1. 邦訳アメコミ雨あられ【毎週土曜深夜更新】
  2. #199 タスクマスター 失われた..
2024-04-20 23:29

#199 タスクマスター 失われた過去

~「まるで、ジュークボックス......だろ?」
~ 冒頭の引用は村上春樹『風の歌を聴け』です。
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宇宙の複雑さに比べれば、とハートフィールドは言っている。 この我々の世界など、ミミズの脳みそのようなものだ。
そうであってほしい、と僕も願っている。 この番組では、毎週村上春樹の小説を取り上げて、その内容を紹介しています。
先週は、実際に1973年製のピンボールマシンで遊んでみたんですが、ピンボールの楽しさはラジオでは全く伝わらないということを学ぶことができました。
今回は、村上春樹にちなんだ作品をいくつか紹介していきたいと思います。 お楽しみに!
まずは、今週何食べたのコーナー。 このコーナーでは、マラソンについて語る村上春樹のように、今週摂取したエンタメを紹介しています。
今回、私が紹介するのは、名探偵コナン、100万ドルの道しるべです。 北海道を舞台に謎を解く話なので、ほぼ羊を巡る冒険ですね。
忙しくて、正直予告編も見られずに、映画館に足を運んだんですが、結果的には良かったかなと思います。
これからネタバレをしながら、内容を紹介していきたいと思うので、もしまだ見ていない人がいたら、ぜひ映画館で見ていただいて、続きを聞いていただければと思います。
暗号が一つのテーマの作品なんですが、誰かに何かを伝えることの尊さを描いた映画だったのかなと、私は思いました。
さて、今回の映画に登場するのは、皆さんご存知、江戸川コナン。 怪盗キット、ハットリ兵士。
名探偵コナンにおける大人気キャラクター、高校生チームが集合して、北海道に隠された財宝を探すお話。
謎を解く鍵は、財宝のありかを示す日本刀。 つまり、刀を巡る冒険です。
お宝探しの物語。
何かの本で昔読んだんですが、人間の脳って食べ物を食べた時よりも、食べ物を探している時の方が幸福感を感じるらしいですね。
今回の映画でも、お宝とは何なのか、どこにあるのかっていう謎を最後まで引っ張ってくれて、おかげで本当に最初のアクションシーンから最後の謎が明らかになる瞬間まで楽しみ尽くすことができましたね。
さて、コナンの魅力といえば、まずはかっこいいアクションシーンとラブコメですよね。
今回の映画も、ヘイジとキッドのチャンバラに始まりまして、アクションシーン満載。
コナン、ヘイジ、キッドの共闘とか、箱立てのね、肯定さのある街を舞台にしたアクション。
そしてもちろん、爆発、爆発。
これ伝統芸能と同じだなと思うんですけど、
コナンのサッカーボールキックとか、キッドの飛行とか手品とか、あとヘイジの木刀を使ったチャンバラとか、
正直、映画として面白いかどうかとはもう違う次元にあると思うんですよ。
ファンもそれを見るために行ってるので、もう見られただけで大満足。
そのシーンがあれば、待ってましたって感じだと思うんですよね。
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夕方、電車を背にね、この3人が協力して戦うシーンなんてもう素晴らしかったと思いますね。
ただ、個人的にはこれだけ高校生チームのカッコよさを出すなら、
怪盗キッドのライバル、白馬サグル君にも出てほしかったなぁとは思いますね。
望みすぎなのかなぁ。
ちょっと原作ではね、この映画公開する前のエピソードで白馬君も出ていたので、
若干期待してた思いはあるんですけどね。
おそらく、いろんな交渉とか話し合いがうまくいかなかったのかなとは思いますが。
さて、映画としては暗号が一つのテーマになる作品です。
言葉って伝わらないんですよね。
皆さんもご経験あると思うんですけど、
実生活とか仕事とか、どこでもそうだと思うんですけど、
どんなに言葉を尽くしても、やっぱり交渉とか話し合いってうまく伝わらないし、
話し合いまとまらないもんじゃないですか。
例えば、箱立山の野球を見ながら全力で自分の気持ちを伝えたとて、
それが伝わるかどうかはやっぱり全く別物。
あるいは、たとえ伝わったとしても誤解されてしまったりですとか、
あるいは自分自身が相手に言われた言葉を勘違いしてしまったりとか、
そういうことがあると思うんですよね。
今回の映画は、刀に秘められた暗号を解き明かしていくんですけど、
その過程で、たくさんの言葉を交わしているはずの登場人物たちの誤解とか勘違いとか、
なかなかお互いが理解し合えない様っていうのを描いていくんですね。
この暗号解読と登場人物たちのコミュニケーションがうまくいかない様子を同時に描くっていうのが、
私はこの映画の一番の面白ポイントでしたね。
例えば親子。
父親の思いとか母親の思いが息子に伝わっていかない。
あるいは息子の思いが両親に伝わらないとか、
そういうシーンもありましたし、
あるいは友人関係。
今回の事件は、そもそもある友情がひとつのきっかけになっているんですが、
その中心にある友人同士の思いも、
多分お互いにうまく理解し合えてはいなかった。
一人は多分宝を追い求めていたんですが、
もう一人はおそらく宝そのものよりも、
こうやって友人同士一緒に宝を探していくっていうことが楽しかったんじゃないかなと、
私は見ながら見てましたね。
最後の場面もそうですよね。
やっぱり全力を尽くしたところで、
やっぱり言葉は伝わらないんだっていうことを、
函館山の頂上で見せてくれたわけですよね。
言葉は伝わらないんですよ。
これって多分誰しも人生で経験したことがある、
ある種の絶望だと思うんですよね。
その絶望感をこのコナン映画は見せてくれる。
ただ、もちろんこれは老若男女をみんなが見るコナン映画でもありますし、
未来を睨む子どもたちが多分視聴者の中心にある映画ですから、
こんな絶望だけでは終わらないんですね。
これが素晴らしい。
登場人物たちはみんな日常会話の中で誤解とか勘違いとかを繰り返しながらも、
必死に手がかりを集めて暗号を解読していくんですね。
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やっぱり人間、謎があると解き明かしたくなるじゃないですか。
みんな真剣に暗号と向き合って、少しずつその内容を解き明かしていく。
つまり、残されたメッセージを読み解いていくんですね。
この普段はコミュニケーションがうまくいかない人間たちが、
自分はもう会ったこともない、
あるいは全く知らない先祖だったり、
かつての昔の人たちのメッセージを読み取って未来に伝えていく。
つまり言葉は必死に頑張れば伝わるんだっていう、
ある種の希望を示していくお話でもあるんですね。
暗号を通じて。
この暗号解読と登場人物たちの対比というか、
この過程が私はすごく感動的でしたね。
そして何よりも最後のオチですね。
みんなが頑張って暗号解読をして必死に追い求めてきた宝。
それが一体何だったのか。
その姿も素晴らしかったですね。
正直私はお宝の正体は何でもいいかなと思っていて、
例えば函館の街そのものがお宝だったんですとか、
北海道という場所が宝なんですとか、
そういう落としどころでも正直もう、
コナンくんのサッカーボールキックとか、
キッドのアクションシーンとか、
平治のチャンバラ見れたからいいかなって思ってたんですが、
これが暗号あるいは言葉の伝わらない絶望感みたいなもの、
みたいなこれまで積み重ねてきた伏線というか、
これまで積み重ねてきた描写のオチとして最高でしたね。
こんな姿なんだ。
明確に宝の正体を明かすんですね。
そしてこんな宝もういらないね。
いらないんだっていうシーンで終わっていくんですよね。
これかっこいいですね。
映画のラスト、事件の犯人が宝を見つけて、
絶望して終わるんですね。
宝は見つけられたけど、
俺はこんなものを探していたのか。
こんなもののために俺は事件を起こしたのか。
絶望して終わる。
一見すると宝探しはある種の失敗ですよね。
宝なんてなかったんだ。
こんなゴミしかなかったんだっていうオチにも見えるんですけど、
でも私はそうじゃないと今回の映画見て思ったんですね。
それはこれまで繰り返し話した通り宝はあったんです。
それは普段誤解ばかりしている、
勘違いばっかりしている人間たちが
みんなで頑張って必死に暗号を考えた結果、
今はすでにいなくなっている先祖からの言葉を知ることができる。
先祖の思いを知ることができた。
今はもういなくなってしまった人々と
分かり合うことができるんだっていうことを示しているわけですよ。
宝そのものはゴミかもしれないが、
でもその宝探しを通じて一番大切なものはもう既に手にしていたんだと。
そういう仮定こそが、やっぱり謎解きの仮定こそが一番大事だし、
それによって言葉は通じるんだ。
だから私は宝があんな姿をしているのも当然だと思うし、
なんだかちょっとオシャレな演出だなーなんて思いましたね。
ともあれ暗号解読っていうミステリーの定番ですね。
暗号解読を通じて言葉に関わる希望を示した映画だったと思います。
09:04
やっぱり我々生きている限り言葉から逃れられないですから、
その言葉に関する希望っていうのを映画館の大画面で味わうっていうのも
いいんじゃないかなと思います。
もし見ていない方いらっしゃったらぜひ映画館で見てみてください。
村上春樹あるある
パスタ、ジャズ、ウイスキー、ビール、猫、ペーパークリップ、
バー、ジャガイモ、ネズミ、羊、妻の失踪、そしてジュークボックス。
小銭を入れるとレコードをかけてくれる機械、ジュークボックス。
正直なところ私は実物を見たことはありません。
ただ村上春樹の小説を読む上では欠かすことのできない重要な道具ですね。
今日紹介するのはそんなジュークボックスのようなキャラクターが大活躍するアメコミ
タスクマスター失われた過去です。
ライターはフレッド・バンレンテ、アーティストはヘフテ・パロ。
2010年にアメリカで刊行されたタスクマスター個人誌のミニシリーズの一冊。
タスクマスターが記憶を取り戻していくっていうストーリーなので
タスクマスターのこととか歴史のことを全く知らなくても楽しめる作品じゃないかなと思います。
これからネタバレをしつつこの作品の内容を紹介していくんですが
電子版も出ている作品なのでもし読んでいない方がいればぜひ買って読んでいただければと思います。
100ページぐらいの短編なので読み始めればもうすぐに終わります。
ただ短編とはいえ読み応えはかなりある作品だと思います。
私はアメコミを読み始めたばかりの頃にこの作品を読んで
もちろん当時はタスクマスターっていうキャラクターのことを全く何も知らなかったんですが
アメコミってこんなに面白いんだっていう風に衝撃を受けた記憶がありますね。
あえてジャンルを言うとすればハードボイルドミステリーギャグロマンス活劇っていう感じでしょうか。
こんなストーリーで展開していくアメコミがあるんだ、こんなジャンルがあるんだって思った記憶がありますね。
主人公であるタスクマスターっていうキャラクターはMCUの映画ブラックウィドウにも登場しました。
能力は写真的反射能力、フォトグラフィックリフレクシーズ。
一度見た動作を1回で完璧に再現できる、いわゆるコピーキャラですね。
キャラクターとして初登場した際にはアベンジャーズの敵として登場して
初登場でいきなりアベンジャーズを全滅させる、当時のメンバーを全滅、そのとばにいたアベンジャーズのメンバーを全滅させるっていう大活躍を見せて
その後も犯罪者の教育養成機関、タスクマスターアカデミーを設立して後進の育成に勤めると。
そんなキャラクターですね。
コピーキャラかつ教育者、ナルトでいうカカシ先生ですね。
金さえもらえればどんな仕事も受ける。
一応悪役ではあるんですがヒーローに味方することもあるし、単なる悪、単なるコピーキャラでは終わらない魅力を秘めたキャラクターですね。
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やっぱりオタクってコピーキャラ好きじゃないですか。カービィ嫌いなオタクって多分世界に存在しないんですよ。
ファイナルファンタジーではオタクは青魔法が好きだし、テニスの王子様ではカバジとニオンをみんな応援するわけです。
ハンターハンターの団長だってみんな応援してるんですよ。
タスクマスターでは、というかこの作品ではタスクマスターのコピー能力をジュークボックスとして解釈してるんですね。
お金さえ入れればどんな音楽も本物そっくりに演奏してくれる。
そんな機会がタスクマスターなんだ。
物語の冒頭まさにジュークボックスから音楽が流れるシーンで始まるんですが、
ここでタスクマスターは日本のヤクザに襲撃されます。
そして自分を狙う謎の組織の存在を確信するんですね。
自分を襲った組織に責任を取らせなければならない。
その正体を明らかにするためにタスクマスターは捜査を開始します。
彼は記憶を持たないんですが、完全に記憶喪失になっているわけではなくて、
自分の戦闘技術だとか断片的な記憶を場所の記憶と一緒に覚えているんですね。
その場所に行けば、昔ここで剣法を学んだなとか、
昔ここで俺は誰かと戦ったなとか、そういう記憶を思い出すことができるんですね。
彼は組織に襲われた時、偶然居合わせていたウェイトレス、
メルセデスという女性と一緒に組織を倒し、自分の記憶を取り戻すための旅を始めることになる。
それが今回のお話です。
魅力は数多いんですが、読んでいて一番印象に残るところ。
一つは、とにかく敵の種類が多いということですね。
タスクマスターには組織から多額の懸賞金がかけられます。
その結果、多くのいわゆる悪の組織がタスクマスターを襲撃することになる。
エイム、ヒドラ、サイバー忍者、ブラックチョッパーズ、
シークレットエンパイア、トレンチコートマフィア、リージョンオブザーリビングライトニング、
ミリティアネン、サンズオブザサーペント。
正直ですね、聞いたことがない悪の組織ばかりなんですが、
今挙げた悪の組織は、いわゆる一般戦闘員と言ったらいいんでしょうか。
よく大型イベントなんかで背景で戦わされる有名なビランとかはいないんですね。
あくまで一般人が武装したり、一般人が体を改造することで敵となった、そんな存在です。
今回の作品は、スティーブロジャーズとかアントマンとか、
ムーンナイト、バルキリー、ブラックウィドウとか、
有名なヒーローももちろん出てくるんですが、タスクマスター自身がそうしたいわゆるヒーロー、超人と戦うことはないんですね。
ビランも出てきません。戦う相手はタスクマスターに襲いかかる、先ほど言った一般戦闘員ばかり。
でもこの種類が多いことで、まず見た目が楽しいですよね。
いろんな服を着た、いろんな個性を持った敵がいっぱい出てくる。
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お祭り騒ぎ的な面白さがあるわけですよ。
そして、タスクマスターはかつて教育者だった経験もあるわけですね。
つまり、ここで襲ってくる一般戦闘員たちっていうのは、みんなタスクマスターの教え子たちなんですね。
これがいいんですよ。この教え子とタスクマスターの関係性が素晴らしいですね。
お互いにある種の尊敬、リスペクトを持ちつつも、ただ仕事では手を抜かない。
戦闘員たち、いわゆる雑魚キャラですよ。他の漫画であればきっとね。
そういう戦闘員たちにもちゃんと人生があって、これまで歩んできた歴史と記憶があるんだっていうことを感じさせる。
おそらくタスクマスターの教育の賜物かもしれないですが。
そういうシーンが何度か出てくるので、読んでいて単なるバトル、バトルというか戦いが面白いなっていうだけじゃなくて、
タスクマスターと敵との関係性っていうのがすごく掘り下げられていて面白いですね。
やっぱりジュークボックスってオリジナルのコピーしか演奏することはできないんですけど、
やっぱりそれを聞いた人間、ジュークボックスに教えられた人間っていうのは、
その心に抱いた経緯とか感情っていうのは本物なんだっていうことをやっぱりこれは示しているんじゃないかなと私は思いますね。
魅力の2つ目は笑いです。これ間違いないと思います。
めっちゃ笑える作品になってるんですね。
タスクマスターは記憶を失って、自分を利用してきた組織と戦うお話なんですが、正直悲惨なストーリーなんですね。
ただこのストーリーに通定しているのはやっぱり笑いコメディなんですね。
例えばメキシコを旅するシーンがあるんですが、そこにいるかつての教え子、名前がですね、
ドン・オブ・ザ・デッド。ゾンビっぽいですね。この名前を見たときちょっと私笑っちゃいましたね。
メキシコなので当然あのドクロの仮面をかぶっているんですが、
彼はですね、自分のライブを成功させるためにYouTubeでタスクマスターにギターの演奏技術を学んでもらって一緒にライブをするなんてシーンがあったりしてね。
それとか、あとはアンデス300を訪れたらですね、ヒトラーの精神を宿した大勢の村人たちと戦うことになったりとか、
あるいは戦う相手になるこの戦闘員の同盟をですね、彼ら自分たちを世界増強解放戦線って名付けてるんですが、
この名前のセンスも素晴らしいですよね。世界増強解放戦線。ミニオンズインターナショナルリベレーションフロント、略してミルフ。
俺たちはミルフだ!と言って、タスクマスターに襲いかかったりする。
これも結局この例以外にもギャグのシーンっていうのをすごくたくさん入れてるんですね。
やっぱり旅をしてタスクマスターが自分の記憶を取り戻すにつれて、彼の悩みがどんどんどんどん深まっていくんですね。
俺は時々記憶が飛んでしまう。でも何か重大な悪事に加担していたと直感でわかるんだ。
もしそれが明らかになったときにそれを受け入れられる自信がないんだ。なんていうシーンもあったりする。
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後半ですね、タスクマスターは実はシールドの仲間だったってことが明らかになるんですが、
彼の記憶を失うという特性を利用されて、いろいろな悪の組織とともに戦うことを強いられていたんですね。
そしていろんな悪の組織とつながりを持つことで得られた情報を収集させられていた。
そんなタスクマスターの過去がだんだん明らかになっていく。
つまり彼は自分が善人であることすら忘れてしまって戦ってきたんだ。そんな過去がわかる。
そこで悩むタスクマスターの悩みが深いからこそ、こういうちょっと面白いギャグみたいなのがすごく印象に残るんですね。
ちょっと読みながら私笑っちゃいましたね。
そして魅力の3つ目。これはですね、バトルシーンが素晴らしいんですよ。
コピーキャラなんで、オタクみんな大好きなんですけど、オタクがコピーキャラ好きな理由の一つで、コピーキャラの弱点があると思うんですよね。
必ず弱点を持っている。例えば、オリジナルには決して及ぶことがないとか、
コピーとして力を発揮するんだけど、そこには実は時間制限があって、この時間内でしか力を発揮できないとか、
あるいはスキルハンターの方を右手に持って使う能力のページを開き続けないと、相手の能力を、誰かの能力を使えないだとか、
そういう弱点があるんですね。
今回タスクマスターが戦うことになる一番の敵はですね、体中に身体改造を施して、タスクマスターがコピーできない技を使うという敵ですね。
コピーキャラの弱点、自分の真似できない技を使う相手には勝てないというコピーキャラあるあるというのを出してくれるんですね。
さて、このコピーできない敵とどう戦うのか。
これが本当に素晴らしい戦いで、私はもしアメコミのベストバウトを選べと言われたら、たぶんトップ3には必ず入れる戦いになりますね。
タスクマスター、正確に言うとこの敵の能力をコピーすることもできるんですね。
ただ、もしこの敵の能力をコピーしてしまうと、自分がそれまでの旅で取り戻してきた記憶っていうのも再び失ってしまうんですね。
やっぱりタスクマスターはジュークボックスなんですね。ジュークボックスと似てるんです。
中に入れられるレコードの枚数は決まってるんですね。
新しい技、新しいレコードを入れると、別のレコードを抜かなければいけない。
つまりタスクマスターの強さっていうのは、自分の過去の記憶、愛した人との思い出、素晴らしい記憶、そういうものとのトレードオフというか、どちらかしか取ることができないんですね。
旅を続ければ続けるほど、タスクマスターっていうのはどんどん弱くなっていくんですよ。
記憶を取り戻してしまう。そうすると技が使えなくなってしまう。
さて、じゃあここでタスクマスターは最後にどんな決断を下すのか。
21:03
このオチも含めて素晴らしい最後の決断を示してくれます。
というわけで、タスクマスター失われた過去でした。
短編で読みやすい作品なんですが、読み応えという意味では非常に大きいものがある名作だと思いますね。
私も最近読んだ本とか忘れがちなので、そういう意味ではまさに自分の人生に引きつけて楽しめる作品でした。
あと今回読み直してて改めて思ったんですが、タスクマスターって敵からも味方からも愛されてるんですよね。
彼は自分自身をコピーを演奏するジュークボックスでしかないっていうふうに思ってるかもしれないんですが、
それを聞いてきた注意の人間にとってはそれは本物だったってことなんでしょうね。
このタスクマスターとメルセデスのコンビ、私すごい好きなんで、他の作品とかないのかなって思うんですが、
ちょっとあんまり日本語では読めないみたいですね。
もし他のアメコミでタスクマスターとかメルセデスを見かけた時は、もっと応援してあげたいなと思いますね。
あと最近ノートの真ん中に一本線引いて、左側に自分が見た映画と読んだ本を書き出して、
右側に忘れた映画とか忘れてしまった本を書き出してたんですけど、最後まで書ききれませんでしたね。
人間いろいろなことを忘れたり失ったりしながら生きているのかもしれませんね。
寺山修司はポケットに名言をっていう本の中でこんなこと言ってます。
私には忘れてしまったものがいっぱいある。
だが私はそれを捨ててきたのでは決してない。忘れることもまた愛することだという気がするのである。
さて来週は放送200回ゴジラ・ギャングスター&ゴライアス。
ゴジラの世界を舞台に描かれる本格クライムサスペンスということで、今から読むのが大変楽しみです。
村上春樹も緑色の獣っていう怪獣が出てくる短編書いてますね。
ぜひ皆さんもこの作品を読んでいただいて、次回の放送を聴いていただければと思います。
それではまた来週。バイバイ。
この回を収録するために10年ぶりぐらいに村上春樹の小説を何冊か読んだんですが、意外と覚えてましたね。
私が一番好きな村上春樹の小説は、風の歌を聴けです。
23:29

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