今日はですね、妻から距離を置きたいと言われたときのその理由ですね。妻が距離を置きたいというたったひとつの理由について話をしようと思います。
あと、こういった状況のときにどうすればいいのかについても話をしていきますね。
どういうことかというと、よくあるんですよね。僕が受ける相談の中でも結構多いのが、妻から距離を置きたいと言われたと。
具体的には、必要なとき以外は話しかけないでほしいだったり、もちろんセックスはしたくない、家の中でもできるだけ顔を合わせたくないと。
中には別居したいという話があったり、離婚をほのめかしたいとか。
ただ、こういったケースの場合は、離婚までは言っていなくて、妻の感情的には離婚まではまだ言っていないんですよね。
ちょっと思い留まっている。だけど、ほぼほぼ離婚したいなという気持ちはあるんだけど、その一歩手前ぐらいの感じなんですよね。距離を置きたいと言われたときって。
ここの対応をうまくできると、離婚回避、別居回避はできるんですけど、この対応を間違えてしまうと、別居離婚のコースに入りやすくなってしまうので、別れ目ですよね。
妻が距離を置きたいと言ってきたときに、どういった行動をとるかというのは、今後の夫婦関係がどうなるかの別れ道となってきます。
でですね、妻が距離を置きたいというその理由は何なのかなんですけど、もちろんいろんな理由はあるんですけど、僕が話を聞いている限りは、その根本にあるのは、傷つきたくないという気持ちですね。
これが根本にあることがめちゃくちゃ多いです。
どういうことかというと、今まで散々傷ついてきた、傷つけの体験がたくさんあるんですよね。
産後、子供が産まれたときに夫が子供の面倒を見てくれなかったり、妻のケアをしてくれなかったりとか、
あとは自分や子供たちが病気になったときに全然介護をしてくれなかったりとか、
あとは辛い出来事があったときに夫が冷たい言葉をかけてきたとか、優しくしてくれなかった、支えてくれなかった、全く支えてくれなかった、そういった傷つけの体験を何度も重ねてきたというケースがほとんどです。
そうなると、そういった傷つけの記憶というのが脳のカイパーというところにしまわれるんですけど、
そういったネガティブな感情がたくさんしまわれていくと、脳の変動体という部位ですね、これ以前何度も話をしている、
情動を司っている脳の部位なんですけど、ここが、やばい、夫から逃げろって警報を鳴らしてくるんですね。
夫と関わる度にトラウマが発動するんですよ。
ちょっと話をしたいとか、ちょっと体が震えたりとかするだけでも過去のトラウマが発動して、
嫌な記憶をカイパーが何度も何度も再生させる、再生し続けるという状況になっちゃうんですね。
そうなるとですね、過去の苦しみの中に永遠に居続けるようなものなんですよね。
僕ら夫側からしたら、昔のことじゃないかと、過去の話じゃないかと、乗り越えて前へ行こうよって思うことが多いと思うんですよ。
実際そういった言葉を妻にかけた方はすっごいたくさんいらっしゃるんですけど、
これが何で間違っているのかというと、今の妻にとって過去の出来事というのは、今でも彼女の脳の中で再生され続けている今、ここの出来事なんですよ。
過去のことじゃないんですよ。
乗り越えるとか、昔のことだとかっていうことで何とかなるレベルの話じゃないんですよね。
もうトラウマになっちゃってるんで。
なのでそこは言っちゃいけないセリフの一つはそれですね。
昔のことじゃないか、もう忘れて乗り越えよう、とか、もうあれから何年経ってるんだ、とか、
3日間忘れろよ、とか、そういったことは絶対に言っちゃいけないです。
さっき言ったように今ここの出来事だから、妻の中では。
そうなると日常的に夫がそういったことをかけてきたりとか、かけなくても夫からの寄り添いの姿勢が全くなかった場合というのは、
妻の脳の中では、もうこんな苦しみは味わいたくない、怖い、と。
期待するだけまた傷つけられると、もう期待したくない。
夫から逃げなければという本能が働いてるんですね。
自分を守るための防衛本能が働きまくっている状態。
これを一言で言うと、傷つきたくないから、だから夫と距離を置きたいって思うようになるっていうことなんですね。
この時にどうすればいいのかなんですけど、よくあるやっちゃいけないこと2つありまして、
1つは嫌だと否定し続けること。
2つ目は理屈でねじ伏せることですね。
この2つは絶対やっちゃいけないです。
なぜかというと、嫌だと否定し続けることで、妻のトラウマを何度も何度も刺激し続けることになるんですよね。
その妻の変音導体が走っている警報を止めるどころか、
余計ボリュームアップして、台音でも警報を鳴らし続けるという方向に走っちゃうので、
嫌だと何言ってんだ、嫌に決まってんだろ、ふざけんなと否定し続けることはマイナスの効果しか生みません。
2つ目は理屈でねじ伏せるということ。
これ結構多いんですよ。これ結構男性がやっちゃいがちなんですけど、
例えばさっきみたいに過去の出来事じゃないかと、
我々はそのことについてもうすでに何度も話し合ってきた。
終わった話だ、決着がついている。なぜお前は同じ話を何度も見仕返すんだ、みたいな風にね。
理屈でねじ伏せたりとか、子供が生まれたばかりの時はどうしようもなかったんだと、
仕事が忙しくて何も俺にはできなかったんだと、やるだけやっていたじゃないかという風に、
実際に自分が家族に対してケアをしていたということがあったとしたら、
その実績を持って理屈でねじ伏せるということが結構多いです。
昔は僕もやってました、こういうの。
これが何で駄目なのかというと、妻の脳の中で警報が鳴っている返答体、
あと記憶がしまわれる会話というところ、この2つが夫への兼用感に大きな影響を与えているんですけど、
これは感情に関わる脳の部位なんですよ。情動に関わる脳の部位なんですよ。
つまり、理屈が通じない話になっているということです。
理屈じゃなくて感情の問題なんですよ。
司っている部位が返答体と会話という情動に関わる部位なんで。
これが大脳とかに関わっているところだったとしたら、理屈とか理論的な話とか通じやすくなるんだけど、
そうじゃないんですよね。人間の本能的な部位に関わっているので、
理屈が通じる話ではないので、理屈でネジを伏せようとしても意味がないというか、全くできない、不可能だということです。
どうすればいいのかなんですけど、3つ方法、3ステップありまして、
1つは理由を把握するということ。
つまり、夫と距離を置きたいと言っているその理由。
ヒントを言うと、さっきのように傷つきたくないから、もう自分は傷つきたくない。
これが根本にあるケースが本当に多いので、
妻は今まで何に傷ついてきたのかというところを深掘っていくんですね。
無理やり妻に白状しろや、みたいな感じで言ったら駄目ですよ。
言っても出てこないんで、優しく聞きながらとか自分が思い返しながら、
どういった出来事があったのかというのを思いやりを持った好奇心で尋ねていくんです。
妻に聞く場合は。
何かあれかな、子供が産まれたばかりのときに、
全然俺が君と子供たちの面倒を全然見ていなくて、
疲れさせちゃったよなって。
全然家にいなかったもんな。大変だったよなって。
たった一人で家事をやって、子供を育てて、
半年、一年後に君は仕事に復帰して、
その後も俺の働き方は変わらなかったわけで、
君は仕事と家事と育児っていうのを全部やってくれてたんだよなって。
辛かったことたくさんあったと思うけど、俺は全然気づけなかったなみたいな感じで、
妻が何に傷ついてきたのかという理由を思いやりを伴った好奇心で尋ねていくというのがファーストステップです。
2ステップ目は妻の柔らかな気持ちを言語化するということ。
尋ねていって言葉が出てくるじゃないですか。
なかなかうまく言えない人も多いと思うんですよ。
それはそうですよね。辛い体験を重ねてきたので、
自分の気持ちに触れること自体怖いことですし、
それを言葉にすることで余計辛くなるということもあったりするので、
なかなか自分の本来の感情というのに気づけなかったりします。
感情というのは氷山の上の部分と下の部分に分かれていて、
海に隠れている氷山って海面から上の部分で山みたいになっているじゃないですか。
あそこは二次感情と言われていて、
海面にある部分が一次感情と言われているんですね。
二次感情というのは怒りですね。だいたい怒り。
夫婦限界になったときに怒りの感情をお互いにぶつけ合いますよね。
だけど自分の妻や夫に対して感じている感情というのは、
怒りの感情だけじゃないと思うんですよ。
なぜ怒ってしまったのか。
その怒りの、怒っているその感情の下にある、
柔らかな気持ちと呼ばれる部分なんですけど、
これが一次感情というところですね。
ここが起点となっているはずなんですよ。
悲しかった。寂しかった。情けなかった。恥ずかしかった。
惨めだった。虚しかった。
そういった一次感情が存在するはずなんですね。
こういった感情を外に出すのは怖い。
自分で認めたくない。相手に悟られることも怖い。
だから怒りというポーズをとっちゃうんですよ。
そういったふうに怒りを表現することで、
自分を守ろうとしているんですね。防衛反応なんですよ。
なのでこういった、悲しかった。寂しかった。情けなかった。
恥ずかしかった。惨めだった。虚しかった。
という妻の一次感情、柔らかな気持ち、
これをこちらから言語化していくということです。
向こうがそれを言ってくれれば一番いいんですけど、
なかなか気づけなかったりとか、
自分の感情に敏感でないタイプの方だったりする場合は、
こちらからそういった言葉をかけていって、
当てにいくというのがすごく大事になってきます。
これをすると妻は、
この人は私の気持ちをわかってくれたという感覚になりやすいんですよ。
夫婦関係を改善するためには、妻に対して安心感を与える必要があって、
結果的に妻から距離を置きたいと言われて、
それをいきなりひっくり返すような大きな変化というのはできないんですよ。
時間をかけてちょっとずつ2人の関係が変わっていくので、
一時的に2人の会話が減ると思います。
妻から距離を置きたいと言われたときに、距離を置かざるを得ないし。
もちろん共感して妻の一時感と寄り添っていくということは効果は出すんだけど、
簡単にはひっくり返らないので、
時間をかけて時間をかけてちょっとずつ変わっていくので、
結果的に一時的に会話量が減ります。
だけど妻の一時感情の言語化、
妻の一時感情の寄り添いを続けていけば、
夫に対して安心感を感じてもらえるようになっていくんですよ。
だからこれは絶対にやってみてください。
ポイントはですね、いや俺だって大変なんだよ。
いやあの時俺も色だったんだよというふうに思っちゃうと思うんですよ。
僕も思いますし。
ポイントはそう思わないということ。
そのための方法はまた別の機会にお伝えしていきます。
ちゃんと存在します。
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最後にですね、
僕のコンパッションというのを学んでいるんですけど、
コンパッションフォーカスラピというのを学んでいるんですけど、
あとカウンセリングを学んでいるんですけど、
教えてくださった先生がいらっしゃいまして、
東京生徒大学大学院純教授石村幸先生という、
コンパッション第一人者の方なんですけど、
この方がですね、3月30日に東京大学でセミナーを開きます。
コンパッションフォーカスラピについて学ぶセミナーですね。
心理職の方とか、スクールカウンセラーとか、
そういった対人援助の方向けなんですけど、
コーチとか、カウンセラーは書いてなかったけど、
コーチとかね、そういったことをやられている方、
もしくは心理師じゃないけどカウンセリングやっている方でもいいと思うんですけど、
そういった方も受けられるセミナーなんですよ。
これすごい貴重なんですよ。
そういった心理職とか対人援助職以外の方向けの、
特に心理職以外ですね、心理職以外の認証心理士さん、
婚姻心理師、精神管理とか、そういった方以外に向けた、
こういった心理学の専門家によるセミナーというのは、
アカデミックな専門家によるセミナーというのはほとんどないので、
とても貴重なセミナーですので、
そういったコーチとかカウンセラーとかやられている方、
もしくはスクールカウンセラーとかやられている方は、
ぜひ行かれてみてください。
対面しかちょっとやってないんですけど、
3月30日東京大学本郷キャンパスでやられるそうなので、
概要欄のてっぺんにリンクを貼っておきます。
ではまた次回お会いしましょう。
さようなら。