土壌診断の新しい提案
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さて、今日の表じゃ語れないトークは、土壌診断でいこうと思います。
土壌診断、土壌分析といったり、いろんな言い方があると思いますが、
まさに今、この時期、これがテーマにふさわしいかなと思って、最初のテーマに選んでみました。
今回は診断書の読み方ではありません。
私がお話ししたいのは、土壌分析の土の取り方です。
取るタイミングとか、どう取っているのか、ここ意外と皆さんバラバラなんじゃないかなと思っています。
一応教科書的にはありますよね。土の取り方ってあると思うんですけど、そういうことではなく、
実際こういうふうにやった方が効率的ではないかという私の考えをお話ししていきます。
なので、あまりこれが表だっていることはないかなと思います。
例えばチラシにこれを書いて配るとかっていうことは基本的にはできないというか、立場上できないこともあるでしょうし、
なかなかこれをお勧めすることはないんですが、上手な人、うまく効率的にやっている人はこういうふうにやっていますし、
私もそれが一番いいのではないかなと思っているので、今回はこういう話をしていこうと思います。
まず皆さんにちょっと問いかけなんですけど、土壌分析、毎年やっていますか?
全補助やっていますか?っていうところなんですが、おそらく全ての畑で、全ての水田で全部の土を取って出すなんてことは現実的ではないかなと思います。
私がこの仕事を農業に関わるようになってから、初めの頃は経営規模で言ったら20兆前後の方が、
20ヘクタール前後の方が多かったんじゃないかなというふうに思いますが、今となっては40、50ヘクタールっていうのはむしろ普通になってきているのではないかなと思います。
北海道ではそれぐらいの規模感になっていると思います。もちろん地域性エリアによって多々あると思いますが、
少なくとも10年前よりは2倍、下手したら3倍ぐらいの面積を皆さん抱えているのではないでしょうか。
そんな中で全てのホジョウの土壌診断をするなんて、まずお金もかかるし、そもそも全部の土なんて取ってられないし、めんどくさいしっていうところが本音ではないかなと思います。
そこで私の提案なんですけど、2つあります。まず1箇所でいい。ホジョウが1枚あったとして、
その中の本来は5箇所取って土を混ぜてということになっていると思いますが、そんなことはしなくていいです。1箇所ザクッと取りましょう。
これが1つ目。2つ目は毎年取らなくていいということです。
この2つについてちょっと掘り下げていこうと思うんですが、1箇所でいい。これについてですね、まず畑がたくさんあると思います。
全筆5箇所取って混ぜて1つの検体にしてっていうのは正直やってられないと思います。
なので1つのホジョウがあったとして、それが面積がどれぐらいあるかは分かりません。
何タンかもしれませんし、何ヘクタールっていうそういう面積にも今は1つのホジョウがなっていると思いますので、
それを全部5箇所取ったところで1つの土に混ぜてしまったら、
それってそのホジョウのその1筆の平均値にはなるんでしょうけど、
その平均を取ったところで果たして意味があるのかなというふうに私は考えています。
1ヘクタールの畑があったとして、その5箇所の土を取って1つの検体を出して、
それの分析結果が例えばpHが6でしたとなったときに、
その6に合わせて石灰をまくっていうことになるんでしょうけど、
おそらく1ヘクタールとかそれぐらいの規模感になってくれば、
あそことこっちでちょっと生育が違うよねっていうことにもなってくると思いますし、
仮にそういう村がなかったとしても、その1つの平均値を出すのではなくて、
あっちとこっちで違う可能性もあるんだとしたら、
その場所場所で土をざくっと取って1箇所の分析値を出した方が、
土壌改良はしやすいんじゃないかなというふうに考えています。
分析の頻度に関する考え方
その代わり、取る場所は大体おおよそでいいので、
ここから取ったっていうような目星をつけておくほうがいいかなと思います。
Googleマップっていう素晴らしいツールがあるので、
そのマップにピンを刺して保存しておくでもいいですし、
何でもいいんですけど、この辺から取ったっていうおおよその目星をつけておきましょう。
そうすることで、そこの保生で何かあったとき、
ピンポイントでここの保生はこういう分析値だったなっていう分け額の観点から、
少なくとも考察をすることができます。
もし丁寧に5箇所の土を取って1つのものに混ぜて位置検体を出している方が、
丁寧にやっている方がいたとしたら、これで5分の1の労働力になります。
これでまず楽になりますね。
そして、毎年取らなくていいという話です。
例えば、50筆、60筆っていう保生の数があったとして、
毎年50検体も作っていられません。
実際そうですよね。
仮に先ほど言ったような取り方で、1つの保生から1つの検体だけを採取したとしても、
それを50箇所も60箇所も1人の力でやるのは、なかなかにハードです。
なので、私が提案したいのは、林作を皆さんされていると思うので、
何か作物の跡、1つを採取して、
それを決めて、そこでローテーションして林作をするのと同様に、
土壌分析もするというやり方をお勧めします。
例えば、これから収穫が入ってくるとすれば、大豆でしょうか。
大豆を買ったら土を取る、のような感じで、
大豆の跡に土壌分析をする、というように覚えておきましょう。
というか、決めましょう。何でもいいです。
空き小麦を買ったら土壌診断をする、これでもいいです。
現実的には、空き小麦を買った後のほうが、秋まで期間が長いので、
このタイミングで土壌診断をするのが、一番ベターかなとは思いますが、
別に麦の跡に決めなくても、豆の跡でもいいわけです。
豆の跡となると、麦の跡となると、
おおよそ3年から4年に1回、という頻度になるのではないでしょうか。
こうすることで、3年か4年に1回、その補助の検査をすることができます。
健康診断は毎年やっていると思いますが、
畑の診断は正直、毎年じゃなくてもいいのではないかと私は思っています。
なので、3年か4年ごとに、その傾向、pHが下がってきたなとか、
一生懸命石灰を入れているのであれば、3年前より曲がったなということが、
土壌分析の重要性
だいたい傾向として捉えることができれば、私は十分だと思っています。
しかもですね、実はこれメリットもあって、
大豆の跡に取るとか、空き小麦の跡に取るというふうに決め打ちしておいた方が、
実は分析結果がブレにくいという、そういうメリットもあります。
例えば、空き小麦を刈った跡の土と、ビートを掘った跡の土、
同じ補助だったとしても、分析値が違ってもおかしくないですよね。
そう思いませんか。たくさん肥料を入れるビートのように、
その跡では絶対に残っている肥料分があるはずです。
一方で、例えば大豆だったらあまり肥料を入れないかなと思います。
大豆はそれほど窒素を多等する作物ではないので、
残った分の肥料も少ないかなと思います。
逆にリン酸はたくさん入るかもしれませんね、大豆の場合は。
というような感じで、作る作物によって使う肥料の量がかなり変わってくると思います。
肥料の量が変わるということは、残ってくる肥料の量ももしかしたら変わってきますよね。
そういう不安要素というか、不安定な要素というか、流動的なものをできるだけ省くためにも、
特定の作物を収穫した後に土を取るというふうに決めた方が、
土壌診断の結果はかなりブレないんじゃないかなと思いますので、
こういうタイミングで取っていってはどうでしょうか。
効率的な土の取り方
ということで、2点お話ししました。
全ての補助で土は取らなくてもいい。全ての補助で5カ所取らなくてもいい。
これによって効率的に土を取ることができますし、なんせ楽ですし、お金もかからない。
土壌分析にどれくらいのコストをかけているかは、皆さんそれぞれだと思います。
消費者さんでは無償でやってくれているところもあるかなと思いますが、
農協さんに出すと費用がかかるということもあるかなと思います。
これは地区によって違うと思いますので、そこここの状況次第だと思いますが、
それでも誰かの手間、誰かの努力が必要かもしれません。
それでも誰かの手間、誰かのお金を使っていることに代わりはありませんので、
そのお金が投資とトライになれば、せめて収穫物だとか経費を削減するだとか、
何かしなければ正直無駄になってしまいます。
自分のお金が無駄じゃないにしても、誰かのお金が無駄になっているのであれば、
それは全体の無駄になってしまうわけで、もったいないですから、
そうではなく、せっかくやるなら効率的な全体最適を考えていったらいいんじゃないかなと私は思っています。
ということで、実質紹介の本日は土壌分析、土壌診断、これの土の取り方という
処方的なところからお話ししてみました。
お話ししたものの、これは正直あまり出回っている情報ではないかなと思います。
言っている人は言っているのかもしれませんね。
ただ口頭で伝えることができても、これを文書にして回すというのはなかなか難しいかなと思います。
変なことを言ってクレームが来ても困りますし、余計なことは言わないというのが
この業界の常識かもしれません。
ですが、私はよくも悪くも匿名でこの情報を発信していますので、
そこを逆手にとって、実際本当に役に立つ話をしていこうかなと思います。
意図的に良かれと思って、繊細なところにも触れていこうと思いますので、
ぜひそういう目で見てもらえれば、聞いてもらえれば嬉しいなと思います。
クレームはつけないでください。
ということで、初回の放送は以上になります。
次回は実際に出てきた診断書の見方というところから、
初心者の方でもわかるように、ここだけ見ておけば間違いないよねというところを
まずお話ししていこうかなと思いますので、
ぜひ引き続きフォローして聞いていただけると嬉しいです。
私の経験を余すことなくお話ししていきますので、
ぜひ現場で迷わない判断軸を一緒に作っていきましょう。
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ではまた。