1. イラストレーター原あいみの話
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2024-03-20 10:32

#57 全身全霊をかけて本を作ったら消えたくなった話

若い頃は「全身全霊で!」「命をかけて!」みたいに、作品を作るタイプでした。
でも、仕事はそんなふうに100%でしない方がいい、とリアルに感じた体験をお話しました。

お話に出て来た本はコチラ

【素人ですが、デザインしてみました。】 
https://amzn.to/3mAsakJ

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サマリー

原あいみは若い頃から花粉症で悩んでいました。全身全霊で本を作り上げていましたが、同じコンセプトの本がほぼ同時期に発売され、落ち込む出来事を経験しています。その経験から、お仕事を100%全力でやらない方がいいと感じたという話を紹介しています。

花粉症の苦労と地美科
イラストレーターの原あいみです。花粉がやばいですね、みなさん大丈夫ですか?
私はですね、結構若い頃から花粉症で、毎年地美科に行ってるんですけど、今年はですね、去年の残りの薬があったので油断してたんですね。
この数年ちょっと落ち着いていたので。なんですけど、3月入ってから突然、酷くなってしまいました。
慌てて地美科に行ったら、天科薬をね、私がすごく信じてる天科薬があるんですけど、それは2月の14日、バレンタインぐらいからやり始めないとダメだっていう風に先生に言われまして、
そうすると、服用する定剤の薬を飲まなくても大丈夫なくらい落ち着くんだそうです。
それ知らなくて、せっかく去年の余りがあったのにもったいないことしたねって先生に言われました。
来年はバレンタインになったら出資するっていうのを覚えておきたいと思います。
今日の本題はですね、お仕事を100%全力でやらない方がいいっていうお話を中村敦彦さんの放送で聞いて、その通りだと思ったことがあるので、それについてお話ししたいと思います。
10代とか若い頃、20代とかは、とにかく向き合う作品とか仕事とかは、とにかく全力で全身全霊をかけてやるっていうタイプの若者でした。
学生時代はダンスとか演劇とかをやってたんですけど、そのダンス作品にね、全てをかけるみたいなのを日記に書いたりしてたのを覚えています。
なので、割ともう本当に全身全霊をかけてやるみたいなのが好きなタイプだったんですけど、お仕事として絵を描いたり作品を作ったりっていうふうに向き合うようになってからは、ちょっとね、一つ一つに対してやっぱりそこまで命かけるみたいなことはできないっていうか持たないですよね。
とはいえ、手を抜いたりすることは全然できないので、いつもできる限りの気持ちを込めてやるみたいな、そんな姿勢でお仕事をしているという感じです。
今から4年前、2020年に私が一冊まるまるオールマンガで、作も私と在職中に会社のメンバーたちと一緒に作った一冊の本があります。
パイインターナショナルさんから出ています、「素人ですがデザインしてみました。」という本なんですけれども、これはですね、デザイン本なんですね。
デザイナーさん向けの本ではなくて、一般のデザイナーじゃない素人さんがデザインをするときに役に立つ、デザインの基礎が漫画で学べますという本なんです。
今ってね、昔と比べていろんなソフトもたくさんあるし、SNSで例えばインスタのちょっと位置画面作りたいなとか、そういったことでもデザインをするっていう場面って結構あるんですよね。
そういったときに、ある程度基礎的な知識を身につけておいて作るといいものが作れるよねっていうようなものを伝えたいなっていうような本だったんですね。
そのデザインのことを漫画で伝えるってなかなかないよね。絶対面白いと思うんだっていうような感じで、編集者さんからお声掛けをいただきまして、私のインスタを見てっていう感じでお声掛けいただいたんですけれども、
最初は漫画を描いてほしいっていうようなお話だったんですが、私がデザイン会社に所属していて、自分もアートディレクターをしているし、
あと仲間にね、アートディレクター、デザイナー、コピーライター、いろいろなクリエイターが揃っていたので、これ皆さんで著者になったらいかがでしょうかっていうふうに言ってもらえたんです。
私の元いた会社は絵本とかはすごくたくさん出しているんですけど、こういった大人向けの実用書っていうんでしょうか、そういったものの実績がなくて、しかも会社の名前で著者になるっていうのは初めての体験だったので、
これはめちゃくちゃ面白いぞと思って、かなり気合を入れて本を作りました。
本の制作と同時発売の類書
内容も全部自分たちで作り、かつ私はほぼすべてのページが漫画なんですけど、漫画で執筆をしていたので、本当に大変で、他の仕事もしながら同時並行で作っていたので、
かなり夜中に書くみたいな、しかもタイマーをつけて1ページ何分で書き上げないと間に合わないとか、本当にね、結構死に物狂いで作ったっていう感じの本なんです。
その時頭痛が取れなくなっちゃって、若干死を感じるくらいの執筆の仕方をしていたなというような本でした。
でも仲間たちと作れた初めての本だったので、すごくすごく愛しくて、登場人物がユッキーっていうカフェ店員の女の子で、店長さんにいろいろ作り物を頼まれて、いろいろデザインしていくっていうような女の子なんですけど、
その登場人物がね、とってもとっても可愛く書けたんですよ。すごくいい子なんです。なので思い入れもすごくあって、なのでいよいよ発売ってなった時は本当にね、我が子を世に送り出すみたいなそんな気持ちでいました。
なんですが、いよいよ発売っていう少し前にですね、全く同じコンセプトでデザインを素人さんに向けて漫画で伝えるっていう本がほぼ同時期に発売になったんですよね。
で、これ知った時めちゃくちゃびっくりして、ものすごく新しい試みかと言われれば、確かに思いつく範囲のことではあると思うんですけど、でもこんなに同じ時期に全く同じコンセプトで類書が出るなんてことある?って思ってですね、めちゃくちゃ落ち込んだんですよね。
なんかね、企画がどっかから漏れてたんじゃないかって思うくらいのタイミングで、でも多分あちら側の本を作られている方もそう思ったかもしれないです。もう本当にね、そっくりの内容なんですよね。
で、ただ、あちらの本はですね、著者の方が講演をやったりとか、そのデザインに関してのね、他にももう実績がある方だったので、あちらの方がもう断然認知度が高く、売れ行きも良く、アマゾンレビューももう雲泥の差であっちがついていくみたいな、そんなことが起きたわけです。
で、とはいえ、そちらの本もね、ちょっと読みたくなかったんですけど、やっぱり現実を見なくてはいけないと思って読んで、比べましたが、別に負けてるとは思わないって言ったら変ですけど、うちの本はうちの本でとっても良い本ができたなっていうことには違いないっていう気持ちだったので、仕方ないと思いつつ、やっぱりですね、なんかすごく時間かけて、
それこそその、もう頭痛と戦いながら死を感じるくらいの思いで、それこそ本当全身全霊かけて書いてきちゃったわけですよ。なので、なんて言うんでしょう、もう本当に心にぽっかり、なんか穴が開いたみたいな、何とも言えない気持ちになったんですよね。
で、もちろん私たちの本も結構評判が良くて、ある意味一緒に話題になってもらえたっていうところもあったのかもしれないです。結構平置きにもなったりしてましたし、発売後、すごい早いスピードで10判をいただいたりとかね、結構いい成績だったんです。
なので、周りから見たら初めて仲間と著者にもなって、オール漫画で自分が絵を書いてっていう本が出るなんて、すごいすごいことじゃんってなると思うんです。なんですけど、その発売の日は、もうなんかどん底の気持ちだったんですよね。
で、その時に、思いが厚すぎると危ないなっていうのをすごく感じました。で、当時、会社の社長だった大先輩に、もうすごい落ち込んでますみたいなことを伝えたら、まあそんなことはある、もうこんな仕事してたらあることやから、もうはい、次、次、次やって言って、なんかさっぱりと言われて、
まあそうだよね、そうだけど、そんな私たくさん本出してないしと思って、うん、めちゃくちゃ落ち込みましたね。
周りから見たら、もうすごいノリノリにね、あの本なんか出してって見えてるけれど、消えたくなる瞬間みたいな、そんなのをちょっと体験した出来事でした。
というね、まあそんな体験をしましたので、なんていうか、こう、本はね、確かに全身全霊気持ち込めてね、書くんですけど、まあ所詮本だなって思うんです。別に自分の人生書けるもんじゃないなっていう風に感じました。
なので、あのもちろん頑張って書きますが、100%全身全霊、命かけてやります、みたいなのは違うなーってリアルに感じてます。はい、ということで今日はお仕事は100%の力でやらない方がいいんじゃないかというお話をしてみました。
素人ですがデザインしてみましたは、パイインターナショナルから好評発売中です。とってもいい本なので、よかったらご興味ある方チェックしてみてください。
イラストレーターの原江美でした。
10:32

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