1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
  2. #045 注目のクリエイティブ 〜..
2023-09-12 34:06

#045 注目のクリエイティブ 〜多様性やジェンダー平等に貢献するカンヌ受賞作〜

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第45回は、レイ・イナモトがカンヌライオンズで見つけた注目作品を2つ紹介します。Adidasの「Runner 321」は、ダウン症のアスリートに「ランナー321」というゼッケンをつけてマラソン大会に出場しようと呼びかけるキャンペーン。健常者と障害者が一緒にスポーツをする多様性のある社会実現への想いに、ライバル企業も賛同し、有名なマラソン大会で次々と「ランナー321」の出場枠が創設されるなど、大きなムーブメントが起きています。また、宅配サービスを手がけるドアダッシュという会社の「Self-Love Bouquet」という作品も紹介。これはバレンタインデーに自分のために、バラの花束と一緒にセックストイを贈ろうというキャンペーンです。バレンタインデーをステレオタイプにカップルのイベントと捉えるのではなく、自分を理解して大切にすることや、セックストイで自分の喜びを追求することを肯定的に表現。広告という枠を超えて、ジェンダーギャップのない未来を築いていこうという企業の姿勢と意義について解説しました。


◆Adidas - Runner 321

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◆DoorDash - Self-Love Bouquet

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サマリー

今回は、ダイバーシティやエクイティに関する作品を紹介します。アディダスが手掛けたタイトルは「RUNNER321」という作品です。この作品では、マラソン大会でダウン症を持つ人たちに特別なゼッケンを付ける試みが行われており、ダウン症のコミュニティに勇気を与える存在として注目されています。また、女性がセックスについてオープンに語ることについても、それほど恥ずかしいことではなく、タブーでもなく、当たり前のこととして積極的に受け入れられるべきだと感じました。

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This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro. 皆さんこんにちは。ニューヨークと東京を拠点にするグローバルインベーショナルファーム、
I&CO 共同創業パートナーのReina Moroです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回は、僕が気になったクリエイティブ作品を紹介する注目のクリエイティブをお届けします。 今日は本番組のプロデューサー、竹村幸子さんと一緒にお届けしたいと思います。
はい、レイさん、今回もよろしくお願いします。 今日はですね、前回に引き続きまして、レイさんがカンヌライオンズで見つけた注目の作品をご紹介していただこうと思います。
どんな作品ですか? 今回はダイバーシティ、エクイティ、アンドインクルージョン、DE&Iに関する作品、
そしてジェンダーに関する作品をピックアップしました。 では早速ご紹介しようと思います。
アディダスのダイバーシティ作品ランナー321
はい、ダイバーシティ、エクイティ、アンドインクルージョンに関する作品ということなんですが、これどんなものなんですか?
はい、これはスポーツブランドのアディダスが手掛けたRUNNER321というタイトルの作品なんですね。
アイディアとしてはすごくシンプルなんですが、背景がありまして、まずこの321っていうのはゼッケンの番号の意味なんですが、
マラソンに出る方は皆さんご存じだと思うんですけど、皆さんゼッケンを払えるじゃないですか。
この321という番号を、ある方たちのためにその大会でその人たちだけが付けられる番号っていうゼッケンにするっていうのが、このアディダスが仕掛けた試みなんです。
もうちょっとこれ詳しく背景を説明すると、アディダスがスポンサーをしているアスリートで、クリス・ニキックさんという方がいらっしゃるんですが、どういう方かというと、実はダウン症を持った方なんですね。
この方は世界で最も過酷だと言われているアイアンマントライアンスローンにも出場して、奇跡をたくさん起こしている方なんです。
現在24歳でダウン症を持つ方だと無理だと思われていたこともこの方は成し遂げていて、特にダウン症のコミュニティの中ではすごく勇気を与える存在になっています。
このランナー321の裏にはすごく象徴的なインサイトがあって、ダウン症というのは21番目の染色体が通常よりも1本多く3本になることから引き起こされる遺伝子疾患なんですが、
この321という数字はダウン症の人々にとって象徴的な意味を持っている数字なんだそうです。
それをちゃんとインサイトとして使って、ゼッケンの番号に象徴的に使うという、後から言うと結構ストレートな点と点を繋いだアイデアかなと思われるかもしれないんですが、
そこに気づいたっていうのは僕は素晴らしいと思うんですよね。
321だとすごく覚えやすいですし、わかりやすいですし、あとマラソンっていうことだと、321スタートっていう、そういう意味も含まれてるじゃないですか。
だからその走るっていうスタートっていう意味と、この遺伝子のダウン症を象徴的に表す数字の意味を繋げてマラソンっていうところに表す。
それをダウン症を持っている方たちだけがつけられる、ゼッケンにするっていう、そのストーリーの作り方、文脈の作り方が、
蓋を開けるとすごくロジックがあるんですが、そこを気づくのって、これってなかなか簡単そうで簡単じゃないかなっていうふうに思いました。
ダイバーシティ作品の普及
本当そうですね。そういう制度っていうか決まり事があると、応援する側も応援しやすいですし、また他のダウン症の人も、じゃあ出てみようかなっていうハードルが下がったりするんじゃないですかね。
これはアディダスが、ボストンマラソンっていうのはアメリカでも一番大きい世界的なマラソン大会で、日本の選手もたくさん出ている本当にすごい大会なんですが、そこでまず始めたんですね。
そしたら意外に他の企業もそこに賛同して参加しようっていうことを言い始めて、ナイキだったりとかニューバランスとか、いわゆるアディダスの競合の企業も賛同して参加するっていうことも起きて、
いろんな企業が集まって何かやるっていうのは、一つの企業がやり始めたことに乗るっていうのはなかなかないんですが、そういうもう本当にDE&I、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの形の作り方として、すごくアイディアがシンプルだからこそ、そして分かりやすいから、他のところも参加しやすかったっていうのはあるのかなと思います。
CMとか広告って一つのブランドの宣伝っていうイメージだったんですけど、ライバルの会社までそこに相乗りしようというか一緒にやろうって思えるぐらい、いいアイディアってことですよね。
そうですね。だからこれも前回のエピソードでも最初にお伝えしたんですが、広告っていう定義自体もかなり幅が広くなってますし、あと正直今広告っていうものがなかなか効かない時代になっちゃってるんですよね。
それこそね、ネットフリックスみたいなストリーミングサービスはもう広告見ずに見れますし、最近ちょっと広告始めたりしますし、あとYouTubeとかでも広告をスキップするとか、音楽を聴いてても、例えばストリーミングのSpotifyみたいなものを聴いててもスキップできるとかっていう、いかに広告を避けて通るかっていうシステムができてるじゃないですか。
できてます。
そうそう。だから広告を作っても見られない可能性がめちゃくちゃ高くなっちゃってる時代なんですよね。
ってことは、やっぱり広告の枠を超えたことをやらないと、そして本当に意味のあること、本当に話題になること、本当に面白いもの、本当にためになることをやらないと人の共感は得られないっていう時代なので。
だからカンヌが広告祭っていう広告って言葉を外したのはもう10年以上前の話なんですが、本当にクリエイティブ思考を使って企業にどういう影響を与えるか、そして世の中にどう影響を与えるかっていう本質的なところが問われる世界になってるのかなと思いますね。
いやまさにこれはでも本質的ですよね。誰も取り残さない社会の実現っていうか、ダイバーシティ、エクイティアンドインクルージョンを象徴するようなことですよね。障害者の人も一緒にスポーツに参加しようよっていうメッセージが込められてますもんね。
私もですね、以前国連の仕事でルーシー・メイヤーさんという脳性麻痺があるですね、スペシャルオリンピックスの水泳のゴールドメダリストの方にお話伺ったことあるんですけど、そこで言っていたのが、やっぱり障害がある人と障害のない人が一緒にスポーツするっていうのはすごく大切なんだっていうお話をされていたんですね。
一緒にスポーツをすると、共にこの苦しさだったりとか困難を乗り越えるから、偏見とかそういうことがなくなって、分かり合うきっかけになるっていうお話されていて、ああ、その通りだなあなんていうふうにその時思ったのを思い出しました。
障害があろうとなかろうと、自分がやってみたいと思ったことに何でも挑戦できる世の中っていうのはすごくいいと思いますし、挑戦しやすい環境を整えていくっていうこともすごい大切だと思うんですよね。
なので、このアディダスの取り組みは、ダウン症の人でもマラソン大会に出たいなって思ったら出られるっていう環境を作っているので、すごいいいなあと思います。
ダウン症の人たちって、お医者さんとかにあんまり激しい運動をしないように止められちゃってるっていう、そういう現状もあったりするんじゃないかなって思うんですけど、マラソン大会に出場するハードルが下がって、障害があるないに関わらず、ランナーとしてみんなで交流する、そうすると理解っていうのもどんどん進んでいくと思うし、とってもいいと思いました。
広告の範囲を超えた取り組み
そうですね、これは言葉を越えて文化を越えて共通する、通用するアイディアだと思うんですよね。マラソン大会って世界中でいろんなところであるじゃないですか。
そうですね。
だから英語圏だけじゃなくても、日本でもヨーロッパでもアジア諸国でもアフリカでも使えるアイディアなんじゃないかなと思いますので、すっごくシンプルなんですけど、こういうのがなんかシンプルでビッグアイディアというか。
うん、ビッグアイディアですね。
本当に、途上国なんかでは、障害がある人たちが結構虐待に近いような状態で差別を受けている例っていうのもたくさんあって、なかなかまともな仕事にもつけなくて、本当に物越えになるしかないみたいな状況の国っていうのも本当にたくさんあるんですね。
なので、そういう国にとっては、こういうビッグアイディアでカルチャーを変えていくっていうのはすごい大切なことだと思いますし、もう本当に日本でもぜひ大会に導入してほしいなぁなんて思うんですよね。
日本で生活していて思うのは、あんまり障害のある人と日常生活で交流する機会が、例えば私なんか以前ニューヨーク住んでいたときと比べて、ニューヨークの方がよっぽど日常生活の中に障害のある人を見かけたなとか、普通に暮らしの中の一部だったなっていうのがあって、日本だと結構やっぱり分断されているような感じがして。
だからすごくいいアイディアだなっていうふうに思いました。
そうですね。この作品は今年のカンヌライオンズでダイレクト部門のグランプリに選ばれているんですが、もちろんこうやって賞をもらうことっていうのは意味あることだとは思うんですけども、
これも前回紹介したウェアトゥーセットルみたいに、どうやって世の中にいいことをするかっていうところを結構純粋に捉えて形にできている作品だなと思いましたし、さっきも言ったみたいに、本当に言葉を越えて文化を越えていろんなところで実現できる本当にビッグなアイディアだなと思いました。
ちょっと余談になってしまうかもしれないんですけど、私ニューヨークにいたときにヨガを習っていて、面白いヨガ教室に行ったことがあって、そこは先生たちがみんな障害を持っている人が先生なんですね。
身体的に例えば腕がないとか、そういう障害を持っている方が先生として教えるっていう会もありますし、あと障害までいかなくても、例えば体重がすごく重い、体がすごい大きい先生がヨガを教えていたり、ヨガって日本だとモデルさんみたいな人がファッショナブルなウェアを着て教えるっていう教室が圧倒的に多いんですけど、
そのニューヨークのクラスは本当にもうちょっと本質的というか、ヨガって本当に子どもからおじいちゃんまで誰でもできるよねっていうところがヨガのベーシックなところだと思うので、それに近いというか。
で、腕のない先生とかもいろんなバンドとか使ってすごくうまくポーズをとったりとかするんですよね。そういうのを見てると、こんなやり方があるんだとか、こうやったほうがやりやすいんだとか、すごく一緒に、私は生徒の側ですけど、学ぶことがすごく多くて。
で、例えば体重がすごく重い体の大きい人がヘッドスタンドという頭で立つようなポーズとかしてると、あ、こんなに体重があってもバランスがとれるんだったら、例えばその人よりも体重が少ない人は、あ、今までそのポーズはちょっと怖くてとったことなかったけど、本当にバランスの置き方次第なんだなってこう学ぶことがあったりとか、そういう交流ってすごくいいなって思っていて。
多様性とジェンダー平等
ニューヨークのその経験は私の中で結構人生が変わるぐらい大きな発見があったので、そういう一緒にスポーツをやるとか、逆に健常者が障害者に教えるっていうことは世の中いっぱいあると思うんですけど、障害のある人が先生になって健常者が教わるっていうのもすごく学びがあっていいっていう経験をしたので、
一緒に大会に出るとか、スポーツをやるとか、交流をするって本当に大事だなぁなんて私はその経験を通じて思いました。
そうですよね、なんかそういうことが普通にあると、それが普通になるわけじゃないですか。
はい、そうなんですよ。
ちょっと話ずれるかもしれないんですけど、僕もアメリカに住んで、特にニューヨークに住んで子育てをしてるんですけど、
例えば子供の同じクラスにいる親が、両親がレズビアンだったりとか、ゲイの人だったりとか、男の人が二人の親がいる子がクラスメイトだったりとか、女の人が二人のお子さんがクラスメイトだったりとかっていうのが普通にあるんですよね。
そうですね、ニューヨークだったらもう当たり前のように見かけるファミリー像というか、そういう感じですよね。
それがもうちっちゃい頃からね、3歳4歳5歳とかぐらいから自分の子がそういういろんな形の家族があるんだなっていうことに普通に触れてると、それが普通になるわけじゃないですか、別にね。
いや、ほんとそうだと思います。
そう、なんかそういうのは細かいことではあるんですけど、でもすごく重要だなっていうのは、やっぱりちっちゃい頃からそういうことを目にするっていうのは、
なんだかんだで大事だなって今、たけもりさんの話を受けて、なんか再認識しましたね。
やっぱりなんか偏見って知らないからこそ生まれるっていう部分もあると思うんですよね。
イメージが先行しちゃって、なんか勝手に作り出しちゃう、頭の中でっていう要素があると思うので、
触れ合っていたりとか、当たり前、日常の一部になっていると、あえてそんなに特別なこととして捉えなくなるので、すごくそういう環境って重要ですよね。
そうですね。
自分を愛するバレンタイン
いやー、いい作品をご紹介いただきました。さて、続いてはジェンダーに関する作品、これはどんなものですか?
はい、これはですね、ウーバーイースのような宅配サービスを手掛けるドア出しというアメリカの会社のSelf Love Bouquetというタイトルの作品なんですね。
セルフラブ、自分を愛すること、バレンタインデーの日に自分のために薔薇の花束を贈ろうよというアイデアなんですが、
これ一つちょっとひねりがあって、セルフラブということなので、女性が自分にセックストーリーを贈るという、そういう施策です。
以前この番組にも出演していただいたシンリー・ギャロプさんがゲストで来られたときに、セックスをしない人なんていないんだから、もっともっと女性がオープンに語れるような社会にしていきたいということをおっしゃっていたんですが、
このキャンペーンはその話と全くつながっていないところで起こった話ではあるんですが、自分に対する愛、もしくはセックスということをもっと普通に語ってもいいんじゃないかというところから始まっています。
この作品も女性がマスターベーションをする、男性の僕が言うのもなんですが、それをタブー視するっていうのはおかしいよねっていうところから始まってはいるんですね。
これも今回紹介したアディダスのラナー321のアイディアも、あと前回紹介したウェットセットも、アイディアとしてはシンプルなんですが、気づいているこのインサイトがすごく賢いなと思ったんですね。
これどういうことになっているかというと、ドアダッシュが気づいたことで、まず一つは半数近くの女性が独身だということがあります。ドアダッシュのユーザーも女性が結構率が高いそうなんですね。それが一つ。
二つ目に、ドアダッシュは宅配をするので、オーダーされているものとかの情報データをよく見ていて、女性のマスターベーションのセックストーリーのカテゴリーで一番売れている商品が、実はローズっていう、それこそバラの形をしたセックストーリーだったそうなんですね。
だからそこの点をつなげて、だったら、たくさんいる女性で、女性のお客さんもたくさんいます。そしてこっちにはすごく人気のある女性用のセックストーリーが、それもバラという名前のものがあります。
だったら、バレンタインの日に自分に12本のバラを贈ろうよっていうことを皆さんに伝えた。その12本のうち1本が、実はもう花束に一緒になってるんですけども、バラのような形をしたセックストーリーがそこに混ざっているっていう、結構最終的にできた形はシンプルではあるんですが、いろんな点をつないでるんですよね。
確かに。
でね、もう一つあって、この試作がされた時に、ちょうどマイリーサイレスの歌でセルフラブっていう歌が流行ったんですよ。
セックストイとジェンダーギャップ
だからそういうのもあって、いくつかの点をいわゆるしまったというか、いわゆる皆さんが普通に会話されているところだったりとか、その人気のあるものだったりとか、人気のある音楽、人気のある商品っていうのをこのドア出しという宅配サービスにつなげたっていうところが、これめちゃくちゃ賢く、でもお茶目というかユーモがあるというか。
そうですね。ポップな感じだから、なんかいやらしい感じしないですもんね、全然。
すごくこれはうまくできていて、で、おしゃれなポップなアイディアだなっていうのは、なかなかこれ自分では考えてないかもっていうような、本当にクリエイティブなアイディアと思いました。
確かに、ジェンダーっていうことで言うと、やっぱり長年男性が有利な社会っていうのがあって、女性はこうあるべきみたいなものに、女性がどうしてもこう窮屈な枠の中に押し込められていたっていうような要素があったと思うんですよね。
なので、女性はこうあるべきっていう思いがあまりにも強すぎて、自分が本来何を望んでいるかっていうところが見えない女性ってすごく多くて、そういった流れの中でセルフラブ、自分の感情を思いやるというか、こうあるべきっていう女性像に当てはめるのではなくて、今自分がどう思ってるの、本当はどうしたいのっていうところを大切にしようよっていう、
全般的な流れの中から、そういう中にセックスだったり、性的なものっていうのも自分を見つめ直す要素として大切だよねっていう、世の中の流れがある中で、じゃあ自分にローズの形のトイを送るのはどう?みたいな提案って、なんかおしゃれですよね、とってもね。
もう一つこれレイヤーがあって、例えばオンラインでセックストーリーを買ったときに、梱包の仕方もわからないようにできてたりとかで、宅配をする人が見てもこれ何かわかんないみたいな梱包され方っていうのが多分普通だと思うんですけど、そうでもなくて、これをあえてこのセルフラブっていうタイトルで花束が入ってるんだけども、
これちょっと普通とは違う花束でっていうことをわかるように届けて、女性がマスタリベーションするっていうことのタブーを取り払う。それもちょっとこうユーモを含んでおしゃれな形で見せるっていうのも、そこもめちゃくちゃイケてるなっていうのはありますね。
そうですね、新しい時代を切り開いている感じありますよね。もしかしたらこのブーケのアイディアがある前にも結構需要っていうのはあったのかもしれないですよね。だからこそバレンタインって今までは割とカップルのためのイベントとして、なんかね、広告だったりドラマだったり世の中の流れとして描かれがちですけど、自分だけのためにっていいですよね。
そう、これもバレンタインの話でいうと、日本ってバレンタインの日が女性から男性にみたいな。
ありますね、チョコ渡す、告白するみたいな。
あるじゃないですか。
それってアメリカではなくて、なんかそれもある意味女性に対するプレッシャーを与えて、女性が男性にみたいな、ちょっとなんか見方によってはプレッシャーになっているところだったりとか、そのギリチョコみたいなのもあったりとか。
なんかそれこそ以前、去年だったか一昨年だったか、ゴディバだったかと思うんですけど、そのギリチョコをやめようみたいなことをバレンタインデーズの日に言ってたりとかしたのをちょっと今話してて思いました。
そうですね、アメリカだとこのバレンタインっていうのは日本と違ってどんな日なんですか?
アメリカだともう逆にそうですね、男性から女性に対して、男性女性ってなんかその最近その白黒発揮したジェンダーの世界でもないので、そういうふうに言うのはちょっと偏見があるとは思うんですが、
そうですね、僕なんかはその帰る日には花を買っていったりとか、その事前に花をオーダーしていたりとか、
なんかそういう男女関係で言うと男性の方からっていうイメージではありますね。
特にその女性からっていう指揮台は全くなくて。
でもいずれにしてもカップルのイベントっていう感じではあるんですよね。
そうですね、ありますね。だからその日はレストランの予約がめちゃくちゃ取りにくいですね。
そうなんですか。なんか日本のクリスマスみたいな感じですかね。
カップルでデートする日みたいな。
そうそうそうそう。クリスマスはそういうのはあまり、どっちかっていうともっと家族の日ではあるので。
アメリカは。
そうそうそうそう。だからバレンタインデーはもう本当カップルの日で、子供がいるカップルもいないカップルももうその日はデートをするっていうのがありますね。
なんかね、そういうカップルのイベントとして捉えられているバレンタインデーにあえてですね、一人でいることもいいよねっていうことで自分へのプレゼントっていうメッセージを打ち出すのはすごいいいと思うんですよね。
いや、わかります。
昔のメディアって、バレンタインデーとか日本だとクリスマスとか言うとカップルのためのイベントの日で一人でいるのは寂しいみたいな。
モテることこそ重要だみたいなメッセージって意識的にも無意識的にも発信しがちだったところがあると思うんですよね。
それがやっぱり時代が変わって、今はセルフラブ、自分を理解して大切にすることとかですね、セックストイで自分の喜びを追求するっていいことだよねっていう感じのメッセージをこのメディアが打ち出すみたいなのってすごい意味のあることだと思うんですよ。
だから、さっきのランナー321とも共通しているのが、普段はなかなか見かけない風景だったりとか、そういうのを普通に取り入れること。
さっきのアリラスのはダウン症の人が一緒に走るっていうのは今まではあまりなかったけども、障害を持った人たちが一緒に走るっていうことでそれが普通になるっていうことだったりとか、
このバレンタイン、一人でいるっていうことが別に全然おかしくないよっていうことをこういう形で具現化していくっていうのもすごくいいですよね。
本当にね、ジェンダーギャップのない未来を築こうっていう風に叫ばれてますけど、そういう未来を築くための大切な一歩なんじゃないかなって思いますし、
以前、シンディ・ギャロップさんがゲストで来られた時も、女性がセックスについてオープンに語れないっていう、この問題はもう世界レベルの問題だって言って、この問題を解決することでより良い社会が実現できるっていうふうにおっしゃってましたけど、
いろんなところでジェンダー平等叫ばれていても、セックスをめぐる話題というのは、その国の文化だったりとか宗教だったりとか、社会的な抑圧の度合いとかによってなかなかオープンに語られにくいっていう現実があるので、
女性がセックストーイを使うシーン
たとえばですね、セックス&ザ・シティっていうテレビドラマが昔あって、私大好きだったんですけど、本当、あのドラマ見てるともうシンディ・ギャロップさんなんかサマンサみたいだなーなんて思っちゃうんですけど、このドラマが世界でヒットしたことで、女性がセックストーイを使うシーンがたくさん出てきたりとか、
セックスについての悩みを女友達同士でオープンに語っているようなシーンがいっぱい出てきたりとか、そういうドラマだったことで、セックスについて女性が語るっていうことへのハードルっていうのはだいぶ下がったかなーっていう感じがあったんですけど、やっぱりテレビとかメディアとか今でもそれなりに影響力を持っているものが、女性がセックスについてオープンに語るっていうのがそんなに恥ずかしいことでもないし、タブーなことでもないし、
当たり前のことなんだよっていう雰囲気を積極的に作っていくっていうのは本当にとってもいいことなんじゃないかなーなんて思いました。
そうですね、さっきおしゃれしたジェンダーギャップのない未来を築くっていうことなんですが、それこそ日本のジェンダーギャップは世界で百何十番目みたいなすごい社会じゃないですか。
だからこそ、政府にどこまで期待できるかっていうのはおさし置いといて、企業がいろんな形で、ただの広報活動とかだけではなくて、今日紹介したこのセオフラブのご参考にして、
こういうおしゃれなアイディアだったりとか、気の利いたアイディアをいろんな形でやってくれると嬉しいな、それのインスピレーションになるといいなっていうふうには思いました。
さっきのアディダスのダウンショーのやつも日本の大会にもぜひ取り入れてほしいなーなんて思いましたけど、こういうジェンダーに関すること、セックスに関することとかも本当に上手い形で取り入れてほしいですよね。
だからなんか日本だと、社会が持っている女性像みたいな、男性像みたいな、すごくジェンダーが白黒がはっきりしていて、女性はこうあるべき、男性はこうあるべきみたいなイメージがまだまだ根強かったりとか、最近なって企業の活動でちらほらと見始めたりとか目につくのが、
例えばその食品のお会社がご飯を作るのは別にお母さんの仕事じゃないよっていうことを言い始めたりとか、でもまだまだそのレベルじゃないですか。
でもね、積極的にできることはもうどんどんどんどんやってほしいなとは結構強く思います。
そうですね、なんかこういういいインスピレーションを取り入れて、なんか世の中の雰囲気が変わっていったらいいなあなんていうのはすごい思いますね。
そう、だからなんかこういうちっちゃい、ちっちゃいと言っても、今回PR部門でグランプリを取っているのでそこそこ認められているものですけども、でも世の中的にはまだまだちっちゃい活動じゃないですか。
でもこういうことが、いろんな企業がいろんなことをやることによって社会に対するいい影響になっていくとは思うので、もうアイデアさえあればこのような形で何らかの形で世の中に影響を与えられるっていうのはいろんなところにチャンスとしてあるなっていうふうに思います。
わかりました。本当にレイさんがカンヌに行って、やっぱりアイデアって大事なんだなって思ったっていうのが、この前回紹介していただいたウクライナの作品、そしてこのダウンショーのアディダスの作品、そしてこのドアダッシュのセルフラグの作品とこの3つを通じて、
本当にやっぱりアイデアといかに社会にいい影響を起こそうかっていう思いって重要なんだなっていうのをすごい感じました。
そうですね。だからAIが今年のカンヌでも騒がれてましたし、今世の中でもずっとここ1年ぐらい騒がれてますけど、でも最初と最後にアイデアが勝つっていうのは、これは今後も普遍なんじゃないかなと思います。
さあ、今日ご紹介していただいたレイさんがカンヌで注目した作品については、皆さんにもぜひご覧になっていただきたいなと思います。
番組の概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ見てみてください。
さて、ここまでお送りしてきました。レイナモトの世界のクリエイティブ思考。今回は注目のクリエイティブで、今年のカンヌライオンズで僕が気になった2つの作品をご紹介しました。
前回のエピソード、そして今回全部で3つ作品を紹介したんですが、非常にいろんな作品が発表されていて、いろんなヒントになるものもありますので、もちろんこの作品3つ皆さんにも見ていただきたいですし、時間があれば他の作品も見て、クリエイティブ思考、そしてどういうことがヒントになるかなんかも見てもらいたいなと思います。
私もご紹介いただいた作品を見て、こうやって紹介してもらう機会がないと世の中にサービスとか広告とかCMとかいろんなものがありすぎて、なかなかこれに巡り合うことはできなかっただろうなと思って、レイさんがピックアップしてくれた3つの作品で非常にインスパイアされました。ありがとうございました。
はい、よかったです。またこういう形でいろんな作品を、最初に言いましたけど広告っていう枠がもうないという前提で、本当にクリエイティビティとは何ぞや、そしてクリエイティブ思考を使って今後のAIの時代を生き抜いていくヒントになれればなと思います。
では次回は、僕が日本に帰国した際に参加したデザインシップのイベントを取り上げます。次回もお楽しみに。世界のクリエイティブ思考、お相手はレイナモトと竹村由紀子でした。
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