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2024-02-27 18:39

#067 「マスを狙わないブランド戦略とは?」

第67回は、アメリカのアウトドアブランドの「YETI」でエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターをされているGinny Goldenさんがゲストで登場。今回は、7年間で売り上げが3倍になる程、大きな成長を遂げた「YETI」のブランド戦略にについて、お話を伺いました。


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サマリー

ジニーゴールデンさんはアメリカのアウトドアブランド、イエティでエクゼクティブクリエイティブディレクターを務めており、ブランド戦略について語っています。イエティの成功の秘訣は、アウトドア愛好者に寄り添い、信頼を裏切らないことだと言います。ジニーゴールデンさんがブランドの内部で働く中で一番学んだことは、将来の戦略を長期的な視野で考えることの重要性だそうです。ジニーゴールデンさんによるアウトドアブランドイエティのマスを狙わないブランド戦略についての話を聞くと、ブランドの成長とマニアックな世界での展開が解説されます。

イエティの始まり
This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro. 皆さんこんにちは、ニューヨークと東京を拠点にするグローバルインベーションファーム
I&CO共同創業パートナーのReina Moroです。 この番組では世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストはアメリカアウトドアブランドのイエティでエクゼクティブクリエイティブディレクターをされているジニーゴールデンさんです。
ジニーさんはですね実は僕の古い同僚で同じオフィスじゃなかったんですけども同じ会社で働いていたんですね。
その時からもうすごく優秀なまずデザイナーとしてキャリアを始めていろんな世界的な有名なブランド例えばウォルクスワーゲンのような会社の案件に
かかってきていつもいい仕事をしているなというふうに見ていました。 そんな彼女がですね僕が退職してから1回か2回転職をして
ここ数年でこのアウトドアブランドイエティのエクゼクティブクリエイティブディレクターになった人なんですね。
ちょっとこの会社日本ではあまりはじみがない方が多いと思うので説明をしますと、この会社を始めたロイそしてライアンセイダーさんという方たちはですね
兄弟なんですけども個人個人で狩りだったりとか釣りを趣味とされている人なんですね。
彼らのお父さんが実はテキサス州で釣りのその竿を作っている会社を経営されていたそうなんですが、この兄弟である彼らがですねアウトドアで釣りとかに行った時にその釣った魚を入れるクーラーボックスに不満がありアウトドアで使える丈夫で長く使えるクーラーボックスがなかったのが悩みで自分らで作り始めたというのがこの会社の始まりだそうです。
ちなみにこのイエティという意味はですね英語でイエティという発音にはなるんですがそのまま直訳すると雪男という意味で日本語にはなって
ヒマラヤの山奥の中に住んでいる幻の動物というのがこのイエティという意味になります。
なのでその本当にもう奥深い山の中で生きている着物のようなそういう存在でもあるこの会社
それこその最初の十何年間は知る人ぞ知るというそういうブランドだったのかなと思うんですが僕もそうですね一応名前は知っていたんですけども
そんなにその話題になるとか一般的に聞くような名前ではなかったんですがここほんの2、3年でかなりこう一般的にいくような名前になって話題としてもそのクリエイティブとしても話題として上がってきたことがあったので
たまたまなんですけど元同僚のジニーさんがそこの会社で働いていて連絡をしてみたというわけです。
今回はそんなジニーさんにマスを狙わないブランド戦略についてお話を伺いました。
イエティのブランド戦略
So let's get started.
なぜクリエイティブエージェンシーからアウトドアブランドのイエティーに転職したんですか?
クリエイティブエージェンシーにいたときはそのブランドのパッケージや広告、ウェブサイトなど部分的に携わることはできてもすべてをデザインすることはできませんでした。
だから私はブランド全体をデザインできるような仕事がしたくてイエティーに転職したんです。
私はアウトドアとクリエイティブがどちらも大好きなのでその2つの情熱が活かせる絶好の機会だと思いました。
クリエイティブエージェンシーに所属しながらブランドと関わるのと、ブランド内部のクリエイティブチームに所属するのはどんな違いがありますか?
ブランド内部のデザインチームに所属してからはイエティーというブランドについて徹底的に勉強しました。歴史だけではなく本当に細かい情報まで知ることが大切だと思ったんです。
転職するまではイエティーがこんなに多面的なブランドだなんて考えていませんでした。
アウトドアと一言で言っても釣り、バーベキュー、ハンティングなど全く違った分野の知識が必要ですし、イエティーの顧客はそれぞれの分野のエキスパートが多いので深く理解することが求められるんです。
釣りなら釣り、ハンティングならハンティングとそれぞれのコミュニティの人々の声に耳を傾け信頼を勝ち取るために相手のことを学ぶ必要がありました。
イエティーは売上の面でもここ7、8年で急成長を遂げていますが、ブランドとして成功している理由は何だと思いますか?
創業者自身が釣りに行った時に感じたストレスがイエティーの原点です。
それまでのクーラーボックスは、釣った魚を何日も新鮮に保つことはできませんでした。そこで、釣った魚の鮮度を保ち、釣りの時に椅子の代わりに座れるようなクーラーボックスを作ることにしたんです。
そして、ただの安物ではなく、釣りのプロが唸るような製品を作りたいと魂を込めました。そうした思いがアウトドアファンの心をとらえ、釣りが好きな人が良い製品だよとハンターに紹介し、ハンターが今度は別のコミュニティの人に紹介して、どんどん口コミで人気になっていったんです。
イエティーは、自然の中でワイルドライフを楽しむ人たちのためのブランドです。だから、何世代にも渡って使えるような高品質で耐久性に優れた製品を忠実に作り続けることを大切にしています。
この会社イエティーはですね、もともとはこの釣りの時に使うクーラーボックスが皮切りだったんですが、そこから実は、例えばキャンプの時に使うマグカップだったりとか、アウトドアで使うバッグ、その時に連れて行くお供の犬の餌を食べさせるお皿とか、すごくある意味狭い領域なんですけども刺さる人には刺さるみたいな、
この何百万人の人が、そのマスの人たちが使うかっていうとそうでもなくて、もう本当に釣りだったりとか狩りだったりとか、あのマニアックな趣味を追求している人たちを対象に、すごくある意味狭い領域ではあるんですが、もう興味のある人はのめり込むような、そういう領域のところで使ってもらう商品を展開しているブランドです。
この会社の大人気の商品がクーラーボックスなんですけども、実は325ドル、日本円にすると47,000円もするクーラーボックスなんですね。
アメリカでもこれってすごく珍しくて、正直数十ドル、1万円弱で買えちゃうもので、僕もクーラーボックスを以前買ったことがあって、それも多分50ドルしなかったぐらいのものなんですけども、
でもやっぱり釣りとかしない僕だと、1万円以上も買って、それも1年に数回しか使わないクーラーボックス、1万円以上かけるかっていうとかけないんですよね。
でもやっぱりこういう釣りが好きで、毎週例えば山奥に3時間車を運転しに行って、釣りで魚が数匹釣れるぐらいのことをやってても、でもやっぱりこの5万円近いお金を出して、そして1年だけじゃなくて10年、20年、下手したら自分の子供の世代までにも使ってもらえるようなものを買うっていうのは、
やっぱりその好きだからこそいいものが欲しいという気持ちを理解している人たちが展開しているブランドなんだなっていうのをしみじみ思いました。
ここ数年でイエティーが手がけたキャンペーンの中で成功したものは何ですか?
イエティーの製品を使う人たちはアウトドアが大好きですが、屋外でキャンプなどを楽しむと多くの人がついつい忘れ物をしがちです。
アメリカ各地にある国立公園には、なんと毎年1万4千個以上の忘れ物が届きます。
そこで、私たちは忘れ物として届いたイエティーの製品をオンラインの投稿をもとに、メッセージを添えて持ち主のところに送り返すキャンペーンを実施しました。
大々的にメディアを使ったわけではありませんが、忘れ物をして落ち込んでいる人に、忘れ物を持ち主のところに送り返すキャンペーンを実施しました。
イエティーは、公園のメッセージを持ち主のところに送り返すキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンに参加したイエティーは、アウトドアの製品を持ち主のところに送り返すキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンに参加したイエティーは、アウトドアの製品を持ち主のところに送り返すキャンペーンを実施しました。
イエティーは、広告にもモデルやインフルエンサーは使いません。流行に流されず、どこまでもファンに忠実であり続けたいと考えています。
誰のためのブランドなのか常に意識して、釣りやハンティングなどワイルドライフを真剣に楽しむ人たちに寄り添うことを大切にしています。
そして、そうした人たちの信頼に応え、期待を裏切らないことがブランドの真髄であり、成功の秘訣だと思います。
ブランドの内部での学び
クリエイティブ・エイジェンシーを辞めて、ブランドの内部で働くようになって一番学んだことは、長期的な視野で将来の戦略を考えることの重要性です。
短期的に達成しなければいけない目標もありますが、同時にすごく先のことも考えて、ブランドとして進む道を見極めなければいけません。
ここまでお送りしてきました、レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回はアウトドアブランドイエティのジニーゴールデンさんに、マスを狙わないブランド戦略についてお話を伺いました。
今回の話をして、そしてこのイエティというブランド、僕は正直ターゲットではないので、存在は知っていたんですけれども、そこまで興味があったわけでもないですし、そこまで知っていたブランドではないんですね。
ただやっぱりそのブランディングとかマーケティングで、ここ数年彼らが手掛けてきていた動きが業界の中でも話題になって、改めてこのブランドの商品とかを見てみると、正直高いんですよね。
例えばですね、そのキャンプで使うフライパンが1個400ドル、日本円にすると6万円という目が飛び出るような結構なお値段で商品展開をしているんですよね。
でもそれでも買っている人がいる。で、6万円のフライパンをそれも毎日使うんだったらいいんですけど、キャンプに行くときだけに使うっていうすごく限られたところでの展開の商品なのに、これだけ成長しているっていうブランドってなかなかないと思うんですよね。
そのブランドの成長っていうところで言うとですね、実はこの7年間でアメリカドルで500ミリオンUSドル、日本円にすると720億円から1.5ビリオンUSドル、つまり2170億円というとんでもない成長を10年以内、7年間でしてるんですね。
で、6万円のフライパンを売ってる会社が7年間で3倍の売上を出すっていうのはもう本当になかなかありえないことだとは思うんですが、話を聞いてみると実は言葉を選ばずに言うと何かすごいことをやってたとかめちゃくちゃ面白いことやってたかっていうとそうではないんですね。
やってることの紹介で言うとですね、例えば釣りが、フライフィッシングが好きな人たちのせいぜいフォロワーがいても5000人とか1万人もいないような人たちと契約をして、そういう人だったりとかカウボーイの人と契約をして、その人たちが欲しいと思うような商品を売ったりとか、その人たちが興味のある動画を作ったりとかで、もうすごくマニアックな世界で展開をしている。
なんですが、さっきもお伝えしたみたいに7年間で売上が2000億円以上になるというぐらいのスケールを出している。
これだけそのソーシャルメディアが流行って、例えばTikTokとかInstagramのリールが何百万人に見られて一瞬で話題になるっていうことではなくて、本当に長い目で自分のブランドのあり方というのを完全に理解して、そしてそのことがわかってくれる人たちだけにコミュニケーションしていく。
そして商品を展開していくという、すごくある意味派手とは真逆の今の時代と結構逆の路線を行っているかなと思うんですが、実はそれがすごく正しいことだったっていうのが改めて今回このイエティのクリエイティブディレクターであるジニーゴールデンさんと話して実感したっていうところですね。
今回の僕の3 key takeaways、3つの学びは、まず1つ、マスを狙わない。
2つ目、好きなことをとことん追求する。
そして3つ目、執述語研。
まずこの1番目のマスを狙わない。
マスを狙わないブランド戦略
ジニーさんに話す前、このことはうすうすは気づいてはいたんですが、本当にそのやり方でも十分にビジネスが成り立ち、それだけではなくてビジネスも1000億円、2000億円超えるぐらいの十分にスケールが出せるビジネスになるんだなっていうことを改めて実感しました。
そして2つ目にここにつながるんですが、マスを狙わないっていうことはですね、実はその好きなこと、すごくマニアックなことでもとことん追求すると人の心がつかめて、そして良い製品が作れる。
こういう釣りだったりとか狩りだったりとか、アウトドアでもさらにマニアックな領域なんですけども、何万円も5万円近くするものも非常に高額なものも好きな人はちゃんと買ってくれて、
それが十分にお客さんの数がいて、あれだけビジネスにつながっているっていうことをこのイエティというブランドがもう実践実行をしていますよね。
そして最後にこの執述合憲という言葉、時代に流されずに、そして話題性を狙わずに、もう正しいことを追求する。
中身が充実して、その外見とか飾り気というところに紛らわせずに自分の思っていることを信じていることを追求する。
なんですかね、その日本人らしい精神という感じなんですけども、このアメリカのものすごくアメリカンなブランドが実証しているんだなということを思いました。
まとめますと、今回の3つの学び、1つ目はマスを狙わない、2つ目好きなことをとことん追求する、そして3つ目執述合憲。
皆さんもこれなかなか日本では手に入らないと思うんですが、もしアメリカに行かれる機会がありましたらぜひぜひ見てみてください。
世界のクリエイティブ思考、お相手はレイナモトでした。
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