2024-10-21 12:48

山田 梢 株式会社Hi-Lights 代表取締役

データが人の役に立つ瞬間に立ち会う


2024年4月に設立されたHi-Lights。人流データや3次元地図データの活用技術に焦点を当て、災害発生時の計画策定や安否確認などのBCP策定支援を行う防災テック事業に取り組んでいます。リクルート、ブログウォッチャーを中心にビジネスサイドでのキャリアを積んだ山田氏。「位置情報データが人の役に立つ瞬間」に立ち会いたいと、起業を決意したといいます。災害などの“見えない”状況にも光を灯したい、そんなデータ利活用の未来についての想いを伺いました。

サマリー

今回のエピソードでは、山田さんが設立した株式会社Hi-Lightsとその防災テックにおける取り組みが紹介されています。防災に特化したデータ活用とBCP策定の重要性について語られています。株式会社Hi-Lightsの代表取締役である山田梢さんは、災害時の安否確認の重要性やデータ活用の方法について話しています。特に、東日本大震災の経験から得た教訓を生かし、テクノロジーを駆使して企業の課題解決に取り組む展望を示しています。

Hi-Lightsの設立と事業内容
Location Weekly Japanです。今週は、Hi-Lights の山田さんに来ていただきました。
山田さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。株式会社Hi-Lights 代表取締役、山田と申します。よろしくお願いいたします。
はい。じゃあ、会社紹介、自己紹介をぜひお願いします。
はい。もしかしたら、LBMAをご覧の皆さまも、ちょっと顔は知ってるかもしれないけれども、
そもそもこの人、何やってる人なのって、あんまりご存じない方もいらっしゃるかなと思いますが、
はい。私、今年のですね、2024年の4月に、このHi-Lightsという会社を起業いたしまして、
テーマとしては、主に防災テックの事業というのに取り組ませていただいております。
防災テックの中で、じゃあどういったことを扱って防災テックに挑むのかっていうと、
やはり今まで、LBMAにも関わりございますし、今まで私がやってきたところでもありますけれども、
人流のデータですとか、特に3次元の地図データなんていうのを活用しながら、
防災テックの市場に挑んでいくというようなことをやらせていただいております。
特に今スコープに入れておりますのは、災害に向けた計画の策定、いわゆるBCP策定ですね。
BCP策定の部分ですとか、あとは発災直後に72時間の壁とかよく言われて、
人命救助のデッドラインみたいなのが72時間というふうにございますけれども、
発災直後の安否確認とか情報連携をスムーズにするために、
どういったデータソリューションを提供できるかなんていうことを作っていく。
その辺りがメインの事業になります。
結構足が長い事業なので、短期的にはやっぱり各種コンサルティング事業というところも
ご支援させていただいている形ではございます。
山田さんの経歴と営業スキル
ありがとうございます。山田さんってそもそも何者なんですかをぜひ教えてください。
そうですよね。私は新卒で2006年リクルートに入社しまして、
結構ビジネス態度がずっと長い人間になっています。
その後16年にブログウォッチャーというリクルートと、
電通のジョイントベンチャー、位置情報系のジョイントベンチャーがあるんですけれども、
そちらに出向になりまして、その時今の川島さんと一緒にお仕事をさせていただいたり、
あと理事の坂田がいると思いますが、坂田が直属の私のボスだったりしていまして、
その時に地情報創業期的な、地情報がやっと取れるぞと、
ポケモンGOで地情報が画期的にデータ量が増えるぞという時代に、
そのデータ自体を収集して広告事業に活用、分析事業に活用、
そもそもデータ自体を販売するという事業を作らせていただいていたというところが経緯としてございます。
もともとあれですよね、リクルートで伝説のセールスアートだったんですか?
伝説多すぎ説ありますか、リクルート。
私はもう自我自賛で伝説という形にしようかと思いますけれども。
その辺の話を教えてください。
リクルート自体、私は飲食店様のホットペッパーグルメというところの営業だったりしましたので、
リクルートのホットペッパーの営業って基本的にITエリアが決まっていて、
例えば私は渋谷のエリアだったんですけれども、渋谷エリアに12人くらい営業が配置されるんですよ。
未経済店に飛び込み営業をしていくわけなんですけれども、
12人もその町にいるから、いくら飲食店があれども、
同じ店に10人とか1日で飛び込まれたりするわけなんです。
うわー、すご。
めちゃくちゃ辛いんですよ。
それだから飛び込んだ時は、お前5人目だよとか言われて、
あと7人くるかもしれませんとか言って、捨て台詞を吐いて出たりとかして。
最低ですけど。
それでも一応10回飛び込めばアポイントが獲得できるとか、
1件アポイントができたら、大体集中まで40%の確率でいけるとか、
そういったセオリーが自分の中でだんだんできてきて、
毎日毎日それをやってますから、
その辺のセオリーみたいなのが目に染みてついてきたことから、
いろいろな営業が非常に楽になりますが、
そんな営業をずっとしておりました。
そんなドブ板っていうんですかね。
ドブ板でしたよ。
全然ITじゃないっていう。
ロビーズオースする営業とはこのことかと思いましたけど。
ドブ板で鍛えられて、いきなりブログウォッチャーみたいな。
そうですよね。
だって営業ほとんどいなかったじゃないですか、ブログウォッチャーなんて。
そうなんですよ。
その時、今も言いますけど、
うさみっていう広告営業の方が一人いらっしゃいましたけど、
それ以外は本当に営業いなくて、
むしろ私営業で入って売り上げを作ってたのに、
坂田さんにこれ以上売り上げるなって怒られたりとかして、
なんでですかみたいな。
余地伝わないから、これ以上売り上げないでくださいみたいな。
大企業病だ。
なるほど。
でもそんな中で、位置情報データ活用ってどうですか。
当時は多分、いろいろ新しいことにチャレンジしなきゃいけなかった時代というか、
もう時代っていうぐらいそんな古くはないと思うんですけど。
そこから今年ですか、起業したのは。
そうですね、今年24年です。
どうしたんですか。
河下さんにもそろそろ起業したんですけど、
でもやっぱり一番思ったのは、データが人の役に立つ瞬間を
もっと最前線で自分で見たいと思ったっていうのが一番創業したポイントだったりしました。
もちろん一つの会社に属しながら、データの利活用というのを各社様に推進させていただく、
そのあたりもすごく刺激的で面白い仕事ではあったんですけれども、
自分としては絶対にやりたいテーマっていうのがいくつかやっぱりあって、
その中の一つは防災だったりするわけなんですけど、
それよりも優先順位的にこっちのお客様マーケティングのことをやらなきゃとか、
広告のことをやらなきゃなんていうところが、
やっぱり自分にとってなんとなくビジネスマン人生あと20年くらいだよなと思ったら、
ちょっとそこがもう少し頑張らなきゃって気持ちになっちゃった。
だから独立したっていうところはあるかなというふうに思います。
なるほど。
で、それで選んだテーマが防災。
はい、防災。
なんでしょうね、なぜ防災。
ちょっと皆様がどういうご理解をいただけるか、
あれなんですけども、
防災のデータに一番やってみたいなと思ったポイントとしては、
いわゆる3次元の人流データっていうのが比較的うまく取れるんじゃないかと言われ始めたところから、
特に強い興味を持ち始めました。
具体的にはMETCOMさんっていう3次元データの技術を持ってらっしゃる会社様がありますけれども、
そこの技術をお伺いして、
そこのエリア展開みたいなものの今後の展開を聞いたときに、
この3次元の人流データを持ってすれば、
あとは3次元のマップの整備というところもだいぶ進んでいますので、
そこをちゃんと組み合わせれば、
いわゆるBCP策定の精度もグッと上げられるし、
あと本当に人命救助みたいなときに、
この人が全然位置情報がこのビルの中で動いてないとかになると、
安否確認のデータとして使えるとか、
そういったことがよりリアルに自分の中で見えてきた。
だからこそ、今見えたならやろうというような気持ちになった。
なるほど。
防災市場の現状と課題
ただ防災っていうのは、
ビジネスとしてどうなんですかねっていうのが多分、
よく世の中で聞かれる質問かなと思うんですけど、
答えありますか、そこに。
そうですね。
市場規模としては別にそんなに小さくないなというふうに思っていて、
2024年の時点でも1300億くらいの事業規模になっていて、
基本的には2G、
自治体に対するものがメインだったんですが、
最近は2Bというような形で、
結構企業様のBCP策定のところの予算もかなり出てきているので、
そこも伸びてきているというふうには思います。
そうなんですね。
結局、誰かとどっかのエピソードで語ったんですけど、
2Gの仕事ってめんどくさい。
めんどくさいって言っちゃいけないですけど、
いろんな手順を踏まなきゃいけないとか、
書類死ぬほど作成しなきゃいけないとか、
そういうことがあるじゃないですか。
すみませんね、
最近2Gの書類を死ぬほど作成していると、
こういうメンタリティーになってしまうんですけど。
特定の何かが悪いわけじゃなくてね、
全体的にそういう傾向があるってことですよね。
経済的にそういう傾向があるんですね。
そうですね。
経済的にそういう傾向があるってことですよね。
結局、だからずっと変わってないと思うんですよね。
それが。
防災を担当している事業者さんとかって、
そんなに大きく変わらないのかなと。
いわゆる新規参入みたいなのは難しいんじゃないかと。
いくらデータで何とかできるとしたところで、
なかなか防災ずっとやってこられている
新設業の方々から、
その2Gの仕事をリプレイするっていうのが
難しいんじゃないかみたいな話はしたことが
どっかであったかなと思うんですけど。
そういうところを何とかしたいというよりも、
どちらかというと、
やっぱり2Bでそういったニーズが出てきたっていうのが
最近の傾向としてあるんですかね。
そうですね。
災害時の安否確認の重要性
おっしゃる通り、
自分としてもいけるかなと思っているのは
まず2Bからかなというふうに思っているんですけれども。
それこそ、企業様に対する安否確認のソリューション。
豊久茂さんとかでご存知だったりしますか。
豊久茂さんとかって、
安否確認って言って、
メールでレスポンスしなきゃいけない。
今、従業員が安全ですよっていうメールを
レスポンスしなきゃいけないですけど、
そもそも発災直後の通信環境がめっちゃ悪い時に、
そこに通信使うのすごいもったいないよなとか、
もしくは受信する側のアカウントを管理する人が
全従業員分、
その受信をしなきゃいけないって
その通信の負荷ってすごい高いよなって思うと、
補完的にそれってデータである程度判定して
できるんじゃないかって思ったりですとか。
さっき、経歴のところで
ブログの話ばっかりしちゃったんですけど、
実は直近リテールメディアの事業も
1年くらいやっていたことがありまして、
その時に流通さんとか、
あと旅行系の事業者の方とか
いろんな方に
発災した直後に
自分の店がどういう環境になっているのかとか、
あと旅行客、
自分の店のサービスを使っている旅行客が
その先で被災している状況なのかって
やっぱりサービス提供する側として
絶対確認しなきゃいけないんだけれども、
その確認方法がもうないと。
現地に行っているツアーガイドさんとか
支店の人に1人ずつカウントしてもらうとか
それくらいしかやりようがないと。
それってもうなんか
そんなことするんだったら
ある程度補完的にデータでできることは
あるんじゃないかなっていうふうに思った
というのが2Bへの展開のところかな
というふうには思いました。
なるほど。
東日本大震災のとき
私が当時いた会社
150人くらいかな社員が
で、通信落ちたじゃないですか。
全然携帯つながらなくなって
社長が外出してて
社長が行方不明
行方不明というか連絡が取らなかっただけなんですけど
連絡つかないと。
で、営業の人たちは全く連絡がつかなくなって
どうしようって
とりあえず神社に逃げるか
みたいな。
大平 なんで神社って話ですよねそれもね。
分かんないですけどね
何していいか全然分かんなかったし。
大平 そうですよね。
でしょうがないからみんな歩いて帰りましょう
みたいな感じで歩いて帰りつつも
結局あのときマップが全く使えなかったんですよね。
当時まだスマホになりかけてた頃だと思いますけど
私あのギャラクシータブレットって結構でっかい
大平 はいはいありましたね。
持ってたんですけど
全く使えずフリーズして落ちまくってみたいな
結局誰とも連絡つかないみたいな
そんなことを思い出しました。
で確かにその会社として
その状態でまず安否確認しなきゃいけないよな
と思ったんですけど
やりようがなかったなっていうのが
当時の話だったかなと思います。
今後の展望と会社名の由来
っていう意味では
今それがテクノロジーが進んでいるとはいえ
通信環境が落ちる前提で考えたときに
何ができるんだろうみたいなところ
っていうのは確かに課題なんだろうな
っていう気は。
大平 そうですね。
私も3.11のときは
それこそ翌日が姉の結婚式だったもので
親戚中が名古屋からこちらに来るのに
そっちに通信しなきゃいけなくて
8歳直後に自分の安否確認を会社にするのを
忘れてたんですよ。
それで連絡したときに
ホットペッパーグルメの中で
一番お前が8歳の連絡が遅かったって言って
めちゃくちゃ怒られて
いやでも私それより結婚式の方が重要だったから
みたいな。
そういうのとか何とかしてもらえたら
ありがたいんですけどみたいな。
まあそうですよね。
大平 結婚式の方が
マークできるみたいな方がいいんだろうな
っていうのはすごく思いました。
でもそういう考えてみると
一時情報データを使えば
最終地点とかっていうのは
取れたりはするんだとすると
そういう話ですよ。
大平 自宅に帰りましたとかね。
ある程度安全な場所にいますとか。
なるほど。ありがとうございます。
じゃあ今後の展望というか
この先どんなことを成し遂げていきたいか
みたいなところをぜひ教えてください。
大平 まずこの1年間はやっぱり
ちゃんと検証をしておかなきゃいけない
という時期だと思ってますので
いろいろなお客様と検証を進めさせていただきながら
こういう時は使えて
この時はこういう特徴量があってとか
そういったことをちゃんと明確にしていく
1年にしていきたいなと思っています。
来年以降にはそのデータを持って
やはりいろいろな2B
ないしは2Gのお客様に対しての
ご提案を積極化していき
何かしらの案件に実装されていく
というところを目指していく
そういうことをやっていきたいなと思っています。
やっぱり誰かの役に立つ瞬間というのが
今後あと1年で
来年かな、来年中には目撃したいな
というふうに思っています。
はい、ありがとうございます。
すいません、会社名の由来を聞くの忘れてました。
ありがとうございます。
人生のハイライトになるような仕事をしたい
というのが1つですね。
あともう1つは見えないような状況の中に対して
ちゃんと光を灯せるような
なるほど。
素敵なテーミングだと思います。
ありがとうございます。
笑っているじゃないですか。
違うんですよ。
社名の由来がLINEのスタンプが
リシって書いてあったからみたいな
そんな答えだったんで
ちょっとちゃんと考えてる人はいいなと思って
微笑んでた。
リシーさんも素敵だと思います。
はい、じゃあ今日は
ハイライトの山田さんにお話伺いました。
山田さんどうもありがとうございました。
はい、川島さんありがとうございました。
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