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こんにちは。のびやか四葉カフェという配信をしています。公認心理師の四葉さわこです。
あなたは、ご自身や周りの人がこんな状態になっていて困っていませんか?
例えば、やる気が出ない、疲労感が抜けない、人に会いたくない、
心理学より役に立つカラダ視点ということで、そのカラダ視点の中でもポリヴェーガル理論という理論がとても役に立つので、それの入門編をご紹介しています。
ポリヴェーガル理論は3つの神経系で説明されるんですが、今回の内容はこちら。
背側迷走神経複合体、青のブレーキ神経という言い方で私は説明していますが、「休息と消化、青のブレーキ神経とは」という内容でお届けいたします。
現在、全6回でポリヴェーガル理論入門編という内容をお届けしているんですが、音声版はYouTubeとかポッドキャストで無料で一般公開しています。
イラストがいっぱい入っているスライドでの解説動画版については、noteで運営しているオンラインサロンのびやか四葉カフェのメンバーになっていただくと、ご覧いただくことができます。
そちらの方は月額1000円から入会できて、過去の配信も見ることができるので、興味ある方はぜひご覧ください。
概要欄の方に説明リンクを貼っておきます。
では、今回の内容ですね。
ポリヴェーガル理論は3つの神経系で説明できるんですが、前々回に緑のチューニング神経について、それから前回、赤のアクセル神経について解説をしました。
今回と次回の2回連続で、青のブレーキ神経について解説をしたいと思います。
青のブレーキ神経とは
では、第1章、青のブレーキ神経とは。
青のブレーキ神経とは、正式名称は、ポリヴェーガル理論でいう正式名称は、背側迷走神経複合体です。
一般的には、副交感神経と言われるものに近いです。
ポリヴェーガル理論の、私が色で説明するときの緑のチューニング神経と青のブレーキ神経、これ両方を合わせて、副交感神経に近い形ですね。
青のブレーキ神経は、副交感神経の一部というか、副交感神経以外の神経も入って説明しているんですけど、副交感神経に近い、一般的には副交感神経と言われることが多いものなんだと捉えてもらえればいいと思います。
ざっくり説明すると、車で言うとブレーキ、カラダを止める方向、カラダの働きに働く役割がある神経です。
通常時は、休息と消化、食べ物の消化を担っています。
緊急時には、凍りつき反応という反応を起こすことで、身を守る役割もあります。
ですので、この青のブレーキ神経の働き、キーワードを3つで言うなら、休息、消化、氷つき、この3つになります。
こちらのイラストは、私がイラストレーターさんに頼んで作ったイラストになるんですけれども、
まさにこの消化器官ですね、お腹のあたりの、ここが青くなっていますよね。
この青のブレーキ神経が活性化すると、この内蔵、消化器官のところが活性化して働きます。
消化を促すということですね。胃や腸などを活性化させて、消化を促進させる神経です。
同時に、休息も担っているという話をしました。
頭とか、このイラストを見ていただいて、頭の部分とか手足の部分は青くなっていないですよね。
逆に頭や手足については、休ませる、省エネさせる方に、この神経が効くと、そういう状態になります。
だから、赤のアクセル神経の方は、逆にスライドを見られる方はご覧ください。
これは、頭とか手足が赤くなっていましたよね。心臓のところもそうだけど。
まさに、赤のアクセル神経が活性化した時の逆ですね。
逆、内蔵部分の方が活性化して、頭、手足の方は休ませる方に行く。
もちろん、睡眠、睡眠の時にもしっかり働くというか、効いてほしい神経です。
このブレーキ神経は、軽視しがちなんですけれど、とっても重要な神経です。
3つの神経系の中では、一番原始的で古い神経系なんですね。
ですけれど、原始的だけど、命の土台となる重要なことになっています。
休息と消化がキーワードになるという話をしました。
まず休息の部分、休息でも睡眠でもそうです。
そういうものが取れないと、体調を崩して最悪死に至りますよね。
だから、この神経がしっかり効けるようじゃないと困るわけです。
現代人は交感神経、アクセルの方が優位になりがちで、休むということを軽視しがちですね。
でも、それを軽視していることで、それが原因で不調になったり、反動からくる疾患が起きたりなどしています。
それから消化。
人間は食べ物を食べてエネルギーにするわけですけど、食べ物をただ体内に入れるだけじゃダメなんですね。
これをエネルギーや栄養に変換するように消化するという活動が必要なんです。
その消化を担ってくれている神経系ですね。
今、腸活とか脳腸相関、脳と腸がつながっていて、すごく重要なんだということが言われていますけれど、
まさにこの脳と腸をつなぐ神経が、この青のブレーキ神経、背側迷走神経なんですね。
しかも、この背側迷走神経、複合体の中の背側迷走神経だけれど、
腸が今どんな状態だって、腸の中で起きていることを感じて、その信号を脳の方に届ける役割の方が多いんですよね。
脳と腸、両方の情報を伝えているんだけど、特に腸の情報を脳に伝えている部分が大きいんです。
その腸の状態が、腸内環境とか消化の不具合ということが、メンタルにも脳にもすごく影響していることが分かっています。
そういう意味でも、すごく重要な神経系です。
このブレーキ神経の効き方には幅があります。
前々回の緑のチューニング神経のところで、安心・安全を感じているときは、ベースにこの緑の神経が効いているんだよという話をしました。
だから、安心・安全を感じつつ、あるいは繋がりを感じつつリラックスしているというようなときは、色で言ったら緑・青のような状態のわけです。
これが日常的な休息や消化や睡眠するときには、色で言ったら薄い青というか、そういう状態、休息とかブレーキを効かせた状態のときに効いているレベル、そういう効き方のときがある。
でも、これが強く効くと、ブレーキが強くなると、気力が落ちすぎたり、疲労消耗感が強かったり、うつ状態になったりという状態にもなります。
これが緊急レベル、命の脅威を感じるような緊急停止レベルに急ブレーキが効くような状態になると、凍りつく、頭が真っ白とか、カラダが固まる、動けない、思考停止、あるいは意識が飛ぶ解離のような状態にもなります。
命の脅威の緊急停止レベルの内容については、次回扱います。
今回は、冒頭でもお話ししましたが、やる気が出ない、疲労感が抜けないというような、ちょっと困るような、ブレーキ神経が強く効いているような状態について、特にフォーカスして取り上げたいと思います。
ブレーキが強すぎる状態
では第2章、ブレーキが強すぎる、長すぎるときです。
困ってしまうのは、この青のブレーキ神経が効きすぎるときですね。
強く長く効きすぎて、こういう状態、仕事や生活に支障をきたすような、こういう反応や症状が出たときが困るときだと思います。
例えば、やる気、意欲、元気が出ない、疲労感、消耗感、燃え尽き感が起きている。
あるいは、思考力や集中力、判断力などが鈍ってる、低下しているという状態。
落ち込んだり、悲しんだり、喪失感になっているときもそうです。
人に会いたくない、引きこもりたいモードのときってありますかね。
これも、この青のブレーキ神経が強く効いているときなんですね。
今お伝えしたような状態が、長期化・深刻化すると、病院でうつ病などと診断される状態になってしまいます。
だから、こういうブレーキが強すぎる状態が強かったり、長かったり、長引くということを避けたいわけですね。
通常なら、ここまでの状態にはなりにくいんですが、時々これが長引いたり、すごく強く出るときがあるわけです。
では、なぜこのような状態になってしまうのか、というところから考えたいと思います。
では、ここが今日の重要ポイントです。覚えておいてください。
青になりすぎるのは、赤になりすぎたからです。
青の前には必ず赤があります。
このスライドにもまとめました。
赤っていうのは、アクセル・交感神経が活性化しすぎた、そういう状態があったから、
疲弊消耗をして、ブレーキが効いて休息を求めているんです。
例えば、仕事だったり、趣味でも何でもいいんだけど、頑張りすぎたから燃え尽きているんです。
あるいは、刺激に触れすぎた。
情報なのか、音とか、スマホとかのあれなのか、とにかく刺激に触れすぎたから、脳とか疲れちゃって、
刺激を避けて一人でいたいっていうモードにカラダがなっているんです。
あるいは、自覚してなくても、外に出ると人に会うっていう時にものすごく緊張しちゃうから、
警戒モードになっちゃう。神経がとても緊張・興奮するっていう状態になっているから、
家に帰ってくるとドッと疲れる。
疲労感・気力落ち状態になっているっていうのは、その前にグッと緊張していたから、
ワーッとなっちゃっているんです。
あるいは、内臓がそうなっていることもあります。内臓が働きすぎたから。
例えば、食べ物を大量にとか、何回も消化しにくいものとかをどんどん入れているから、
それを消化するために胃腸などが活性化して動くしかなかった。
だからその分、内臓が頑張って働いている分、
頭とか手足の方には力がいかないというか、エネルギーがいかない状態になっている。
あるいは、ストレスがすごくかかりすぎたから、ストレスがかかると副腎、副腎皮質というところから
コルチゾルなどのストレス・ホルモンが出るので、
ストレスがかかって、その度にストレス・ホルモンを出して対応しようと頑張りすぎていたから、
副腎が疲れてしまって、副腎疲労という症状が起きてしまうとか。
とにかく、赤があったから赤になりすぎたから、青が強く出ている。
ここをね、本当に押さえておきたいところです。
自分の体調管理でもそうだし、対人支援の時も、ここのポイントを押さえておきたい。
だからなんか元気がないから、葉っぱ掛けて元気出してあげようって、お尻叩こうみたいなのは、ちょっと違うんですよね。
なので、対処を考える時の大前提として、この2つを押さえておきましょう。
まず、先ほどお伝えしたように、強く長い赤反応、アクセルの反応があったから、
強く長い青反応を引き起こしているんだ、ということ。
もう一つは、そこまで強い反応が出る前に、適度に休息や消化の時間をちゃんととっていれば、
そこまで悪化しない、長引かない、ということです。
ここを踏まえておくことがとっても大事です。
強い青反応への対処
では、次に第3章です。
強い長い青反応への対処。
では、実際にそうなったとき、どう対処すればいいかということですね。
第2章でお伝えしたとおり、赤になりすぎたから青になりすぎたんだ、という前提を踏まえてほしいんですね。
それを考えると、実は前回の内容、
強い長い赤反応になったときはどう対処すればいいかっていう、
前回お伝えした対処法とだいぶ重なるところが実はあるんです。
赤反応が強く長くなりすぎたときも、その影響で強く長い青反応になったときも、
ここのスライドに書いてある基本の5線のうちの、できたエネルギーを省いた4つは重なるんですね。
刺激から離れる、減らす、鎮静や休息を挟む、安心安全つながり、つまり緑のチューニング神経が効くようなことを増やす、
そうやって反応した理由を理解してあげて思いやる。
赤反応が強く長く起きているときには、ここを基本でやりましょうねって言いましたね。
これが実は、青反応が強く長いときにも重なって必要なことになります。
改めてというかね、そういうことも踏まえて、強く強い長い青反応への対処、改めて説明しますと、
ポイントは2つ、それは休息と削減をとるということです。
これ一つ一つ説明していきます。
休息の重要性
まず、強く長い青反応が起きてしまったとき、休息をしっかりとってあげてください。
休息、最重要な休息は睡眠です。
以前の音声配信で、睡眠が重要だっていう配信、6時間は睡眠不足という内容を配信しましたが、
そこも良かったら見返してください、聞き返してください。
睡眠をとれるかって大事です。
うつ状態になって重くなってしまうと、必要なのに眠れないとか、眠りが浅すぎるとか、そういうことがあります。
そういう睡眠障害などがあるときは、もう場合によってはお薬を飲んだりとか、
睡眠をとるための必要な具体的対策を講じることも重要だと思います。
それぐらいまず睡眠をとってあげることが大事。
あとは、休息をとるために仕事だったり、家の家事だったり、学校に行くとか、
そういう義務や役割みたいなものを一時休止することも必要かもしれません。
そういう意味で現実的な休息をとるということですね。部分的、一時的に。
これをね、仕事とか学校休むっていうこと、家のことやるっていうことを休むことができない方が多いんだけれど、
そこで一時休止しないことがもっと悪化、もっと大変なことに、それこそうつ病とかね、になったりもするので、
本当にこまめにとらないからだって話をしましたけれど、思い切ってちょっと一時休止するっていうことは大事ですね。
そういうとき。あとは、自分のカラダ、体で特に疲れてるところないかなっていう各部位ごとの点検をして、
例えば考えすぎて脳が疲れてるなとか、パソコン仕事だったりなんだりで目が疲れてる、
あとその内臓疲労ね、内臓が疲れてるんじゃないか、緊張しすぎて神経疲れてるんじゃって、
あるんだったら、その部位を休ませてあげるようなことを意識したいですね。
よくあるのが、学校とか会社とかを休んでるんだけれども、自分が休んだことでみんなに迷惑かけてるんじゃないかな、
どう思われてるんだろうっていうことを頭でぐるぐる考えてると、
そもそも頭がすごく疲れてそうなってるのに、学校仕事休んでも頭休んでないじゃないかということで、
全然脳の休息になってないから解消しないってことがあるんですね。
その部位を休ませる。
あとはリラックスするつもりでスマホとかYouTube動画を見てるんだけれども、
なんていうのかな、やっぱり目とか脳は全然休んでないから、
リラックスのつもりなんだけれども、休息になってませんよね、みたいなこともよくあります。
なので、自分のカラダのどこが悲鳴を上げて休息を欲しがってるのか、
あるいは消化する時間を欲しがってるのかっていうことに気がついて、
その必要なところを休ませてあげるっていうことを考えてあげてください。
次に休むためにも必要なのが、この削減ですね。
青のブレーキ神経の役割
削減をしっかり行ってあげます。
まず、頑張り過ぎたり働き過ぎたり、やることやタスク、あれもこれも抱えていないか。
人の時間とか気力とか体力っていうのは、やっぱり限界があります。
ものすごくバリバリ働いて、あの人は何できてるのにって言っても、
気力、体力とか時間っていうのは、人それぞれの事情とか能力とか生まれつきのものとか環境とかによって結構差があるんですよ。
だから人と比べてもしょうがない。
私にとって、その人にとっての適正範囲っていうのを考えて、
その範囲でやることとかタスクっていうのを調整すること、大事ですね。
あとは精神的なストレスも減らしてあげたいです。
嫌なことを嫌々やるとか、嫌なのにギリで誰かと、イヤな人と我慢して付き合うとか、
そういうことを減らせるならなるべく減らしてあげたいですね。
あとは自分で自分にストレスかけてる人も多いですね。
自分にプレッシャーかけたり、ダメ出ししたり、自己否定したり、そんなことばっかりやっているから、
自分で自分に負荷をかけている。
これをやめてくれたら、だいぶカラダや神経休まるのにっていうことがあります。
そういう精神的なストレスで削減できるところはないかっていうのを確認してください。
あともう一つ、カラダ的なストレスですね。
さっきも言いましたけど、脳とか目、肩、内臓などに負担がかかってないか。
食べ物もすごく消化が悪いものとか、
添加物とかもそうですけど、化学物質とか、
あと電磁波の影響とかも言われますけれど、
人によってそれがすごく敏感に影響を受けやすい人もいます。
だからご自身にとってのここもちょうどいいとか、
逆にアレルギーだなとか、これ摂取すると胃もたれしちゃうんだよなとか、
そういうものを調整してあげるっていうのが大事ですね。
摂取するもの、時間や量、環境などで調整して、
音がうるさいことが苦手だったら、
ちょっと静かな環境をどうにか与えてあげられないかとかね。
そういうので、音の削減、物理的なもので刺激を削減できないかっていう視点も大事です。
はい、じゃあここまで青のブレーキ神経とはということでお話ししてきました。
まとめになります。
青のブレーキ神経とは、車でいうとブレーキのような役割を担っています。
休息、消化、凍りつき反応を担っています。
凍りつき反応については次回取り上げます。
このブレーキの効き方、ブレーキ神経の効き方には、
ちょっとからすごく踏むところまで幅があるんだけれども、
だから大事なんだけれど、
ブレーキが強くかかりすぎたり長くかかりすぎている状態は、
生活に支障が来るから困りますよね。
そういう強く長い青反応が起きているというときは、
その前に強く長い赤反応が起きていたから、
頑張りすぎとか働きすぎがあったからじゃないかということを確認して、
その前提のもとに調整をしてあげてください。
対処するためには、必要な休息をとってあげること、
刺激とかタスクを削減してあげること、
それをしっかり行ってあげることが重要になります。
ではここまで、知っておくと役に立つポリヴェーガル理論入門編ということでお伝えしました。
次回は、この青のブレーキ神経が本当に緊急レベルでガーッと踏まれたときに、
解離したり思考停止が起きるその反応について解説したいと思います。
概要欄の方に、動画版を有料記事とか、
メンバーシップにオンラインサロンに入ることで見られる案内ページのリンクも貼っておきますので、
ご興味ある方はぜひそちらもご覧ください。
ではここまで、ご視聴いただきありがとうございました。