損得勘定の理解
こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、ASDの息子を持ち、発達凹凸のある子どもたちの支援の仕事をしている私が、息子を通して出会った行動分析学を広めたいチャンネルです。
損得勘定と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
辞書には、自分にとって損であるか得であるかを打算的に判断する様、利害を指標として物事を考えることとありました。
打算的っていうのは、計算高い態度や考え方だそうです。
さらにジェミニさんに聞くと、損得勘定を聞いたところ、補足的に金銭的な利益だけでなく、人間関係などあらゆる面で自分にメリットがあるかを優先する考え方です。
この考え方は打算的、つまり計算高いというニュアンスで捉えられ、特に人間関係においてはネガティブな印象をもたれることが多いです。
となりまして、まさに私もこんなイメージを持っていました。
今でもそれはそうなんですが、ネガティブな印象という部分についてはだいぶ薄くなったと思っています。
なぜかと言いますと、約3年前、私は発達障害関連の個人マリーとした座談会に参加したことがありまして、
そこにたまたまいらしたのがABA応用行動分析の講座を主催している方でした。
仮にKさんとします。
Kさんは私と同じく自閉症の子を育てるママさんなんですが、
お子さんはもう成人していらっしゃって、今は他のママさんたち仲間と一緒にNPOを立ち上げて専門家を招いたABAの講座だったり就労支援の活動などを行っているとのことでした。
その方の話を聞いて、尊徳感情というものへのネガティブなイメージが和らいだんですね。
話の内容なんですけれども、座談会は本当に少人数で、私の他にも発達凹凸のあるお子さんのパパさんがいらしていました。
お子さんはもう中学生とのことでした。
そのパパさんがある日、お子さんを車で学校へ送って行って、学校前の通路に下ろした後、後ろから様子を眺めていると、
結構人や自転車もよく通る通路なのに、お子さんは橋に寄ることもなく、ちょうどど真ん中を歩いていて、
特に自転車の人にとってちょっと邪魔になっている様子で、見ていてハラハラしたとのパパさんのご相談でした。
行動分析学の応用
後でお子さん本人に、何で橋を歩かないのか、周りの迷惑になっているよと言っても、本人は、
え、そうなの?なんで?と、キョトンとした様子だそうで、パパさん的には他にも、本人は悪気はないけど、いわゆる周囲の空気を読んだ言動が苦手なところが、親としては心配になるとお話されていました。
そこで最初にお話したABAの講座を主催しているKさんが言ったアドバイスが、「尊徳で伝えるのがいいかもしれませんね。」でした。
聞いた瞬間、私も相談者のパパさんも、「え?」となって、
多分二人とも頭の中は、「尊徳でいいの?」っていう感じだったと思います。
Kさんは続けます。
外からの視点で自分を見るというのが苦手でも、まずは橋を歩いた方がぶつからなくて安全だし、ぶつかれそうになって足を止める必要もなくてスタスタ歩けるよと、
こっちの方が得だよというアピールなら、あ、そっかーってなりませんかね?と、
パパさんは、「ああ、それならうちの子をすんなり納得できそう。」というふうに答えていらっしゃいました。
さらにKさんは、「最初はそれでいいと思います。だんだんその方が問題も起こらないね、気持ちがいいねというふうに持っていって、他の人もそうなんだと理解していくかもしれませんね。」とお話されていました。
そこからですね、納得感情という言葉への抵抗感が私はだいぶ和らぎました。
ちなみに当時の私はABAに興味を持ちつつ、まだちゃんと勉強したことがなかったので、講座を主催している方と会えるなんてと、もうこれ運命じゃないくらいに思って喜んで受講したというわけです。
そうするとわかったのは、行動分析学ってもともと人間だけでなく、動物全般の個と環境との相互作用を研究した学問なんだってことです。
そう考えると、動物が生き延びる可能性をより高くするための選択として存得があるんだなって、今は理解しています。
自分の世界だとそこに感情面だったり、人としての在り方みたいな考えが入ってくるわけですけど、その考え、価値観を周りがなんでわからないの?と詰め寄ったっていいことは生まれないと思います。
それでもいいから、いずれ本人も、ああそういうのを思いやりって表現するのかと、いつか納得するかもしれないので、サポートしながら見守るのが現実的だなぁと、
この座談会のエピソードを思い出して、やっぱりトラブル回避の鍵は環境調整にあるなぁと改めて思いました。
ABAで広がれ!シンプルで楽しい生き方。
今日も大事なものを大事にできる一日を。
あきねでした。