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毎週水曜日のこの時間は、山根小雪のBrush Upです。
山根さん、今日のテーマは何でしょうか?
今日はですね、私がやっている日経エネルギーNextというウェブサイトがあるんですけれども、そこで今週月曜日2月19日に一つ記事を公開したんですよ。
その記事が、「うーん、これは!」って思うものだったので、ぜひ今日皆さんにご紹介したいと思います。
なんていう記事かというと、「日本は蓄電池でDラムや太陽光発電の廃線パターンを再び繰り返すのか?」というタイトルなんですね。
廃線パターンって、負けパターンってことですか?
廃線パターン、そうです。負けパターン。
産業戦略アナリストの大串康彦さんというエンジニアで、今は海外に進みながらですね、グローバルないろんなビジネスを見ている方に書いていただいた記事なんですけども、
これ、「Dラムや太陽光発電の廃線パターン、まさにこれDラムや太陽光発電は既に日本はめちゃくちゃ負けちゃったんだけれど、これをもう一回蓄電池で繰り返すんですか?」っていうタイトルなんですね。
Dラムっていうのは、スマホだったりパソコンだったりに入っているメモリーの部品のことですね。太陽光発電は太陽光発電のまんまですけども。
この記事は蓄電池をテーマにした記事なんですよ。蓄電池っていうとですね、ちっちゃい乾電池だったりモバイルバッテリーだったり、スマホとかパソコンに入っている電池をイメージすると思うんですけれども、
今実は世界で派遣争いが繰り広げられている領域があってですね、それが何かっていうと、電気自動車に乗せているようなでっかい蓄電池。
それから、あとは再生可能エネルギーの、例えば風力発電や太陽光発電とかの発電量が変増するような設備で作った電気を貯めておいて、電気を発電しない時間に放出するような大きい電池。
これもですね、住宅に置くような冷蔵庫みたいなものから、それこそ発電所みたいなものすごく巨大なものまでいろいろあるんですけれども、この2つの領域で、エネルギーの領域と車ですね、の領域で蓄電池の世界派遣争いみたいなものが今起きているんですよ。
どうしてこの2つが今世界中で注目されているのかっていうと、まずですね、これからモビリティはどんどん電動化していきますよね。プラグインハイブリッドやハイブリッド自動車も含めて、車はどんどんどんどん電動化していく流れの中にあるので、ここの蓄電池を抑えることができれば、ものすごい大きいマーケットを取ることができます。
それから、やっぱり自動車っていうのはどの国にとってもとても大事な産業なので、ここを取れるかどうか、そもそもね、例えば日本だったら自動車産業めちゃめちゃ大事じゃないですか。トヨタは世界でこの先勝っていけるのかっていったときに、トヨタはEVやるのかとか、トヨタはプラグインハイブリッド社で世界で勝てるのかみたいな話すぐになりますよね。
でもトヨタだけじゃなくて、そこに乗っかってる一番コストが高くて稼げる部品である蓄電池を誰が取るのかっていうのがめちゃくちゃ大きい戦いなわけですよ。
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もう一つ、さっきのエネルギーの部分で言ったの、でもやっぱり蓄電池はすごく重要な部品なんですけれども、例えばウクライナで戦争が起きましたよね。戦争が起きたらロシアからの天然ガスを世界が買えなくなるかもしれないって言って、やっぱりエネルギーへの不安の声が高まりました。
ロシアの戦争、あそこの戦争がきっかけで日本は電気売りがめちゃめちゃ高くなってますよね。こういうことがあって世界は何を考えたかっていうと、大変だエネルギーみたいな大事なものは自分の国の中で賄えるようにしておかないと、何かあった時にやばいことが起きるぞって言って、今世界中で再生可能エネルギーの導入に各国は金をたくさん使って舵を切ってやってるんですね。
でもやっぱり太陽光発電、昼間しか発電しないから夜どうしようか。風力発電も風が吹くときは発電するけどそうじゃないときは発電しないからどうしようかって。その変動の差を埋めようということで蓄電池の導入が世界中で急激に動き始めています。
ここもですね、やっぱり大きいんですよ、量が。みんなの日頃のエネルギーを賄うような電気を蓄電池で貯めて太陽光が発電しない夜に使おうなんて考えると、ものすごい膨大な量の蓄電池が必要になります。
これは戦争とかそういう安全保障の観点だけじゃなくて、この先カーボンニュートラルやっていく、脱炭素化を進めていく上でもこの流れは変わらないよねっていうことで、なんせこの電動車両とエネルギー領域の蓄電池で誰が世界の覇権を取るのかっていうことで、アメリカや中国やヨーロッパが大競争を繰り広げてるわけなんですよ。
でと、じゃあ今誰がシェア持ってんのっていうと、中国が圧倒してるんですよね。今これちょっと車載用の電池の数字を今日ちょっと持ってきたんですけれども、車載用だと中国メーカーが62.6%ですね。
第1位はCATLという会社、第2位はBYDという会社ですね。この2社だけで50%を超えています。これなんかオセロをやっていたら四隅のうち2つはもうCATLとBYDが取っちゃった。3つ目も中国が手を伸ばしてるみたいな状況なわけですよ。こんなのまずいって思いますよね、他の国はね。
なのでいろんな方策を打ってきていて、例えばアメリカはインフラ抑制法っていうですね、IRAっていう法律があります。これはですね、バイデン政権の肝入りの政策で、インフレ抑制法なので、昨今のインフレを抑えるためにっていう目的がついてるんですけど、中身を見るとですね、ほとんどが気候変動系のものにお金を使うっていう風になってるんですよ。
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再生可能エネルギーとか蓄電池とかそういうものにものすごい補助金を出します。いくらだと思います?この気候変動にこのバイデン政権がIRAって法律でいくら使うつもりなのか。
日本ではもう考えられない、桁違いな感じ。考えられないですね。ここまでやるのかアメリカやっぱすごいなって金額です。いくらですか?4000億ドル。今150円で考えたら60兆円ですよ。
これを気候変動系の再生可能エネルギー、風車だったりとか蓄電池、こういうものにものすごい勢いで突っ込んでるんですよ。もちろん電動車両用の蓄電池とか工場もそうなんですけど、こんなお金入れたもんだからアメリカの国内は巨大蓄電池があちこちに次々ボコボコでき始めててですね。
パナソニックの今年2月2日に発表した2023年4月から12月期の連結決算ですね。過去最高の利益を計上したんですけれども、なんとこの補助金アメリカのIRAによる補助金が640億円パナソニックに入っています。
640億円アメリカの補助金がパナソニックに入ってるんですよ。これテスラとやっている電動車両用のEV用の電池工場の補助金なんですよ。こういうことをやっててめちゃめちゃみんな競争してるんだけれども、じゃあどうやったら勝てるのかっていうことなんですよ。
これもう、答えがそんなこと、そんな前振りやってこんな答えかっていう話なんですけど、コスト競争力です。コスト競争力。コスト競争力が高いところが勝つんですよ。コスト競争力になんでアメリカはこうやってお金入れてるかってことも関係するんですけど、ただチクチクコストを下げるんじゃダメなんです。
生産量を一気に上げて、生産量の引き上げとともにコストを下げたやつが勝つっていう。これはもう実は経験曲線っていう、コスト競争力と製造能力の関係を示した曲線があってですね。
横軸が製造能力。製造能力をどんどんどんどん右に上げていくと。そうすると縦軸のコストが上から下にどんどんどんどん下がっていくっていう。要は右から下、左上から右下に落ちていく曲線のことを経験曲線って言うんですけれども、これに乗っけて一番右下にいる人が勝つって決まってるんですよ。
なるほどね。
だから技術を作ってチクチクコストを磨いていくんだけど、最後ドーンって投資をして、金を使ってコストを下げた人がマーケットリーダーになっていくっていうことは決まっています。
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たくさん作って安く売れたらね、それは市場独占できますよね。
まさにそうなんですよ。実はこの蓄電池の世界は今競争になってますけど、2010年までリチウムイオン電池っていう蓄電池の主力の技術で世界シェアのトップだったのは日本だったんですよ。
なるほど。
ちっちゃい電池の世界では日本はトップだったけれども、この世界では今見る限もなくなってきてますよね。
同じように、この記事のタイトルになっているディーラムや太陽光発電も、かつて日本は世界のシェアトップだったんですよ。
でも普及し始めたタイミングで投資ができなかったので、見る限もなくなってしまった。かつて一番だったのに。
規模が小さいときは一番でいられるんだけれども、どうしてその後勝てないのかっていったら、そこはやっぱり設備投資をするお金。
そこですね。
と意思決定ですね。
もうこの同じパターンで、さっきちょっと一個だけ伝えたいことがある。ごめんなさいちょっと長いんですけど。
中国がシェアをトップ走ってる中でどうしてアメリカが60兆円ものお金を使って、ここで戦おうかとしているかというと、
それは中国が走っていくところを何とかして止める。止めながら自分たちが投資をするっていう、この2つの作成を講じることによって中国のシェアを止めようとしてるんですよ。
アメリカは自分の国の中で生産したものじゃなかったら補助金は出さないよっていうやり方でこの4千兆円を使おうとしているんですよね。
その間に何とか中国のものがアメリカに入ってくるのを防ぎながら、いかにして自分たちがここの領域で巻き返しを図っていくか。
というわけで勝ち負けはセオリーが決まっているので、これをどういうふうに日本が実現できるかということが先々の勝敗を分かつんだよと。
日本は今そういう気配はあるんでしょうかと、ちょっと悲しい言葉を残して今日の解説を終わりにしたいと思います。
自分たちの長母の方で今苦しんでるからね。
そうですね、4千兆円とか言ってる場合じゃなくてですね。
悲しいな、国内を振り返ると。山根さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ここまで日経BP総合研究所主任研究員の山根紗友希さんでした。
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よろしくお願いします。