神経状態の見極め方
こんにちは。のびやか四葉カフェをお届けします。公認心理師の四葉さわこです。
今日は、カラダ視点シリーズの4回目をお送りします。
1回目では、カラダ視点は心理学の何倍も使えるということでお伝えしました。
2回目に、まずは体調チェックの緊急レベル編。
3回目に、体調チェックの改善レベル編ということで、
睡眠、運動、生活リズム、パターン、ここも大事だよ、土台だよという話をしました。
今回の内容が、タイトルこれですね。
神経状態というモノサシを持とう、人や自分を見るときに、
今の神経状態に注目するという視点を、ぜひ持ってほしいんです。
この自律神経の状態に注目するというのが、カラダ視点の肝になります。
ちなみに、普段人を見るときは、おそらくその人の感情とか機嫌に注目しがちですよね。
その人の顔色や表情から、今機嫌が良さそうかな、悪そうかな、どう思っているかな、
なんていうことを推測するのが一般的だと思います。
これもね、もちろんあっていいんですけれども、今回はそれとは別に、先ほど言った、
今の神経状態に気づけるようになってほしいんです。
なぜなら、これに気づけると、その後の対応や調整の方針が立てやすくなるからです。
今日は、まずは3つの状態の見極めがなってほしいということで、
大まかに次の3つに分けて見られるようになってほしいと思っています。
1つ目は高ぶり状態、2つ目は落ちこみ状態、3つ目が安定範囲です。
高ぶり、落ちこみ、安定範囲、この3つの状態のどれにあるかっていうのを見極められると、役に立つんです。
神経状態に気づけると、その人のカラダが今何を求めているか、何を感じているかがざっくり分かります。
神経状態の分類
例えば、その人のカラダが今ここを危険と感じているか、安全と感じているかが分かります。
あるいは、その人が、あるいはそのカラダが今の状態をストレスと感じているか、処理できる範囲と感じているかが分かります。
あるいは、今その人のカラダが元気なのか消耗している状態なのかも分かるんです。
とにかく神経状態というモノサシを持つことで、それを自分に当てはめれば、自分の状態を調整するのに役立ちます。
自分以外の他者だったら、他者の状態を理解する、それを踏まえてコミュニケーションを調整するのにも役立ちます。
今やるべきことや避けるべきことが明確になるんですね。
今日はその入り口編ということで、前半後半に分けてお話したいと思うんですが、
まず前半、今日の前半では、自律神経について簡単にお話をして、次に神経の高ぶり状態について説明をしたいと思います。
後半は来週の配信の方で落ちこみ状態と安定範囲についてお話しますね。
ではまずは自律神経について簡単にイメージできるように説明したいと思います。
まずそもそも自律神経とは何か。
自律神経という言葉は皆さん聞いたことがあると思いますが、
自律神経とはカラダの全身を巡っていて、その全身を調整している神経のことです。
これは心の状態にも大きく影響します。
一般的な自律神経の説明の仕方だと、よくアクセルの神経とブレーキの神経があるという説明がされます。
ここでもその説明をいたしますね。
まずアクセル、車をイメージしてもらうといいかと思うんですけれども、
アクセルの神経は正式名称は交感神経と言います。
車はアクセルを踏むと前に進みますよね。
体も交感神経が効くとカラダを動かす方へ働きます。
あるいはストレスがかかるとカラダを闘うか逃げるかの方向に進めます。
そういうモードに持っていきます。
一方ブレーキの神経は正式には副交感神経と言われます。
車のブレーキを踏むとスピードが落ちて減速できたり、あるいは止まったりすることができますね。
カラダの副交感神経もそのように力を抜いたりとか休めたり、
あるいは節約モード、省エネモードにしていく働きがあります。
車もアクセルとブレーキどちらも必要なように、
人間の体にとってももちろんアクセルもブレーキも両方が大切だし必要です。
そしてどちらも踏みすぎない範囲でちょうど良いリズムで使われるのが理想です。
これは車の安全運転と同じです。
じゃあ今日言いましたね、神経状態まずは大まかに3つ分けて捉えられるようになってほしいと言いました。
神経の高ぶり状態
その高ぶり状態、落ちこみ状態、安定範囲について車の運転のイメージにそれに例えて説明しますね。
ざっくりとこういう感じなんだっていうのを知ってもらえたらと思います。
まず高ぶり状態は車のアクセルがその安定する範囲を超えて踏まれている。
スピードが出すぎているっていうイメージと同じです。
その状態だとスピードは出るんだけれど視野が狭くなるし、うっかりするとハンドル取られたりして危険ですよね。
この状態はガソリンも多く消費するし、車本体や部品への負担も大きくなります。
その安定する範囲を超えてアクセルがぐーっと踏まれている状態を高ぶり状態と言っています。
次に落ちこみ状態ですね。
これはブレーキは必要なんだけど、そのブレーキが安定する範囲を超えてぐっと踏まれている状態です。
これには2つの状態があります。
1つは急ブレーキ、急ブレーキを踏んだ状態。
もう1つは普通に運転したいのに、車ってハンドブレーキやサイドブレーキあるじゃないですか。
そのハンドブレーキやサイドブレーキが勝手にかかっていて、スピードが出づらいな、進まないなという感じです。
そのブレーキが勝手に効いているから、本当はもっと速く進みたいのにノロノロ運転させられているような状態です。
ちなみに急ブレーキ状態は凍りつき状態という説明もできるんですけど、
今回はそれは触れずに、別の機会に説明したいと思います。
この高ぶり状態、落ちこみ状態と違って、車が安心して安全に運転できる状態が安定範囲、神経の安定範囲です。
そういう状態です。
アクセルもブレーキも踏みはするんだけれども、踏み込みすぎてなくて、適度な範囲で滑らかに踏まれている。
必要に応じて加速したり減速したりというのができていて、支障なく運転できる状態、そんな神経状態を安定範囲と私は説明しています。
いかがでしょうか。車の運転のイメージで、なんとなく高ぶり、落ちこみ、安定範囲というのをイメージできたでしょうか。
では次に神経の高ぶり状態について、もう少し詳しく説明しますね。
神経の高ぶり状態って実は結構バリエーションがあるんですよ。そのバリエーションがあるということを知ってほしいんです。
まずカラダが、今ここを危険とかストレスと感じているときには神経が高ぶります。
神経はそうして高ぶる と闘うか逃げるかのモードになる。さっき言いましたね、なるんです。
闘うか逃げるかの闘う方向に高ぶっているときはイライラとか攻撃的になるとか、あとは何か物事にエネルギッシュにガンガン進む感じになります。
逃げるモードの方に高ぶる ときは不安や恐怖を感じる。ドキドキして誰かに助けを求めたいとか、そういう感じになります。
神経の高ぶり状態
闘う逃げるに行く一歩手前の警戒モード、警戒するって言いますね。それも神経が高ぶっている状態です。緊張している。疑心暗鬼になっている。
神経質とか臨戦態勢とかそんな感じも高ぶっている状態。
これは一見ポジティブな感じがすると思うんですけど、すごく浮かれちゃって、ハイテンションになっている。興奮している。熱血状態とか、それも神経が高ぶっている状態です。
さらには何かにグッと集中して、勉強だったり仕事なりをテキパキどんどんやっている。こなしているとか、頑張っている感じも高ぶり状態に含まれます。
どれも基本的にはとにかくアクセルが効いているってことですよね。アクセルが効いて活動するとか闘うとか逃げるっていうモードに強く入っている状態は、全部神経が高ぶっているという状態です。
もちろんアクセル効かせる必要があるときはいっぱいありますので、それ自体は別に良い悪いの問題じゃないんです。
たださっき車のイメージでもお伝えしたように、覚えておきたいことは、アクセルをグッと踏みすぎて神経が高ぶっているってことは、それだけ神経とか心身を消耗させる状態だということです。
一時的にやれるのはいいんだけれども、それが長く続くとやっぱりその反動が来る。ガソリンやエネルギーも多く消費するし、心身が疲れちゃうわけですね。
なのでこの状態をあまり長く続けさせるのはよろしくない。適度に休みを入れた方がいい。
そういう神経が高ぶっている状態が続くっていう時の対応方法については、実は以前にも記事を挙げています。
困った時の応急ケアシリーズということで、イライラ高ぶり時と不安高ぶり時、これが闘うモードの高ぶり時と逃げるモードの時の高ぶり時ということで分けて記事を作ったんですけれども、そこで説明してますので、気になる方はそちらも参考にしてください。
noteの方に記事のリンクを貼っておきたいと思います。
あとこれもお伝えしておきたいですね。
その神経状態はその時ストレスがかかって高ぶる ってことももちろん多いんですけれども、そうではなくて何でしょう。
テンションというとわかりやすいですかね。
その人が普段から神経が高ぶりがちなタイプ、つまりテンションが高めで活動的なタイプって人とか、あるいはちょっと緊張しやすい、ちょっと神経質というかね、そういう意味で普段から神経を張り詰めてるというか、そういうタイプ、本当にタイプの人もいます。
逆にね、ちょっと大人しいというか活動レベル低めに、テンション低めに見えるタイプの人もいますね。
とにかくその人によって神経タイプ、傾向があるんですけれども、この神経タイプも人と人がいて、あまりにも違いすぎると、異なりすぎると、なんかしっくり来ないとか合わないとか疲れるっていうこともあります。
だから、誰かとコミュニケーションをとるときには、相手の神経レベルやテンションに多少は合わせるっていうことも必要かもしれません。
あるいは逆に、そこまで無理してね、本来自分はそんなにテンション高い方じゃない、神経レベルが低めなのに、相手に合わせて無理やりあげるというか、そこまでしなくてもいいっていうこともあるかもしれません。
とりあえず、一時的な神経状態もあるけど、その人のカラーというか神経タイプの違いもあるっていうことも合わせて理解してほしいと思います。
ではここまで、神経状態というモノサシをもとの前編ということで、自律神経とはということで、車のイメージ、アクセルとブレーキのイメージで説明をしました。
それからそのアクセルが効いている時の高ぶり状態について、結構いろんなバリエーションの高ぶり状態があるっていうことをお話ししました。
次回、来週の後編の方では、落ちこみ状態と安定範囲について詳しく説明したいと思います。
またお聞きいただければ幸いです。
関連記事などはnoteの記事の方に載せておりますので、気になる方はぜひそちらをご覧ください。
ではまた来週お会いしましょう。