土壌改良の基本
おはようございます、あさひです。
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さて、今日の表じゃ語れないトークは、土壌改良の基本中の基本、物理性、生物性、科学性のどこから直すべきかという話をします。
実は、この順番を間違えると、どんなに良い資材を入れても全く結果が変わらないということになってしまうんです。
現場で何百枚もの保証を見てきましたが、本当に成果が出る順番というものがあります。
これについて今日はお話ししていきます。
まず、なぜ順番が大事なのかなんですが、その前によくあるパターンとして、よくありがちな考え方として、
とりあえず、節解と肥料で平和と養分を整えておこうというものがあるかなと思います。
これをやってしまうと、ドツボにはまってしまいます。
これ、考え方によってはあっているんですが、考え方によってはあっているんです。決して間違いではないんです。
ただ、土づくりというのは長期的な視点で考えていかなければなりません。
短期的に今すぐできること、今年どうにかしなければいけないという場合には、確かにこれ間違いではないんです。
肥料と節解で平和を整えて、最低限の養分で何とか力技で持っていく、これは決して間違いではないんですが、
これに頼ってしまうと、ここだけで終わってしまうんです。
例えて言うならば、明日試験がある、明日テストがある、なのに全く勉強をしていなかった、
今日は一夜づけでどうにかしなければならないということで、
今日徹夜で何とかして頑張る、こういう状況がこのやり方です。
もう明日テストなんでしょうがないんで、そこ頑張るしかないんですが、
だから栄養ドリンク飲んで、ミンミンダハンを飲んで、この8時間とか睡眠時間を削ってここでやるしかない、
これもここを差し迫っているとやるしかないので、決して間違いではない。
間違いではないというか、それしかないので、それをやらないよりはやった方がいいんですが、
戦略的に土作りをして、そして農業経営を考えていくのであれば、ここから始めるのは間違っているんです。
土壌では実際のところ、どれだけ平和が高かろうと、どれだけ素晴らしい養分環境を整えていようと、
実際のところは水と空気が通らない土であると、どんな養分も機能しないんです。
つまり物理性が一番大事です。
有機物の改善方法
これは車のエンジンでいうとオイルラインのようなものです。
通らなければ燃料も微生物も動かないんです。
ということで物理性は土の中の欠陥、詰まった欠陥に栄養を通しても意味がないというように覚えておいてください。
物理性が一番重要です。
では物理性の問題とはどんな問題か。
例えばですが糖圧、交番、排水不良、それから糖水量の問題。
特に柔粘度補助法ではこれらのことが致命的になることが多々あります。
柔粘度の場合、干ばつが起こると火割れして根が一緒に切れてしまいます。
逆に大雨が降ってしまうと海水してしまい根腐れを起こす、あるいは出てきたばかりの芽が窒息して水没して死んでしまうということもあります。
物理性は非常に重要です。
こういった土質の補助をお持ちの方は漏れなくサブソイラーを通すなどして水が逃げる通路を作っておくだとか交番層を破壊しておくなどのことは当たり前のようにやっているかなと思うんですが、
粘土自体ではないところで、ふかふかの土壌がメインのところでたまに粘土の場所があるというようなケースでは、
あまりサブソイラーで水を切っておくだとか交番層を破壊しておくということがやれていない場所もあるかなと思います。
それがその地域の当たり前であったら皆さん当たり前のようにやっているんですけど、
当たり前でない土壌の場合、実はこの技術は当たり前でないこともあるかなと思います。
まずそこで土台を整えること、そして彩度・暗居・有機物の透き込み、これで物理性の改善を前に進めます。
彩度はですね、これもう春先の仕事ですね、彩度。
ここ春にどれだけ時間をかけられるか、余裕を持って作業できるかにかかってくるかなと思います。
もちろん天候に左右される農業なので、やっつけ仕事で彩度を適当にやってしまう場合もやむを得ずあるかなと思うんですが、
可能な限り彩度は丁寧にやっておかないといけません。
ここで作物の初期性質が大きく変わってきます。
ただし彩度もやればやるほど良いというわけではなくて、粘度がきついような土壌で彩度を細かくやってしまうと逆に土が締まってしまい、
雨が降った時に水分が多くてその土壌が締まってしまって窒息してしまうということもあります。
なので土壌の上の方なのか下の方なのか、ここで物理性を変えていかないといけないんです。
特に下の方は荒く、上の方は丁寧に彩度をしておくことが重要と言われますが、
これは理想論であって、なかなか現実やるのは難しいことかもしれません。
そして暗虚ですね。暗虚もなかなか投資費用がかかることなので難しいかもしれません。
排水性を良くする暗虚が効いているか効いていないか、これはかなり視覚問題かなと思います。
我々が一番手を施しやすいのはこの有機物の突き込みによる物理性の改善ではないかなと思います。
そもそも根っこが張っている作物、根を深く下ろす作物を作っているかどうか、ここも臨作体系で一度見直す価値があるかなと思います。
空き小麦のように深く根を下ろす作物、一方で玉ねぎのように根が浅い作物、これでは物理性の改善効果か云々の差です。
あえてコーンのような作物を作ることで物理性を改善するという人もいるかなと思います。
本当にそれは理にかなっている臨作体系です。
デントコーンやスイートコーンのようなコーン類は比較的CN比が低い作物と言われています。
この残砂ですらCN比が低いです。
なので腐りやすいと言われています。
これは物理性の改善にはもってこいです。
一方で稲藁、麦藁なんかはCN比が高い作物です。
作物というか有機物です。
なのでこれを腐らすためには多少の窒素の供給が必要かもしれません。
吸き込むときに窒素を施すんです。
リューアンでも系粉ですね。
こういったものでも構いません。
これを使用してさらに浅く起こすことが重要です。
腐りにくい有機物、これを地中深くまで入れてしまうと
酸素が行き渡らず微生物の活動がちょっと弱まってしまって
それで有機物の分解が進まない、腐熟促進が進まないということがあります。
よく空き小麦を買った後にその稲藁を深くに埋め込んでしまう。
プラウをかけるような転地返しをしてしまうと
その藁が2年後3年後再びプラウをかけたときに
全く腐らず戻ってくるということがあります。
これは全く腐っていないので
その有機物はこれから腐るときに窒素を奪ってしまいます。
なので窒素飢餓になる可能性があるんですね。
そうすると余計に窒素を食わせることになるので
コスト的にもあまりよろしくありません。
肥料効率が良くないということになってしまいます。
なので緑肥を吸い込むときはできるだけ浅く起こすというのが鉄則です。
気石灰のようなpHを強制させる能力のある石灰資材をこのときに入れておくと
微生物の活動も活発になるのでありかなと思います。
なので駆動気石灰だとか駆動なしの気石灰がたくさんありますし
石灰窒素ですね。
これもpHを上げつつ窒素を供給するという素晴らしい分解効果がありますので
利にはかなっている資材です。
土壌改良の基本
ぜひコストに余裕のある方、この資材を使ってもらえたら
有効活用できるかなと。
有機物をうまく分解できるかなと思いますので検討してみてください。
これらの努力を通じてようやく通気性が確保されてきます。
そうすると微生物が仕事を始めてくれるんですね。
有機物を酸素がある状態で分解できる環境を作るというのが重要なステップです。
先ほどのベースを整えることによって有機物が腐りやすくなるんです。
弾重構造だとかミミズだとかセルドースの分解だとか
これらのキーワードというのはここで初めて聞いてくるわけですね。
発酵が進むだとか匂いが減るだとかニハリが変わるというのも
この辺で大いに出てくる効果です。
実は微生物というのは工場でいうところの労働者です。
彼ら労働者が働きやすい環境を作ってあげないと
いくら材料を入れたところで彼らはその材料を加工してくれないんですね。
労働者が働きやすいまさに今働き方改革なんていうのは
日本で普及している活動かもしれませんが
それと同じことを我々も途上中でやらなければいけないです。
微生物がぜひ働きやすい環境というのを意識した工期だとか
力費の投入だとかをやってみてください。
そしていよいよ最終ステップが化学性の最適化です。
ここでCCだとか遠気氷圧、pH、リン酸この辺の数値を
整えるところがやってきました。
ただし化学性というのは数字で見える部分なんですね。
土壌診断やれば簡単に見える化することができます。
なので我々は井の一番にここに手をかけたくなってしまうんですね。
もちろん手をつけやすいところから手をつけるというのも決して間違いではないんです。
ただしそれだけやっても簡単には土壌は変わりませんし
それをやったからといってどうしてうちの故郷だけこんなに化学性を完璧に整えたのに
収量が上がらないんだろう、生育が上がらないんだろうということが
頻繁にあちこちで起きています。
それらが起こる原因というのは今までお話ししてきたように
基盤が整っていないからです。
水と空気の通り道、物理性が整っていない。
微生物が動く環境、生物性が改善されていない。
なので養分がどれだけ整っていても
まったく作物が根っこが据える状態ではないということになるんですね。
ということで今日の内容は以上になるのでもう一度要点をおさらいしておきます。
まず一番重要なのは物理性です。
空気と水、そこに根っこを張らせる、これが大事です。
2番目に生物性です。
分解だとか弾流だとかこの辺が関わってくるところです。
最後に化学性です。
実践的な土壌診断
これは数字を見ながら補正していきましょう。
よく肥料の選定場面で出てくるワードとして
小酸体があったほうがいいとか多いほうがいいとか少ないほうがいいとか
あとpHはどう残るのだとか
それからリン酸の高い低いカリがあったほうがいいないほうがいいとか
そういう話をよくするんですが
ただ一番作物にとって大事なのは空気と水なんです。
これをおろそかにしてしまうと
どの成分をカリを高くしようがリン酸を高くしようが
小酸あるなし考えたところで
それ以前の話になってしまうんですね。
なのでぜひ物理性これを意識した土壌改良をしていきましょう。
土を採る際などにシャベルを一本持って掘ってみたら分かると思います。
手で感じる粘土がきついだとか砂気がきついだとか
ふかふかだとか匂いがどうなのとかいっぱいあると思います。
まず数字を見る前に手で掘ってみて感じる
これが本当の土壌診断かなというふうに思いますので
ぜひ皆さんの補助をまず掘ってみてください。
自分の補助なのでそれが皆さんの資産だと思うので
それをないがしろにしてはいい作物は採れなくなってしまいます。
自分の目でしっかり見てみましょう。
それでは今日の内容が良かったと思ってくださる方がいましたら
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ではまた!