肥料名のSの意味
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さて、今日のオモテじゃ語れないトークは、
肥料の名前に付いているSの意味を解説します。
例えば、S208とか、S004と言ったように、
肥料の名前にSという頭文字が付いていることがあると思います。
気づいている人は気づいていると思います。
逆に、Sが付いていない450だとか、440だとか、400のようなものもたくさんあります。
686とかですね。
こういうものもありますが、なぜSが付いているものと付いていないものがあるのでしょうか。
これをご存知の方は、肥料を安く済ませる技を持っています。
術を知っています。
このSがあるかないか、これですね。
これを知っていると、この肥料はこの作物に使える、使えないの判断ができるようになるんです。
なので、ここ数年、肥料は価格が高騰して、
なかなか農家さんの経営を逼迫させている一つの要因になっているかなと思うんですけど、
これを知ることで、農協の例えば銘柄一覧から適切な肥料を選定できるようになる。
あるいは商社さんの担当者から提案された肥料、これじゃなくてもいいんじゃないっていうような指摘をすることも可能になる。
ちょっと面白いですね。
なので、交渉の場でも役立つでしょうし、自分の経営に生かすことがすぐ直結するという意味で可能になる話なので、
ぜひ今日はこれを覚えてもらいたいなと思います。
それでは早速内容に入っていきますが、まず結論からいきましょう。
このSはですね、硫化カリを意味するSです。硫化カリ。
硫化の硫、これ硫黄ですね。
おそらくこれサルファのSかなと思うんですけど、硫化カリを原料に使っている銘柄にSが使われています。
カリの原料には硫化カリと塩化カリの2つあります。
肥料を製造する際には窒素とリン酸とカリ、この3要素が基本的に入ってきますが、
例えば窒素は硫黄を使おう、リン酸は重化石を使おうだとか、
カリ分としては硫化カリを使おうというような感じで、いろんな原料の肥料を組み合わせて1つの銘柄ができるわけですが、
この中で硫化カリを使っているものがSというふうに表記されるわけですね。
なので皆さんいろんな作物を作っていることかなと思います。
ハタサク4品、それに水棟、あと楽農家さんであれば牧草ですかね。
こういった様々な作物を皆さん作っていると思うんですが、
ご自身が作られている作物を踏まえて硫化が入っている銘柄を選ぶか選ばないか考えて肥料を選定してください。
以上です。
硫化カリと塩化カリの違い
と言ってしまうとちょっと乱暴ですね。
この硫化カリが入っている銘柄と入っていない銘柄とどっちを選んだらいいのかというところが非常に大事なので、ここも補足していきます。
の前に大事なことを言うのを忘れました。
硫化カリを使っている銘柄と塩化カリを使っている銘柄、何が違うかというところはもちろん成分も違うんですが、価格が違うんですね。
基本的に硫化カリの方が高いです。
なぜかというと塩化カリに対して硫酸処理をすることによって硫化カリというものができているということになっています。
なので一工程挟んでいるので硫化カリの方が高いというわけですね。
なので肥料を少しでも安く済ませようと思ったら塩化カリが使われている銘柄を選んでください。
すなわちSと入っていないただの450だとか400だとか686だとかこういう風に書かれている銘柄の方が安いんです。
Sが入っていない方が安い。逆にSが入っている銘柄は高いです。
なので少しでもコストを安く済ませたいのであれば繰り返しになりますが、Sが入っていない銘柄を選定しましょう。
価格、コストで選ぶのであったらこういう考え方になるんですね。
では一番重要な本質的なところ、土壌学的に硫化カリと塩化カリどっちを選んだらいいのかというところですね。
まずこれ成分がですね副成分が違うんですよ。カリというのは間違いなく含まれています。
カリにはこれちょっとお話がそれますが、作物の転流を促す重要な作用がありますので、
例えば光合成でできた生産物等分ですね、これを葉っぱに送ったり成長点に送ったりっていう重要な役割がありますので、
運び屋さんですね、トラックのような感じですね、こういう役割がカリにはありますので、
特に生育の後半で重要と言われている成分がカリです。
このカリをどの原料から取っているかというところですね。
まず塩化カリには塩素が含まれます。塩素と言われたらよくプールを思い出す方が多いかなと思いますね。
塩素が含まれているとどうなるか、これはですねECが上がりやすくなります。
塩類濃度が上がりやすくなります。
なのでそうですね、塩類、塩素に弱い作物はまずこの塩化カリを選んではいけません。
それからハウス作物、施設園芸など塩類が収積しやすい作物、これも塩化カリを選ぶべきではありません。
なのでせっかくコストが安い塩化カリを使ったSの付いていない肥料ですが、こういう場合にはあまり適していないと言えます。
どういう時にこの塩化カリが使われている名殻を選んだらいいのか。
それはですね塩類にあまり弱くない、塩素に弱くない作物ですね。
例えば稲荷作物、水糖、小麦、それから牧草もまあまあよくこれ使われますね。
牧草といってもいろんな種類があるので一概には言えませんが、地申とかそういうものであれば普通にこの塩化カリ名殻が使われています。
あと装置はですね、大規模でやっているケースが非常に多いですので、ちょっとコストの高い、コストのかかる塩化カリを使っている場合ではないというケースもあります。
なのでその作物という観点からもコストという観点からもこの塩化カリの名殻が使われることが非常に多いです。
で稲荷は基本的にこの塩化カリの名殻ですね。
Sが付いているものは使っていないはずです。
作物に応じた肥料選び
水糖農家さん、それから小麦を作っている原作農家さん、Sは使っていないはずです。
これが塩化カリの内容です。
次に硫化カリですね。
硫化カリには硫酸の硫にカリの化、これで硫化になっていますが、硫酸の硫をすなわちこれ、硫黄が含まれますね。
硫黄分が含まれます。
なので塩素はないんですけど硫黄がある。
これどうなるかというと、生理的には酸性になるんですね。
生理的に酸性。
どういうことかというと、どちらかというとpHを下げるような働きがあるんです。
なのでこれ難しいところですね。
塩素は嫌だけどpHはちょっと下がってしまうんだよねっていうところがあるんです。
ただ塩素の害の方がやはり作物にとっては大きいので硫化カリを選ぶことになります。
どんな作物が硫化カリに使われるかというと芋類ですね。
芋類、さつまいも、バレーション、こういった芋類。
特に繊維質の多い作物っていうのは硫化カリが選ばれる傾向にあります。
逆に硫化ではなく塩化を使ってしまうとライマンだとか澱粉質だとかこの辺に影響があるというふうに言われたりもします。
なので芋類は基本的にSって書かれた肥料銘柄が使われているかなと思います。
それから比較的高収益の作物、野菜ですね。野菜類です。
野菜類も主にSと言われている銘柄が使われます。
このSがないと、Sの方が無難と言えば無難なんですよね。
塩素の害理を受けないので多少pHが下げる方向にはいくかもしれませんが、石灰を使用すればpHは強制できるというところで
このSを使っておく方がアンパイだというような発想で
基本的には畑で塩素が入っていないこの硫化カリが使われている銘柄Sものが使われることが非常に多いです。
例えばかぼちゃ、玉ねぎ、ブロッコリーとか白菜とかレタスとか、こういったものですね。
あとビートとか豆類もそうですね。こういったSですね。
なので基本的にやっぱり銘柄じゃなければSっていうような発想が基本的には間違いないかなと思います。
ではこれを踏まえてどうやって肥料のコストを削減するかという話についてはちょっと長くなってきたので
明日の配信に回します。ぜひ興味ある方は明日も聞いてください。
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引き続き農業経営の価値筋を一緒に考えていきましょう。ではまた。