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2025-02-12 17:10

844.保井俊之さん(幸せ研究者)

【幸せをデザインする経営とは?】

今回のゲストは、幸せ研究者・保井俊之さん。財務省で35年間勤務しながら、人はなぜ幸せになれないのか?という問いを抱え続け、現在はウェルビーイング(Well-being)の研究と実践に取り組んでいます。

「ウェルビーイング」という言葉を聞いたことはありますか? これは単なる「健康」や「幸福感」だけではなく、身体的・精神的・社会的な満足度がバランスよく保たれた状態を意味します。人が幸せを感じるためには、自己肯定感・自己決定・自己実現、そして人とのつながりが必要だと保井さんは語ります。

しかし、日本社会では未だに「自分の幸せは後回し」「周囲に合わせることが美徳」とされる傾向が強く、ウェルビーイングの意識が低いのが現状です。保井さんがこのテーマに深く取り組むようになった背景には、9.11同時多発テロの生存者としての経験がありました。ワールドトレードセンターでの生死を分ける出来事を通じて、憎しみや貧困の連鎖を断ち切り、愛と平和のループへ変えていくことの大切さを痛感。そこから、システム思考とデザイン思考を駆使し、「人間にも社会にも地球にも良い状態をデザインする」ことをライフワークとして選びました。

ウェルビーイングな組織は業績が伸びるそうです。幸せな社員は創造性が3倍、生産性が30%高いという研究データが示すように、経営においてもこの考え方は欠かせません。ポジティブな人間関係を築き、組織のリーダーが成長発達し、視野を広げることが、会社全体のウェルビーイングへとつながっていきます。

さらに、保井さんが大切にしているのが「自利利他円満」という仏教の教え。
自分だけが幸せになるのではなく、他人の幸せも同時に考える。そうすることで、幸せの連鎖が生まれ、より良い社会が築かれるという考え方です。

このエピソードを通じて、ウェルビーイングを自分ごととして考え、実践するためのスキルセットをお届けします。
「幸せな組織を作りたい」「もっと成長したい」「ポジティブな人間関係を築きたい」と考える経営者の方は、ぜひ最後までお聞きください!

special thanks to 美野由人さん

【今回のゲスト】
体の半分がいりこ出汁でできている幸せ研究者 保井俊之(やすい・としゆき)さん

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経営者の志
こんにちは、こえラボの岡田です。
今回は、体の半分がイリコダシでできている幸せ研究者の安井俊之さんにお話を伺いたいと思います。
安井さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。体の半分がイリコダシでできている幸せ研究者の安井俊之こと、としちゃんでくだされば嬉しいです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。体の半分がイリコダシでできているのはどういったことなんでしょうか?
私のルーツが瀬戸内の海にあります。私自身の祖先のルーツも、妻方のルーツも広島だったり香川だったりということで、
瀬戸内海って多くの島がある多島海、多くの島の海って言われますが、私は実は多くの幸せがある海、多幸海だと思ってまして、
太陽がポカポカ、島は綺麗で、海は穏やかで、それで柑橘は豊かに実って、私の実は幸せ、ウェルビーングの原体験なんですね。
そういった環境からも来てるんですかね。
そうですね、環境って結構人の幸せ、ウェルビングに強く影響します。
例えば、自然と頻繁につながっていること、あるいは地域に愛着を持つことっていうのは、幸せ、ウェルビングにものすごく決定的な力を持つっていうのはよく知られていて、
今私は移住して広島にいるんですけれども、そこのAK大学という親切の県立大学の教員をしてますけれども、熱烈なカープファンってやっぱり幸せなんですよね。
なので、広島のお好み焼き大好きっていう、そういう地域に愛着を持つ人、あるいは頻繁に自然と触れ合っている人、あとは人と人とのつながりができていて、つながっている人ってやっぱりこれは幸せに近い人なんですね。
ウェルビングって新しい社会の幸せなので、そういったことがやっぱり私の幸せの原点なので、それを研究したり教育したりしてます。
この幸せを研究してみようというきっかけって何かあるんでしょうか。
はい、実は二つ転機がありまして、一つは私は実は純粋の大学研究者ではなくて、財務省っていう少しちょっとお堅いイメージのある役所にずっと勤めてました。
35年間勤めたことになるんですけども、やっぱりそこの財務省の人たちっていうのはすごく優秀で、人柄も良くて、こんな人になりたいなって憧れの存在なんですけども、ちょっとやっぱり幸せじゃなさそうな人多かったんですよね。
なぜかというと、自分で何かを決めると自己決定とか、自分のやりたいことができるって自己実現ってちょっとだけ足りないって感じだったんですよ。
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それがやっぱりちょっと幸せじゃないように見えたのかなと。
その2つ目なんですが、2001年の9月11日、911テロがあった時なんですけども、ニューヨークのワールドトレードセンターの中にいまして、生き残りなんですね。
周りで3000人ぐらいの方が亡くなっていって、最初の頃は2年間脳が半分凍ったような状態、PTSDになってましたけども。
だんだん溶けていって、テロリスト憎いという気持ちはなかったんですけども、こういう憎悪と貧困と暴力のループが回って911事故が起きたってことがやめて分かったので、
その負のループをプラスのループ、愛と繋がりと平和のループで回してあげたいなと思ったら、
それってシステム思考を使えばできるんだよって言ってくれた人がいて、もう1つはありたい未来を実現するのをデザイン思考でできるよって言ってくれた人がいて、
システム思考とデザイン思考を勉強してよって言って勉強しているうちに、役所勤めの片原、2008年に、
慶応にシステム思考とデザイン思考を研究教育する大学院が新しくできたんですね。
そこにいるはずで産じて、無休で研究教育をやって、今広島で本職のテラ研修になってますけども、
ありたい社会を実現する。それも人のためだけじゃなくて、人間中心だけじゃなくて、人間にも社会にも地球にもいい状態、
ウェルビングになるような、そういうシステムのデザインをしたいなと思いまして、それで今のような研究をしているということになります。
幸せというと、一見つかみどころなさそうなものがあるような感じがするんですが、どういった状態だと、人って幸せだなという感じで、研究から分かっているんですか。
よくウェルビングってフワフワしてるけど、どんなこと?って言われることがあるんですね。
それは、ハツラツ、ウキウキ、ワクワクなんです。
ハツラツ、ワクワク、ウキウキの3つって覚えていただければいいと思います。
ハツラツは身体の身体的な健康ですね。
ウキウキは精神的な健康、つまりメンタル病んでないということですね。
ウキウキはそうですね、精神的な。
ハツラツは社会的にバリバリ働いている、生き甲斐を持ってやっているっていう、
ハツラツ、ウキウキ、ワクワクっていう3つが揃った状態をウェルビングって言ってます。
へー、そうなんですね。
はい、ですので、心身社会の幸せっていうのを覚えていただければいいと思います。
だから社会的なつながりも、体とか心も全部がうまくつながっている。
そうなんですね。
体だけの健康じゃないです。
よく世界保健機構WHOが定義した有名な健康とはっていう定義がありますけども、
健康とは単に病気じゃないとか弱ってないっていうことではなくて、
身体的、精神的、社会的に良い状態にあることを言います。
良い状態とかウェル、良い、ビーング状態なので、
ウェルビングっていう言葉はその3つ揃っているんですね。
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そうなんですね。
はい。
これはどうなんですかね。どんなことをしていくと、やっぱりそれがどんどん良くなっていくっていうのは。
はい。
いろんな研究があるんですけれども、
例えばその4つ挙げるとするとやっぱり自己肯定感ですね。
自分はこれでいいんだっていう。
これ実は日本の若い方すごいちょっと低いのですごい心配してるんですけども、
ありのままでいいんだっていうやつ。
あとは自分で何かを決められるという自己決定。
そしてどんどん実現していくという自己実現ですね。
人間誰しもその心持ちとして、
何歳になっても学んで成長してくるんだ、
自己実現できるんだっていうマインドと、
いやもう学校出たらちょっと成長しないんじゃないのって2つのマインド持ってるそうですけども、
グロースマインドセットって言いますけども、
そういう成長してどんどん段階が上がってきますっていう器が大きくなれますよっていう
心持ちを持ってる人はやっぱり幸せに近いですよね。
そうなんですね。
だからやっぱりその辺りを実現できるような環境に置いていって、
どんどんどんどんそうやって自分を自己実現していくとか、
それらのことが全部揃ってくると幸福感をだんだん感じていけるようになっていく。
あと人とのつながりっても大事ですから、
いい職場環境だと人と人がつながってるとか、
あとは認められてるとか成長できてるっていうことがありますね。
我々の研究チームは職場で幸せな人たちは何の印象を持ってるかっていうのを成長できる、
それから認められている、それから自分ごとにできるみたいな、
そういうことを研究してたりもします。
やっぱり会社だとそういった方たちが増えてくると、
会社としても業績には関係してきたりするんでしょうね。
そうですね。
ウェルディング経営って言葉が最近すごく入り始めていて、
社員さん、社員さんじゃなくて経営者自身だったりお客さんもそうなんですが、
ウェルディングな会社っていうのは業績がいいんですよ。
これどうしたかって当たり前の話で、
ある研究によると、
ウェルディングな社員はそうでない社員さんに比べて創造性、クリエイティビティが3倍、
生産性が30%が高いっていう、そういう研究結果があるんですね。
すごい成果がいいんですね。
バリバリ仕事してくれて幸せな社員さんがいるとすると、
会社としても業績がガーッと伸びるわけです。
確か創大学の調査でですね、
全米の1300社上場企業を調べてみたら、
社員さんが幸せな会社っていうのは、
会社の利益とかROAとか利益率が優位に良かったっていう、
そういうことが分かってまして。
じゃあ実際に業績としても成果にも、数字としても表れてきてるんですね。
私例えば10万円ぐらい持ってて、どっかで買おうと思ったら、
社員さんが幸せな会社に投資した方が儲かるわけですね。
そういうことなんですね。業績がどんどんこれからも上がっていくっていうのは、
分かってきてるわけなんですね。
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あとやっぱり日本は人手不足社会ですから、
同じような会社があって、従業員の方がウェルディングな会社、
そうじゃない会社だったら、やっぱりウェルディングな会社が人を集められる。
そうじゃない会社は人手不足のままなので、
人様から選んでいただけなくなるっていう時代なんですよね、ウェルディング経営じゃないと。
本当に会社がますます大変になるように感じますが、
逆に言うと経営者の方、この番組経営者の方よく聞いてるんですが、
その経営者の方がどうやって何を気をつけていくと、
ウェルディングな会社になっていくんだろうというところで、
何かヒントがあれば教えていただけますかね。
3つヒントがあると思います。
1つは成人発達理論というのがありまして、
人の器の成長ぶりみたいなのがあるんですけど、
ロバート・キーガンという人が言っていて、
人間の発達の段階というのは5段階あるって言うんですね。
最初は未成年みたいな段階、とにかく大人になりたいですみたいな話なんですけど、
2つ目が自己中心の段階って言って、
自分が何かやりますっていう、
満たされたいですっていう段階で、
ちょっと暴れん坊みたいな話なんですけど、
3番目になると今度、他社依存という組織に属して、
とにかく指示通りに動けるようになる。
大事なことなんですけども、
それが指示待ちだったりする事態になっていて、
それが今度は自己主導という段階になって、
自分でリーダーシップを取って何か動けるようになる。
そうすると次に、自己変容って言って、
他の色んな人の価値観とかも受け入れて、
どうやって上手く全体として、全体俯瞰しながら、
意思決定ができるようになるかという段階になって、
実は4番目の自己主導、自分ごととして何かできるって、
10人いたら2人ぐらい。
自己変容の段階でも1パーセントですが、
100人いたら1人ぐらいなんですよ。
かなり少ないんですね。
最後の自己変容みたいな段階でも、
みんな広く世界が全体俯瞰できますから、
おのずと幸せになれるんですね。
広い視野で何かが自分で動かされていることって、
幸せに近くなりますから、
全体俯瞰として視野を広く持つような経営ができたら、
幸せに近くなりますよと。
もう一つは、やはり人とのつながりなんですね。
人とよくつながる、
ポジティブな人間関係を作っていくっていうのは、
とてもやっぱりウェルビーンを押し上げることがあって、
ハーバー大学で成人発達研究って有名な、
もう100年近くやってる研究があるんですが、
人生の成功を決めるのは、実はお金なんかじゃないっていうんですね。
ポジティブな人間関係を持っていた人が成功して長寿だっていうんです。
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ですので、日本はよくこれから高齢化社会に突入して、
なかなか人手が取れなくなるなんて言われますけれども、
良い人間関係でどんどん人とつながっていくと、
幸福感も高まりますし、
主観的健康感という概念がありますけれども、
健康にもいいんですね。
客観的にご病気というよりは自分が健康でいるってことが、
ヴェルビーンとよく相関する。
よくバリバリ働ける。
そうすると寿命も長い。
ヴェルビーンがそういう人に比べて10年くらい長生きするんで、
そういうことで、ずっと会社も自分たちも、
経営者の方も持続可能になるっていう、
これは2つ目のコツですね。
あと3番目、熱中することってすごく大事なんですね。
ヴェルビーンが押し上げていくように。
熱中するのもですね、年齢によって熱中のキーワードが違ってきまして、
若い頃テーマパークに行くなんて一番熱中できるんですけども、
45歳くらいから後ろはですね、
育てるっていうのが一つのキーワードなんです。
育てる。
つまり部下を育てるとか甲子園を育てるとか、ペットを育てるのもいいと思います。
これがグーッとヴェルビーンが押し上げるので、
何か熱中できるものを持つっていう。
まとめて言うと3つヒントがあります。
器をどんどん高めていって、全体俯瞰ができるようになるとそれはすごく幸せです。
もう一つは、どんどんポジティブな人間関係が作れていって、
自然と繋がってもいいんですけども、
それで自分自身が幸せになってどんどん寿命を伸びていく。
会社も寿命が伸びていく。
3番目は育成する、育てるんですよね。
どんどん権限以上をしていって、
それでみんなにバリバリ働いてもらえれば、
それ自体が育てるということで、自分も幸せになって、
会社は幸せな雰囲気で満たされるようになる。
その3つがヒントになるかなと考えています。
この素晴らしいヒントをいただいたので、
経営者の皆さんも自分の会社とか、
ご自身で実現していただけるといいですね。
ウェルビング経営、日本でもようやくいろんなところで実践されるようになってきまして、
私はそういう事例をご紹介しながら、
皆さんがそれぞれ自分ごととしてウェルビングになれるという、
一種のスキルセットなんですけれども、
それをお渡ししているというのが、
私が今大学の研究者をしている一番のモチベーションなので、
もしあれでしたら、またお呼びいただいて、
こういうウェルビングのお話をさせていただけたらいいな、
なんていうふうに思っています。
日本社会がどんどんウェルビングになっていくということが、
今の閉塞した状況を打ち破って、
みんなが幸せに生きていくということができるようになるという、
そのきっかけになると思うので、
どんどんどんどん日本を、世界ですね、
それをウェルビング中心のデザインにしていけたらな、
なんて思っています。
最後に、この番組は経営者の志という番組ですので、
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是非、那須井さんの志についても教えていただけるでしょうか。
はい、分かりました。
私の大好きな言葉に、
ジリリ、リタ、エンマンという言葉があります。
自分で、これは利益のリですね。
他人様の他で、また利益で、
エンマン、
円、四角、丸とか四角の円ですね。
それでマンは三つのなんですけど、
これ、仏教用語です。
実はリはですね、利益のリ、
儲けでなくて幸せという意味なんです。
ジリリは、自分が幸せになること。
リタは、人様を幸せにして差し上げることなんですね。
人様が幸せになるというのは、
自分の幸せの一番の源泉ですから、
ぐるっと回る。
つまり、他人様の幸せを見たら、
すごく自分は幸せな気分になる。
そして、ますます自分として、
人様に幸せにして差し上げたくなる。
回るので、ジリリ、リタ、エンマンという言葉なんです。
このジリリ、リタ、エンマンな社会を、
日本に定着させたいというのが私の志で、
そのためには、
科学の力はとても大きいと思うので、
その科学で裏打ちされた、
ジリリ、リタ、エンマンの
ウェルビーングになり方、デザインの仕方というのを、
皆さんが使っていただけるようになる、
というのが私の志です。
そうですね。
今日のお話を聞いて、
ぜひヒントにしていただきながら、
ジリリ、リタ、エンマンを実現いただける人が
増えていけるといいかなと思いますね。
はい、その通りです。
今回は、体の半分が裏打ちでできている、
という幸せ研究者の安井修之さんに
お話を伺いました。
安井さんどうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
17:10

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