1. 100円で買い取った怪談話
  2. #60 神様の持ち物
2022-03-16 20:40

#60 神様の持ち物

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怪談作家の宇都郎しかたろうです。
今週は、オンラインで買い取った怪談をお送りします。
怪談をお話しくださったPさんは、中学生の頃、不思議な体験をされました。
その原因に気がついたのは、10年以上経ってから。
今回は、Pさんによる怪談と、その後に彼女の疑問に宇都郎が答える、今までにない構成でお送りします。
最後までお楽しみください。
中学生の頃に体験した話なんですけど、
学校の自然体験学習があって、そちらでテントに泊まったことがありました。
その時に、男子のテントがまず14個、それが2列にまず並んであって、
それで先生のテントがそこに間に挟まって、
女子のテントも14個2列に並んでるような配置になってて、
私のテントは端から2番目でした。
やっぱり自然体験学習なんで、夜になると本当に真っ暗になって、
懐中電灯がないと本当に何も見えないくらいなところだったので、
同じテントの子たちもみんな幽霊が出そうとか怖がってて、
ちょっと面白くなっちゃって、調子に乗りすぎて、
あ、後ろに、みたいな、からかうようなことを結構調子に乗って言っちゃってたんですね。
で、結構盛り上がってたんですけど、
夜の10時頃に先生が最後の見回りに来て、
それで私たちは午前中に登山をしてたので、
その疲れもあって、ぐっすりちゃんと見回りの後は寝てたんですけど、
しばらく経ったくらいの時に、
カランカラン、カランカランっていう鈴なのか、
テントの友達とかは鐘じゃないかとか、そういう話も出たんですけど、
本当にカランカラン、カランカランって音と一緒に、
複数人の足音みたいなのが聞こえてきて、
それがあんまりに大きい音量だったので、目が覚めちゃいまして、
で、今の音ずっと横切ってるよねって、
私たちのテント端から2番目って、
本当に端から男子とかのテントの方向にずっと一方通行で歩いてて、
03:00
それで横切るまでに結構な時間がかかってたんで、
6人じゃないなっていう、
いたずらだったら結構いろんな人集めたのかなくらいな人数で歩いてて、
自然学習なんで、熊とかそういう動物がいる可能性もあるんで、
先生とかが見回りとかで鈴みたいなの鳴らしてるのかなっていうのも話したんですけど、
時計を見てみたら、もう深夜1時過ぎを回ってたので、
こんな時間なのかなみたいな不思議だねって話をしてたら、
またカランカラン、カランカランっていう音と一緒に、
複数人の人数は多分変わってたんですけど、
でもやっぱり10人以上はいる音で横切ってきて、
また来たねっていう話をしてて、
さっきの集団が戻った音は聞こえなかったので、
別の集団なのかなって話してたら、
またそれが何回か横切るようなカランカラン音を鳴らしながら横切る音が聞こえて、
なんだろうね、これちょっと気味が悪いねみたいな話をしてたんですけど、
まあ気にしてもしょうがないねって言って、
翌日も結構体を使ったりする活動があったので、
寝ることにして、翌朝になったら何事もなかったので、
とりあえず別のテントの人たち、
ちょっとこの話聞いてみようかなっていうことになって聞いてみたんですけど、
やっぱり誰もそんな音聞いてないし、
聞いてたら起きてるよみたいなことになって、
もっと騒ぎになってるよっていう風な感じだったし、
鈴、きれいな音じゃなかったんで、
すごく大きさ的には割と大きい本格的な鈴なのかなって思うので、
ちょっと隠すにも無理があるし、
自然学習だと持ってく荷物も限られてるんで、
さすがに何個も鈴持ってたらバレるでしょっていう風に思うし、
本当に誰も鈴持ってきてる人見当たらなかったので、
それがちょっと不自然だなって思って、
音先生にも見回りお話聞いてみたら、
やっぱり10時以降はしてないってことだったので、
じゃあ昨日の音なんだったんだろうっていう、
ちょっと未解決のまま終わって、
でも翌日もやっぱり体を動かす活動ばっかりだったんで、
考える余裕がなかったっていうか、
あんまり考えないで体験学習は終わったし、
そのまま不思議なまま中学校も卒業して、
それから10年ぎりぎり経つかなくらいになったんですけど、
最近心当たりを思い出して、
まず一つ目はその当日に登山をしたときに、
山の頂上にいっぱい落ちてる石を記念に持ち帰っちゃったんですけど、
最近その怖い話とかよく見ると、
川とか山とかあとは神社とかの石って、
06:02
本当は持ち帰っちゃうとあんまり良くないっていう、
神様の所有物とかであんまり良くないっていう話を聞いて、
あのとき持って帰っちゃったのが良くなかったなって思うのが一つと、
もう一つがその山の頂上に小さいお地蔵さんがあって、
なんで祀られてるのかとか、
どういう意味があるのかとかは聞かなかったし、
あんまりわからなかったんで、
気にもしてなかったんですけど、
周りの子はお地蔵さんの目の前にある石、
わざわざ取らなくてもみたいなことは言ったんですけど、
でも本当に頂上にあったのがその石だったんで、
っていう感覚で持ち帰っちゃって、
結構お地蔵さんって鈴とか持ってるイメージが勝手なイメージなのかもしれないけどあるし、
神社とかでもよく聞くようなタイプの鈴の音ではあったので、
連想ゲーム的になっちゃうんですけど、
それと関係があったのかなって気になってます。
あとちょっと質問したいことがあるんですけど、
その山にもう一度ちょっと登って、
お地蔵さんのところに行こうか今考えてて、
あの時取った石って、
もうどこにやっちゃったのか本当に覚えてないっていうか、
なくしてしまったんですけど、
でもその代わり私結構パワーストーンとか集めてて、
気に入ってる石いっぱいあって、
その石一番お気に入りの一つ、
お地蔵さんのところに持ってこうかお返しっていうイメージで、
その一番大切なやつを少し考えてるんですけど、
それはあんまりよろしくないんでしょうか。
お地蔵さんに返しに行くと。
はい。
でもそれね、その時に持って帰った石でなかったらもう別にいいんじゃないですかね。
違う石、パワーストーンであったとしても、
お地蔵さんですからね、相手はね。
ですからあまりそういうのもらっても、
お地蔵さんの方も困るでしょうし、
代わりにはおそらくならないと思うので、
ですのでよっぽどそれが気になるんであれば、
ただ単にもう一回そこの山に登って、
お地蔵さんに手を合わせてくると。
持って帰った石はなくしてしまいましたってことで、
一通り謝るっていうふうにすればいいんじゃないでしょうかね、それは。
その石っていうのはもう今どこに行ったか全くわかんないんですよね。
全くわからないです。
家に持って帰ったのは間違いない。
間違いなくて、その後結構私、川とか山とか行くたんびに
何らかの人が来るので、
だからちゃんと横着しないで分かるようにしておけばよかったんですけど、
09:05
ジャラジャラみたいにしちゃってて、
しかもその石を引っ越しの際にそれを失くしちゃったので。
そうです、もうだったら石はもういいんじゃないですかね。
もしもその石に何かしらの意味があるんだとしたら、また出てきます。
どこかで。
ありえないようなタイミングでまた戻ってきたりとか、
絶対ありえないところから出てきたりとかするので、
もしそういうことがあれば返しに行くっていうのも一つの手なのかもしれないですね。
でもそういうことが特に何もないんであれば、
これはそのまま忘れてしまってもいいぐらいじゃないですかね。
どうしても気になるのであれば、さっき言ったようにもう一回登って
お地蔵さんに手を合わせてくるというふうにすればいいんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。
鈴とも鐘ともつかぬ音をさせながら、
テントの外をぞろぞろと歩いていったその時段は、
真っ暗な中、一体どこからどこへ行ったのでしょう。
それも最初の者たちが去った後も、
しばらくの間を置いてまた別の一段が通り過ぎていき、
そして少し経った後にまた別の一段が、
といった具合に繰り返されたといいます。
階段にはパターンがあり、
その中でも特に多いものの一つに、
同じ現象が繰り返されるというものがあります。
例えば、飛び降り自殺した人の幽霊、
とある高層マンションでは毎晩同じ時間になると、
屋上から飛び降りる人影が見えます。
それは、かつてそこから飛び降りた人物が幽霊となっても、
何度も何度も飛び降り続けているのです。
この手の話は全国的に聞かれ、
現在では都市伝説にもなっています。
他にもこんな話があります。
地区150年以上のとある旧家では、
10年に一度、ある特定の日になると、
男の子の幽霊が出て、
決まったルートで家中を走り回るのだそうです。
その子がなぜ10年に一度、その日だけに現れるのか、
理由は一切不明だということです。
このように一定の周期を伴って、
同じ回遺が繰り返されるのです。
また、階段のパターンとして、
昔から多く用いられるものに、
再度の回と呼ばれるものがあります。
一人、あるいは複数の体験者が、
同一の回に何度も繰り返し驚かされるというものです。
12:00
代表的なものとして、小泉薬物、むじなが挙げられます。
その話の中では、
道でうずくまっている女性に声をかけた商人が、
それをきっかけに立て続けにのっぺら棒に驚かされます。
まず、その女が顔を上げるとのっぺら棒であり、
驚いて駆け込んだ蕎麦屋でも店の主人がのっぺら棒で、
再び驚かされるというものです。
再度の回も、現代の回遺が繰り返すという現象に通じるものがあるでしょう。
Pさんが自然体験学習の夜に経験した回遺も、
そういったパターンに当てはまります。
そしてもう一つ、この体験欄が当てはまる怪談のパターンがあります。
見てはならない回遺です。
Pさんは、その音が聞こえてきたとき、
外を覗いてみようと思ったと言います。
ところが、その直前で急に恐怖が湧いてきて、
それができませんでした。
Pさんだけではなく、テント内にいた6人すべてが恐怖に駆られたのです。
その結果、音の正体を確かめることはできませんでした。
この確認できなかった、正体がわからず自慢だったというところに、
この体験談の怪談としての妙味があるように思います。
このような話を聞いて想起するのは、
片輪車という妖怪にまつわる話です。
有名なものでは、遠方年間に書かれた
諸国百物語という怪談集の中で紹介されている京都での話や、
漢方年間に書かれた諸国離人談の中にある滋賀県の話です。
どちらも、人々が寝静まった深夜に支柱を徘徊し、
その姿を見ると、たたられると噂されたと言います。
見るとたたられる。だから誰も見ない。
そのため、本来はどのような姿なのかわからないはずの怪異なのです。
ところが、先に紹介した書物では、
その姿を覗き見た人の話が書かれています。
京都でも滋賀でも、ある夜、どうしても気になった一人の女が
そっと窓から外を覗くと、
京都では、義車の片方の車輪の中央に男の顔がついた姿。
滋賀県では、片輪しかない義車に女が乗った姿の化け物が
道を通り過ぎるところでした。
女が驚いていると、それに気づいた片輪車が、
私を見るよりもお前の子供を見ろと言います。
急いで奥に寝かせている子供を見ると、子供は死んでいた。
あるいは、いなくなっていたということです。
15:02
古来、人は夜で歩くものではないという考えが日本にはありました。
夜は、地味猛竜が動き出す時間だというふうに考えられていたのです。
特に京都やその近辺では、
真夜中に悪鬼や化け物らが群れをなして歩き回るとされていました。
これを百鬼夜行と言います。
平安時代の節話集「根尺物語」や
鎌倉時代の節話集「宇治周囲物語」などに
それに出会った人の話が載っています。
また、主に四国地方に伝わる妖怪、夜行さんも
ある特定の夜に徘徊し、出会うとひどい目に合わされるため、
夜行さんが出歩くとされる夜は、誰も出歩かなかったそうです。
昔は今と違って、京の都のような大都会であっても
夜の闇は深く、無礼の輩が横行していました。
そのため、夜に外を出歩くと、
そういった類の者どもと出くわしてしまう恐れがあり、
そのため、夜は出歩くなと戒められたのかもしれません。
そういう意味では、
Pさんたちがテントから外を覗かなかったのは賢明だったと言えるでしょう。
恐怖とは、自己防衛本能から出る感情の一つです。
恐怖を感じられるからこそ、人は素早く自然に
危険から身を遠ざけるための行動を取ることができるのです。
人は得体の知れないものや理解できない物事に対して恐怖を感じます。
それが何かわからないということは、
安全が保証されていないことでもあります。
ひょっとしたら、自分に害を及ぼす何かかもしれない、
という不安が恐怖へとつながるのです。
Pさんが聞いた物音も、正体が何なのか見当もつきませんでした。
だからこそ怖くなり、
ただテントの出入口を開けて外を見るという、
そんな簡単な行為ができなくなったのです。
君子危うきに近づかずという言葉がありますが、
それは生きていく上では大切なことなのです。
それでは、もしもPさんが外を覗き見ていたとしたら、
どうなっていたでしょうか。
実際には行っていないことなので、
もちろんその結果はわかりませんが、
ひょっとしたら片輪車や夜行さんのような恐ろしい何かがいて、
その姿を見たがために、
さらに恐ろしい目にあっていたかもしれません。
あるいは、その音の正体が判明していたということも考えられます。
何かの自然現象であったとか、
彼らがテントを張っていたすぐ近くでキャンプをしている別の人たちだったとか、
18:01
そんな何でもない正体です。
そうなっていたとしたら、
テントの中で怖がって震えていた自分たちの姿が滑稽に見えてきて、
単なる笑い話になっていたことでしょう。
ほとんどの場合、怪異の正体を突き詰めていくと、
前者よりも後者、
幽霊の正体見たり枯葉花に終わることの方が多いというのが実情です。
Pさんが聞いたその足音の正体も、
実際には後者だったのかもしれません。
ただ、わからないのは、
その音に他のテントの生徒や教師らが一切気づいていないということです。
ここで思い出していただきたいのが、
それを体験した場所、山の中だったという点です。
古来、山は本来人が立ち入るべき場所ではないという考えが日本にはあったことは、
この番組でも何度かお話ししています。
山では、私たちの常識が通じない、
種々の怪しい出来事が起きています。
今回ご紹介したPさんの体験も、
それを裏打ちするものだったのかもしれません。
山に入って無事に生きて帰ってきたければ、
それがどんな山であったとしても、
山や自然そのものに異形の念を抱き、
軽挙盲導を慎むべきです。
山頂にお地蔵さんが祀ってあるのにも意味があり、
その石をむやみに持ち帰ることはお勧めできません。
山には人の目には見えない何者かが確かにおり、
山にあるものは小石一つ、木の葉一枚といえども、
その何者かの所有物なのです。
そんな得体の知れない存在の持ち物に手をつけるような真似は、
決してすべきではないでしょう。
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来週も水曜日の18時に最新話を更新します。
それではまた次回お会いしましょう。
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