資金調達を実施されたばかりの企業家の人生や事業の裏側に迫るStartup Now、AGRIST株式会社代表取締役 齋藤潤一さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
前編では、シリコンバレーでビジネス経営を学ばれて日本に帰られて、まさかのどん底の時代も経験されたという、そういったリアルなエピソードもいただきながら、
新富町で一粒1000円のライチを開発された背景だったり、そして地域でビジネスするとき、オキシトシンがいかに発揮されるかという話だったり、
関西初の方のポテンシャルというところも触れられるような内容だったかなと思いまして、
とてもユニークな話が聞けましたので、まだの方はぜひ前編も聞いていただければと思っております。
後編では、そんな齋藤さんが見かけていらっしゃる事業や組織について迫ってまいります。
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それでは齋藤さん、改めてよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。アニマルスピリッツに満ち溢れた企業家、齋藤純一です。皆さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。ありがとうございます。前半から齋藤純一さん、吉本新喜劇で、違いました、企業家でしたね。
企業家やっているっていうことなんですけれども、ちょっとどんな事業をやっているのかというところ、農業ってことはなんとなくキーワードで出てきてるんですけど、
一体農業の何をしているかっていう部分、教えていただけますでしょうか。
分かりやすく言うと、次世代農業のための社会変革をやっています。
あれ、どうしました?
いいですね。次世代のための農業変革をやられていると。
そうですね。未来世代のための農業変革を。
農業変革をやられていると。
いや、でもまさに本当にそれは全然ブレてなくて、同じだなっていうふうに思ってるんですよ。
ほんとそうですよね。
はい。我々のビジョンは100年先も持続可能な農業を実現するっていうことを、テクノロジーで実現するんだっていうことをやっていまして、
分かりやすく言うと、最初はロボットの開発から始まり、
ロボットを作るだけでは本質的な農業課題にならないっていうふうに思い、
自分たちで農業生産法人を子会社で作って、全国各地で農場の展開もしております。
で、自治体とか企業と組んでですね、農場を建てて、地元に現地に産業特有を作るっていうのを大切にしていますし、
ビジネスとしては農場でしっかりとテクノロジーを活用して収益を上げていく。
そしてそこから上がってくるAIとかのデータを活用して、
まさに農業変革、農業改革を起こしていこうっていうところがビジネスモデルですね。
ありがとうございます。私も含めて農業のビジネス自体もあんまり詳しくない人に向けて、
今、日本で起こっている農業における課題ってズバリ何なんですかっていうところを教えていただけますでしょうか。
農業の課題は一言で言うと思い込みだと僕は思っています。
農業って難しいとか儲からないとか全然できるわけないと思ってるし、
もっと言うと農業って自分には関係ないっていう人も多いんですが、
そういう人にはまず飯食ってるやんっていうふうに言いますよね。
食べてる時点で一番の農業の顧客やしっていうふうに思っています。
で、自分には関係ないとか難しいっていう思い込みがあるし、
儲からないっていうのが何よりあると思うんですよね。
ただこれも儲かってる農家めっちゃいますね。
で、もう一方で儲かってる農家は絶対自分が儲かってるって言わないですよね。
それはやっぱりあいつだけ儲かりやがったっていうのを地方の小さなコミュニティの中でやっているっていうところが難しいので、
本当に経済合理的リスクマネーが動かないっていうところが農業業界の中で、
行政が主導になってやってきた名残がまだあって、
例えば土地を1個借りるにも皆さん知らないかもしれませんが、
役場に行って農業委員会っていうところに申請をして借りなきゃいけなかったりするんですね。
なんでそういうふうにこれまでは行政主導でやってきた。
そして家業として農業をやってきた。
ただ今68歳という高齢化を迎えて、
家業から事業へ、行政主導から官民連携っていうふうに変わってきている中で、
我々が今農業変革を起こそうというふうなポジションに行く形になっています。
なるほど。ありがとうございます。
農業って言っても、その中でもいろんな農作物があると思うんですけど、
具体的に一番今困っているのってどの辺りなんですか?
一番困っているっていうのは、たぶん構造上の問題で農業のシステム全体が一番困っていますよね。
もうちょっと大きな概念で困っているところを話すと、やっぱり気候変動。
もう今気候めちゃくちゃで、どんなに熟練した農家でさえも対応できなくなっている。
具体的に言うと朝と夜、もっと言うと夕方ぐらいで10度ぐらい違うとかザラだし、
もっと言うと1時間とか2時間の中で2度から4度変わっていっているわけですね。
そして東京の方はよく経験しているかもしれない。
ゲリラ豪雨とかあった日にはもうわけわかんないわけですよ。
環境制御系のビニールハウス、いわゆるITを活用したビニールハウスをやっている人たちも、
もうガチでこれは地下でやった方がいいかもしれないとか、植物向上的にしかなり得ないよねっていうところの話はしているぐらいで、
それが大きなマクロ的な大きな課題ですね。
もう1個はいろんな食べ物の習慣が変わってきたり、買い方が変わってきたりっていうところの変化に、
スタンディングマーケティングに対応しきれてないっていうところが問題だと思いますけど、
さらにもうちょっとインサイト的なところで言うと、
日本の食料自給率38%って言われてますが、
結構農家さんも含めて食べ物を捨ててるんですよね。
それは何でかっていうと、ちょっと傷があるだけで出荷できないみたいな感じになる。
なので地元の人が地元の人を美味しく食べれば食料自給率も上がりますし、
農業の課題解決していくんじゃないかなと思いますね。
その段階レベルで話してみました。
ありがとうございます。
特にこの気候変動の問題とかって、
日本に限らずグローバル共通の問題なんじゃないかなっていうふうに思うんですけど、
ただなんかいろいろ調べてみると、
特に日本がこのハイテク農業みたいな文脈って遅れてるっていうふうに見たんですけど、
何でなんですかね。
まずそこの思い込みで、全く遅れてないですね。
そうなんですね。
オランダにですね、オランダ政府に呼んでいただいてツアーに連れて行っていただいたんですけど、
結果行ったら面白くて向こうでピッチとかもしたんですが、
アグリストのことYouTubeで見て結構知ってる人たちもいて、
すげーじゃんみたいなことを言われるわけです。
もっと言うとアメリカで開催されている世界最大級のテクノロジーの祭典CESっていうのが毎年年始にあると思うんですが、
そこでもイノベーションアワードを取らさせていただいたりとかもしていて、
オランダに行って思ったのは全然すごくないわけですよ。
1個のポイントは大規模農業っていうのはすごく重要なポイントですし、
彼らのすごいところはセグメントで分けて、
それをオランダっていうかヨーロッパ中に出荷するんだっていうような出口から考えた戦略っていうのが非常にハマっていたから良かったんですけど、
それをやっぱり一番最初にやり始めたっていうのはいいなと思います。
ただ日本はそれに負けているのかというと全くそんなことなく、
やっぱりこれだけ小さな農地、農地改革で振り分けられた農地の中で、
これだけ精密に緻密に農業をやっていて、
これだけ高品質なもの、やっぱりジャパニーズ和食を支えているようなものを作っているっていうのは世界最高峰ですよね。
なので一番何が問題かっていうと、
僕はブランディングマーケティングだと思っています。
ブランディングマーケティングっていうと、
オランダっていうのはもちろん国家戦略とか和平人間大学も含めて国家戦略としてやっているっていうところがあります。
ただ日本っていうのはやっぱりそのあたりを見せ方が下手とか、
それぐらいのレベルで終わってしまっているっていうところが一番の課題かなと思います。
それなぜ起きるのかっていうと、
僕はやっぱり島国であったり言語の問題っていうのはあると思っていて、
その精神性の部分で暗黙地のように言ってなくても分かってほしいとかっていうところがあるので、
ブランディングマーケティングは弱いですし、
ただ海外で言うと英語ってちゃんと愛から始まって言わないと伝わらないっていうところなので、
そこの違いはあるかなと思いますが、
逆説的に考えるとそこをしっかりやっていくことによって日本の農業は変わっていくんじゃないかなと思っていますね。
ありがとうございます。
ブランディングマーケティングにすごい課題があるというところと、
まさにアニマルスピリッツが中心になり、次世代のための農業変革が起きてるんじゃないか。
フライホイール回り始めてますか?
はい、回り始めてますね。
ありがとうございます。
まさにこの政府のバックアップが出てきて、変換期になってきて、大きいっていうところがすごく魅力的だと思ったんですけど、
一方でちょっと意地悪な質問をすると、やっぱり農業変革するとかってすごい時間がかかる話なんじゃないのと、
エクイティとかを調達するビジネスだとすると、この時間軸って張ってるんですか?みたいな疑問ってあるかなと思うんですが、
この辺りは採用11さんの考え方を教えていただけますでしょうか。
そうですね、その辺りいいのは、今まさにゆりさんもおっしゃったように、時間かかるよねってわかる人がめっちゃ増えてるのは良かったなと思います。
アグリストの株主もそこはすごい理解をしてくれていて、本当に年1,2回しか挑戦できないよねっていうのはすごい理解してくれてますし、
その上で僕が話してるのは、その分搬入商品がむちゃくちゃ高いので、この市場を我々が取れたら大きいと。
例えば、国内で10ヘクタール分やることができれば、10ヘクタールってかなり大きいんですよね。
10ヘクタールすることができれば、我々自身が価格を決めたりだとか、市場を動かしたりとか、何だったらスーパーマーケットもできるくらいの規模なのでできると。
なのでそこをサーズを絡めてやっていきますっていう風にすると、農業業界の再編になって、結果的にその100兆円の市場のうちの1兆円を取りながら、
本当に農業変革を次世代のためにやっていくんですっていうところがいけるよねっていうのを株主の皆さんには理解してくださってるし、
政府の方にもいろいろ働きかけとか話し合いをするんですが、それを踏まえて政府の方にもいろんなメッセージとして長く保ちなさいみたいな、
政府も支援しますみたいなのは動きがあるのも良かったと思います。
なるほど。ここであれですね、ブランディング、マーケティングにつながってくるっていうのがよく理解できました。
やっぱりどんなに良いものを作っても効率的に作っても、ある程度価格に自分たちの主導権っていうのがないとアップサイドもないじゃんみたいなことが農業でよく言われているところだったのかなと思うんですけど、
そこを変革するためにまずはすごいボリュームを作って自分たちで価格の主導権を取って、
ブランディング、マーケティングにつなげていくんだっていうすごく大きな絵があるんだなということを感じました。ありがとうございます。
ちょっと資金調達の話も出てきたのでお伺いしたいんですけれども、
すべてのリリースで今まで金額を発表されていないのって結構珍しいなというふうに思ってるんですけれども、
このあたりきっとすごい戦略的にやられているんだろうなと思うんですが教えてください。
そうですね。そのあたりはもちろんシリコンバレーでの経験とかもありますし、
もともとアグリストっていうのがその農業の課題を解決するために生まれた、いわゆる課題ドリブンの会社であって、
そのあたり僕ひとつばしビジネスレビューというところに論文も寄稿させてもらっていて、
それを僕はソーシャルテックって呼んでるんですけど、課題から始まって問題が起きたら課題に戻っていくっていうふうなところを僕はソーシャルテックと呼んでいて、
ディープテックとの違いは、いわゆる技術であったり特許であったりっていう部分から始まり、課題解決に取り組む、また技術に戻るっていうところがあるっていうのは違いだというふうに考えてるんですが、
もともとアグリストは課題から始まり、何かあったら課題に戻るっていうことを重要視しているので、金額を出してしまうともう多分皆さん金額しか見ないので、
それよりも今でいうと日鉄工和不動産っていう不動産会社さんと不動産の知見を生かして脱炭素の農業を全国でやっていくんだっていうところを前面に出して、そこに意義があるっていうふうに思っていますね。
でもちゃんとちょっといろいろ調べていくと日経新聞さんとかですね、某ユーザーベースさんとかがちゃんとよく知ってんなーっていうのを出されているので、そこを頑張って見て教えてくださる方もいるんですけども、
どっちかっていうといくら調達したよりも我々がどういう課題に取り組むのかっていうところをプレスリリースしたいなと思って金額はあえて出さないようにしてますね。
ありがとうございます。
こと採用の話とかでいくとやっぱり何億円調達とか、なんか最近だったらもうそのラウンドだけじゃなくて累計何億円でなんか大きく数字を見せるみたいなちょっとした技とかもある気はしていて、
なんでそれやるかって言ってやっぱ引きがいいからって話な気はしているんですよね。
それをあえてしていないアグリストさんとしては採用候補者さんには今農業で働くとか今アグリストさんで働くことの面白さとか意義とかそういったところを改めてメッセージとしていただけますか?
そうですね。一番面白いのは本当に次世代農業、農業変革を自分たちで手触り感を持ってやれるっていうことと、農業の授業をやりながら結構みんなほぼフルリモートだったりとか、
例外ですね。それはできるんですね。
リーダー会議とかいろんな会議あったりとか全体会議とかもみんな画面を見ながらですね、こちらに農場長、農場長、農場長がいたりとかしてやりながらできるっていうところを、
やっぱり何より農業が好きな人に来てほしくて、農業の課題を解決するために我々はやっているので、その農業が移り変わる日本の農業が変革を迎えるところの現場に味わえるっていうところが何より面白いんじゃないかなっていうふうにも思います。
加えてちょっとお世辞って感じじゃないですけど、本当に素晴らしい株主の皆さんに恵まれていて、すごくそれはありがたいなっていうふうにも思いますし、
これ言ってもいいのかなっていうのをちょっと1個ぶち込んどくと、取締役会をずっとオブザーバーで株主の皆さんにも見ていただけるようにしているんですが、皆さん結構出ていただけるんですよ。
有名どころで言うとインキュベートファンドの赤浦さんとかですね、ドロンファンドの大前さんとかですね、ジャフコのパートナーの佐藤さんとかですね、
ズームに映りながらですね、すげーなーって思いながら、で、たまにはうちのリーダーとか外部の人たちにもゲストで入っていただいたりするんですけど、スタートアップ1回も上場させた人とかにアドバイダーで入ってもらったりすると、みんなびっくりしますよね。