ビート栽培の現状と課題
おはようございます、あさひです。
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さて、今日のオモテじゃ語れないトークは
絶対にビートを作ってはいけない補助一線
これでお届けいたします。
ビートは今年、甲板病が非常に多かったり、
それから虫の被害が多かったりで、
葉っぱがなくなってしまうというような状況が
後半、生育後半に相次いだ状況です。
ただし、そこまで行く前に、
後半まで生育が進む前に、
序盤からトラブルに見舞われるケースがあります。
それが何かというと、結論、
pHが低い補助、酸性補助です。
こういった補助では、
生育がそもそも進まなくて、
ウネが塞がらないどころか、
発芽不良が始まって、
発芽後もでかくならないというケースがよくあります。
なので、ビートを作付けする補助、
ここでは必ずpH矯正をしましょう。
ビートを作り慣れている人にとっては、
当たり前の話かもしれないのですが、
意外と盲点だったりすることもあるのです。
特に直販のビートですね。
種を直巻きする場合、育苗はせずに、
直接畑に巻く場合は、
よりこのpHの重要性が高まってきます。
苗であれば、多少pHが低くても、
なんとか頑張れることはあるのですが、
それでもお勧めはしませんが、
直販だと非常に厄介になってきます。
pHの適正値とその対策
そもそも発芽した後に生育がついてこないのです。
なので、潰してしまったというケースもたまにあります。
では、どれくらいのpHが適正なのか。
これは、私の感覚的には、
pH6以上は必須だと考えています。
pHが5.8くらいなら、
無理くりできなくもないのですが、
それでもあまり生育はいいとは言えません。
少しでもpH6以上の補助と比べると、
見劣りすることが多々あります。
一方で、理想と現実が違うことも、
私はもちろん分かっています。
そんなことは言われても、
臨作体系上、しょうがない。
そこで作るしかないんだ。
今年はB等というケースもあると思います。
そういった時に、どうしたらいいのか。
pHが低いけど、そこで作らざるを得ない。
そんな時にどうしたらいいのか。
この対策を今日は特別にお話しします。
ただし、やることは至ってシンプルです。
ひたすら設計を巻きまくる。
これに尽きます。
これを徹底することしか、もはやないと思っていますが、
その使い方や工期の仕方には、
それなりに工夫ができるのです。
手を施すことはできます。
とにかく、局所的でもいいので、
pHを6以上に持っていくこと。
これを理想像として、
すべてこのために行動していきます。
pHを局所的でもいいから、6以上に持っていく。
石灰施用のタイミングと工夫
これだけを考えて、あらゆる手段を尽くしていきます。
大きく分けると、2つテクニックがあります。
1つは工期のコツ。
もう1つは設計性用のコツです。
まず、工期のコツについては、
作度をできるだけ浅くと言っていいのかどうか分かりませんが、
言ってしまえば、プラウで反転工期することを控えます。
プラウで深く起こすということは、
天と地がひっくり返ってしまいますね。
地表と土壌の下層の部分と、これがひっくり返るので、
要は、下から上がってくる土が、
どんな土かすごく重要なんですが、
これ分からないことが多かったり、
作度が深くなるということは、
土壌の深さが深くなるので、
土の量が増えるわけですね。
となると、石灰が、
例えば、単島を100キロ撒いたとしても、
土の量が少なければ、
その100キロでペーハーを強制できる土は少なくて済むのに対して、
作度が深いと土の量が多いので、
同じ100キロでも、その石灰分は希釈されてしまうわけです。
なので、少ない土のペーハーを強制する方が圧倒的に簡単ですので、
極力作度というか、
工期の深さは一定程度浅くしておくことが良いです。
理想論としては、ビートが生育する作度10㎝、15㎝、
20㎝もあれば十分すぎますね。
これぐらいの土の量ですね。
ここだけをペーハー強制する、
局所的に持っていくというイメージをまず持ってください。
それを踏まえてペーハー強制をしていくわけですが、
ここで二つ目の石灰制御のポイントです。
石灰の制御のポイント、実は4つあります。
ポイントというか、石灰制御のタイミングが実は4回あるんです。
ビートの場合。
分かりますかね。
石灰制御は4回できるんです。
この4回をフルに活かします。
まず1回目。
ビートを作る前の年の秋です。
ここからスタートします。
翌年この穂状にビートを作付けする。
ただしペーハーが低い。
そんな時には秋のうちに、
タンカルあるいはコタツの貝殻、
これらを大量に巻いておきます。
担当を100キロは巻いておきましょう。
200キロとまではいかないですけど、
100キロ以上巻くことで、
じわじわペーハー強制がなされます。
次に2つ目。
これはもちろん春作付けする前に、
キセッカイをこれもまた100キロ以上巻いておきます。
100キロか200キロかと言われると、
200キロ巻いた方がいいんじゃないかという風に思われるケースもあるんですが、
私の感覚で100キロ以上と200キロでは、
それほどペーハー強制の差がないような印象を持っています。
120キロとかが上限かなと思っているんですが、
それぐらいの量を春に巻いておきます。
この時も深く起こしすぎず、
10センチ、15センチ、
いっても20センチ程度で留めておきましょう。
もちろんここはキセッカイを使います。
黒キセッカイでもいいです。
そして3つ目のタイミングとしては、
削除性用です。
ハッシュする時に、
肥料をもちろん削除で落とすと思うんですが、
皆さんの使っている機械がどんなものか分かりませんが、
一般的なプランターで行くと、
サブタンクというものがあると思います。
ダブルタンクと呼ばれることもあるかもしれません。
このサブタンクに肥料と別にもう一種材落とせることがありますね。
そういう設備をお持ちの方は、
ぜひこのサブタンクにもセッカイを入れましょう。
この場合もタンカルよりは、
キセッカイの方がいいかなと私は考えています。
何せ即効性のキセッカイですから、
水溶性のキセッカイ。
これは水に溶けるというものですね。
なのでタンカルだとじわじわ効いていくんですが、
何せすぐ効かせたい。
ハッシュした種の周りの部分的に、
局所的に低波を上げるということで、
一気に生育が改善される可能性があります。
なので種の近くにキセッカイを落とすことで、
一気にその場所の低波を強制することが可能です。
この話をすると、
種の近くに、そんな近くに、
しかも肥料も近いのに、
キセッカイを落として大丈夫なの?
というような反応を受けることもあるんですが、
基本的には大丈夫です。
私も何度もこのやり方を実際に進めていますが、
10件、20件どころではないですね。
施肥の重要性
それ以上のケースでこのやり方を進めていますし、
私が言わなくてもやっている方もたくさんいます。
いろいろな事例を見てきましたが、
これで発芽不良だとか、
アンモニアガスが発生したとか、
というトラブルを見たことは今のところ一回もありません。
場合によっては、
生頭会社さん、ビートの収穫をする業者さんからは、
あまりいい顔をされないこともあるかもしれませんが、
実際これでトラブルになることは、
そうそうないと思いますし、
私は先ほど言ったように、
トラブルをお目にかかったことがないので、
問題ないと捉えています。
この時の施養量なんですが、
従来私は単刀20kg、これをお勧めしていました。
ところが最近思い立ったというか、
今気づいたのは、
奇石灰ってサブタンクに入れるとちょっと落ちにくいです。
きれいな流常品、粒ではないので、
なかなか落ちないことがあるんですね。
なので20kgじゃなくて、
40kgとか60kgにしてはどうかと思って、
いろいろ調べてみたところ、
マックス60kgまで落としている方がいました。
そしてこの施肥量を増やせば増やすほど、
機械の落ちるところの解度が広くなるので、
落ちやすくなりますよね、当たり前ですが。
なので中途半端に20kgとか狭めるよりも、
思い切って40kg以上にした方が落ちやすくなるので、
作業効率も上がりそうな気がしています。
実際に40kg落としているよという人の方が、
トラブルが少なかったり、施肥がスムーズだったり、
さらに生育も良さそうな話をよく聞くので、
これは40kg以上入れてみるのがいいのかなと思っています。
最後に4つ目の施肥の制御ポイント、
これは水肥です。
もちろんここも既施肥です。
どのタイミングかというと、
あまりうねが塞がるほど生育が進んでしまうと、
葉っぱの上に既施肥が落ちてしまうと、
焼ける可能性があるので、
あまりうねが塞がってからとかではなくて、
うねが塞がりきる前ですね、
これくらいのタイミングで、
もう一回施肥を巻きます。
水肥です。
この時も施肥量はだいたい20kgから40kgを
おすすめしています。
先ほど言ったように、
葉っぱの上に乗っかってしまうと焼けてしまうので、
葉っぱの上に乗っかるほど成長してからは
しない方が無難です。
これをすることで、
ペーハー矯正をフルに長いスパンで
することが可能になります。
実はペーハーというのは、
土壌中のペーハーというのは、
作物が生育中、ペーハーが1くらい下がっている
という風になっています。
これ実はあまり知られていないんですけど、
作物を作付けする前に土壌分析すると、
ペーハー6とかというのが出ることはよくあるんですが、
生育中に土壌ペーハーを診断すると、
実はペーハー5.3とか5.4まで下がっていることがよくあるんです。
これは、積飛した肥料のイオン分で下がってしまったりだとか、
カリとかクドが吸われたことによって、
イオンが変わってしまって、
土壌中のイオンが変わってしまって、
水素イオンが再び復活して、
復活という表現が、もしかしたら適切ではないかもしれませんけど、
カリやクドが減ることによって、
ペーハーが加工してしまうと、
もう1回酸性になってしまうということがあるので、
ここで、このタイミングでもう1度奇跡解を入れることによって、
ペーハーを再びアルカリに傾けることが可能ということになるんですね。
なので、ペーハーが少しでも高い方が、
作物の生育というかビートの生育は圧倒的に良いですし、
窒素の効きも良くなるので、
追比というのは非常に価値があるやり方です。
窒素の追比だけではなくて、
奇跡解の追比はかなり面白いと思います。
何せ窒素分はリューアンや尿素も年々価格が上がっています。
もちろん奇跡解も上がっているんですけど、
一般的な窒素肥料に比べると、
まだ安い部類に入るかなと思うので、
非常にコスパの良い戦略かなと思います。
なので、基本的にはペーハーが6未満の保障でビートの作付けをすることは、
私は避けてほしいなと思っていますし、
そういう場面に出会ったときは、
他の保障で何とかやりくりすることはできないのかというのを
尋ねたりするんですけど、
大体できないからそういう体験になってしまっている、
そういう作付け状況になってしまっているということが
過半数なんですね。
なので、やむを得ない状況でビートを作付けする場合には、
フルの切解制御を、今の言った内容を提案して、
MAXやってもらいます。
それで何とか乗り越えられるかもしれない。
断言はできないですし、
できれば避けてほしいと思っているのは今言った通りなんですが、
やらないよりは絶対にこっちの方がビートの制御がいいかなと思いますので、
どうしてもそういう状況でビートを作付けしなきゃない場合は、
このようなやり方を試してみてもらいたいなというふうに思います。
では、今日の内容は以上になります。
ペーハー管理の提案
参考になった方もしいれば、
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励みになりますのでよろしくお願いします。
では引き続き、農業経営の価値筋を考えていきましょう。
ではまた。