Aさんの体験を通して
こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、2人の小学生の子を持つ、いちお母さんの私が、ASDの息子を通して出会った行動分析学を広めたいチャンネルです。
私は今、発達凹凸のある子どもたちをサポートする仕事をしておりまして、ある日の活動のお話です。
小学校低学年のAさんがいまして、Aさんは、実闘しているよりも、興味のあるところにすぐパッと立って走って行ってしまう、そういうことが多いです。
その日もAさんは、自分が入るべき部屋と違う部屋に入って行ってしまいました。
その部屋担当の先生に許可を取れば入ってもOKなんですけれども、何も言わずに入ってしまったので、私は捕まえて、そっちじゃないよと止めました。
その時に腕を掴んだんですが、行く手を阻まれるとだいたいどの子も全力で嫌がります。
Aさんも私に腕を掴まれたまんま、えー、やだと言って座り込んでしまいました。
それでも私が腕を離さずにいると、痛いと言ってきたんですね。
痛いと言われると、大人としてはそのまま掴んでは居づらいです。
なので、それまでは前腕を掴んでいたんですが、
あー痛かった、じゃあこっち、と言いながら、私は上腕を捕まえ直しました。
その時一瞬Aさんの動きは止まったんですが、すぐにまた痛いと言うので、今度は肩をホールドするように捕まえました。
それでも嫌がったので、じゃあしょうがない、手を繋ごうと。
そんなことを言う頃にはAさんもだいぶ力が抜けていて、えーと不満を漏らす程度でした。
そんなところにAさんのお友達が通りすがって、会話をしていたら、
さらになんとなく気がそれたようで、Aさんは自分の部屋に戻ることができました。
もともと捕まれた時には痛いと大声で言うことが多いAさんなんですね。
おそらく過去に同じような状況で痛いと訴えた時に、すぐに話してもらえて自由になれた、そんな経験があったんじゃないかなと思います。
もちろん外でAさん自身が身の危険を感じた時には、役に立つ言葉だし方法だと思うんですけれども、
あんまり癖みたいに日常的に痛いという風にしていると、本人に身につけて欲しいこと、
例えば約束を守るとか、石を投げるみたいな危険なことをした時にしっかり話をするとか、
そういったそのための時間を取る時にはなかなか時間が取れないし、
逃げるが勝ちみたいな誤学習を繰り返してしまうのは、本人や周りの人たちの先々にとっても良くないと思うんですね。
今後の目標
今は低学年なんですけれども、大きくなるほど周りの目もたぶん厳しくなって、
あの子は逃げてばっかりずるいとか、わがままな子だとかいう風に思われるかもしれません。
あまりにすぐ痛いと叫んで、その場から逃げようとする行動は減らしていきたいと思いました。
私の好きな考え方、ABAの講座で学んだことがある考え方なんですが、
学び手と教えてがいる時に、教えてが提供する環境があって、
それに対する行動があり、その行動による結果がある。
この一連、行動随反性というんですけれども、行動随反性に沿って学び手の行動は起こるという風に学びました。
この考え方でいくと、Aさんはわがままな子だ、お説教しないとではなく、
環境や結果を調整しようと発想することができます。
捕まえられて痛いと言ったAさんから見て、手応えのない反応を返せばいい。
そうすれば、むやみに痛いの言葉で自由になろうとするAさんの行動を強化しなくて済みます。
それが今回の場合は、手、腕から上腕、肩、手のようなあっちこっちをつかみ直して、
なんだかんだ時間を稼ぐという対応になりました。
その後、だいたい落ち着いたところで、別の部屋に入りたければ事前に許可を取ったらいいんだよと伝えて、
お話聞いてくれてありがとうとか、できれば実際に許可を取る練習なんかしてくれたらめちゃくちゃ褒めることもできます。
Aさんから見ても、勝手に部屋に入っていくよりも、許可を取っていいよと言われてから入る方がいいかもしれないなとか、
そっちの方が褒められるなとか思ってくれるように持っていくのが私の目標です。
なんとなく止められてから諦めるまでのAさんの時間も短くなってきたように感じますし、
座り込んでジタバタした時に足がぶつかっちゃって、蹴るような感じになることも度々あったんですけど、
思えばそうやって足をジタバタさせるということだいぶなくなってきたような感じがします。
ひとまずいい感じかなと思いますね。
ABAで広がれ!シンプルで楽しい生き方!
今日も大事なものを大事にできる一日を!あきねでした。