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イラストレーターの原あいみです。絵本や書籍、キャラクターを作ったり、難しいことを分かりやすく、漫画やイラストで伝えるお仕事をしています。
今日ですね、私のアトリエ兼事務所に、娘が絵の宿題をやりにやってきてくれました。
もっとね、事務所を作った時は、もっと娘が遊びに来てくれるんじゃないかな、なんて思っていたんですけど、全然来ないんですよね。
初めてかもしれないです。きちんと道具等々が揃ってからは。
夏休みの宿題で、一応自由参加なんですが、何かのポスターコンクールに出したいというのがあるらしく、それはママの事務所でやろうかなというふうに言っていたので、そろそろ宿題も終わって取り掛かるということなのでやってきました。
なんかね、事務所に人がいるっていいですね、たまには。
小さなデザイン会社で仲間たちと一緒に作業していた時を思い出すような、気心知れた同僚が横にいるような、そんな気持ちになりました。
娘は5年生で大きいので、話しかけられすぎて仕事が中断するなんてこともありません。
どちらかというと、娘もポスターコンクールのラフを描いているので、ちょっと後輩が横にいるような感じで、悩んだら、これ色どう思う?とか聞かれて、いや、これはこういう意味だからこっちの方がいいんじゃない?とかっていうのを、本当に普通にデザインの業務を見せに来る後輩がいるような、なんかそんな感覚がして、自分もちょっとピリッとやる気がアップして、なかなかいい時間でした。
またたまに来てくれるといいなぁ、なんて思いました。
ワークショップの概要
今日は本題は、先日行いました小学生向けのキャラクター作りワークショップの感想を忘れないうちに、声で残しておこうかなと思います。
まず、どんなワークショップだったかというのを簡単に概要をご説明しますと、夜ご飯サービスのマチルダという会社さんと出版社のポプラ社の共同のワークショップです。主催がマチルダさんで、協賛がポプラ社さんという形で行われたワークショップでした。
世界に一つだけのマイキャラクターを作ろうというもので、前半はポプラ社さんの仕事場見学、なかなか出版社の中に入れることなんて、このご時世、いろいろとルールが厳しいですから、なかなかそんな機会ありません。貴重な体験が子どもたちも親御さんもできたんじゃないかなというふうに思いました。
そして後半がメインの私が一応講師役となって、本作家さんと一緒に自分だけのマイキャラクターを作ろうというワークショップでした。有料イベントでして、マチルダの会員さん向け、会員になった人が申し込めるというものでした。前半は小学1,2年生で15名、後半は小学3年生から6年生で15名の計30名が参加してくださいました。
参加していた応募の時は人数少なかったらどうしようと思ったんですけど、無事抽選だったということで、もしかしたら聞いてくださっている方で、申し込んだけど外れちゃったよという方もいらっしゃったかもしれません。
もしその方は残念だったと思いますが、まあまあ評判だったので多分、もしかしたらまたお声掛けいただけるかもしれませんので、ぜひそういった機会がありましたらまたお知らせしますのでよろしくお願いします。
キャラクターワークショップは、一応有料プログラムとして私も前職の上司に相談などしながら、きちんと値段に見合ったものになるようにと一生懸命考えたものなので、あんまり全ての詳細はお話しできませんが、簡単にどんなことをやったかというのはちょっとご紹介します。
まずはみんなの周りにいるキャラクターって何がいるっていうことを考えたりしつつ、そもそもキャラクターとはなんだという定義の話をわかりやすく楽しくしていきました。
これは私、卒業論文で書いたやつなんですけど、それをちょっと噛み砕いて子どもたちにもわかるようにみたいな感じで説明したつもりです。
キャラクターの役割ってどんな役割だと思うっていうのも、これ結構子どもたちからいろんな資料を見せながらディスカッションできるようにしたんですけど、いい意見がたくさん出て面白かったです。
お勉強はそのくらいにしておいて、準備運動をしつつ最後に自分だけのキャラクターを書いていくというプログラムにしました。
1,2年生は会場の広さの関係で、仕事場見学の後はお父さんお母さんと別れて子どもたちだけになるという流れだったんですね。
なので最初の方はお父さんお母さんと別れちゃうんだという感じで、チーンって固まっている子が多かった感じだったんですけど、もう慣れてきたらしゃべるしゃべる、どんどん心が開いていって、
聞いて聞いて、聞いて聞いて、あゆみさん、あゆみ先生、みたいな感じで可愛かったですね。もう一人じゃ全然15人は見切れません。
ポプラ社さんとマチルダの偉い方とインターンの方が来てくださって、みんなが大人4人で対応できたので、きっと寂しいという思いをした子はいなかったんじゃないかなというふうには思います。
1,2年生はもう深く考えることなく思いつくままにブワーって書いていく子が多かったので、それは良かったかなというふうに思いました。
一方、3年生から6年生は結構、特に自分は絵が得意でそういうことをやりたいって思ってきている子もいたので、結構考えて考えてという感じで筆が止まっている。
それは大事な時間かもしれないですよね。ずっとアイディアを考えて筆が止まっているような感じも見受けられました。
なので後半は本番の一番自分のキャラクターを作ろうのところは、あえてお題は自由にしたんですよね。
これは相談した上司からもあんまり決めすぎちゃうと、それの通り書かなきゃって固まってしまうので、なるべく子ども向けだったら自由にした方がいいよというふうにアドバイスをいただいていたので、
テーマは自由にしました。ヒントになることはたくさん言ったんですけど、でも後半の3から6年生の子の時は、私が番書で例えばこういうもの、例えばこういうものというのは、ちょっといくつか出して選べる形式にしました。
印象に残ったエピソード
そうしたら筆が進んでいったような印象でした。詳細は細かくはお話ししませんが、印象に残ったいくつかエピソードを感想としてここに残しておこうかなと思います。
まず一つは、キャラクターは嫌いなんですって言っている2年生だったかな、女の子がいました。
なんかとても聡明そうで、待っている時間も窓際のトットちゃんを読んで、姿勢正しく礼儀正しい子でしたね。ありがとうございます、そんな感じの子だったんですけど、
でもみんなはワーって書き始めているのに、その子はすごく難しい顔をして考えながら、なかなか書いては消して書いては消してで進まないんですよね。
よくよく聞いてみると、最初に好きなキャラクターいる?とか聞いたら、いませんって言ってたんですよね。
ちょっとそこから気になっていて、なんでキャラクター嫌いなの?って聞いてみたんですよ、あえて。
そうしたら、色とかがごちゃごちゃして賑やかでうるさいからあんまり好きじゃないんだっていう答えが導き出せたんですよね。
そうか、なるほどと思って、私は考えて、だったら丸々ちゃんはものすごくシンプルな色数を例えば抑えるとか、線もなるべく少なくするとか、ごちゃごちゃしてない、丸々ちゃんだから書けるキャラクターを書いたらいいんじゃないの?みたいな話をしたんですね。
私も結構マークに近いキャラクターっぽいものをたくさん書いていて、私がお仕事で手がけたキャラクター、壁にバーって全部貼ってあったんですよ。
あゆみさんも結構なるべくシンプルなマークみたいなのを書こうとしてるんだよって。
例えばこれなんかさ、みたいな感じで私の実例なんかを見せてあげたら、なるほどっていう顔になってきて、その子はとってもシンプルな色数も線も抑えた、たぶんその子でしか書けないシンプルなキャラクターを生み出してくれたんですよね。
よかったと思って、キャラクター嫌いなのに、お母さんに連れてこられたのかな、こんなキャラクター作りワークショップなんかさせられてっていう感じだったらかわいそうだなと思ったんですけど、その声かけて筆が進んで、丸々ちゃんにしか書けない、そのシンプルさがごちゃごちゃしてキャラクターうるさいから嫌いって思うのは、あなたの個性だからっていうことでね。
割と真剣に話をしたら、いいキャラクターが生み出せたんですよね。ちょっとほっと一安心でした。
あと思ったのは、みんなもっと見てみて、見てみて、発表したい、発表したいって感じかなと思ったんですけど、1、2年生もみんな結構照れくさがあって、あんまり発表したくないっていう感じだったんですよね。
それがちょっとびっくりしましたね。設定、名前とかそういうところはしゃべってもいいけど、絵は見せたくないとかね。でもみんな本当は見てほしいんですよね。
代わりにあゆみさんが発表するんだったらどう?って言ったら、じゃあいいよ、見せてもいいっていう感じだったので、最終的には自分でしゃべりたい子はしゃべってもらいましたけど、大半は私がインタビューする手で、私が紹介するみたいな感じで、全員発表もできましたね。
これもなかなか楽しい時間でした。そして面白かったのが、やっぱりもっと上手に描きたかったってすごい悔しがってた子がいて、でも私から見たらめちゃくちゃ面白いキャラクターだったんですよ。
これすごい良いよって、ものすごい上手に、上手とは言わなかったかな、すごい良い味出ててめちゃくちゃ良い表情だし、すごい良いよって言ったんですけど、僕はもっと上手に描きたかったってすごく悔しがっていて、
おうちに帰ってもう一回描いたらどうしたらいい?とか言われたので、だったらポプラ社さんに送ったらいいよってポプラ社さんも担当の方も、じゃあ私に送ってって言ってくれてたので、そのガッツもすごいなと思って、なかなか心を打たれました。
とにかく子供の発想っていうのは本当にね、叶わないわっていうね、ほっぺがなんで華麗なの?とかね、こんな細かいシマシマどういう色使い?とかね、本当に叶いませんっていう感じでしたね。
いやぁ羨ましい。私もね、ちょっといつまでもあの頃のね、子供の頃の発想を忘れないようにしたいなというふうにね、とにかく逆に私がたくさん刺激をもらったなという感じでした。
大人からすると、こういう機会ってたくさん何回もやるかもしれないじゃないですか、これから。でも子供たちにとってはポプラ社という有名な本がいっぱいずらっと並んでいる受付を通って、実際本を作っている現場を見たり、一応プロの人が書いているキャラクターを見たり、作り方の秘訣を聞いたりっていう、
そんな体験って、もしかしたら夏休みの本当に思い出になってくれるかもしれないし、なんなら人生で大事な1日になるかもしれないですよね。そう思ったらやっぱり手は抜けないなというふうに思ったので、自分なりにかなり一生懸命準備はしていきましたが、楽しかったと帰ってくれたんだったら良いかなぁなんて思っております。
新たな気づき
すごく緊張していた子供たちだったんですけど、別れ際にはすごく私にいろんな感想を言いに来てくれたり、抱きついてくれたり、たった2時間一緒にいただけなんですけど、可愛くて可愛くて仕方がないという感じでしたね。本当に貴重な機会をありがとうございました。
一度経験しましたので、これは本当に老若男女いろんな方でできるプログラムにできたなと自分では思っています。結構企業の方に自分のサービスとかミッションとかをキャラにしてみるっていう頭の使い方をやってみてもらうっていうのもなんか面白いんじゃないかななんて思いましたね。
とはいえ私、講師業が別にめちゃくちゃやりたい人間ではないので、やるってなるとすごく緊張しちゃいますし、子供たちとやってても私やっぱり教えるんじゃなくてやりたいんですよね。教える側じゃなくて一緒にみんなと作りたいなんてなってしまうので、受ける方が好きだななんてね、改めて教える側をやってみて思いましたね。
でも、保育園訪問でね、にこちゃんと一緒に踊ってお絵かきパフォーマンスするっていうのもできるように一応なりましたし、小学生向けのキャラクター作りワークショップも一つのサービスとしてできるようになりましたので、こういったことも一つの売りにしてやっていこうかななんて思います。
はい、ということで今日は人生初小学生向けキャラクター作りワークショップをやってきた感想を声で残してみました。イラストレーターの原井美でした。また話します。