、接触の拒否なんですね、みたいに思っちゃうんだけど、
実は妻が求めているものは夫との接触の拒否ではなくて、
脅威から逃れること、そして安心感を感じることなんですね。
それを踏まえてどうすればいいのか、アクション2つ。
1つ目は先ほどのように、妻に与えてしまっている脅威を把握するということ。
そこに含まれるものは、軽蔑、無視、無関心、否定、軽視、
軽く見るということですね。
決めつけ、意見の決めつけ、押しつけ、孤立、こういったものが脅威として結構あったりします。
何かちょっと分からないな、いや、ちょっと思いつかないですね、という場合は、
さっきの癒やす的な態度、命令や指示、感情の否定に当てはめると、結構出てきたりとかするんじゃないかなと思います。
2つ目はその脅威を排除するということですね。
これをひっくり返すという感じです。
癒やす的な態度をひっくり返す、温かな柔らかな態度、命令や指示をひっくり返すのであれば、
妻とちゃんと話し合って何をどうするかを一緒に決めていく協力的な態度になったり、
感情の否定をひっくり返すのであれば、妻の悲しい、寂しい、虚しい、情けないといった感情に、
そうだったんだね、そう感じるんだね、というふうに寄り添っていくということもやっていくというのが2つ目のアクションですね。
そうすることで妻は、共感、尊敬、理解、感謝、愛情、承認、需要といった感情を夫から与えられていると感じることができて、
脅威から逃れられ、そして安心感を感じることができるようになる。
その結果、2人の心理的な距離は近づいていくということが起こりやすくなります。
言うとすごい簡単に聞こえるんですけど、やることは簡単なんですよ。
妻との関係改善のアクションで、シンプルなものが多いので、
妻に与えてしまっている脅威を把握する、脅威を排除する、やることはこの2つだけ。
だけど、ちょっと抵抗感感じます、ということってあると思うんですよ。
自分にそんな軽蔑とかしてるつもりないんですよね、とか。
妻はそう思ってるんですけど、僕はそんなつもりないんですよね、とか。
命令、指示、感情の否定、それはそう言えないんじゃないんですかね、とか。
自分の行っている行為を受け止められないというケースってあると思うんですよ。
それ自体はよくあることだなと僕は思ってるし、
そう思ってしまう場合は、そう思ってしまうのも仕方がないなと僕は思うんです。
これをどうするのかというと、
こういった場合は、脅威を与えてしまっている原因を把握する。
自分が妻に対して脅威を与えてしまっている原因を把握するというのはすごく大事で、
それは例えば、自分が育った家庭からの影響。
両親が、自分の父親が母親に対してそういったコミュニケーションを取っていた、だったりとか。
あとは家庭は円満だったけど、両親が自分に対して愛情を深く注いで育ってくれた。
だけど、ある意味過保護とも言える環境だった。
そのため、自分は両親の顔色をうかがう必要がない環境で育った。
なので、妻に対しても妻の感情を察しようとするような習慣が作れなかった、であるとか。
あとは仕事環境ですよね。
癒やす的な態度、命令や指示、感情の否定というのは、会社の中では結構普通に行われているじゃないですか。
マネージャー職とかお偉いさんであればあるほど、こういったことって結構普通にやっていると思うんですよ。
これを受け入れることが当たり前みたいな風潮もあったりするじゃないですか。
なので、会社の中で癒やす的な態度、命令や指示、感情の否定、これに慣れてしまうと、
家庭にもこれは持ち込んでしまうケースがめちゃくちゃあるんですよね。
過去の出来事とか、そこから起こった課題というのは変えることはできないんだけど、
その課題にどう立ち向かうか、立ち向かうか立ち向かないか、
妻との関係性をちゃんと受け止めるか、そこにきちんと対峙するか、
妻との関係性に対峙するかしないかというのは自分で決めることができますよね。
変えられる未来に集中するということはできるんじゃないかなと思うんです。
僕の好きな言葉で、ニーバーの祈りというのがあって、
アメリカの信学者ラインフォールド・ニーバーさんが作った祈りの言葉なんですけど、
変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、
そして両者を識別する知恵を与えたまえという祈りの言葉なんですね。
これは第二次世界大戦で兵士にカードとして配られたりとか、
アルコール依存症、薬物依存症、神経症の克服プログラムでも使われているんですね。
自分が育った家庭環境だったりとか置かれた環境というのは変えられる部分ではなかった。
なのでそれを受け入れる冷静さを持ちましょうと。
そして一方で自分には変えられる部分もあると。
それは自分がこの環境から抜け出そうとするかしないかであったり、
夫婦関係で言うならば妻との関係に対立するかしないかということ。
というのは勇気を持つ部分じゃないのかなということですね。
これすごい好きで、夫婦関係にそのまま使えるなと思っていて、
自分が育った家庭環境はそこからの影響は変えられない。
そこに自分の責任はない。
だけど今の関係性への行動は自分で選ぶことができる、
自分で変えることができる未来じゃないのかなと。
ニーバーの祈りを夫婦関係学的に書くとしたら、
こうなるのかなと僕は思っていて、
それは最後にご紹介しようと思います。
変えられない過去を受け止める温かさを、
変えられない未来を変えるための勇気を、
過去を受け止め、未来へ進むための思いやりを与えたまえとなるかなと
思っています。
ということで、この放送がいいなと思っている方は、
番組のフォロー、一星評価、レビューをぜひお願いします。
また今回の放送のご感想は、
ハッシュタグ夫婦関係学ラジオをつけて、
SNSでシェアしていただけるととても嬉しいです。
特命でコメントしたい方はコメント欄やお便りフォームを
お使いください。
また、夫婦関係より深く学べるニュースレター、
夫婦関係学ニュースレターも発行しています。
e-book、こじれた夫婦関係を改善するノードマップと、
オンライン相談のクーポンを特典としてつけています。
詳しくは概要欄にありますので、ぜひチェックしてみてください。
4月11日にイベントをやる予定で、
僕の2冊目の本、
男性のための夫婦関係学パート2の出版があるんですけど、
そのイベントも行おうと思っています。
そこでワークショップをやろうと思っていて、
妻との関係が悩んでいて、
まずどうすればいいのかわからないという方向けに、
妻との関係を改善するにあたって、
まずやるべきことであったり、
マインドセットなどについてお話ししようかなと、
簡単なワークとかも一緒にやっていければいいなと思っています。
ということで、また次回お会いしましょう。
さようなら。