第九十一話『立ち続ける覚悟』-【日光篇】 美空ひばり-
2017-05-27 13:07

第九十一話『立ち続ける覚悟』-【日光篇】 美空ひばり-

稀代の歌手にして女優、昭和を代表する大スター、美空ひばり。
5月29日は、彼女の誕生日です。そして、今年が生誕80年。
52年間の生涯は、壮絶な戦いの連続でした。
美空ひばりには、二つの関わりで、栃木県日光市に縁があります。
まず、父親が日光市出身であること。
そしてもうひとつが、彼女が奇跡の復活を遂げた曲『みだれ髪』の作曲者、船村徹(ふなむら・とおる)の記念館が栃木県日光市の今市にあるということ。
船村が『みだれ髪』を書いた頃の美空ひばりは、とても歌を歌えるような状態ではありませんでした。
度重なる身内の死。鶴田浩二、石原裕次郎という親友もひばりの闘病中にこの世を去りました。
50歳になるひばりの体は病魔におかされ、ボロボロでした。
肝硬変。そして大腿骨は壊死を起こし、立ち上がるだけで腰や足に激痛が走ります。
それでも、歌が歌いたい、もう一度ステージに立ちたい、という強い思いは、彼女に奇跡を起こします。
『みだれ髪』という曲で、船村は今まで以上の高い音をひばりに求めました。
真の不死鳥であってほしいという祈りにも似た願いからでした。
プロデューサーでもある母親は、反対しました。
「ひばりには、つらすぎる」
レコーディング前日まで立つこともできません。
でも、その日がやってきたとき、彼女はすっと笑顔で立ち上がり、一発録りを成し遂げました。
そのときの美空ひばりの歌に、船村は鳥肌が立ったと言います。
どれほどの激痛が彼女を苛んでいたでしょう。
それでも、最高の歌声だったのです。
『みだれ髪』の歌詞にある灯台のように、孤独に耐えながら常に灯りを灯し続けた歌姫、美空ひばりが、その生涯でつかんだ明日へのyes!とは?

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