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2020-02-07 19:49

昔話3 ちょっと真面目にMacとDTPの黎明期の話(第204回)

今回も昔話回ですが、わたしのエピソードというよりMacとDTPの黎明期の話をしました。「なぜデザイナーはMacを使うのか?」の解説もしています。
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こんにちは、アシカガキャストです。
今回は、昔話の第3弾として、ちょっと真面目に、
MacとDTPの例明記の話、
なぜデザイナーはMacを使うのか、といった話をしたいと思います。
DTPとは、デスクトップ・パブリッシングの頭文字を取った言葉ですね。
デスクトップは、卓上、机の上。
パブリッシングは、出版・印刷ということで、
パーソナルコンピューターを使って、卓上で印刷物を作るという意味です。
私がDTPに関わるようになったのは、会社員になってからなんですが、
DTPで何かを作る側ではなく、ツールを、ソフトウェアやハードウェア、
システムを販売する側の立場でした。
営業とかをやってたわけではなくて、販売推進を担当していたんですが、
主に展示会でデモンストレーションをする、
こうやって操作をしてデザインするんですよと、説明をする仕事が入社当時は多かったですね。
あとは、展示会のないときは、サンプルを作ったり、ソフトウェアの使い方の研究をしたり、
新しい製品のテストをしたり、などいろいろやってたと思います。
で、なぜデザイナーはMacを使うのかという話なんですが、
これはMacのデザイン性が高いからでも、
Appleがオシャレなイメージだから、デザイナーと親和性が高いとか、
そういう話ではないんですね。
そもそもDTPをやるには、Macしか選択肢がなかったんですね、当時は。
DTPを語る上で重要なキーワードが、ポストスクリプトというものなんですが、
ポストスクリプトの発明がDTPを生んだと言っても過言ではないと思います。
ポストスクリプトは、ページ記述言語と言われてるんですが、
デザイン情報をテキスト化しているんですね。
図形がどの位置にどう描かれているか、文字がどう配置されているか、
どういうフォントを使っているか、どういう色がついているかなどの情報がテキスト形式になってるんですね。
テキスト形式ってどういうことかというと、
例えば円がありますと、この円がX軸が何ミリ、Y軸何ミリの位置に半径何ミリの円がありますよ、
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みたいな情報として扱うということですね。
ポストスクリプトはベクトルでデータを扱う。
ベクトルデータとかベクターデータとかアウトラインデータと呼んだりしますけど、
曲線とか複雑な形も数式で表すみたいな感じでテキストデータとして扱っているので、
ビットマップデータと呼ばれるドットの集まりのデータと違って、
拡大したり変形したりしても綺麗な曲線のままですし、
高解像度のプリンターで出力すると、そのプリンターの最大限の解像度で綺麗な曲線として出力できるということです。
一方のビットマップデータというドットで扱っている情報だと、
方眼紙を塗りつぶしているのと同じなので、
マス目の細かさ以上の精度で図形を表現することはできないんですね。
画面上で見て綺麗な円が描けましたと言っても、それはドットの集まりなので、
方眼紙を塗りつぶした円を拡大しても、
一つ一つの方眼紙のマス目が大きくなるだけでギザギザした円になってしまう。
そういう理屈でビットマップの図形は拡大すると荒くなるし、
変形とか縮小にも弱い、綺麗にデータを扱えないということですね。
細かい話をすると、ビットマップでの曲線を綺麗に見せるために、
黒い曲線でもグレーの部分を入れることによって滑らかに見せるみたいな
アンチエイリアシングという処理もあるんですが、
何にしてもビットマップで扱っているものは拡大・縮小・変形に弱いし、
最終的に高い解像度でプリントアウト・印刷しようとすると、
高い解像度で扱わないといけないので、データの容量とかも膨大になると。
特に当時のマシンの処理能力だと、
そういう高い解像度のデータを扱うのはなかなか処理に時間がかかるとか問題があったんですね。
ポストスクリプトだと結局はテキストデータなんで、データの容量も少なくて済むんですね。
大事なことを言い忘れてましたが、このポストスクリプトを作り出したのがアドビーという会社なんですね。
このポストスクリプトに対応したソフトウェア・プリンターはMacでしか使えなかったので、
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DTPはMacでしかできなかったというわけです。
なので当時のデザイナーはパソコンとしてMacを買ってるというよりも、
DTPのシステムとしてMacがセットでついてくるみたいなイメージだったと思います。
システムというのはスケナーだったりプリンターだったりがないとほぼ仕事にならなかったからですね。
ポストスクリプトで作られたデータはポストスクリプトに対応しているプリンターで出力しないといけないんですね。
ポストスクリプトのテキストのデータをプリンターに送ると、プリンター側がそのテキストファイルを解析して、
そのプリンターが持っている最高の解像度・精度で描画し直して出力するみたいなイメージですね。
レンダリングするというと、わかる人にはわかりやすい言い方かもしれないですね。
このポストスクリプトに対応しているプリンターとして、
多分最初に出たのがAppleのLaserWriterというプリンターで、
日本では日本語のフォントを搭載したLaserWriter2 NTX-Jというのが
ポストスクリプト対応のプリンターとして最初に使われていました。
ポストスクリプトのプリンターはプリンター側にフォントがインストールされてないといけなかったんですね。
日本のDTPにおいてはその後、
OKIのMicroLineというプリンターが、ポストスクリプトのプリンターが出て、
これが定番のプリンターでしたね。
OKIは昔パソコンも出していて、
朝日唯がCMしてOKI、OKIのパソコンとか言ってたんですが、
パソコンは多分そんなにヒットしなかったと思うんですが、
このOKIのプリンター、MicroLineは日本のDTPにおいては定番のプリンターでしたね。
そしてソフトウェアの話なんですが、
アルダスというメーカーの、アルダスページメーカーが
DTPの元祖のソフトウェアらしいです。
いわゆるページレイアウトソフトと言われるもので、
ページものの何ページもあるような本だったりカタログだったりの
レイアウトができるソフトウェアですね。
このページメーカーは後にアドビに変われて、
アドビーページメーカーになるんですけどね。
日本でDTPが普及していった時には、
ページメーカーではなく、
QuarkXPressというソフトウェアがページレイアウトソフトとして定番でした。
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アドビのイラストレーター、アドビのフォトショップ、
QuarkXPressの3つがDTPの三種の神儀とか言われてました。
三種の神儀という言い方が昭和っぽいですが、平成の話ですよ。
アドビのイラストレーターというソフトウェアは、
ポストスクリプトのための描画ツールとしてアドビが作ったソフトウェアです。
ビジェ曲線という方法で曲線を書くわけですが、
あれがポストスクリプトとしての数式のデータに変換されるということですよね。
ポストスクリプトを考えた人は相当数学のできる天才的な人だったんじゃないかと思います。
イラストレーターでは図形を描く、ビジェ曲線で描く、
テキストを入力する、図形やテキストをレイアウトする、
画像を配置することもできたので、
一枚もののチラシなどのレイアウトもできますし、
ページ数が少ないカタログとかは、
イラストレーターでレイアウトして作るという人が多かったですね。
最初の頃のイラストレーターは、
描画しているとき図形を描いたり、画像を貼り込んだりしても、
操作しているときは、モノクロでアウトライン、画像を貼り込んだとしたら、
その枠の線しか見られなかったんですね。
プレビューというメニューを選んで、
初めて色がついている状態、塗りつぶしの部分に色がついている状態が見られる、
そんなソフトウェアでした。
なので、プレビューをしないで、
色がついていて、塗りつぶされている状態とか全部わかる状態で、
作業ができるようになったときには、
おおっと思ったものですね。
まあ、薄々それくらいできないと使いにくいよねとは、
みんな思っていたとは思いますが、
ただ、当時のコンピューターの処理速度とかを考えても、
描画するときと確認のためのプレビューのときが分かれていたということで、
作業がそれなりにスムーズに早くできたという面もあると思います。
今はロゴを作りましょうと言ったときに、
デザイナーの人はイラストレーターでロゴを作るので、
ベクターデータに、ポストスクリプトのデータになっているので、
印刷物に使っても高解像度できれいに扱えるデータになっているんですけど、
DTPが始まった当時は当たり前ですけど、
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企業とかブランドとかのロゴマークもそもそもデータじゃなかったんですよね。
当時そういうロゴマークとかは、
印刷に紙焼きされたきれいなものがあって、
それを光学的な、光学というのは光の学問の光学ですね。
光学的な処理によってなんやかんやで印刷物を作ったりしてたんですね。
なのでいざDTPでデジタル化しましょうというときには、
そういった紙焼きのロゴをスキャナーで読み込ませて、
イラストレーターでトレースする、なぞってあげる。
ベジェ曲線を使ってなぞってあげるということが行われていたので、
イラストレーターはトレースするソフトウェアという印象が強かったですね。
私もサンプル作りだったりなんだったりで、ロゴのトレースはたまにやってました。
ちなみにベジェ曲線での描画をマスターするのはそれほど苦労はしなかったんですが、
そんなに得意ではないですし、そんなに好きでもないですね。
ベジェ曲線を描くときにキーボードとの組み合わせでいろいろ処理があるので、
右手はマウスで左手はキーボードで組み合わせで処理していくんですが、
これは結構もう身についているというか、体が覚えてますね。
これからはiPadでキーボードを使わずに、
Apple Pencilと指との組み合わせでそういう処理をやっていく時代になってくるんだろうなと思っています。
Adobeはまずポストスクリプトというのを発明し、
そのポストスクリプトの描画ツールとしてベクトルでデータを扱うイラストレーターを作り、
次に写真とかをビットマップとして扱うPhotoshopを作ったという順番になります。
ポストスクリプトとイラストレーターをほぼ同時に世に出したと私は思っていたんですが、
今回調べてみるとポストスクリプトを先に発表して、
レーザーライターがポストスクリプトを搭載して、ポストスクリプトに対応したページメーカーが出て、
その2年後くらいにイラストレーターが発売開始してるんですね。
結構その間があったというのは知りませんでした。
なお、ページレイアウトソフトのQuarkXPressですが、
これ当時、起動するたびにフロッピーディスクを、そのQuarkのソフトウェアのフロッピーディスクを入れる必要があったんですね。
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これなぜかというと、コピーして使われるのを防止するためですね。
ちゃんと正規のカッターユーザーですよということで、起動するたびにフロッピーを入れないといけないという決まりでしたね。
このコピー防止の仕組みとしては、後にドングルというのが流行るんですね。
Macは当時、本体とキーボードをつなぐのがADBというApple独自の企画だったんですが、
ADBのケーブルで本体とキーボードをつなぎ、キーボードからまたケーブルでマウスをつなぐと。
要するにキーボードに2箇所ADBの穴があったんですが、その間に本体とキーボードの間とかに
ドングルというハードウェアをつなぐと。それがつながってないとソフトウェアが起動しませんよといったプロテクトがかかるのが
コピー防止に一時期大流行したので、ドングルが必要なソフトウェアをいくつも使う場合はいくつもつながないといけないみたいな。
で、そのせいで調子悪くなったりとか、ドングルの不良とかいろいろありましたね。
あとDTPで重要なキーワードとして、ウィジウィグというのがあります。
これもmacならではのものだったんですが、
What you see is what you getの頭文字を取った言葉で、あなたが見ているものがあなたが得られるものです。
これ最近はブログやCMSのエディターとかでも使われる用語になっていて、
最終的にwebページで表示されるものと同じ見た目の状態で編集できるエディターをウィジウィグエディターと言ったりするんですが、
本来はDTPの用語で、What you getのgetは印刷物を指してるんですね。
で、画面で見ているものとプリントアウトされているものが同じだよという意味なんですが、
画面で見えている通りにプリントアウトされるのは当たり前だろうと思うかもしれないんですが、
本来のウィジウィグの意味は、画面上で印刷されたものと全く同じ原寸で表示されるという意味なんですね。
もちろんソフトウェア上でデザインの全体像を見るために縮小して表示するとか、
細部を見るために拡大して表示することはできるんですが、
画面上で原寸表示100%の表示をした時にはプリントアウトされたものを照らし合わせると全く同じ原寸で表示されている状態になる。
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どんなモニターをつないでいてもというのが本来のウィジウィグで、それもMacでしかできないことだったんですね。
ということで、私の昔話というよりはDTPのレイメイキの話。
DTPをやるにはMacを使うしかなかったんですよと。
なのでそこからの流れで今でもデザイナーの人はMacを使う人が多いんですよということです。
そもそもその頃はWindowsも全然流行ってない時で、
MacじゃなくPCと呼ばれていたパソコンたちはGUIですらなかったんですね。
グラフィカルなユーザーインターフェースじゃなかった。
キーボードを打ってコマンドを打って同行という時代だったんで、
Windowsが普及してその後ずっとずっと経ってから
アドビのソフトがWindowsにも対応するようになって、
WindowsでもDTPができるようになっていくんですね。
ということで昔話の第3弾はちょっと真面目にMacとDTPのレイメイキの話をしました。
感想ご指摘などあればTwitterでハッシュタグアシカガキャスト、
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最後まで聞いていただきありがとうございました。
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