竹下
実際のところ音声コミュニケーションができるようになっても、多分それによってできるコミュニケーションの幅ってそんなに広くないんじゃないかなっていうのは思ってます。
もちろんこれは動物種ごとによって全然違ってくることだとは思いますけどね。
それこそ大規模言語モデル、チャットGPTとかそうですけど、今は言語でのやりとりがメインですけど、ちょっと1年ぐらい前からチャットGPTとも音声で対話できるようになったりしてると思いますし、
あとはこれはまだ研究がいろいろ進んでるところですけど、手話の認識みたいなこととかもできるようになってきていて、そうするとこれって体の動き、ジェスチャーとかそのボディランゲージによってコミュニケーションをとっている。
それが人間の手話とかにおいて言語モデルとかAIを活用する事例っていうのが出てきてるんですけど、ボディランゲージの認識ができるようになれば、それこそその人間以外の動物に対しても適応できていくことだろうと思うし、そうすれば音声以外のコミュニケーション手段をちゃんと翻訳できるようになっていく可能性があるかなとは思います。
むらた
なるほど、動物の言語がわかるようになって、先ほどは悪い方に、人間の都合がいいように誘導するのに使われるっていう可能性もあるっていう話でしたけど、
逆に非人動物もちゃんと配慮された社会を目指すにあたって、うまい使い方というか、そういう可能性もありますか。
竹下
そうですね、私が思っているのは、一つはさっきも紹介したペットテック産業っていうところでロボットがどんどん家の中に入っていて、犬とか猫とかとコンタクトを取っている状態になりつつあるんですけど、どうしてそういうペットテック産業が出てきたかっていうと、
一つには家の中に保護者がいない時間帯、例えば仕事に出ていて、家の中に一人取り残されてしまっているみたいな状態になっているっていう現状があって、犬とかはそれによって分離不安症っていうような、本当に寂しくて不安になっちゃってっていうので精神的に病んでしまうっていうことがあったりするんですけど、
コミュニケーションが取れるようになるようなロボットがその場にいれば、分離不安症とかもしかしたら改善されたりして、そうしたペットの孤独の問題とかも解決できるようになってくるかもしれないですし、もうちょっと哲学的にユートピア的な話をすると、哲学者の中には一部には動物にも民主主義に参加できるようなシステムを構築していかなきゃいけないっていうようなことを提案している人がいて、
そのためには動物たちが何を主張しているのかっていうのを我々は知る必要があるんですよね。そのためのツールとしてAIとかって使うことができるんじゃないか、つまり動物たちが何を我々の社会に対して求めているのかっていうのを行動なり音声なりから翻訳して明らかにしていくことで、
動物たちの民主主義の中に組み込んでいくってことができるかもしれないなっていうのは思ってます。
むらた
社会の構成員である全動物の民主主義、実現したいな。
竹下
本当にユートピア的な感じですけどね。
でも、ここらあたりが私が哲学とAI研究どっちもしていることによって考えられているところなのかなって思っていて、AI研究者だけではおそらくそんなこと考えもつかないと思うんですよね。
哲学研究者だけでも同じくAIについて詳しくなければそういうことも多分発想が出てこないはずで、そこはやっぱりどっちもやっていることによって私がいろいろ物事を考えられるようになっているし、私自身がそれで論文を書いて主張していくみたいなことも多分できるはずなんで、
そういった形で自分の専門知識なり専門領域なりを活かしていきたいなとは思っています。
むらた
じゃあ、動物の星ですね。
ゆりみ
でも、面白いですね。投票してたりとか、意見が制度に生かされるようになったら。
私も京都にいるんで、鴨川散歩してたらよくトビーが飛んでて、カラスとかとバトルしたりとかしてるんですけど、トビーがよくみんな食べてサンドイッチとかおにぎりとかを取って、それでだいたいお腹を満たしてる感じなんですけど、
そういう、なんだろうな、俺たちにもご飯を食べられる場所をちゃんと常備設置してくれみたいなこととか、なんのかなとか、面白いなと思ってきています。
むらた
どんな感じになるんですかね。でも投票はちょっと難しいですよね。
だから、結局、意見として動物が、私は個々こういう環境なので、人間の皆様にはこういうものを用意していただかないといけないと思ってます、私たちの権利を、みたいな主張はできなさそう。
じゃないですか。
政治的な、政治の。
ゆりみ
動物の中でどこまで行くのかみたいな、ちょっと。
むらた
結局は人間が、そこの川にトビーが住んでるから、トビーの気持ちをちゃんと読み取ってみようっていう、やっぱ人間が結局主体的に関わらないと、
どれだけコミュニケーションが取れるようになっても、やっぱりこっち側の姿勢次第になるのかな、なんて思ったり。
竹下
これはちょっと本当に夢物語的な話をしますけども。
民主責任に参加って、いちいちできるものではないんですよね。
人間の場合もそうだと思うんですよ。
我々はその学校教育、つまり校教育を受けて、公的な教育を受けて、民主主義教育を受けて、ようやく我々は選挙の制度を理解し、それによって投票できる主体になっていくわけですよね。
その過程を踏めるか踏めないかっていうところがポイントになるだろうと思っているんですよ。
私自身は現状の選挙制度って年齢差別になっているなって思っていて、18歳以上じゃないと投票できないなんてそんなおかしな話あるかい?みたいな思ってるんですけど。
一時期大阪府知事がゼロサイズでも選挙権を持てなくてってめちゃめちゃ炒かれてましたけど、私はあれは真面目に考えてるべき問題だと思っていて、
ゼロサイズ選挙権も当然認める、将来的には認めるべきだろうと私は思ってるんですよね。
その時には民主主義のそのもののあり方も変わっているはずなんですよ。
もっと幼い子どもとかも含めれるような意思決定プロセス、投票制度とかに変わっていく必要があると思うんですよね。
竹下
例えば今だったら我々は投票者の名前を書かなきゃいけないわけですけど、これって識字率が高いことに依存しているわけですが、そういうのもマークシート式にするとか、
そういった一歩一歩前進させていくことで、選挙制度そのものをもっといろんな人に届くようにしていく。
そういうことをやっていれば、いつか人間以外の動物にも届くような選挙制度が出来上がるんじゃないかなっていうふうに思っていて、
その時にこそ動物の言語、動物の思い、動物の主張を踏み取れるようなAIシステムがおそらく出来上がっているはずで、
組み合わせればもっと広い幅広い民主主義制度になっていくんじゃないかなみたいな、
そういう、あと何百年くらいかかるような感じですけど、そういうことを考えたりはしてますね。
むらた
そうですね。確かに今のプロセス、人間だけのプロセスでも改善が必要っていう状況で。
でもなんていうか、今子供に選挙権ないですけど、
直接子供の声が投票構造として政治に届けられることはなくても、
政策を考えるにあたって子供の声聞こうとか、子供と関わっている人から話を聞こうみたいな感じで、
子供のことも考えた政治はしていると思うんですけど、
それと同じ感じで、とりあえず動物もそこに含めてもらえたら一旦はいいのかなみたいな、
一旦はっていうレベルの話じゃないんですけど、現実性として。
竹下
やっぱり最初のステップとしては犬猫だろうなとは思いますけどね。
確かに。
まさに選挙権を持っている人たちが気にしているから、制度設計にも反映されていくわけですね。
特に子供とかがそのパターンですけど。
犬猫も動物愛護法がどんどん改正されていくにつれて、
どんどん保護の強さも強くなっているわけで、
やっぱりそれは人々がそういった意見をちゃんと述べていくってことによって実現されてきたものだと思うんですよ。
で、私今回のポッドキャストの中ではたびたびその法の話を何回か、
法規制とか法改正が必要だよねみたいな話をしてきましたけど、
そのためにはまさに我々市民が、今選挙権を持っている我々が、
どうにかこうにかしていかなきゃいけない問題なわけで。
私、近年AIがすごい活発になってきたんで、
AIが例えばそのアジェンダマニフェストとかに組み込まれるみたいなことは出てきていると思うんですけど、
いまだに動物の話はね、主題、アジェンダとかの代表的な目録の中には含まれてないわけですよね。
で、それっていつまでたっても動物が政治のイシューにならない、政治的問題にならないっていうことを表していると思ってて、
竹下
本当にこれが残念だなと思うんですよ。
これを政治の中にも問題だよ、これは問題だよ、ちゃんと議論しなきゃいけないんだっていうふうになっていく。
そうなっていくためにも市民側、選挙権を持っている側が訴えていくっていうことをしていかなきゃいけないんだろうなとは思ってます。
むらた
そうですね。まずは今選挙権を持っている我々が声を上げていかないといけないという。
竹下
ちょうど今度ね参院選もありますしね。
むらた
私は明日都議選に投票してきます。
そうでしたね。
都議選の話ですけど、数人、自分の選挙区の中で一人、二人くらいはペットについては研究している人がいました。
もうちょっといたかもしれないんですけど、やっぱり身近なところにいる動物、家族の一員ということでもあると思うんですけど、
だと政治にもちょっと関わってこれるっていう感じで。
そうですね。もっとペットと過ごしやすい社会をとか、災害時の避難でペットもちゃんと配慮してみたいなことを掲げてましたけど、
そんな感じで、そこに関わってくる動物がどんどん広がっていくといいですね。
というわけで、4つのテーマから滝下さんの発表を紹介していただきました。
どの観点も、結局は技術を人間が被して動物にとっていいように使うか、こっちの都合で使ってしまうのかっていうところがポイントになってくるのかなというところがありましたが、
そうですね。法とか、そうした規制も含め、すべての動物にとっていいAIの使われ方がされていくといいなと、お願いします。
という感じで、ぜひリスナーの皆さんも生成AIだったり、今回すべての動物を含めた民主主義みたいな話もしましたけど、
いろいろ考えていただいて、ぜひ感想とか、こうなったらいいんじゃないみたいな意見とかぜひ聞いてみたいなと思うので、
ハッシュタグ何でも倫理をつけていただいて、ぜひつけていただいて、シェアしてもらえたら嬉しいなと思います。
ということで、次回以降また他の発表者の皆さん、公開的リタ主義について取り上げられた渡引さんと、
動物倫理と動物に関わる学問の微妙な関係について発表された中間さんにも登場いただきますので、お楽しみにという。
はい、ということで、今回は竹下さんをお迎えして、AIを使って動物を助ける方法の発表についてご紹介いただきました。
今日は皆さんありがとうございました。
竹下
ありがとうございました。
むらた
ありがとうございました。
また聞いてください。さようなら。
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