行動分析学と子ども支援
こんにちは、お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、ASDの息子を持ち、発達凹凸のある子どもたちの支援の仕事をしている私が、息子を通して出会った行動分析学を広めたいチャンネルです。
子どもたちの支援の仕事をしていると、目の前の行き来できる扉が開け放たれているか閉じられているか、
子どもたちの行動に、意外なほど違いが出るなと感じています。
目に見えて扉が開いていると、特に衝動性の強いお子さんは、何の前振りもなく、ふっと立って部屋から出て行こうとすることがあります。
でもそこで、開いた状態のドアに向かって歩いてきた子が、ドアにたどり着く前に、私みたいなサポート役の人がガラガラと閉めて、
ドアが閉まりますとか、座りますとあっさり目に言うと、意外とシュンと諦めてくれます。
シュンとせず文句を言ってくるような場合であっても、本人がこの時間は部屋にいる時間なんだとわかっていれば、そんなに大変なことはありません。
その子の文句に対してはあえて注目しない、相手もしないといった、こちら側の消去の手続きも押し通しやすいですね。
消去というか、以前コメントで教えていただいた無強化、強化しないというのがしっくりきますかね。
子どもたちのこういう様子を見ると、本当に大事だなと思うのが、まず最初にルールをお互いに理解しておく、共有しておくこと。
そしてそのルールを、子どもがすっと思い起こせるような環境設定、例えば見やすい張り紙とか、そして大人の側の一貫性、これらは本当に大事だなと思います。
その一貫性を保つ意味では、扉は閉まった状態にしておくのがいいんですけれども、今からお話しするこの日は、保護者参観の日でした。
やっぱり大きな扉は開いていた方が、室内の子どもたちの様子は見えるし、声も聞こえるので、いつもと違ってドアは開け放たれていました。
保護者に見られている状況だと、いつもよりきりっと活動に参加できるお子さんは多いです。
でもAさんは違いました。
小学校低学年のAさんは、お母さんが来てくれていることとか、たくさんの大人がいるということにテンションが上がってしまって、楽しそうにそわそわしています。
しかも、普段から部屋の中でじっと活動よりも、好きあらば出て行きたいタイプです。
私も普段はドアを閉めて、淡々と座りますとAさんに伝えているわけですが、この日はそれができません。
Aさんは活動開始と同時に、ニコニコしながら部屋を出て行ってしまいました。
追いかけられると喜ぶので、逃げる行動を強化しないために、私はあえて無表情でしばらく見送って、距離をとったまま歩いて後を追います。
Aさんから見えないところではちょっと走ったりします。
で、追いついて何て声かけするかなんですが、なるべくポジティブな刺激を提示して部屋に戻したいので、
お部屋で絵の続きを描こうよ、Aさんの絵見たいなぁとか、
この日は参観なので、ママが見たいって言って待ってるよとか言って見るんですけれども、もう外に出てしまったAさんにはあまり響かないんですね。
なので、Aさんがお部屋にいないとママ見るとこなくて帰っちゃうかもよ、なんていう声かけも実際にはしてしまいます。
大好きなものがなくなっちゃうよ、嫌でしょ、的な、そういう種類の声かけですね。
でも、どんな声かけも伝えてパッと動いてくれないときは、しばらく本人の行動を見守って、ある程度感覚を満たしてあげてからまた声かけ、というパターンが多いです。
保護者参観の日の葛藤
で、問題は扉が開いているので、この日は何回もこの一連のやり取りが繰り返されるということですね。
部屋から出る、追いつく、部屋に戻すの一連です。
正直迷いました。
以前の逃がすわけにはいきませんの放送で喋ったような感じで、捕まえちゃうこともできるわけです。
ただ、この日はたくさんの保護者さんが来ています。
Aさんを逃げる前に捕まえると、じゅっちゅう吐く大声を出したり、床に寝そべっちゃうんですね。
Aさんの親御さんだけが来られているなら、気は引けるけど捕まえられなくもないですが、
他の親御さんも見ている中で、あまりにAさんに注目が集まるのは、
Aさんの親御さん的につらいんじゃないかなという気がしました。
この辺は私も発達をとつじの親なので、その目線を含めて天秤にかけた感じです。
なので、その場で捕まえちゃうことはせず、ある程度自由にして声かけて、
部屋に連れ帰ることを選びました。
かつ、その際にはなるべくしれっと、何のことはないという表情で動きました。
ああ、やれやれという顔を見せるよりはいいだろうとは思いましたが、
反面、親御さん的に、うちの子いつもこんな感じなんかなって思わせてしまった可能性がありました。
思わせてしまった可能性は否定できないですね。
結局は何度も脱走するので、親御さんも見かねて本人を追ってくれて、
他の保護者さんがあまりいないところで一緒にホールドして、落ち着いて部屋の活動には戻れました。
何が正解か、正解はあるのか、分かりませんが、
行動分析学はその時にできる最善を目指したい私をいつも助けてくれます。
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ABAで広がれ!シンプルで楽しい生き方!
今日も大事なものを大事にできる一日を!
あきねでした。