飯田哲也さんのニュースレター『飯田哲也のエネルギー知性学』をベースに話しています。
2026年7月20日に配信された「バッテリー・ディケイド その2——蓄電池が電力市場を変える」
蓄電池の世界的な状況と、日本国内の動向について解説しています。
電力市場をどう形成していくか、がイシューとなります。
弊社(つなはぐ相模湖)では相模原市緑区で木質ペレット燃料を販売しています。
木質ペレットのご用命、ペレットストーブの設置、バイオマスボイラーの検討など承ります。
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サマリー
本エピソードでは、蓄電池が電力市場に与える影響について、飯田哲也氏のニュースレターを基に解説しています。蓄電池は単に電気を貯めるだけでなく、電力系統の安定化や電力市場のルール変更を通じて、再生可能エネルギーの普及を支える重要な役割を担っています。日本では、検討段階の蓄電池容量と実際の稼働容量に大きな差があり、市場ルールの整備や収益化の仕組みが課題となっています。地域レベルでは、分散型エネルギー源と蓄電池を組み合わせたVPP(仮想発電所)の活用が、エネルギーの地産地消と地域経済の活性化につながる可能性が示唆されています。
蓄電池の現状と電力市場への影響
はい、こんにちは。相模原市緑区で木質ペレット燃料やペレットストーブ等を販売しております。 行動会社つなはぐ相模湖代表の山口です。
この番組では、相模原市緑区の相模湖藤野津井といった総人口37,000人の地域が足元に、食とエネルギー、地域経済、そしてこれからの暮らしについて考えています。
今回のテーマは蓄電池と電力市場です。 参考にしたのは環境エネルギー研究、環境エネルギー政策研究所ISEPの飯田哲成さんが配信しているニュースレターエネルギー知性学です。
2026年4月20日に配信されたバッテリーディケードその2 蓄電池が電力市場を変えるという記事をもとに、なるべくわかりやすくお話しいたします。
蓄電池というと電気を貯めた後で使うものというイメージがあるかと思います。 スマートフォンのバッテリーもそうですし、最近では太陽光発電と一緒に家庭用蓄電池を設置する住宅も増えております。
しかし世界で起きているのはさらに大きな変化だと言えます。 蓄電池は電気を貯めるだけではなく、電力市場の仕組みそのものを変え始めております。
太陽光発電や風力発電の話になると、次のような意見が出ます。
太陽が出ていない時以外は発電できないね。風が吹かなかったらどうするの? 蓄電池があれば全部解決するの?
という問いですが、この問いに対して飯田さんは少し古くなってきているのではないかと指摘しています。
解決するしないということではなくて、変化への対応ということになります。
何時間分の変化ならどのぐらいの費用で対応できるのかということを蓄電池のシステム導入と 合わせて考える必要があるということです。
現在世界で主流になっている大型蓄電池は、だいたい4時間程度電気を出し継げられます。
例えば昼間に太陽光発電で余った電気を貯めておく。 その後、太陽が沈んで電力使用量が増える夕方にその電気を使う。
こうした昼から夕方への移動ならかなり現実的にできるようになってきています。 ただし曇りの日や風の弱い日が何日も続く場合は、4時間の蓄電池だけでは対応できません。
ですから蓄電池があれば全て解決するわけではありません。 しかし蓄電池の価格が下がるにつれ、4時間だったものが6時間8時間と対応できる範囲は少しずつ広がっています。
今は無理でも数年後には採算がいい、技術も追いつくと言える可能性が非常に高いです。 この変化の速さは蓄電池を見る上で大事なポイントになってきます。
蓄電池の役割は余った電気を貯めるだけではありません。 電力の世界では電気を作る量と使う量を常にほぼ同じにしておく必要があります。
電気が急に余ったりなくなったりすると、電力形態が不安定になり周波数の安定等が叶えられず、場合によっては停電につながります。
蓄電池はこの変化に素早く対応できるようなシステムです。 電気が余ったら充電する、足りなくなったらすぐに放電する。
これは実は火力発電所などよりも蓄電池の方が得意な部分と言えます。 少し大げさに言えば蓄電池は電気の倉庫から電力系統のバランスを取る調整薬に変化してきています。
サッカーで言えばゴールを決める選手というよりは攻撃と守備の間でチーム全体を整える選手と言えます。それが蓄電池です。
目立たないけれどその選手がいないと試合が安定しないというそんな存在です。
電力の需給バランスを常にほぼ同じにできるという機能を果たしております。
電力市場のルールと海外の事例
蓄電池の普及には技術だけではなく、電力市場のルールが大きく影響するという点は要チェックです。
どんなに性能の良い蓄電池があったっても、蓄電池の電気を使って系統に流せたとしても市場に参加できなかったり、
働いた分のお金が蓄電池を発電した事業者に支払われなかったりすれば、事業としての継続性は叶えません。
アメリカでは2018年に蓄電池が電力市場へ参加しやすくなるルールが作られました。
それまでは電力市場そのものが火力発電所や原子力発電所といった従来型の発電所を前提に作られていました。
蓄電池のように電気を買って充電することもできるし、電気を売ることもできる設備は想定されていなかったわけです。
ただ電気を作って流して売るという設備しか市場のルールは想定されなかったということです。
そこでアメリカでは蓄電池が電気を買う側と売る側の両方で参加できるようルールを変えました。
技術が普及するのをただ待つのではなく技術の特徴に合わせて市場を作り直しました。
オーストラリアでも大型蓄電池が電力系統の安定化に突っかかわれています。
特に有名なのが南オーストラリア州にあるホーンズデールの大型蓄電池です。
これはテスラが施工期間3ヶ月で急速に構築したものですが、電力のわずかな乱れに素早く反応して周波数を安定させる役割を担っています。
ただし万能ともいえず難しい問題もあります。
技術的にできることとそれがきちんと収益になるかどうかというのは別だからです。
実験ではうまくいった。システムも作成できた。
しかしマーケットではその価値が十分に評価されない。
海外でもそんなことが起きております。
マーケットで蓄電池の電気をどのように取り扱って収益化していくことが必要かどうかというのは、
制度的な議論や整備が必要になってくるという点です。
太陽光発電がたくさん導入されているカルフォルニアでは、
昼間に電気が余りやすく、夕方に急に足りなくなるという問題があります。
昼間は太陽光発電が活躍します。
夕方になると太陽光の発電量は下がる。
一方で、家庭では照明や調理、冷暖房などで電気を使います。
そのため夕方に他の発電所を一気に動かす必要があります。
この電力需要の形が昼のように見えることから、ダックカーブと呼ばれています。
カリフォルニアでは、昼間に余った電気を大型蓄電池に貯めて、
夕方に放電することで、このダックカーブによる急激な変化を和らげております。
もう将来蓄電池が役立つかもしれないということではありません。
再生可能エネルギーを中心とした日々の電力供給の中で、
大型蓄電池が重要な仕事をしているのがカリフォルニアの地域であります。
日本の蓄電池導入における課題
日本はどうなっているでしょうか。
実は日本でも、系統につなぐ大型蓄電池への投資意欲はかなり高まっています。
飯田さんのニュースレッダーで紹介されている数字では、
2025年12月末日の時点で、電力系統への接続を検討している蓄電池の容量は172GWに達しています。
ところが実際に接続が完了した容量は0.64GWです。
検討段階の数字と実際の稼働数に約270倍の差があります。
検討中の案件が全て実現するわけではありません。
空押さえというものもあるようです。
事業を行う準備が十分に出てきていないまま、接続する場所だけを先に押さえようというのが空押さえですね。
申し込みが増えすぎると電力会社側の審査も混み合います。
すると本気で事業を進めている会社まで長い間待たされてしまいます。
国も土地を本当に確保しているのかを確認したり、
保証金を引き上げたりして、申し込みのルールを厳しくし始めています。
太陽光発電と似たような新生の状況が起きていると考えられます。
技術はあると。
投資や設備を下へ作りたいという人もいる。
しかし実際に電力系統へつなぐところで詰まっているのが日本の現状です。
さらに蓄電池を設置しても実は収益を上げにくいということが言えます。
蓄電池の主な稼ぎ方は3つあります。
1つ目は電気や安い時間に充電して高い時間に売ること。
2つ目は将来必要になる電力の供給力を提供すること。
3つ目は電力が余ったり足りなくなったりしたとき素早く調整することです。
蓄電池事業ではこの3つの収入を組み合わせることが大切です。
ところが日本ではそれぞれの市場がまだ蓄電池に十分対応できていません。
海外では電気が余りすぎると電気の価格がマイナスになることがあります。
これは電気を引き取った人がお金をもらえる状態です。
蓄電池の事業者で考えるとお金を受け取りながら充電して電気が高くなった時間に売ることができます。
日本では電気が余っても市場価格は基本的にはマイナスにはなりません。
そのため海外と比べると蓄電池が価格差で利益を出せる機会が限られます。
つまり日本で蓄電池事業が難しいのは電池そのものが高いからだけではありません。
電力の価値をどう評価していくら支払うのか、電力市場、マーケットルールに大きな原因があります。
地域における蓄電池活用とVPP
これらの話を地域の目線から考えます。
住宅や集落が離れている山間部や地方などでは総配電設備を維持する必要がありますが、災害によって停電が長引く可能性もあります。
高齢者の世帯や福祉施設では一定の電力が必要になってきます。
すばやく避難できない病院もそういうことです。
地域には太陽光発電や小水力発電が設置されていたらそういうのも使えます。
森林や森林を活用した弊社が販売しているようなペレットや薪などのエネルギー源もあります。
再生可能エネルギーのポイントである分散を最大限に生かしながら蓄電池を活用するシステムを考えていくことが地域には必要になります。
電気が得意な仕事は電気に任せ、熱が必要なところでは地域の森林資源をベースとした燃料を使うことが必要になってくるかと思います。
地域に大型蓄電池を1つ設置する方法もありますが、家庭や事業所にある小さな蓄電池を仮想的に束ねて1つの蓄電池として活用するという方法もあります。
1件1件の蓄電池を小さくても数百件とまとまれば大きな蓄電所のように動かせる仕組みが可能性があります。
この仕組みをVPP仮想発電所と呼びます。
これはEVでも実現はできるかと思います。
地域内の家庭、住宅や公共施設、福祉施設、店舗、工場、倉庫などにある太陽光発電や蓄電池をネットワークでつなぐ。
電気が余っているときはまとめて充電する。
電力が足りないときは必要な範囲で放電する。
これらの収益の一部を散化した各施設や世帯に還元する仕組みもできます。
しかしこれも電力市場のルールや管理方法、災害時への優先供給の考え方、収益とか費用の分配の仕方、
トラブルが起きた時の対応方法など、地域主体で運営するようにできるのがいいと思います。
こういう部分に地域の住民組織や自治体、ローカルビジネス関連の企業が関わってくる意味があると考えられます。
電気は地域で作って必要な時間まで蓄電池で貯めておく。
熱は地域の森林資源で補うということが、弊社が考える地域エネルギーの一つの姿です。
エネルギーに使うお金を地域の中で回していくというのが最終的な理想的な形だと言えます。
灯油や火力発電、原子力発電等に頼らないようなエネルギーの使い方を提案し、考えていき、実装していきたいということが将来的な構想であります。
番組紹介と今後の展望
最後までお聞きいただきありがとうございました。
津波草神子の山口ですかでした。
番組では感想、ご意見等お待ちしております。
弊社は相模原市みどり区で木質ペレット燃料やペレットストーブ等を販売しております。
この番組では地域のエネルギーについて考えるためのきっかけとなるような情報を提供させていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
お聞きいただきありがとうございました。
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