▼概要
創業初期のファイナンスで重要な意味を持つ「エンジェル投資」。エンジェル投資家に関わる税制を正しく理解することで、トラブルを回避しながらスムーズなファイナンスを可能にし、良好な関係性が築けるはずです。税制に詳しくない起業家でも理解できる「エンジェル税制」を解説しました。
▼サマリー
・エンジェル税制とは
-エンジェル投資家個人の所得税を減らすことができる制度
・エンジェル税制は改定が多いため最新情報の収集が必須
・3つのエンジェル税制
-優遇措置A、優遇措置B、プレシード・シード特例
・優遇措置A(事業所得や役員報酬のある、エンジェル投資家向け)
-総合課税される所得からスタートアップへの投資金額が引かれる(ふるさと納税に近いイメージ)
-課税は株の売却時に発生する(課税の繰延≒先送り)
-総合所得の税率が高い投資家は節税になる
・優遇措置B(ベテランのエンジェル投資家向け)
-A社の株式売却で生じた所得から、同年度に行ったB社へ投資額を引ける
-売却益が圧縮されるため節税効果がある
-B社株式の売却時には売却額に対し課税されるが、課税の繰延が発生することが価値(その金額を新たなスタートアップ投資に使うなど)
・プレシード・シード特例
-売却時に発生する所得が非課税になる(積立NISAに近いイメージ)※繰延ではなく非課税なのでインパクト大
-適用条件には、優遇措置Bの要件に加え、株主構成、設立年数、売上高、キャッシュフロー、研究開発費などがあるため難しい
・それぞれの税制措置は併用できず、エンジェル投資家/スタートアップ間での早めの確認が必要
・その他の特筆事項 -エンジェル税制を得意とする税理士はとても少ないが、間違えられない話のため相談できる税理士が必要
-エンジェル税制の適用対象が広がって新株予約権(特にJKISS)での活用が期待されている(次回詳細)
-連続起業家のための税制「起業家特例」(次回詳細)
▼『スタートアップ税務AtoZ』番組概要
税理士・公認会計士であり、『NFTの会計税務』著者であるスタートアップ会計の畠山謙人が、会計業務の基礎知識から、業界特化の税務対応まで幅広いノウハウを発信する番組です。シード・アーリーのスタートアップ経営者へ正しい知識を届けることで、Exitに向けた正しいファイナンスの土台づくりを支援します。
▼スタートアップ税務AtoZへのお便り(ご感想やトークテーマのリクエストなどお待ちしております!)
https://forms.gle/tsJdnqJTcZcUYFUe8
▼制作
・出演者:畠山謙人(税理士・公認会計士) @kandmybike
・MC、企画制作:稲荷田和也(JobTales株式会社) @oinariiisan
・編集、アドバイザリー:KON(knock'x Media) @konteer10