中間管理職の役割への疑問
小田中育生
あらたま・いくおのマネジメントRadio
Makoto Arata
この番組は、事業とエンジニアリングのマネジメントを探求する2人のEMが、雑談多め定期でお届けするポッドキャストです。
小田中育生
はい、では早くも第3回となりましたが、案の定ですね、AIとマネジメントが
Makoto Arata
第1回に収まりきらなかったですね。
小田中育生
収まりきらずというわけで、最初から分かってたような気もしますが、第3回はAIとマネジメント後編ということで、いきたいと思います。
Makoto Arata
よろしくお願いします。
小田中育生
よろしくお願いします。
で、前回最後に触れたように、今回はAIとマネジメントの中でも、そのAIが発達していく中で、マネージャーという存在が必要なのかどうか。
特にミドルマネジメント、いわゆる中間管理職ですね。
先日、ノート私好きでよく眺めてるんですけど、早川ゴミさんという方が、AIの時代に中間管理職っていりますか?っていうノートを出してて、僕はすごい共感したんですね。
僕は常日頃から早くAIに仕事を奪ってもらいたいと思っているので、すごく共感すると同時に、
前半でも少し話した、マネージャーがAIに触れて、AIを推進しなければチームにとって致命傷になり得るという話をしたじゃないですか。
Makoto Arata
はい、しました。
小田中育生
で、早川さんのノートですごい示唆に飛んでたのが、中間管理職が自分の仕事を奪われると思ったら、AIを推進するのは彼らにとってインセンティブじゃないよねってなって。
我々はそのAIに触れて知らなかったら、やっぱりちゃんと推進しないよねって思ってるけど、確かに仕事を奪われるかもっていう不安を持っていると、それはそれで推進しないことになっちゃうなっていうのは面白くて。
Makoto Arata
それはコードを書くことが趣味であるプログラマーの人が、AIの態度によって自分が職を奪われるかもしれないって感じるのと同じ構図ってことですね。
小田中育生
同じ構図なんじゃないかなと思いますね。だからこそじゃあ、今と全く同じことやってたら、その仕事いらなくなりますかねって言ったら、イエスなんですよ、おそらく。
で、じゃあ、今目の前でやってる仕事がなくなるが、イエスの時代にどうしていったらいいのかっていうのは、この後半、AIとマネジメと後半話してみたいなと。
Makoto Arata
なるほど、なるほど。自分がこれまで転職などして職場を変えてきたみたいなもちろん原因の一つではあるんですけど、そうじゃなかったにしても、自分が選ぶ職場がそうという話ではあるんですけど、
1年前と今で同じことをやっていた試しがないんですよね。なので、同じことの繰り返しがAIに仕事を奪われるみたいなのは、感じるという力学自体は理解できるんですけど、
逆に今やってることをAIに引き継いで、自分がいかに新しい、これまでやりたいけどやれてなかったことをやれるかみたいなことを考えるのはすごく楽しいなって思ってしまうんですね、自分個人としては。なんですけど、そういう話ではないんですよね、きっとこれは。
小田中育生
みんながそうだと開始5分にして結論が出たなっていうところで、ほんとおっしゃる通りで、むしろいいことなんですよね、これまでそれこそ中間管理職でいうと、やれ勤体管理だとか、この経営が言ってることを現場から見ると納得感ないからどう納得してもらうかとか、間に挟まれてちょっと嫌になっちゃうよみたいなところがあるじゃないですか。
マネジメントの変化
小田中育生
でもそこをAI使うとその情報をしっかり整理して、それぞれのコンテキストで伝えるみたいなこととか、あとそれ程度の愛、なんでしょうね、要は経営レイヤーの人が一人で見れるニーズには限界があるから、そういう中間みたいな階層が必要だったんだけど、そこをテクノロジーの力で一人で見れる、鑑賞できる範囲がバンと広がるんであれば、
相手に人挟む必要はなくなって。
Makoto Arata
大質問です。広がるんですか、本当に。
小田中育生
いい質問ですね。
Makoto Arata
いや見られる人間の範囲が、まあそのAIによって自分の業務が代替されて、そのより広い視点だったりあるいは深い視座だったりっていうのが持てるようになるみたいなのはそれはそうだよねと思うんですけど、
言ってもこう、なんて言うんですか、マネジメントの仕事の本質みたいなところは変わらないので、その一人あたりにかける絶対的な実感みたいなところは確かに減るかもしれないですけど、
それでも一人のマネージャーが30人いますってなった時に、その一人のマネージャーが例えば5人見てますっていう時と同じ質だったり同じ量っていうんですかね、そのAIに補完してもらった上でもその同じ質同じ量でマネジメントがし続けられるのかっていうのはあんまりわかってないです、それができるようになるかどうか。
小田中育生
まあいい問いですね、それと言うといろんな変数を固定した時に、メンバーが所有の条件のままです、メンバーとマネージャーのコミュニケーションパスのところだけにAIが存在して影響を及びますだとおっしゃる通りかな、多分その人数増えてもこの普通なところに変化されてくるんですが、
今の世の中で起こっていることってメンバーも当然AIを傍らに抱え、経営もAIを抱え、マネージャーも抱えて、それぞれの働き方が変わってきていて、そもそも見るってなにって、マネージャーが人を見るっていうところのそこってなんだろうっていうところなんですよね。
キャリアを形成していくっていうところのスポーツとか、その人と人をつなぐみたいなところも外位されていれば、なんかテクノロジーマネジメントとかプロジェクトマネジメントとかも外位されている中で、じゃあなんで人のマネジメント必要なんでしたっけっていうと、その人の持っている価値観とかを組織のところにバッチングさせていく。
その育成と評価だったりとかエバレーションってもちろん大事なところなんだけど、そこっていうのが取った行動からある程度機械的に評価に落とし込めるみたいなのが正義な世界になったら、そこってなんか人間による人間的な評価とかウェットなものは不要になる可能性はある。
それは今めちゃくちゃ極端な話をしてます。っていう極端まで振ったことを考えると、僕らが想像しているマネジメントっていうものが存在しなくなるっていう意味で、今のスケールしてって見れる範囲が大きくなるから、いらなくなるよねというよりは脱本的にやることが変わるっていう意味で、なんかその伝令みたいな中間管理職いらなくなるのはありえるかなと。
Makoto Arata
それはそうですね。そのマネージャー定例会議に出て、定例会議で話された内容をちょっとチーム向けにアレンジして、そのチームの定例で話すみたいなことが必要ではなくなるかもしれない。それはあるかも。
小田中育生
そうそう、その情報集約してブレイクダウンしてみたいなこと、私個人の感想としては今でもそれもいらないと思って。今例として挙げられたと思うんですけど、そういう今でもこれってもう一段解釈を自動化したりとか、なんでその解釈がいるかというとチームにとってはちょっと大きすぎるリリースの話があったりするから趣旨選択してるってなると思うんですけど、
それもチームにいるメンバー側がそもそもAIの力使って、AIの力使わなくてもいいんですよ、別に。
Makoto Arata
AIで取りに行ければ、それはそれで。
でっかい情報を自分にフィットするように加工してインプットできるようになってれば、そもそもこのブレイクダウンで連合ゲームで必要ない。
でもそのある種マネージャーの役割って、情報をプルじゃなくてプッシュしてくれるところにもあると思っていて、その機能をマネージャーはその人間がやる必要は必ずしもないんですけど、
プルできるところにあるからいいでしょっていうのは、その情報の透明性を担保してることにはやっぱりならないんだよね。
流通させて初めて情報が行き渡っている状態が作れて初めて透明性が担保されるっていう話もあったりするんで、
その仕組みっていうんですかね、プッシュされるような仕組みを作るみたいなのは、次のステップでマネージャーに求められることなのかなとは思いますね。
小田中育生
そうですね、いや本当にその通りかなと。回想の中の連合ゲームを成立させていくみたいなのはおそらくいらなくなって、
なんでかというとその情報が逆に溢れかえってしまった中でうまく取得するのって難しかったりするので、あそこのキャッチの仕方だったりとか整備していくっていうのは、そこは必要になっていくのかなと。
プロダクトマネジメントとAI
Makoto Arata
これは例にとって情報の運営主体のデータの話を元にやりましたけど、他に、そうですね、例えばプロダクト主体のマネジメントがどうかあっていくみたいな話も少し踏み込んでしておきますか。
小田中育生
そうですね、プロダクトに関しては今の時代のプロダクトマネジメントで言うと、やっぱりかなりいろんなことがデータで取れるようになってきてるじゃないですか。
実際ユーザーがこの機能を使ってるのを使ってないのとか、レイテンシーがどれくらいになったら離脱してるかみたいなのが、定説として2秒を超えると離脱するよねみたいな、
それもデータに基づいたものだけど、自分たちが組織に行き着いたデータじゃない2秒離脱みたいなのがリアルに見れるようになったり、
一方でその訂正的なデータも大事じゃないですか。定量的なものだけじゃなくて、しっかりユーザーインタビューしたりして得られたもののインサイト。
その訂正定量の情報を基にしてプロダクトを作っていく。さらにそれをビジネスにつなげていくっていうのがプロダクトマネジメントにおいて非常に重要だなと思ってるんですけど、
今AI時代において、これ今の生成AI時代に限らず、2015年ぐらいかな、あの頃もうディープラーニングがファーっとやってきたときに、展示会とか行くとAI入ってますみたいなプロダクトがめちゃくちゃあった。
Makoto Arata
本当にたくさん出てきた。猫も作品もAIって言ってればなんかすごそうって思ってもらえる時代。
小田中育生
そうそうそう。でそれがある種今リプライズしている状態ではあって、なのでプロダクトマネジメントの中でAIを使っていくのって、解決するべき課題にフィットするのは絶対使ったほうがいいんだけど、またそのAIって言いたいからAI入れるみたいなのがちょっと、
ハウが先行しちゃうみたいな。
そう、出てきてないみたいな。でハウが先行は必ずしも悪いわけじゃなくて、自分たちでAIをどううまく使えるかわかんないから、とにかくいろいろやってみようよって、そういう探索のハウには僕はすごく意味があると思うんですね。
Makoto Arata
うん、そう思います。
小田中育生
でなんだっけ、そのAI使った瞬間にめちゃくちゃ売れて、もう風呂場に札束浮かべるぜみたいな世界来るかっていうと、まあそうじゃない。
Makoto Arata
そうね。
一方でそのAIを使った機能の習熟度みたいなのは、今すごくその開きがある、格差が開いてるなっていうふうに思っていて、今AIエージェントっていうキーワードがホットになってるんだけど、エージェントを使ったプラットフォームを作るみたいなところにもう乗り出している会社もあれば、
一方でその自社のプロダクトにAIを自然に溶け込ませるにあたりはないかっていうところで悩んでる部分もあって、その既存の、実際その自分がプラットフォームにAIをどう組み込もうかっていう現場にいてすごく思うのは、既存のプロダクトにAI体験を組み込もうとすると、既存の力学にすごく踏み込まれてしまうっていうか、
小田中育生
そうですね。
Makoto Arata
例えばレイテンシー一つとっても、そのAIを噛ませるっていうことは、例えば平均して10秒ぐらいはレスポンスに待ってもらうことになったりするので、使うモデルにもよりますけど、そのレイテンシーが許せるユースケースと許せないユースケースってあると思うんですよね。
プロダクトマネジメントの重要性
Makoto Arata
その既存の、例えば私たちは今帳表のOCRとかをやったりしてるので、そのOCRをかけてますっていうのはプログレスを出すとかをして、その処理に時間がかかってるんだよっていうことを示すようなAIを採用してたりするんですけど、それと似たような不定である処理をやっているときの表現の工夫だったり、
もしくは事前にプロセスを終えておいてその結果だけを出してあげるだったり、そういう普段と同じように機能を作って同じように載せて出すだけではダメなんだなと。
で、その同じようにやってる限り、そのAIを使った体験だけがすごく浮いてしまうので、浮かないようにするためにはそっち側が種であるっていうふうに脳を切り替えてやっていかないと、作れるものは作れなくなっていくなっていう危機感メーターもすごく感じてます。
小田中育生
まさにといったところで、そのAIじゃなきゃできないところだと、そもそもこれまでないので、それ自体今のAIの性能を右ストップしても問題ないかなと思うんですけど、今目の前にある自分たちが開発しようとしているものがAIにフィットするのか、AIじゃない方がいいのかっていうところを判断するのは実は機能要件だと判断つかない。
機能要件のところで、それこそレーテンシーの話なんですし、あとやっぱ忘れちゃならないのがコストっていうところで、まあまあかかってますよね。
Makoto Arata
そうなんです。1回実行するごとに10円かかっちゃったらもう。
小田中育生
そうそうそう。さすがにだから、原宅作るのにAIはたぶん使わないじゃないですか。1たす1は2を出すのに使わない。あなたが今それを置き換えようとしているものって本当にリーズナブルですかっていうので、
プロダクトの中のそれに求められているもの、機能要件まで含めたものを描き出せるっていう、全体で見たプロダクトマネジメントっていうのは、今また重要になってきているのかなっていうのはすごい思います。
そこをクリアしつつ、でもこれまでの技術だと実現できなかったこと、やりたかったことがどんどんはまるんですよ。それもどんどんやったらいいかなとは思いますね。
だから曖昧なものを構造化するみたいなのはやっぱりすごく上手だと思うので、そういったのは使ったほうがいい。逆に確実性を持っているものに対して、それぞれ2015年ぐらいのAIウェブの時も、
あった。すごいあって、これAIだと100%正解にならないのはどうして、そういうものだからですっていう、リコールとプレシジョンみたいな話をしなきゃいけないんだけど、リコールとプレシジョンでこういう仕組みになっててみたいなのを説明しても、
AI入れたいって素朴に思ってる側って、とにかくなんでもいいからAI入れたいんじゃんってなってるから、でもそこをある意味そこにステークホルダーマネジメントっていうのも入ってくるんですけど。
で、AIを使いたいっていうのが何かっていうところに解決したい課題があって、それを解決するならやっぱりパソコンとフィットしたものをやらなきゃいけないし、AIを使ったってプレスリリース打ちたいですだったら、それはそれでビジネス的な意味としてはすごくあると思うんですね。
で、だったらそのあなたのど真ん中の機能じゃなくて、なんかここら辺になんかちょっといい感じにスモールな影響少ない新機能を出せませんかとか、で、そういうビジネス側の意向も汲み取った提案をできるっていうのは実は大事だなと思ってて、で、ここで急に冒頭の話に戻ってくると、そういういろんな人の顔色を伺って提案するのは中間管理職得意なはずなんで、生きる道はそこかもしれない。
Makoto Arata
なるほどな、ステークホルダーマネジメントとのあとはプロジェクトマネジメントみたいなところですかね。
小田中育生
そうですそうですそうです。
Makoto Arata
そこにこうシフトしていくというか、重心が移っていくというか、そういう可能性は全然ありますね。
小田中育生
自分が培ってきた空気読み力とかその中間管理職としての様々なステークホルダーの思惑をいい感じにまとめるっていうのを、このAI時代のプロジェクトマネジメントだったりには全然活かせる余地があるんですよね。
Makoto Arata
いや、ミドルマネージャーの人、空気読める人ばっかりなのかな。
小田中育生
いい質問ですね、これは。
Makoto Arata
いやなんか、自分自身の要請があるにしたって、会社からの要請があったにしたって、マネージャーやってくださいってくれた時に、
周りに合わせるタイプのマネジメントができる人と、俺はこういうキャラクターなのでよろしくって言って、周りが自分に合わせるスタイルのマネージャーを貫く人もいるじゃないですか。
小田中育生
ジャイアンスタイルの。
Makoto Arata
みたいなね。その、どっちがいいどっちが悪いって話ではない。それはその人のマネジメントスタイルなので、そこに対して何かを言うつもりはないんですけど、
得手して候補者の人は、ステークホルダーマネジメントを自分の職務から外していることが多いように思います。
小田中育生
それってでも中間管理職として成り立つんですよ。
Makoto Arata
それは、でもその人たちが何を求められているかによるよね。
小田中育生
まさにそうですね、中間管理職っていうのはそもそも幅広いなって、今アラタマさんと話してて思ったんですけど、パワー系の方がじゃあワークしないか、親父御免かっていうと、
そうじゃなくて、要はその自分が正しいと思ったものを突き通す強さはあるわけじゃないですかね。
で、これまでそれが通ってきているのって、なんだかんだその人の提案したビジョンだったりとか、ビジョンがいいねだったり、その人がいいからやるぞって言った時に、
組織が求めるものを成果を出したり、そこにいる人が評価される状況を作っていたってことはあるんですね。
なんでその人のタイプ、ゴリゴリ系なのかっていう話を聞くとか、コンピテーションもすごい大事なんだけど、コンピテーションだけじゃなくて、その人の生み出してきた成果を再度点検して、
で、その成果を出せるならいいですよね。で、所有の条件がAIがありますみたいなところとか、で、AIがあるのって今自分の手元だけじゃなくて世の中中にあるよねっていう、
一般の方々もAIを使っているので、要は実は作るプロダクトにも影響してきてるんですよね、っていう中で自分の強みを生かすにはどうしたらいいんですかっていう内省があれば、
Makoto Arata
自分のことをリフレクションしてきて振り返っていくっていう姿勢こそが今多分ミドルマネジメントには必要なんじゃないかな。
そしたらその始めの一歩として自分が今やっていることを業務の棚卸しみたいなことをしてみて、こういうことにこのぐらい時間を使っています、
これを使うとどのぐらいエンハンスされますかとかどのぐらい時間が短縮されますかっていうのを一個一個見ていくみたいなのは一つ自分の身の振り方を変えるなり変えないなりはそれ次第ですけど、
っていうことは一つアクションとしてできるかもしれないですね。
小田中育生
そうですね。めちゃくちゃ綺麗にまとまったところで、じゃあ後半戦はこんなところにしておきます。
Makoto Arata
はい、そうしましょうか。ありがとうございます。じゃあ2回にわたってお送りしてきたAIとマネジメントということで、次はまた違うテーマでこの話をしていければなと思います。ありがとうございました。
小田中育生
ありがとうございました。