ジューリーチャンネルさんの経歴とオールバーズの立ち上げ
This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro. 皆さん、こんにちは。ニューヨークと東京を拠点にするグローバルイノベーションファーム、
I&CO、共同創業パートナーのReina Moroです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、
21世紀を生き抜くヒントを探ります。 今回のゲストは、ディーバイス、グーグルネスト、そしてシューズやアパレルブランドのオールバーズで
長年マーケティングを担当されてきた、ジューリーチャンネルさんです。 ジューリーさんは、マーケティングのプロとして現在独立されて、大企業やスタートアップのマーケティングの
お仕事をされています。 僕とジューリーさんは、まあジューリーさんっていうのも、なんかちょっと正直違和感があって、ジューリージューリーと呼んでいるので、
まあここでは、ちょっと賢まってジューリーさんにするんですが、 僕とジューリーさんは、そうですね、仕事をきっかけに2005年に僕がニューヨークからサンフランシスコに
引っ越して、AKQAというクリエイティブエージェンシーに参加をした時に、彼女が営業の担当の人だったんですね。
アカウントディレクターという立場で、マクドナルドや、あと今はもうなくなってしまった会社なんですけども、ファームという会社の営業のトップをしていて、
そんな同僚として仕事をしてきた中です。 僕は2010年にニューヨークに戻ってきて、彼女はサンフランシスコ、今でも
ベイリアンにいるんですが、その後、AKQAを離れて、リーバイスに行かれて、そしてグーグルに行かれて、そして2015年にオールバーズという会社がまだできる前に、そのファウンダーの二人に出会って、
ローンチをする前に、なんとそこの従業員ナンバーワン、一番最初の従業員として雇われて、オールバーズという会社を立ち上げた、そんな経歴の持ち主の人です。
今回はそんなジューリーさんに、ブランドと顧客の新しい関係性についてお話を伺いました。
So, let's get started.
ジュリーさんはクリエイティブエージェンシーで、長年、様々なブランドのマーケティングを担当されてから、
ブランド側に転職をされて、内部でマーケターとしてお仕事をされてきましたが、シューズブランド、オールバーズで、ブランドの立ち上げに参加された経緯を教えてください。
オールバーズというブランドが、世の中に出る半年前くらいにチームに加わりました。
オールバーズのブランドビジョンと目的意識
ブランドがこの世に生まれる瞬間に立ち会えたのは、とても幸運だったと思っています。
まず最初の数ヶ月は、このブランドのポジショニングやターゲットとなる購買層、ブランドのアイデンティティとそれを伝えるストーリーなど、オールバーズというブランドが世界に進出するためにはどうしたらいいか、を考えました。
これまで様々な業界で、成長段階も全く違うブランドのために、マーケティング戦略を考えてきましたが、一から新たなブランドを誕生させるのは初めての経験だったので、これまでの知識を総動員して考え抜きました。
本当に新たな挑戦でした。
このオールバーズというブランド、日本ではアメリカほど知られていないと思うんですが、アメリカではサステナビリティという言葉、ここを10年弱で結構いろんなところで騒がれるような言葉でもあり、ニュースでもすごく取り上げられていると思うんですが、
オールバーズもこのサステナビリティという言葉がいろいろ話題になり始めた頃に、気候変動という、今この地球の環境がこんなに大変なことになっているときに、それをそのブランドの目的のコアにおいて、そこからビジネスを作っていくということをした企業であります。
入社を決める前は、それまで働いていた大企業よりもはるかに少ない給料で、これまで全く経営経験がない人たちと一緒にブランドを立ち上げるなんて、正気の沙汰じゃないと思ったこともありました。
私には2人の子供がいますし、一家の大黒柱としての責任があるので、そんなリスクを取っていいんだろうかと不安になったんです。ただ、創業者の2人とは馬もあって、一緒に働いていて楽しかったですし、彼らが作り始めているものが特別で、他とは全く違うと感じていたので、自分のコフォートゾーンを出て、新たな挑戦をしようと思ったんです。
まずは1年だけでもやってみようと、そんな気持ちでした。私が入社したとき、オールバーズの創業者たちは、名前とコンセプトを決め、クラウドファンディングで資金を募り、商品となる靴の試作品を作り始めている段階でした。私は彼らが初めてチームに迎え入れた社員、第1号だったので、3人で話し合っていろいろなことを決めなければなりませんでした。
具体的には、どんなことを話し合ったんですか?
ブランドの今後の指針として、迷ったときに北極性になるような基本的なことを、まずは決めなければいけないと思いました。自分たちだけにしかない存在意義とは何なのか、消費者に何を約束して、その約束を果たすためにどんな行動をするのか、つまりブランドとして誰に向かってどんなストーリーを伝えるのかという以前に、基本的な目的意識をはっきりさせる必要がありました。
創業者たちと3人で話し合って、どんなことを目的意識として持つことに決まったんですか?
オールバーズの使命は、ビジネスの力で気候変動を逆転させることです。そのために環境負荷を抑えた革新的な方法で商品を作っています。だから、より良いものをより良い方法で作っていくという目的意識をみんなと共有することが大事だと思いました。
大きな目標があったので、他のブランドではこれまで考えられなかったようなことも実現しました。オールバーズは他のブランドが使っている靴底の素材よりも遥かに環境に優しいサトウキビを材料とした素材を開発したんですが、それを自分たちだけで独占するのでなく、他のブランドも取り入れられるように情報を公開したんです。
オールバーズのブランドPRとSNS戦略
オールバーズがいきなりナイキやアディダスといった規模に発展するのは無理なので、一つのブランドで気候変動に対してできることが限られているなら、新素材の情報を公開してみんなで気候変動に取り組むことが大切なのではないかと考えました。これはまさに目的意識に沿った行動でした。
僕が仕事をしていた時には、彼女がアカウントディレクターという立場で、日本の代理店だと営業みたいな立場にはなるんですが、それこそ営業の方達ってどっちかっていうと、リスクヘッジを押しながら仕事を進めていくっていうのが仕事の一部でもあるので、リスクを取ろうっていうのは小沢ってするタイプの人たちじゃないと思うんですよね。
彼女もその仕事の内容とかを見てると、クリエイティブの人たちがとんでもないアイディアとかを提案しようって言った時に、これってどうなるの?みたいなところをリスクヘッジをしながら進めていくのが役割なので、それまでそこそこの大企業で、AKQという会社も大企業ではなかったですけども、かなり安定した会社で、僕がやってたところにもう2000人近くいたので、そこそこの規模はあって、
そこからReviceという老舗のブランドに行って、そしてGoogleという世界中に知らわたっているブランド企業に行って、そこからもう2人のファウンダーしかいない状況、それもまだプロダクトも世の中に出ていないところで、そこの従業員、ナンバーワン、負けた最初の人として入るっていうのはすごい勇気も入りましたし、
リスクもあったとは思うんですけども、それも彼女との雑談で、リスクはあったとしても、でもやり返しはつくんじゃないか、みたいなことを彼女の個人的な知り合いの人から言われたりとか、これもエピソードのどこかで話していらっしゃったんですけども、彼女が彼女の家庭の中で稼ぎ主なんですよね。
だからそういうリスクもあったんだけど、でもやり返しがつくリスクだからということで腹をくくって入社されて、そこからの道のりも結構大変だったと思うんですけども、10年以内に成長させちゃうってすごいことですよね。
オールバーズというブランドを世の中の人に知ってもらうためにどんなことをしたんですか?
ブランドの目的意識がはっきりしたので、それに基づいてストーリーをきちんと伝え、歌音を増やしていこうと思いました。オールバーズの靴は環境に良い素材を使っている上に、とても履き心地が良いので、商品を試してもらうことで、わあ、これは履き心地が良いだけではなくて、この靴を買うことで地球にとっても良いことをしているんだ、と実感してもらえると考えたんです。
どのようにPRしたんですか?
気候変動に対して問題意識を持っている人に実際に靴を試してもらい、もし履き心地に満足してもらうことができれば、その人たちがSNSなどで自分の体験について話したくなるんじゃないか、そうしたことは考えていました。ただ、まさかタイムシが発売と同時に世界で最も履き心地の良い靴と紹介してくれるとは思いもよりませんでした。
靴を試してもらうことで、とても履き心地の良い靴と紹介してくれるとは思いもよりませんでした。
ただ、まさかタイムシが発売と同時に世界で最も履き心地の良い靴と紹介してくれるとは思いもよりませんでした。
ただ、まさかタイムシが発売と同時に世界で最も履き心地の良い靴と紹介してくれるとは思いもよりませんでした。
ブランド立ち上げ初期の2015年、2016年というのは、消費者が今のようにサステナビリティを意識してはありませんでした。
そのため、いかに自分たちが革新的なのかをビジュアルで表現し、インスタグラムに投稿することにしたんです。
SNS戦略は小さなことの積み重ねでした。
そして、徐々に話題になっていって、ついにはオプラウインフリーのような影響力のあるセレブまで愛用してくれるようになり、大きな口コミとして一気に広がっていったんです。
オールバーズはごくごく初期の頃から、SNSでファンと信頼関係を築くことができました。
これはとても幸運なことです。
なぜなら、インフルエンサーに大金を支払って宣伝してもらっても、私たちのブランドを心の底から応援してもらうことはできないからです。
SNSを通じて、私たちの環境への取り組みを心から応援してくれるブランドのファンとつながることができた背景には、良いスタッフに恵まれたことも大きく影響しています。
私はあえてインスタグラムで、すでにインフルエンサーとして活躍している女性を雇ったんです。
そこで私たちは、まだブランドを始めたばかりで、もともとフォロワーが少ないということを逆手に取ることにしました。
彼女に、失うものは何もないと自由な発想で、次々と実験的なことを試してもらって、純粋に私たちを応援したいと思っている人たちと信頼関係を築くことができたんです。
これは、私のキャリアの中でも最高の人生でした。
ブランドをSNSでPRする上で、大切なことは何ですか?
SNSは、ブランドと消費者のパワーバランスを大きく変え、消費者の声に力をもたらしました。
だからこそ、最も重要なのは、SNSに寄せられる声にブランド側がちゃんと耳を傾けることです。
そうすると、消費者もこのブランドは、ただ自分の主張を押し付けるだけでなく、私たちの意見を本当に大切にしてくれているんだと気づくことができます。
例えば、オールバーズも当初、男性用と女性用で靴の色を変えていましたが、SNSに寄せられた消費者の声に耳を傾けて、男女どちらも同じ色の靴が買えるようにしました。
このように、消費者の声を無視せず、その洞察力に感謝しながらビジネスに反映させることはとても重要です。
今のブランドが21世紀にブランドを立ち上げるために必要なものは何ですか?
21世紀にブランドを立ち上げる上で、一番大切なことは何ですか?
目的意識を見失わず、そのブランドのファンと精神性へコミュニケーションを取り、等身大であることが一番大切です。
ここまでお送りしてきましたレイナモトの世界のクリエイティブ思考。
経営理念と約束
今回はマーケターのジューリー・チャニングさんにブランドと顧客の新しい関係について話を聞きました。
彼女はいつも明るくて、パッションはあるんですけど、感情的にならないというか落ち着いているところがあって、
ブランドと顧客の新しい関係性について話を聞きました。
彼女はいつも明るくて、パッションはあるんですけど、感情的にならないというか落ち着いているところがあって、
彼女はいつも明るくて、パッションはあるんですけど、感情的にならないというか落ち着いているところがあって、
クリエイティブの人たちとパートナーになりながら、クライアントにビジネスソリューション、ビジネスのためになることを提案していく立場の人なので、
大胆な人とか、リスクをいつも取りに行く人というよりかは、安定した、それこそ大黒柱のような存在で、頼りになるという存在ではありますし、
そういうのが、僕の彼女との仕事の思い出でもありますし、印象でもありますね。
今日のまとめはいつも通りのキー定価上3つあるんですが、
まず1つ目、経営理念、顧客への約束、そして行動指針を明確に打ち出す。
2つ目、これは英語のエンターテイメントとエジュケーションという言葉を合体させた造語になるんですが、
エジュテイメントを通じてPRとソーシャルメディアに重点を置く。
3つ目は、ブランドの敵は何か。
この3つのキー定価上になりました。
まず1つ目、経営理念、顧客への約束、行動指針というところなんですが、
当たり前といえば当たり前なのかもしれないんですが、
特に経営されている方だったりとか経営層にいらっしゃる方ですと、
言葉でこういうのは簡単というふうに思われても、
実際、企業の社内の中で浸透させる、そして理解してもらう、
毎日の活動に生かしてもらうということを考えると意外と難しいことなんですよね。
オールバーズの場合は、最初の段階からこの経営理念、
会社が持っている思想というか哲学というのをすごくはっきりしていて、
英語で言うとBetter Things in Better Waysというところから始まって、
そしてReverse Climate Change、気候変動を元に戻すというところから、
その企業の在り方、企業の存在意義というところがもう簡単な言葉で
誰でも分かるような言葉、そして毎日使えるように
なっているわけなんですよね。
そこから始まり、それを基にして顧客に何を提供するのか、
そして何を約束するのか、それから毎日の活動の中で、
毎日のお仕事の中でどういうことを大事にして行動するのか
ということを明確に打ち出す、英語で言うとPurpose, Promise, Principleという
Pが重なった言葉なので覚えやすい言葉なんですが、
このPurpose, Promise, Principle、経理念、顧客への約束、
そして行動指針を明らかにするということを明確に打ち出すということは、
これはインタビューの中でも結構何回も出てきて、
やっぱりブランドがちょっと反れた方向に行ってしまう
というところの原因は何なんですかね、ということを話したときに、
やっぱりこの最初のPurposeというところがはっきりしていないと、
そしてそれにちゃんと向かっていっていないと、意識していないと
合戦してしまうんですよね、ということは彼女もおっしゃっていました。
エジュテイメントとソーシャルメディア
2つ目のエデュテイメントという言葉なんですが、
これもさっきも言ったようにエデュケーションという言葉と
エンターテイメントという言葉がくっついた造語なんですが、
エンターテイメントだけでも、そしてエデュケーションだけでも足りなくて、
エデュケーションするような、教育するような、皆さんに教えるような、
顧客に分かってもらいたいようなことを教育として、
情報として渡すだけではなくて、それを楽しく、
そしてエンターテイメント性があるような形で提供していく。
そこにそうするためにはPRだったりとか、
ソーシャルメディアに重点を置くということが大事なんだ、
というふうにおっしゃっていました。
彼女の話の中で一つ印象的だったのは、
マーケティングチームを作っているときにいろんな人を雇っていったそうなんですが、
まず最初に雇った人が、ソーシャルメディアを個人的にも活発にやっている人を雇ったそうなんですね。
その雇われた人材というのも、個人的に自分である程度のプチソーシャルメディアインフルエンサーという形で、
自分でも結構粘心にやっていて、そのノウハウだったりとか、
やっぱり口でソーシャルメディア大切だって言っても、
やっぱり自分でやってみると見えないことだったりとか、
どういうところにつまずいて、どういうところがコツなのかというところが結構分かるようになってくると思うんですよね。
これも僕も自分でやってみて、そんなにソーシャルメディアのフォロワーはいないんですけども、
どういう反応をしてくれるとか、どういうインタラクションが大切なのかというのが肌で分かるようになってくるので、
やっぱり自分でやっている人をそのポジションに置いたというのが非常に大切だったというふうに言っていました。
ブランドの敵
3つ目にブランドの敵は何かということなんですが、
これはですね、この言葉を聞いたときに最初ちょっと正直驚いたんですけど、
やっぱりブランドを構築するっていうのはストーリーを作るっていうのが大事で、
そのストーリーの元にこの話の筋がどこにあるのかっていうのが気になってくるんですね。
そこにはやっぱりそこに出てくる登場人物みたいのがいて、
これは登場人物という言葉を使ったんですけど、別に人物である必要はなくて、
そのブランドが何を相手に戦っているのかっていうことをスタンスを明確にするのが大事なのかなと思います。
オールバーズの場合は気候変動のところがブランドの敵になって、
その気候変動が今どんどん悪い方向に行っちゃっているところをどうやって食い止めて、
そして逆に戻していくのか、そして改善していくのか、
それ自体がブランドの敵であったわけです。
それを明確に掲げて、そして靴というシンプルなものを通じてその大きな目的に向かって戦っていく。
そのストーリーがブランドの背景にあったのかなと思います。
そこを結構早い段階からシンプルな、それも誰もが分かるような言葉でマーケティングを打ち出していったのが、
このオールバーズという会社が大成功した根源にあるのかなと思います。
このブランドの敵は何か、これはなかなか意識されているブランドの人たちは少ないのかなと思うんですが、
一つすごくいいヒントになるかなと思います。
まとめると、まず聞いてくれNo.1、経営理念、顧客への約束、そして行動指針を明確に打ち出す。
二つ目にエジュテイメントを通じてPRとソーシャルメディアに重点を置く。
三つ目にブランドの敵は何か、このところを明確にする。
この三つが21世紀のブランド、そして顧客とのつながりを作っていく大事なポイントかなと思います。
これは皆さん、ぜひぜひお仕事にも行かせていただけると幸いです。
次回もどうぞお楽しみに。
世界のクリエイティブ思考、お相手はレインナウトでした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
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