今週ですね、本位を見まして。
建築とか結構好きでさ。
建築見に行ったりとかしてたんですけど。
町巡りにも結構好きなんですよ。
町の歴史みたいなのが好きで。
あんなに真剣なというか真面目なやつじゃないんですけど。
私が今回読んだのがですね、
本橋信博さんの東京最後の遺会、うぐい津谷。
うぐい津谷って遺会なんだ。
そう。
現代でも山手線にあるうぐい津谷駅ですよね。
あの近辺の町の歴史とか町の人間を紹介している本。
ルポルポタージュなんですけど、
これ面白かったですね。
本橋信博さんは代表作はあれですね。
ゼルナ監督、グラディッシュ・トールデンの原作というか、
原作?
を書いた方ですね。
ルポライターなの?
そうそう。
結構いろんな町の紹介とか取材して、
記事というかルポにしている方なんですが、
今回私が読んだのがうぐい津谷をテーマにした本。
行ったことないな、うぐい津谷って。
なんかあれだよね、色増し。
そう。
風俗街ですね。
吉原の玄関口だし、
ラブホテル街もたくさんあるという町ですね。
そもそもうぐい津谷という町はないんだというところから本が始まってて。
うぐい津谷というのは地名として実はない。
そうなの?
というところからうぐい津谷に関する地域の歴史の話、
なんでこういうふうに今の状態になったのかという話だとか、
あとうぐい津谷といえば有名人、
マサオカ四季。
四季庵があるのがうぐい津谷の方だらしくて。
うぐい津谷にちなんだマサオカ四季の話ももちろん載っているし、
あるいはうぐい津谷といえば、
品の寺。
西村健太が通っている店として有名で、
24時間営業のめちゃ安い居酒屋なんですけど、
その話ももちろん載っているし。
そしてもちろん風俗に関する取材ですよね。
風俗場だったりだとか、
あとはお客さんに対する取材とかもしていて。
なんていうか、画の、画と俗って言ったらいいのか。
なるほどね。
すごい俗な部分も取材しつつ、
文学的な部分も取材しつつ。
林谷三平の出身地でもあるらしい。
あの人ね。どうもすみませんの人。
がうぐい津谷出身で、
それに関する話もあったりとかして。
うぐい津谷っていう町を全然知らなかった。
ほとんど行ったことなくて。
こういう成り立ちでできた町で、
こういう人がいて、こういう生活してるんだっていうのが書かれた本。
で、面白いのがっていうか特徴がですね、
もちろんループをそんなに読んだことないんですけど、
取材の過程もこの本の中では紹介されてるんですよね。
取材した結果こういうことが分かりましたっていう話じゃなくて、
例えばこの本橋さんと一緒に取材してる半ば何人かで、
例えば品の字で飲みながら、
誰に取材しようかとか、
どんな企画でやっていこうかっていう話から書かれてる。
あるいはお客さんの取材しましょうって言った時に、
お客さんに声かけて、
駅前のドトールに行ってこんな話をしましたみたいな。
取材対象を見つけるところから、
あるいは取材の企画を考えるところから、
取材の結果どんな話を聞いたのかっていうところまで全部書いてるので、
なんていうかすごい臨場感がある。
一緒に取材してるかのようなことに味わえるんですね。
この本自体が、確か2013年かなんかに書かれた本なのかな。
もちろん鶯谷に関するそれまでの歴史。
歴史ってちょっとあれなんですけど、
歴史とするには多分こぼれ落ちてしまうような情報がいっぱい持ってるんですよね。
それこそ風俗上のインタビューは多分歴史には残らないので。
あるいはお客さんのインタビューももちろん残らないわけで。
そういう話とかもたくさん載ってるし、
取材の過程が細かく書かれることで、
2013年、14年ぐらいの空気感というか。
この本が作られた時代の空気みたいなものを感じ取れるので、
今から10年経ってかなり色々変わってるなっていうところが分かったりするので、
そういう面白さもありましたね。
その本そのものがある時代を切り取ってるし、
ウグイス谷の歴史っていう一つのテーマでも読み通すこともできる。
結構読みやすくて面白い本でしたね。
ウグイス谷のこと全然知らなかったんですが、
ちょっと行ってみてもいいのかなって思いました。
色々ウグイス谷に思い浮かばなしありましたよ。
例えば、ラブホテルには噴水がやたら作られていると。
水音が聞こえる。
なんでだろうっていうと、取材した不動産業の社長によれば、
ウグイス谷のやはり噴水っていうのは、
良くないものを流す噴水的な役割があると。
そういう呪術的な役割があるから、
噴水があるんだよみたいな話があって。
本当か嘘か分かんないんだけど、
分かんないことは分かんないなりにぼんやりと書かれてるのが面白い。
こういうレポルタージュって、
真実が分からなくても面白さはあるじゃないですか。
実際どうなのかじゃなくて、
その時代その地域に住んでたこの人はこう思っていたんだ。
っていうところが一つの情報として価値があると思っていて。
そういうのも楽しめる。
楽しめるというか勉強になる本になっております。
機会あればぜひ。
ちょっと面白そうだな。
やっぱその街の成り立ちとか知るの面白いもんね。
ウグイス谷同行じゃなくて。
そうね。
ちなみにウグイス谷にラブホテルがめちゃくちゃあるのは、
戦後全部焼けた後に、
上野とかの復興で働く労働者の宿を、
すどまりできる宿を作ってたんですって。
復興がある程度終わった後に、
残った宿みたいなところが連れ込み旅館みたいになっていって、
今のラブホテルになっていった。
なるほどね。
だから成り立ちがそうなんで、
ラブホテル街の中にも民家がいっぱい建ってるんですよね。
もともとはすどまり用の宿と民家が一緒に並んでたんですが、
宿だけがラブホテルに変わっていって、
民家は民家で残る。
なるほど。
上京してきて、そこで働く人のために安い。
安いやきちん宿みたいなのがあったのが、
復興が終わって需要がなくなって、
ラブホテルになっていったんだ。
上野の隣だもんね。
そうそう。
そういう街の成り立ちみたいな面白さもありましたね。
なるほどね。
アースダイバー的な。
そこまでいかねえかって。
地の歴史を掘り下げていくという本でした。
これ以外にも渋谷とか上野も確か書いてたのかな。
結構いろんな街の歴史を。
シリーズがあるんだね。
そうそう。取り扱っていて。
ちょっとシリーズ他のも読んでみようかなと思う一冊でした。
でも縄文自体は海だったとか書いてあるじゃん。
アースダイバー。
アースダイバーか。
なるほどね。
なんでね。
もとはしのぶひろさん。
東京最後の異界。
ウグイス谷。
文庫化されてるんで。
練詞もあるのかな。
お時間あればぜひ読んでみてください。
はい。
さてさて。