スタートアップの会計業務がまるわかり、スタートアップ税務AtoZ。
この番組は、税理士公認会計士であり、NFTの会計税務著者であるスタートアップ会計士の畠山さんに、
会計税務の基礎知識から業界特化の税務対応まで、幅広いノウハウをお伺いする番組です。
企業準備中の方やシードアイリーのスタートアップ経営者の方に正しい知識を届けることで、
エグジットに向けたファイナンスの土台作りを支援いたします。
MCは、ジョブテールズの稲荷田が務めます。畠山さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
畠山さん、今日はインボイス制度について教えていただきたいなと思っております。
前回の放送でも少しだけ触れたんですけれども、もう少し詳しく聞いていきたいなと思っておりまして、
というのも、実は稲荷田自身が経営をし始めてちょうど半年ぐらいになるんですけれども、
このインボイスを登録するかしないか迷い続けて、実はまだしてなかったりするんですよね。
まだなんですよね。
そのあたりがずっともやもやしてまして、改めて概要を抑えるとともに、
結局どうしたらいいのかというところを聞いていきたいなというふうに思っております。
ありがとうございます。
そしたらまず、そもそもインボイス制度が何なのかというのを改めて教えていただいてもよいでしょうか。
わかりました。
インボイス制度というのは、消費税に関する制度になってまして、
インボイスという言葉自体は請求書などの書類を指しています。
インボイス制度で何が変わるかなんですけれども、これからは消費税の計算をする過程におきまして、
支払った経費に対する消費税を使っていく場合には、手元にインボイスがなければ、
その支払った消費税は消費税の計算をするときに、
売上で預かった消費税から控除できなくなるという、
納税者の方にとっては厳しい制度になっています。
なるほど。
それでいくと、そもそもの大前提、消費税についても一応聞いてみたいんですけれども、
消費税って、一消費者という目線では、
例えばコンビニで何か買ったときに消費税10%含まれてますみたいな話かなと思うんですけど、
法人における消費税ってどんなものがあるのかっていうのと、
それが控除されるってつまりどういうことなのかみたいなところも、
簡単に補足いただいてもいいですか?
わかりました。
法人でも一般の消費者でも、同じ消費税というものが課されておりまして、
法人は売上を請求するときに、税込みで請求すると思うんですけれども、
これが売上に関する消費税になります。
消費税の確定申告と納税は決算時点に行うんですけれども、
売上に対する消費税は預かったという表現をしてるんですけれども、
そこから預けた消費税、つまり経費に対して支払ってきた消費税を差し引いて、
自分自身がインボス対応するか否かのところで、
よく分からないなと思ったところでして、
課税事業者の話を抜きにしたら、
インボス制度って絶対対応した方がいいなと思っていたんですけど、
初年度から売上1000万円いかないかもしれないなと思っていくと、
最初は消費税がなくなった方が当然いい、
売上になるという理解だったので、
そっちの方がお得かなと思ったんですけど、
このあたりは実際どうなんですかね。
課税事業者じゃなくても初年度からインボス登録した方がいいんですかね。
そうですね。今までのセオリーだと特に悩むことなく、
売上高が成長するまでは免税事業者、
2年前の売上高が1000万円を超えてくるような状況になれば、
自然に課税事業者になるので、
そういうタイミングでスイッチしていくというような、
今までの流れだったんですけれども。
変わったんですかね。
最近会社を起業してやっていこうという方々は、
この起業しようという、今のタイミングでも
インボスというキーワードが頭にインプットされていて、
まさにされていますね。
設立のタイミングからインボス登録しようかどうかということを
悩まれ始めています。
私は売上を立てられるようなプロダクトがない段階においては、
急がなくていいよと言ってるんですけれども、
それはインボスと呼べる請求書を欲しいと言ってくる相手方は、
皆さんからすれば売り先である取引先さんなんですね。
その方々からすれば支払ってる経費なので、皆さんに対してですね。
インボスが欲しいのは取引先なんです。
そういう取引先さんがたくさん生じるようなフェーズになってくると、
インボスを欲しいという声がたくさん集まってくるから、
その時に登録を検討されるのでいいんじゃないですかというふうに
回答をしています。
それでいくと最初の頃まだ売りが立つようなプロダクトだったり、
サービスを持っていない段階だったら、
わざわざ検討することではないけれども、それがしっかり作れてきて、
取引先さんも大きくなってきていって、
その辺りをしっかり対応したいという。
実際にそのタイミングでインボス登録されてますかとか、
そういうコミュニケーションがあって、ないですってなったら、
すぐ申請して、それでも間に合うってことですか。
要する時間としては、国税庁に栄養一枚の届出書を出しまして、
1ヶ月ぐらいかかります。
番号が付与されるんですけれども。
そうなると、そのタイミングで検討すると、
ちょっと遅くなって請求書を発行するタイミングが遅れちゃったりもするので、
そろそろ大きい会社さんとかの取引も増えてきそうだと思ったら、
免税事業者とかを諦めて、すぐに申請を出したほうがいいってことなんですかね。
その理由としては、
対応していないことによって、
そもそも政府費税請求しないでくださいみたいな話だったり、
売上が下がってしまう、値引きで出さなきゃいけなくなってしまう可能性があるという話であったり、
あるいはそもそも対応していない事業者さんとはやりとりをしないという場合があれば、
そもそもその売上がまるっとなくなってしまったりもするので、
消費税、免税になった方がお得というお得の数万円よりもインパクトが大きい。
故にインボス制度は基本的には登録していった方がいいというような理解があってますかね。
そうですね。登録するか否かはメリット・デメリットで考えるべきで、
デメリットは免税事業者の方であれば、
課税事業者となることで納めないといけなくなる消費税がデメリットの一つですね。
もう一つは課税事業者になることで、売上に対する消費税もそうですし、
経費に対する消費税もちゃんと帳簿を作って管理していかないといけないという、
経理関係の事務負担が以前よりは神経使ってやっていかないといけなくなるという意味でデメリットですね。
確かに。デメリットが大きなというふうに思ってきました。
そこと比べて、エンタープライズと言われるような大きい会社さんだとか、
これから知り合っていくような大きい会社さんとの新規契約の受注を円滑にしていくというようなところがメリット、
円滑にしつつ事業を拡大していけるというようなメリットを比べて、
どっちがいいですかっていうことですかね。
ここまで聞くと、決めかねるもののとはいえ、
結構大きいクライダントさんを契約するタイミングもあるので、
登録した方がいいなと思ったんですけど、
もう一押しくらい欲しい感覚っていうのもあってですね。
竹山さんが事前に教えていただいたのが、
寒風になるかどうかっていう話があって、
これぜひ教えて欲しいんですけど、何なんですかこれは。
これが今驚いているところなんですけど、
私も今までスタートアップのお客さんに考え方とか比較の仕方を、
今日お話ししている内容をお伝えしてきたんですけれども、
先ほどデメリットは収めないといけない消費税があるので、
それがデメリットと申し上げましたが、
スタートアップはですね、売り上げが少なかったりゼロであったりする段階で、
外注費とか業務委託費の支払いが多い状況で、
営業赤字というようなスタートアップさんがたくさんいらっしゃると思うんですけれども、
そういう方が課税事業者になると、経費に対する消費税が大きいので寒風になるんです。