1. 震動
  2. EP12|広告の震動
2025-08-07 28:42

EP12|広告の震動

私が私に負けた/舐めてくるやつしか認められない/ホストクラブの看板/バースデイパチンコ/佐内正史とCR新世紀エヴァンゲリオン/声優の経験/回路を切らないと出せない声/看板は現代の鏡/軽薄さと高尚さ

「Ambiguous Intentions」 Venue 2

【会期】2025年8月1日(金)~8月31日(日)

【開館日】水・木・金・土・日

(月・火は休館)

【会場】Sequence,Environment,Neutral.

(東京都墨田区江東橋5-10-5 *Key Value Store)

【アーティスト】

秋山珠里、黒瀧紀代士、小林優平、関川航平、鳥井祥太、村田 啓、本谷有希子、涌井智仁、Kornieieva Varvara、Riyo Nemeth、Taka Kono

https://www.ambiguousintentions.com/exhibition/


あなたが感じ取った『震える』事象を、本谷有希子が読み解きます。

あなたの『震える』事象を募集しています。
感想のお便りも大歓迎。
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毎週聞いて欲しいので、Spotifyのフォローとコメントもお待ちしています。

本谷有希子 X | @motoya_yukiko
1979年、石川県生れ。2000年「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。主な戯曲に『遭難、』(第10回鶴屋南北戯曲賞)、『幸せ最高ありがとうマジで!』(第53回岸田國士戯曲賞)などがある。2002年より小説家としても活動。主な小説に『ぬるい毒』(第33回野間文芸新人賞)、『嵐のピクニック』(第7回大江健三郎賞)、『自分を好きになる方法』(第27回三島由紀夫賞)、『異類婚姻譚』(第154回芥川龍之介賞)、『セルフィの死』など。近年、著作が海外でも盛んに翻訳され始め、『異類婚姻譚』、『嵐のピクニック』をはじめ、世界12言語で出版されている。

プロデューサー:佐伯ポインティ @saekipointy

ディレクター:メチクロ @maticlog

製作・配信:密談 @mitsudan_net

サマリー

本谷有希子は自身の初めてのアート作品の展覧会について語り、アート制作に対する敗北感や学びを振り返ります。また、日本の広告環境について独自の視点を提供し、その文化的な価値を考察します。このエピソードでは、日本の広告文化の独自性や美しさについて話されています。特に、パチンコ台や看板のデザインが持つ視覚的魅力や、現代の広告が社会を映す鏡としての役割に焦点が当てられています。広告の震動に関するテーマを様々な視点から掘り下げ、現代社会における軽薄さと深さの関係を探求しています。

アート作品の展覧会
こんばんは、本谷有希子です。震動第12回始まりました。このポッドキャストでは、あなたが感じ取った震える事象を、私、本谷有希子が、本谷なりに読み解きます。
えー、ここ最近ずっとやってたこととしては、ちょっと今小説書きたくないなーっていうモードになってて、演劇もまだちょっとなーっていうモードになってて
あのね、ちょうどそういう時に、展覧会とか作ったりする知り合いがいて、その人から、なんか知らないけど、ちょっと本谷さん、その今度展覧会するんだけど、アート作品を出してみてくれない?っていう、よくわかんない依頼が来て
まず、え、アート作品を出すって何?と思ったんだけど、まあある会場を借り切って、そこにまあ12ぐらいの作家を出すから、その中の一つとしてっていう風に依頼を、お話をもらったんですよ、ちょっと前に。で
で、なんか面白いからやっちゃえと思って、わかりました、やりますよって言って、引き受けてたお仕事があって、それを結構長い時間かけてやっていて、で、ついにこの8月1日からその展覧会の会期が始まっていて、数ヶ月かけてやっていたアート作品を私は初めて、はい、提出した、設営してきた今状態なんだよ。
で、それがさ、今1週間ぐらい経ってんのかな、1週間も経ってないかな、なんかまあ数日前に設営してきて、その、私結構さ真面目でさ、アートを作るには一旦アート、あの勉強しないとなと思って
大学のアートの教授に話聞きに行ったり、パフォーマンスアートをしようとしたのね、私。そもそもパフォーマンスアートって、作品を物、物体として展示するんじゃなくて、その生身の体を使ったパフォーマンスをして、それをまあアートと呼ぶみたいな感じのことをどうせだったらやろうと思っていて、てかまあ相手もさ、私にそういうことを求めてるんだろうっていうのもあって
もともとはパフォーマンスアートの勉強を結構してたんだけど、そう、教授にね、話聞きに行って、今の現在地に、アートシーンのパフォーマンスアートの現在地どこですかとか言ってさ、真面目に勉強したんだよ。でも全然わかんなくてさ
で、結構いろいろ2点3点あって、結局パフォーマンスアートをやめて、普通に作品をオブジェクトとして提出するに至ったんだよ
でこれ、それをこの間出してきて。で、なんかもうちょっといろいろありすぎて、整理できないんだけど、今私が、今自分の中にある気持ちを正直にトロすると、今私はこのものすごい作品を出して
敗北感を感じてます。なんか、なんだろうね、この敗北した感じ。いやまだ全然出したばっかりで、人がどういう評価をするとか全く聞いてないし、知らないんだけど自分がパッと設定して、次の日見たんだ。見に行ったんだ、すぐ初日に
で、他の作品どういうものかも全く分からなかったから、他の人もどういうことやってるのかなっていうのを初めてお客として見に行って、で、敗北なんだよな。これなんか他の人に負けたとかじゃないの。そうじゃないの。なんか私がアートというものに負けた。というか、私が私に負けたんだよ、これ
具体的に言うと、アートをリスペクトしてしまったんですよね。これなんでこう自分が敗北したって思うかって言ったら、アートに対して全然分からないから、まず勉強したとこから入って、それはいいと思うの。やっぱりアートって文脈だと思ってるから、なんか単発で面白いものを出すみたいなものじゃないと思ってて
背景もあって、過去にこれをこういうふうに同じことした人がこういうふうにいて、この流れで、みたいなのがめっちゃ大事だと思うから、勉強よかったんだけど。結局それを勉強すればするほど、すごい真面目に考えちゃったんだよね。で、いくつか思いついたテーマというか、まあ主題というかモチーフはあったけど、なんかそれをことごとく消して、もっと交渉
そう、交渉さに飲まれたかもしれない。なんか交渉であるべきって思っちゃったんだ、アートで扱うテーマって。っていうので、大きく言うと、痛みの再生産とか痛みの消費みたいなものをモチーフにして、主題にして作ってたんだけど、なんかその痛みって多分アートの主題として扱うのめちゃくちゃ王道じゃん。
アートに限らずかな。やっぱり痛みってすごく作品になりやすいし、座りがいいなと思っていたんだけど、なんかそれがね多分間違えたなって、今改めて客観的に見て思ってる。
難しいね。あのさ、やっぱりどっかで違うジャンルからそのジャンルに行くのだから、役割ではないけど、どっかでそれって殴り込みであるべきであって、そう、その殴り込みに一旦ぜ感がちょっと抜け落ちて、なんか賢まって、みんなにバカにされないようにしなきゃみたいなので交渉なテーマを選んじゃったんだけど
いやダメなんだってそれじゃ。って今思ってる。やるべきはめちゃくちゃくだらないテーマから入って、それを超一流に仕立て上げていくっていう作業をすればよかった。
で、その大事なのがギャップだと思ってて、なんか綺麗なものを綺麗にかっこよく仕立てるのってまあ普通だから、綺麗とかはすごいっていう感動にしかならないと思うんだけど
すごくその綺麗である必要が全くないものに、すごい労力とクオリティを出していった時に、めちゃくちゃかっこいいんだけど、でもこれそもそもそんなかっこよくする必要ある?みたいな逆転現象が起こってた時に人って多分混乱して
で、多分変なもの見たなって。変なもの見たけどめちゃくちゃかっこいいなみたいになるのが多分私の中では勝ち筋だなって今改めて思ってて。だから交渉にするべきでなかったんだよテーマを。
もっとすごく凡俗というか、私の中のミーハーな気持ちを大事にして、めちゃくちゃ低俗なことから入ればよかったなーって今思ってる。これがなんか私の中の苦味の自己分析なんだけどね。
じゃあやっぱりその、あれよね、やっぱ行くからにはちょっともうそのリスペクトとともに、美術界これでいいんですか?みたいなナイフで一回ぶっ刺すぐらいの気概がないと、他ジャンルってダメだよ。
それはさ、私もともと演劇してて小説に行った人間だから、その、まあその他ジャンルの人が本業の方に作品見せるみたいな経験して思うけれど。で、それも経って私が今、他ジャンルからあの純文学書く人とかの作品を見ても思うけど、絶対飲まれんなって思う。
そう、こっちのあの作法に全然乗るなって思っちゃう。もう変なもの持ち込んでほしいから。だからただ舐めててもダメなんだよ。無知で舐めてるのもまた違うんだよね。そこにリスペクトと舐め、舐めなきゃ、舐めなきゃいけないですよ。人って、ある程度。
私でもそれで言ったら、結構舐めてきてて。今自分の演劇、自分の本業の演劇って結構舐められるんですよね。あえてめちゃくちゃどうでもいいところから入れる。この間やった芝居とかも、その、わざわざお金払って会場に行ったのに、私が始めた演劇は、
いや、この間あのYouTubeで見ためっちゃおもろい動画の話していいですか?みたいな。お金払ってリアルな現場に行ったのに、人の見た動画の話されるって。で、なんか盗作してておもろいなって思って始めてるんだけど。みたいなすごい舐めた真似ができるんだけど。やっぱりその、常にどう舐めるかって大事だなって。
だから私の今回作品は、そう、舐めが足りなかった。って思っている。けど、まあ人生初だからね。とはいえ人生初だから。もうやってみないとわかんないから。そう、やってみて、めっちゃ怪我したけど、わかったから。
これ大事に今度なんかやる時、新しいジャンルとか飛び込む時忘れないでおこうと思って。結構常に何でも言えることかなと思って。なんかやっぱ舐めたやつじゃないと、あのね、ダメよ。そこにいる、あの本ちゃんの中側の人は、なんかもう認めない気がする。舐めたやつ、舐めてくるやつしかっていう感じがしてる。
あ、でこれは、そう、一応この8月中、会期いっぱい展示してあるから、禁止状なんだけど、まあなんか詳しくはちょっとまたわかるようにしとくけど、もし興味あったら、私の、あー恥ずかしい。恥ずかしい。あの真面目にやっちゃったの、すごい恥ずかしい。うん、作品があるから、ちょっとぜひ見てください。
アート制作における敗北感
振動ネーム 両手ともクリームパンさん
私はこの前までカナダのバンクーバーにワーホリしていたのですが、そういえば日本に帰ってきた時、日本の看板と広告の量に震えました。どこの壁を見ても何かしらの広告が貼られていて圧迫感があり、洗脳されそうで怖かったです。
もてあさんは広告だらけの東京に吐き気と嫌悪を催した時、どうやって目を伏せてますか。
あー、もうこれあれなんだね。広告だらけの東京に吐き気と嫌悪を催す前提で聞かれてんだね、私。もう当然催すでしょってことだよね。
いや、私さ、もようすかな。なんかね、あれかも。私、日本の看板、面白いと思ってるかも。たぶん。美術的に、しかも。
なんかさ、日本ってさ、けっこうもう独特の都市、特に東京だけど、なんかどこの外国にも似てない場所になってる感じがあって。
ヨーロッパとかやっぱさ、大陸で近いとこって似てるじゃん、街並みが。で、街並みだけ見せられても、さあこれどこでしょうって言っても、けっこうわかんなくて。
でも日本ってけっこう特徴あるなぁと思っていて、それ島国だからかな。なんかやっぱり、日本って日本でしかないビジュアルの都市になりつつあって、それすごい面白いと思ってるかも。
だから私、それを支えている一つの要因が、けっこうこの看板とかね、だと思っていて。そう、ないんだよね。あんまり海外にここまで、なんかこう、情報をびっしり書かれて、あの、街中にっていうのないから、なんかその景観をなんか、特徴づけてるのってこの看板だなと思っていて。
だから多分ね、両手ともクリームパンさんは、これを情報と感じ取っているのかもしれないが、私も多分情報として感じ取ってないかも。もう、絵画的な。視覚的に、なんかビジュアルとして受け取っていて、あんまりそう、字とかもう入ってこないかも。
面白いと思っているから。でもやっぱりその、あと広告けっこう好きだよ私。あの、一回あったじゃん。有名なやつもいろいろあるじゃん。あの、職業イケメンみたいなやつとか。あの、ホスト系とかさ、看板ちょっと面白いんだよね、すごい。
職業イケメンっていうコピーが結構流行ったりとかしていて、ああいうの見ると、あ、そう、大企業とかじゃなくて、なんかそういうすごく日本の文化を感じさせるものとかが面白くて。だから多分、日本独自の進化したものは面白い。
街並みもそうだし、ホストクラブも多分そうだし、あとパチンコ台とかもめっちゃ綺麗って思っちゃうんだよね。昔、ある舞台を見に行ったときに、あの本当に、ただ素舞台の上に1台真ん中にポツンってパチンコ台置いてあったんだよ。で、通電してて、で、それで電気ついて、まあ本当に普通のただの街のパチンコ台、CR何々みたいな台なんだけどさ。
すっごい綺麗で、ずっと見れるなと思って。ずっと見れる。なんかその、プレイヤーとして見れるっていう意味ではなくて、引きで美術館に置かれてたら、ずっと見ちゃうなこれっていう不思議な魅力があって。
広告と日本文化の独自性
なんかサナイさん、サナイマサフミさんっていう写真家がいて、その人も、私写真集でさ、CRエヴァンゲリオンの台をただ撮り続けたみたいな写真集があって。ああいうのはすごい、そうそうそう、わかるわかると思っているんだけど。
私こないださ、誕生日だったの。で、誕生日にしたことが、パチンコ売ったんだよ私。バースデーパチンコ。で、なんでかって言ったらたまたま目の前にあったから。ご飯食べて出た外にたまたまパチンコ屋があって、それで禁止庁の方行ってたんだけど、その作品の兼ね合いでね。
で、出たとこにパチンコ屋があって、ああバースデーパチンコかと思って、なんかいい気がして入って。で、1万をよくわからないながら突っ込んで、すごい速さでなくなるんだよ。ちょっとわかんないの。しかもあれ何がやっぱり面白いかわからない。なんか自分でやれることがなさすぎて、たまたま出すことしかできないじゃん。
で、あれってわかんないけど、回ったりするのも結局機械の決める確率でしょ。あれに夢中になれる理由が全然私にはわからないんだよ。ただその演出、悪魔的演出があるって、そう聞いたんだ。悪魔的だって、最近のその大の演出が。それも知りたくて行って、でもやっぱりパチンコは大自体はめちゃくちゃ美しいなって思いながら。
あの、音も含め。音も含め。でも何が面白いか全然わかんなくて、誕生日に、そう、パチンコして。ノープランで、ノープランでパチンコして。何やってんのかなぁと思いながら、いい誕生日だなぁとか思いながら帰りました。
あの、過剰に整ってるものも、私はなんか狂気を感じて、そりゃそれで面白いんだよね。中途半端に整備されたものとかがあんまり面白くない。すっごい、だから顔にめちゃくちゃメス入れて整っていってる人とか、もう、やっぱ面白いんだよなぁ。なんか、うん。狂気を感じるものは基本、なんでも好き。
で、それが美しいに繋がる時もあるし、その、美しいと美衆の価値観がぐちゃぐちゃになるものとかも好きだから、整えていくことで、おかしくなってくじゃないですか。美しくなってているはずなのに何かが歪んでき始めるじゃないですか。
だから、そうそう、だから日本のその特に都市部の街並みとかは、結構狂気的なものを感じてて、その、あれって別に誰かトータルデザイナーがいるわけでもなく、各々が好きな看板を自分の店の看板とか出していった末に勝手に出来上がったものだから、あれは日本の街並みはちょっと狂気的で、だから海外のその監督とかが結構日本の渋谷とかすごい好きで使うじゃない。あれはめちゃくちゃわかる。
なんか海外から見た時にも、なんか狂ってて面白いんだろうなって。どこの文化とも違う、しかもどっかの文化がミックスして入って独自の進化を遂げちゃったっていう感じもするから、あれはなんかその変に整備しないで突き詰めて、もっと面白い、あのよくわかんない場所になっていけばいいなと思うけど。
面白くない?何だっけあの、パーフェクトデイズ、薬床工事さんだっけ?がやった映画とかも、あれとかも、なんか私その街並みの映し方面白いなと思って。やっぱりその外国人が見た、外国人のフィルターを通して見た日本みたいなのが街並みに私は見えて、だからなんか私たちが見てる感じじゃないんだよな。
同じとこ映ってるけど、なんか、あ、その外国人の人から見たら日本ってこういうふうに見えてるんだっていうのが映ってて、それがまあ面白かった。それがなんか一番面白かったかな。
だからカラオケとか、アイドルとか、日本独自のあの、でもなんか、でも萌え英雄はまだ私は受け入れきれてないかもしれない。あれこそ本当にもう日本の文化ですって言って、海外にガンガン押してるし、もう武器なんだよ、確実に武器なんだけど、あの萌え英雄、でもなぁ全然あるんだけどなぁ、なんかでもやっぱり
あの普通にJRとかさ、いろんな、町おこしとかにも使われてるけど、なんか抜けてないとちょっときついな私あれ、なんかあの女の子たちの絵で、え、みんな受け入れられてるのか、もう何も思わなくなってるのか、いやもう全然ちょっと、最後に見たらなんだろうなぁ、アニメ、アニメを見れてないかも。
私昔声優してたんだよ1回だけ、声優を1回だけ19の時にしたことがあって、なぜかね、なぜかひょんなことからしたんだけど、その時にやっぱり、アフレコスタジオというのか、で私以外はほぼプロの声優さんで、でやっぱりみんなめっちゃ可愛い声なのよ、みんなめちゃくちゃ可愛い声で喋ってて、
でもさぁ、やっぱこう、あの、だから不自然なんですよね、それはもうしょうがないよね、不自然で、なんか自分の中の何か回路を切断しないとあの声出せないじゃん、出せるあの声、っていう、私の中でやっぱりその回路切れませんよっていうのがあって、
かたくなに自分の自然であろう、いや人間ってこう喋るでしょっていう声を貫き通してアフレコしてたんだよ、いや人間ってそうじゃないから、人間ってこうだから、みたいな感じでやってたの、でもやっぱりオンエアというかアニメになった作品見た時に、私が不自然なの、画面の中で
現代広告の役割
逆転現象起こるんですよあれ、そりゃそうか、そりゃそうか、私がその時不自然と思ったみんなの声がめっちゃナチュラルで、一人だけすごい違和感のある、この世界で不自然な声を出してる人として私のキャラクターが喋ってて、あ、こういうことが起こるのかって思ったけど、でもやっぱりあの声はなんか私一個回路切らないと出せない声だって未だに思うんだけど
で、えーと、なんだっけ、あ、そうね、声優の演技はやっぱり違いますね、そういう意味では、だからちょっとまだその自分の中に入り込んでないからそれだけはダメだけど、でもホストとかキャバクラとかパチンコとか日本のああいう雑多な看板とかはすごい好き、いいなって思ってる
あ、私でも、だからそれで言うと広告ってあれです、結構その自分の作品の中に描写として結構書き込みます
で、この間もあの原宿の町の小説の中で原宿の町で書いたんだけど、その時にやっぱり必要なぐらいその広告に書かれてる文字とか、あと広告トラックが、広告トラックのあの私が書いたのはあれだよ、なんだっけ
バーニラバーニラバーニラって言って、あの大音量で流していく風俗大賢のお仕事どうですかみたいな広告トラックなんだけど、あれとかを書いてて、やっぱ面白いんですよね、すっごい必要に書いて、いっぱい、そういえばその描写切った、なんか満員電車の話も書いた時に必要にその看板とか目に入る電車のステッカーの広告とかめちゃくちゃ書いてて
さすがにこんなにいらないだろうと思いながら、結構何箇所も切ったけど、好きかも、だからそういう意味で私あの広告が、だから情報って思ってないのかもしれないね
なんだろう、独特のあのフォーマットがあるというか、広告の広告言語みたいなものがあって、でそれがやっぱり面白いと思ってるんだな、でそれを目にしている我々っていうところまで引きで見てるのかも
これを毎日目にして生活している自分たちっていう、なんかその本当に社会を映す鏡として広告ってとっても手っ取り早いのかもしれない、こういうものに囲まれて生きていますよっていう、そのなんか時代性がすごく出るじゃない
で多分その本当にめちゃくちゃ早いスパンでその広告のトレンドとかも変わってて、だから現代とかを切り取るのにすごい多分いいんだと思うんだよね、それを入れておくと今を小説の中に取り込めてる感じがする
私小説の中にはさ、今を感じさせるものをどんどん取り込んだ方がいいと思っている方で、自分が今使っている言葉を入れるべきだし、自分の身の回りにあるどんなになんか小説、純文学とそぐわなそうなものでも、それは入れれば入れるほどいいと思っていて
それはなぜだろうな、なんかやっぱり今を書かないとしょうがないと思ってるのかもしれない、自分に限らず、人が何かものを作る時に、その昔名作って言われたものを今見ても正直やっぱりその当時見てたら名作だったかもしれないけど
今もなお自分が見て同じ衝撃を受けられるものってないと思っていて、そりゃそうでさ、だって人間って変わっていくから、感性とか感受性とか全部が変わっていく中で、その今のものを入れ込んでない時の方がむしろ気になる
広告の深層
しかもやっぱり今の純文学に限って言うと、やっぱり純文学ってすごくクラシカルというか古風な文脈で続いているものでもあるから、そこに今っぽいものを入れると、やっぱりそのちょっとギャップが生まれるんだよね
で、その今っぽいものを入れることによって、その小説自体も軽くなってしまって負けてしまう作品もあるし、それを取り込んだからこそ強度が増す作品もあって
で、本来だったらどんなに軽いものを入れていったとしても、その世界観自体が壊れないっていう強度があるものが残るべきだと思ってるから
いやこういうこと書いたら軽くなるかなとかって思ってるテーマほど、私はなんか絶対書いた方がいいと思っていて
なんか私この間書いた作品とかも、フォロワー数欲しい欲しいって言っている人の話なんだけれど、これってやっぱりどこかで後付けもいっぱい入ってると思うけど
フォロワー数欲しいっていう悩みって、なんていうかな、本当に深刻な悩みから比べたらものすごく軽んじられる悩みじゃん
だからそこを真剣にわざわざ書かなくていいよっていうところを、あえて普通だったら文学として扱われないものを文学として扱ってそれが成功した方が成立した方が面白いじゃんって思っていて
だからなるべく人がわざわざ作品にしないだろうっていうテーマを拾ってきたりとかして
で、しかもそのフォロワーが欲しい悩みってすごく新しいものだし、まだそこが絶望を感じるぐらい苦しいんだっていう
新しい苦しみ、まだ今までなかった苦しみって、なんか即書きたいというか、それはなんか早く言語化したいなとか
でもそれってやっぱり実際書いてみた時に引きで見た時にすごい軽い作品になっちゃうんだよね
でもそれでもいいやって、別に軽かったからって何がダメなんだっけって一回こうバッと振り切れるだけの余裕も自分の中に出てきたし
さっきの頭の話とも繋がるけど、重厚で高尚なテーマを扱うことと、からって作品が深くなるのと全く関係ないんだよなと思って
めちゃくちゃ軽薄で浅くいいものをどう深くしていくかっていう作業の方が面白いなと思う
それ言ったら看板とかってあのチープさとか、あのなんか我々の生きてる感じ、あの洗脳してくる感じとかも含めて
すごい描写として取り入れたいなって思うものなんだよな
リスナーからの反響
この番組ではあなたが感じ取った震える事象を募集しています
概要欄のリンクから送ってください
なんかちょっとだけ増えたみたい、そのお便りが増えてちょっと嬉しい
あとあの金石町の今の私の展覧会のやつも概要欄に貼っとくの、貼っときますね
まだまだあのいっぱい送ってください、嬉しかった
あと毎週聞いて欲しいのでこの番組のフォローとコメントもお待ちしています
じゃあありがとうございました、またね
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