第百六十話『失敗から学ぶ』-【北海道篇】作家 三浦綾子-
2018-09-22 12:53

第百六十話『失敗から学ぶ』-【北海道篇】作家 三浦綾子-

北海道旭川市出身の作家、敬虔なクリスチャンだった三浦綾子の記念館は、今年開館20周年を迎えました。
小説『氷点』の舞台となった林、その木々に囲まれた文学館には、今も多くのひとが足を運んでいます。
アーティストの椎名林檎は、中学生のとき、国語のテストに引用された三浦の小説『塩狩峠』を読んで感銘を受け、さっそく自分で本を買って読んだそうです。
人間の弱さ、人間が抱えてしまう、罪。
そんな重厚なテーマを、わかりやすい、透明な文章で紡いだ作家、三浦綾子。
なぜ、時代を超えて、彼女の言葉はひとびとを魅了するのでしょうか?
最後のエッセイ集『一日の苦労は、その日だけで十分です』の中にこんな一説があります。
「人一倍優れた人間であっても、その自分の偉さをひけらかしたとしたら、何のおもしろいことがあろう。賢い人も失敗する。だからこそ人は安心して笑えるのだ」。
三浦綾子には、三つの大きな苦悩がありました。
戦時中、軍国主義の中、教育にたずさわったこと。
愛するひとを病気で亡くしたこと。
そして、肺結核にかかり、切実に死を感じたこと。

大きな挫折を経験した彼女の語り口は読むひとに寄り添い、まるで背中をなでられているような安心感があります。
彼女は人一倍、強いひとだったのでしょうか?
彼女自身、その問いには、首を振るかもしれません。
弱いから、迷い、傷つき、間違う。
でも、大切なのは、そこから立ち上がる勇気。
そんな思いを作品に刻むために、病魔に痛めつけられた体で、必死に机に向かったのです。
作家・三浦綾子が、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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