それだけではないんですよね。結構魅力がいろいろ詰まっていて、
ちょっとそこの魅力をですね、4つほど紹介したいなと思いまして、
まず1つがですね、これも最大のだと思うんですけども、
その船という舞台設定ですよね。
それが少年時代の思い出になっていて、
しかも大人になるための冒険でもあったというですね、
その船での21日間の旅、それが描かれるというですね。
この設定だけでもすごく面白いというのはですね、感じますし、
もちろんそこでは人との出会いとか出来事とかがあって、
友情とか恋愛とか、スリルとか、ソスペンスとかですね、
面白い様子がですね、既にたくさん詰まっているという、
そんな設定がいいなというのが1つですね。
そうですね。ここは非常にうまいなっていうところと、
船っていう1つの社会、コミュニティというか、
そこにある世界をうまく使って描いていて、
自然的な要素が強いらしいので、
描かれていることが割と細かくてリアルなことが多くて、
そこが結構読んでいる時に引き付けられるポイントでもありますし、
あと作者自体、実際に幼い時、少年時代に船で旅をしたみたいなんですけれども、
少年時代に船に乗って一定期間旅をするって、
多分強烈に自分の人生の中の印象に残るんだろうなと思っていて、
それがうまく描かれているので、そこはかなり聞かれるポイントではありましたね。
そうですね。しかもその船でいろんな人たちと出会うんですけども、
その登場人物の魅力っていうのもこの小説のすごいいいところで、
その船で主人公の少年は生涯の友人とかですね、
あとはもう本当個性豊かな大人たちと出会っていくというですね、
そんなことが起きるんですけども、
その出会うところがですね、基本的には船の食堂が出会いの場になっていて、
船に乗っているお客さんというのが払っているチケットによって階層が分かれてですね、
主人公は一番下の階層、一番下の階層の人たちが集まるテーブルに、
もうそこは指定されているんですけども、そこで同じ階級の人たちと出会うというですね、
それがキャッツテーブルと呼ばれるんですけども、
実はですね、この作品の原題がザ・キャッツテーブルというですね、
もうそのまんまの名前で、日本語だと名もなき人たちのテーブルというタイトルに、
そういうタイトルにはなったんですけども、
このですね、キャッツテーブルで出会う人たちがとにかく主人公に影響を与えたというですね、
逆に主人公の少年から見て上流階級の人たちですね、
というのがキャッツテーブルとは反対側にあるんですけども、
そこの人たちはちょっと主人公の目から見てつまらない人間だなというふうに映っているというですね、
少年時代を回想して、
その時の思い出を切なく綴るっていうのは、
かなり構造、仕組みとしてめちゃめちゃ感動できるポイントを作っていくんで、
やっぱりすごいいいなと思いますね。
そうですね。
で、あと大人になってからもやっぱりこのマイケルが、
大人のパートの中でもどんどん時間は進んでいくんですけど、
その中でもどんどん彼が成熟していくような感じがあって、
実際に結婚して離婚とかっていう人生の節目みたいなのも経験するし、
これはちょっと30以上の人には結構響くんじゃないかなっていう内容ですね。
そうですね。
大人になってからより響いてくるっていうのはすごいわけですね。
僕は去年読んだアコーディオン弾きの息子が、
これはやっぱり近いなとは思いましたね。
確かに、それはあるかも。
こういう作品にはでもちょっと弱いなっていうのは自分で思いましたね。
だよね。
簡単にめっちゃ感動してしまう。
すごい好きになってしまう。
ちょっと魅力のところで最後なんですけども、文章のですね、
このオンダーチェさんが詩人でもあるんですけども、
文章力相当なものかなと思ってまして、
すごく読んでいて情景が思い浮かぶような書き方をしていてですね。
すごく個人的には、読んでいて同時に映像としても浮かんでくるような、
そういう書き方をされてるし、しかも文章がすごく美しいというかですね。
なんかその派手な表現とかは決して使ってないんですけども、
なんかね、もう心地よく読んでいて、
しかも本当すごく綺麗だなと思えるような書き方をしていて、
なかなかその一文二文読んでもですね、
それがすごく名文化というとなかなか難しいかなと思うんですけども、
個人的には142ページから、この船がスウェズ運河を渡るシーンというのがですね、
4ページほど続くんですけども、
この辺りの描写とかはですね、
ちょっと感動するぐらいすごく美しいなと思って読んでましたね。
わかります。すごい文章うまいですよね。
あと、章がだいぶ細切れなんですよ。
3ページとか、2ページで終わってるところだったかな?
そうですね。
300ページで終わってるけど59章まであるんで、だいぶ細切れであっていて、
その辺りもうまいというか、
短い中にクッと文章作ってまた次へっていうんで、
情景が思い浮かぶっていうのは三枝さん言ってましたけど、
それも多分だいぶそこに寄与してるかなと思いますね。
というところですが、
結構もう既に熱くなってきてたんですけど、
ちょっと具体的なストーリーを話していきたいと思います。
前半ちょっとお伝えしますと、
これネタバレはしないように話しますけど、
でも最後までちょっと一回話しちゃいます。
こういう話って筋が分かっててもだいぶ楽しめるものだと思うので、
その辺り安心して聞いてもらえればなと思います。
そうですね。
この作品でミステリー要素も含まれているんですけども、
今回そこに関しては全然触れずに話していくので、
確かにそれは言っておかないとね。
そうですね。
そこは損なわれないので安心して聞いてもらえるかなと思いますね。
じゃあちょっと前半、私の方からお話ししたいと思います。
これ船に乗る話というのは今ずっと出てきますが、
主人公のマイケルが船に乗るのは1954年です。
スリランカに住む11歳の少年マイケルは母がいるイギリスに行くために
オロンセイ号という船に一人で乗り込みます。
このイギリスに着くまでの間、21日間、3週間あるんですけれども、
この航海の間にマイケルは同世代のラマディンという少年と
カシウスという少年と友達になります。
ラマディンは心臓に病気を抱えた、ちょっと気和というか心優しい少年で、
逆にカシウスはですね、結構暴れん坊というか、
結構問題児っぽい感じがする少年です。
でもカシウスも根は優しい、非常にいい奴です。
この少年3人はですね、オロンセイ号を遊び場にして日々楽しく過ごしていきます。
ここにですね、マイケルの年上のいとこ、エミリーというのも実は同乗していて、
密かにマイケルはエミリーに恋心を寄せているという状況です。
マイケルたち3人は船の食堂、キャッツテーブルで、
個性豊かな人たちと一緒に食事をすることで知り合っていきます。
ピアニストのマゼッパ、植物学者のダニエルズ、文学者のポンセカ、
ミステリアスな女性のミス・ラスケティ、こういう人たちとの交流が、
彼らにとってですね、ちょっとかばった大人の社会を見せてきて、
マイケルたちを夢中にさせていくという流れになっています。
この船にはですね、いろんな人が乗ってまして、
上級階級の部屋には、今ちょっと寝たきりになってしまっている大富豪のこと、
この大富豪の話っていうのは結構船で噂されているので、
マイケルたちの耳にも届くという構造になっています。
マイケルたちはですね、夜の船を散歩したりするんですけれども、
そういう時にですね、ここで護衛とか護送されているのかな、
囚人の散歩現場とかも見かけたりします。
マイケルたちはいろんな話をこの船の中で聞いていき、
そこからいろんな想像を膨らませていき、
この船の旅を楽しんでいるという状況です。
船がですね、最初の起航地であるイエメンの湾岸都市アデンに着くと、
彼らはなんとかアデンに出て散策をします。
船に戻った時に、ラマディンがですね、小さな犬をこっそり船に持ち込んでいました。
この犬がですね、その翌日、3人がラマディンの部屋から飛び出してしまい、
あっという間に上級階級がいる一等船室の方に入っていってしまい、
ちょっと話しに出たネタ切りの大富豪の部屋に入って大事件を起こすという流れが起きます。
これがちょっと前半パートぐらいですかね。
実際にはいろんな登場人物たちのエピソードがだいぶ濃く語られるパートになっています。
登場人物とのエピソードだけじゃなくて、
意外と犬が何か事件を起こしたりとか、
そういう出来事がポンポンと起きたりするのが、
ちょっと意外性のある旅だなというのを感じさせましたね。
結構最初読んでいてちょっと印象的だったところは、
マイケルたち、少年3人組がやっぱり船ですごく楽しそうにしていて、
何かあったらプールに3人で飛び込んで行ったりして、ワーワーはしゃいだりとかですね。
あと植物学者のダニエルズという男の人からですね、
ちょっと気分が良くなる葉っぱを、船の地下というかそこの方に植物を育てているところがあって、
何かそこで葉っぱをもらってきて、その葉っぱを噛んでね、気分良くなったりとかですね。
結構楽しんでるなというのがね、伺えてすごい面白いんですけども。
あと結構危険なこととかもやってますよね。
何か嵐の日に、もうマイケルとカシウスの2人が、
ちょっと船に自分たちを縛って、ラマディンにロープで縛ってもらうんですけど。
で、嵐の日に2人で空を眺めようみたいなことをして、
そんな少年ならではのようなことをやってたりっていうのも、読んでて面白かったですね。
そうですね。この3人組の、彼らはルールとして1日に1つは禁じられたことをするっていうルールを決めて遊びまくるんですけど、
これ前半はこの漢字がすごいワクワクするパートで、読んでてすごく楽しいんですよね。
あとちょっと私気になったのは、結構最初この主人公マイケルとそのいとこのエミリーか、
結構マイケルがエミリーのこと好きみたいなことが書かれるんで、
この辺の恋心って結構描かれるのかなと思ったら、あんまりそこまで描かれずに、
どちらかっていうとこの2人が遊んじゃうとか、
エミリーはエミリーで、他の男に言い寄られたりとかしたりしてて、そのあたりがちょっと描かれるんですけど、
思い出としてちょっと書かれてるところがあると思うんですけど、
意外とこの恋心っていうのはあまり焦点が当てられなかったんで、
ちょっと予想と違うなって思ったりしたところで終わりますね。
そうですね。マイケル11歳でエミリー17歳なんで、
なかなかね、描くの難しいっていうのがあるかもしれないですね。
じゃあですね、ちょっと話を後半パートに進めていこうと思うんですけども、
ここからですね、ちょっと時間を先に進めて、
主人公マイケルが大人になった視点とかですね、ちょっとそういうのも入ってきます。
まず少年時代の話だと、アデンというですね都市を出航した後、船がスウェーズ運河を渡ります。
そのスウェーズ運河でラマディンはですね、船の中に持ち込んだ犬がどこか行ってしまってですね、
それを探し回っているんですけども、その間マイケルとカシウスは、
スウェーズ運河で作業する人々の光景というのを目に焼き付けます。
ここがすごく印象的な描写がされているんですけども、
そこからですね、ちょっと時間が流れて、大人になったマイケルですね、
これは20代、終わり年齢になるんですけども、
マイケルがある時、新聞でカシウスが画家になっていて、
古典を開くというですね、その情報をキャッチします。
マイケルはカシウスとは船を降りたきり会っていないので、
もう十何年も会っていないという状態だったんですけども、
もちろんマイケルの中にはですね、そのカシウスというのは強烈に記憶に残っていて、
カシウスの古典を見に行きます。
ちょっとその場にはカシウスというのはいなかったんですけども、
そこのギャラリーに飾られていた絵というのが、
まさにですね、その当時2人で眺めていたスウェーズ運河の風景ですね。
これが絵になって飾られていたというエピソードがありました。
さらにですね、マイケルがラマディンのことも回想します。
マイケルとラマディンはイギリスに渡ってからもしばらく親交というのはあったんですけども、
ちょっと20代入ってからしばらく親交というのが途絶えてしまっていた時期があって、
である時、30歳の時ですね、30ごろの時に、
不意にですね、ラマディンが亡くなったというですね、
その知らせがマイケルの元に届きます。
おそらくシーンとしては心臓発散だったのではないかと言われていて、
で、そこでですね、マイケルがラマディン、
死後にはなるんですけども、妹のマッシーと付き合って、
マッシーもですね、もともと船に乗っていて、ずっと付き合いというのがあったんですけども、
正式にマイケルがラマディンの妹と付き合って、結婚をするという流れになります。
ただですね、2人は後に離婚してしまいます。
そんなですね、ちょっと大人時代の話もあったりするんですけども、
また少年時代に戻って、このスウェズン河ですね、船がスウェズン河を越えた後、
エジプトのポートサイドという都市に泊まって、
そこでですね、一部キャッチテーブルで出会った人たちとも別れを告げたりして、
ちょっと寂しい思いになったりするんですけども、
ただですね、ロンドンへの旅というのは続いていきます。
そんな中ですね、船の中で謎に包まれている存在であった囚人ですね、
夜になると散歩に出かけるというですね、囚人を巡って、
またこれ一つですね、大きな事件が起きるというですね、
ちょっとそんな一幕もあったりします。
でですね、船がだんだん目的地に着いていこうとするんですけども、
ちょっとそこでまたですね、マイケルが大人になってからのエピソードになるんですけども、
マイケルがですね、大人になって作家になってラジオとかに出演するようになります。
そういうメディアに出ていくようになって、
である時ですね、マイケルのラジオ番組で昔の話としてこの船旅を話していたんですけども、
それを聞いたですね、女性から手紙が届きます。
その女性というのが当時船で一緒に乗っていたミス・ラスケティというですね、女性なんですけども、
当時船の中ではこのミス・ラスケティというのは結構ミステリアスな女性と思われていたんですけども、
そのラスケティが自身の過去を綴った結構長い手紙をですね、マイケルに渡して、
それをですね、マイケルのいとこのエミリーに渡してほしいというですね、そのようなちょっと書かれていました。
それは何でかというとですね、ラスケティが過去に経験したことと、
当時エミリーが置かれていた状況というのがちょっと重なるところがあって、
そこでラスケティがですね、エミリーがこれを読むと何か感じるところがあるんじゃないかというのもあって、
その手紙をマイケルに託します。
さらにですね、そこから月日が少し流れるんですけども、
マイケルはその手紙をきっかけにエミリーと再会することになるというですね、
そこからもう少しですね、大人になってからの話というのは続くんですけども、
ちょっとそこはですね、読んだ人がですね、ぜひ読んで確かめてもらえたらなと思うところで、
話を最後少年時代に戻してですね、
船旅21日目に無事目的地のイギリスに着いて、
でマイケルはイギリスに着いたらもうすぐその友達とかですね、
一緒に乗ってた人たちとは別れて、お母さんと再会して、
そこからですね、イギリス生活が始まっていくというですね、
というところで小説がこの話は終わりになるというところですね。
そうですね。
いやでもこれは思っていた以上にちょっとドラマがいっぱいあったというかですね。
そうそう。
まあそういうこれがね、ちょっとあんまりネタバレとか言うとあれなんですけども、
そういうねドラマがいろいろ起きるんですけど、
まあその経験があったからこのマイケルっていうのは、
少年からある意味大人になれたんじゃないかなというのはですね、ちょっと思いましたね。
そうですよね。なんか結構後半不穏な展開が続いていくんですけど、
なんかそれがミステリー要素だったり、サスペンス要素だったりみたいにする流れがあって、
結構濃くなっていくんですけど、前半と結構ちょっと印象が変わってくるんで、
結構自分は驚いたし、
パラパラッと今前半見ると前半で書かれてるめっちゃいいことがちょっと印象薄れちゃったりしてるんで、
結構気づくとなんか話の展開に持っていかれてるなっていうところがありましたね。
そうですよね。
いや、この後半、後半の中でストーリーとして単純に面白いっていうのはあったんですけども、
なんか結構そのしんみりするところがあったりとかして、
いやでもやっぱり一番、ちなみに読んでて一番好きだったシーンはやっぱり、
この大人になってからカシウスの古典が見る。
ああ、うんうんうん。これはいいっすよね。
いいですね。
うん。
これがね、その手前の描写で、少年時代に、
生存が渡っていて、2人でそれを眺めていたっていうことが描かれているんですが、
その後ね、急に大人のパートになって、カシウスの古典を見に行くって話になって、
これがすごいなんかね、めちゃめちゃ感動しましたね。
これはもう名シーンだし、ちょうどこれ、ちょうど半分ぐらいでこのシーンが現れるんで、
ここに来た時にだいぶなんていうか、この本、全然ここまで面白かったんですけど、
もうなんか、なんか安心感がすごかったです。
このラジオで紹介するのってもう絶対なんだろう、間違いないなっていう確信をここで得れたんで、
この後はもうなんか、ちょっと毎回ラジオで紹介するために読んでる気持ちみたいなのがちょっとあるんですけど、
この後結構忘れてすげー楽しめてましたね。
なんか、ああもう単純にこの本すげー面白いと思って。
やっぱこの、やっぱカシウスっていう少年がすごい、結構ね最初の方でもこのカシウスって、
問題児では扱いはされているんですけども、周りに反発するっていうのはある意味なんか、
その周りを、世の中を疑って見ているっていうかですね、
ちゃんと自分の真を持っているっていう風な描き方をされていて、
主人公のマイケルもカシウスからすごく影響を受けて、自分も変わったっていうのを感じているっていうのが書かれたりしていて、
いやそんなカシウス、この先どうなっていくんだろうと思っていたらね、
まさか画家になっていたっていうところがね、ちょっと意外性があったりして、
いやでもカシウスやったら確かに、ほんとちょっと名の知れ渡る画家になってもおかしくないなっていうのはね、
少年の時から見ているとそう思えたりするしっていうですね。
いやでもやっぱり個人的にはこのマイケル大人になってから、作家になったマイケルがね、
ちょっと画家になったカシウスと出会ってほしかった。
そこでね、どういう話をするのかなっていうのは、そこが読めたらね、すごい面白かったんだろうなと思いつつ。
いやでもこれラストに結構関わってくるから、私はもうこの流れがちょっとあまり言えないけど、
すげー感動しちゃいましたね。カシウスとの関係に関しては。
まあでも確かにね、まあそうですね、確かに確かに。
まあ全て確かにカシウスの描いた絵を、スウェズン画の絵を見れたっていうところで、ひとまず。
いいっすよね、ここね。
まあね、そこで、そうですね。
本当の仲間だったことがはっきりしたからではないかって書いてありますもんね。ここがすごい感動しましたね。
あとはですね、やっぱりこの船に乗っていた大人たちの存在ですね、キャッツテーブルで出会った人たち。
ここで例えば最初に紹介されるのがマザッパというですね、これはピアニストの人なんですけども、
ちょっと落ち目の状態で、で結構昔はもうブイブイ言わせていたタイプで、結構その女性の扱いとかですね、
その世の中の生き方みたいなですね、なんかそういうのを少年に教えてくれたりするですね、
すごい面白いオッチャンなんですけども、結構下ネタとか言ったりする。
僕ね、このマザッパさんがね、なんかちょっと親戚のオッチャンと重なるところがあって。
ああ、そうだな。ちょっとわかるな。
確かにね、子供の時周りにこういう大人の人がちょっといたなっていうのはですね、思いながら読んでましたね。
結構ね、マザッパさんはページサイトで語られますもんね。
ステーブルで出会う人たちを、一人一人のエピソードを掘り下げて書いていて、みんな好きになっちゃうんですけども。
もう一つ、ちょっと心に残ったのはフォンセカさんというですね、文学者の人なんですけども、
このフォンセカさんはもうラマディンがすごい好きになってですね、
ラマディンもやっぱりその学者を目指したいというかですね、フォンセカさんと同じような道を歩みたいという思いがあって、
ほんと崇拝するんですけども、このフォンセカさんが少年たちに文学について教えてくれたりして、
その後、主人公は、でもラマディンじゃなくて主人公が作家になるんですね。
ただですね、フォンセカさんについては、主人公は数年おきにフォンセカさんを思い出しては、図書館でフォンセカさんの名前で検索したりして、
ラマディンがフォンセカさんと連絡を取り合っているというのは知っているんですけど、
でも自分から連絡を取ろうとはしなかったと。
でも自分が困難な時ですね、フォンセカさんのような人が何かあった時、駆けつけてくれる、
そういう存在であるというのはでも知っていたというですね。
だからそういうのを書いていて、このフォンセカさんへのこの思いという部分ですね。
連絡を本当は取りたいと思っていると思うんですけども、自分から連絡はせずに。
でもフォンセカさんの名前は数年おきに調べたりするというですね。
こういうのもちょっとわかるなというのは思いましたね。
多分この経験がゲルを作家にしているような感じがあるから、すごく現体験みたいなところもありますもんね。
そうですね。結構複雑な心境というのはここで語られているなと思いましたね。
あと印象的だったのはやはり生涯の友人となるラマディンの存在ですね。
マイケルはイギリス渡った後もラマディンと友達関係というのは続いていたんですけども、
ただですねちょっとしばらくとはいえ20代になって疎遠になってしまったところがあって、
でもラマディンが若くして亡くなってしまったというので、
そこでですねマイケルがラマディンについていろいろ思い起こすんですけども、
そこでどれだけラマディンに影響を受けていたかと。
でラマディンについて自分が気づけなかったこと、
ただそれはフォンセカさんが見抜いていた、
ラマディンというのが実はすごい優れた知性を持っているというところですね。
なんかそういうのをですね、死んだ後にマイケルがそこを気づくというですね、
そんなところもあってですね、ここも読んでいてすごい悲しくもなるし、
ちょっと心がかなり揺さぶられたところでしたね。
このエピソードは歌詞と同じ流れで描かれるというか、
同じぐらいの半分ぐらい読み進めたあたりでは描かれるんですけど、
ラマディンのエピソードは本当にすごい切ないというか、
辛いなと思うところと、
あとやっぱり現実的だなと思うのは、
158ページでやっぱりそのラマディンの死を受け入れるというか、
直面してしまったマイケルがセリフである、
セリフというか字の文化ってあるんですけど、
なんかだいぶ私は心を揺さぶられました。
で、なんかこの大人になるって、だからどういうことって、
なんかうまく言えなくて、なんか一言じゃ言えないんですけど、
でも何かこの考えるヒントとか自分の中で響くものが絶対あると思うので、
ぜひ子供から大人になってしまった皆さんには読んでもらいたいなと思います。
大人になって子供の時代を振り返った時に、
大切な一瞬があるってことがすごく重要なんだろうなと思って、
それを大切に持ち続けるっていうことがきっと人生にとっては大切なことなんだろうなと感じるような一冊だったので、
ぜひ興味を持った人は読んでもらいたい一冊ですね。
そうですね、すごい良かったですね。
オンダーチェンのこの描写力が本当すごいなと思っていて、
映画を見たような感覚で小説を読んでいました。
この小説も本当に何年も心に残る自分の中の名作になったと思いました。
と思ったのがこの作品、子供の頃にしか見れない奇跡的に美しい瞬間っていうのがあるとしたら、
多分主人公は作家になってそれを描こうとしたんじゃないのかなと思ったりしてですね、
主人公もそうですがオンダーチェンもそうなのかなと思ったりしました。
この本は現実逃避したい人にも、逆に自分を見つめ直したいと思う人にも、
読んだら感じるものはあるんじゃないかなと思いました。
すごく結構みんなにお勧めできる本だなと思いました。
ありがとうございます。
そうですね、これは押していきたい本ですね。
じゃあ次回告示で終わりたいと思います。
次回はジェンリース短編集、あの人たちが本を焼いた日をご紹介いたします。
番組の最後になりますが、メルマガ会員を募集しております。
無料版と有料版がありまして、無料版はですね、毎回エピソードが長すぎてカットしまった部分を聞きたい人のために配布しております。
有料版はちょっとサポーターになっていただきたいよというような意味合いを込めてまして、
我々の日記のような編集講義を毎週お送りしますので、
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番組の完成やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたとございましたら、
ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
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ではまた来週。
ありがとうございました。