1. 文学ラジオ空飛び猫たち
  2. 第67回 「デカメロン・プロジ..
2022-01-31 37:47

第67回 「デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語」ニューヨーク・タイムズ・マガジン編

【今回の紹介本】

 ■『デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語』ニューヨーク・タイムズ・マガジン編 マーガレット・アトウッドほか著 藤井光ほか訳 

今年最初の紹介本はパンデミック文学をお届けします。 

ニューヨーク・タイムズ・マガジンがコロナ禍の2020年に緊急出版した1冊。 29名の作家が参加し、パンデミックにより一変してしまった日常・世界を描いています。 

海外文学好きならはまること間違いなし。

是非お聴きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■『デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語』ニューヨーク・タイムズ・マガジン 編 マーガレット・アトウッド 他著 藤井 光他訳 河出書房新社 

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208459/ 

■ 『Quarantine drawing series CLIP』大岩オスカール 

http://www.oscaroiwastudio.com/oscar_website/pages.html/quarantine.html 

【サポーター募集します!】 

Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」 のサポーターを募集しています。 

案内人のダイチとミエは多くの方に海外文学を知ってもらいたいという想いがあり、ラジオでの配信を行っています。 

サポーター費は月額500円。 

今後の書籍代や案内役二人がイベント開催のための交通費、また我々の新たな活動費として、皆様から頂いたご支援を活用させて頂きます。 

「文学ラジオ空飛び猫たち」を応援したい!という気持ちをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひサポーターになっていただけると嬉しいです。

ささやかながらサポーター特典もご用意しました!

毎週土曜日に1本のメールをお届けします。 

theLetterというニュースレター配信サービスを使わせて頂いております。

こちらの有料にご登録ください。最初は無料購読登録から始まります。 

Podcast「文学ラジオ空飛び猫たち」を続けていくにあたり、皆様の応援は本当に大きな励みになりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

 登録はこちらから! 

https://radiocatwings.theletter.jp/ 

※登録されると確認メールが迷惑フォルダに入ってしまう可能性がございます。すべてのメールをご確認ください。 

※特典のサポーターのサンプルとして「番外編第16回」をtheLetterにアクセス頂けるとお読みいただけます。 

※もちろんサポーターとしてご支援頂かなくても、Podcastを聴いて頂けるだけでも本当に嬉しいです。 


【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

よろしくお願いします!

■twitter https://twitter.com/radiocatwings

■Instagram https://www.instagram.com/radiocatwings/?hl=ja

■Gmailでも受付中です bungakucafe.catwings@gmail.com

■ダイチ「小説家が好き!の会」

Twitter https://twitter.com/welovestory 

Instagram https://www.instagram.com/booklogd/?hl=ja

■ミエ「羊をめぐるカフェ」

Twitter https://twitter.com/hitsuji_meguru 

Instagram https://www.instagram.com/hitsujiwomeguru.cafe/

#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は、私、創出が好きなダイチとミエです。
質疑をめぐるカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、公共と教徒をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方など、そちらを見ていただけるとありがたいです。
今回は、2020年初の紹介本です。タイトルは、デカメロンプロジェクトという本です。こちらは、こんなに熱い本があるのかというくらい、めちゃくちゃいい本です。これ、あれだよね。俺がやろうって言い出したよね。そうです。ダイチさんからです。
これ、私、もともと友人から紹介されて、「何それ?」という感じで飛びついた本でございます。パンデミックをテーマにした本で、これから話しておきますが、かなり贅沢な本なので、ぜひ知らなかった人は、今日興奮するんじゃないかなと思っております。
では、今回紹介するのが、デカメロンプロジェクト、パンデミックから生まれた29の物語になります。ニューヨークタイムズマガジン編で、マーガレット・アトウッド・ホカが著者で、フジー・ヒカルさん・ホカが役されています。川田処方針社より、2021年11月に発行されています。
じゃあ、私の方からちょっとあらすじをご説明したいと思います。
宇宙から派遣された謎のタコ型エイリア、女子刑務所からの脱獄、遅れていく時の流れ、ロックダウン解除後の世界、カレン・ラッセル・フジー・ヒカル役、レイチェル・クシュナー・柴田本幸役、チャールズ・ユー・園長東役、マーガレット・アトウッド・コーノス・ユキコ役、ウゾディマン・イウェア・アレア、クボタ・ノゾミ役など、ペストカで紡がれた名作、デカメロンに習い、様々な言語、人種、ジャンルからなる世界の作家が書き下ろした、
コロナ禍の今を生きるための物語になっております。
ちょっとざっとあらすじを読み上げさせていただいたんですが、要はこれですね、コロナになって作家たちが書いた短い作品が29を収められているというアンソロジーになっております。
これアメリカで2020年7月に発表されました。2020年11月には書籍化されており、なので割とコロナになった直後ですね、時期に作家たちが書いた作品たちとなっております。
03:12
先の見えないコロナ禍っていうのが、あの時の感情みたいなのがですね、描かれているのかなと思っております。
イタリアの作家、何世紀も昔のジョバンニ・ボカッチョが書いたデカメロンに着想を得ているプロジェクトになります。
デカメロンは1348年に大流行したペストから逃れるためにフィレンチェ郊外に引きこもった男3人、女7人の10人が退屈しのぎの話をするという、そういう趣向なんですけども、
10人が10話ずつ語り、全100話からなって、それが14世紀に書かれたとなっています。
その現代版デカメロンというか、コロナ版デカメロンというのがこのプロジェクトですね。
そうですね、デカメロンは1人の作家が書いてというわけだけど、今回はいろんな作家を集めたっていう作品になってますね。
デカメロンね、すげー読みたいと思ったけど、
確かに、面白そう。
700…700後半ぐらいありますね、ページが。
あ、そんなのあったんですね。
ちょっと調べたら、わーっと思った。
でもまぁ、いつか読めたらいいなぁと思いましたね。
じゃあ、そんなデカメロンプロジェクトなんですけど、これからちょっとですね、具体的にいろいろ紹介していきたいと思います。
まずお伝えしたいのが、この本のですね、魅力でございますね。
で、大きく、まず2つあると思っていて、
1つは、これがやっぱりコロナ禍の物語であるということ。
ロックダウン中に書かれている作品が多く、
先の見えない、なんていうか、この暗さのような、どうしようもない感じっていうのが、
この短編の努力からもですね、結構ひしひしと伝わってきます。
で、その部分が、本当に味わえるのが本当に面白くて、
個人的には本当に最初に、研究自体宣言に入った2020年の5月ぐらい、4,5月ぐらいのことを、ちょっと思い出しましたね。
それは確かに同じく、やっぱりこれ、発売されたのが2020年なんで発表されたのが、
そこはすごく思い出しましたね。
やっぱり、もう我々も、あの時から1年以上経っちゃってると思うので、
なんかその時の感覚って、忘れてしまっていたりとか、慣れてしまったりすると思うんですけども、
この時に書かれたこういう文学作品っていうのを読むと、
なんかすごく気持ちが、あの時はこういう不安を感じていたな、みたいなのが蘇っていくんで、
やっぱり文学って、こういうところに力があるんだなっていうのも、ちょっと改めて感じた作品でもありますね。
結構、このデカメロンプロジェクトの作品については、役者跡書きで藤井志軽さんもいろいろ述べてるんですけども、
その中で一つすごく言い表しているなと思った一文があって、
06:00
それが本書に収められている作品の多くには、あっという間に一変してしまった日常をどう生きるべきかという問いが共有されている。
家族や恋人たちの関係にいきなり入り込んできた、手立たりや喪失を前にした戸間大という主題。
死の気配と共に生きる日常の重苦しさや、それが現実と幻想の境目すら曖昧にするといった描写は、
ロックダウンや外出自粛を経験した読者たちの抱えた感覚を鋭く言語化するものであるだろう。
大志さんが言っていたみたいに、ちょっと忘れていたとか、慣れたとか、そういうところからすごく目が覚めるような、
ここがすごく魅力だなと思いましたね。
コロナが出始めた頃、確実に自分の知恵何人か死ぬんじゃねえかなって、本当に。
そういう経験されている方が聞かれていたら、ちょっと申し訳ないんですけども、
今後にも私の周りにはコロナで亡くなった方っていうのはいなかったので、だけどだいぶ不安でしたね、あの時。
自分も死ぬかもしれないしな、みたいな、そういうことあるのかな、みたいな、ちょっと結構感じてました。
その時の気持ちもなんとなく蘇って。
本当に不安とかもありましたし。
で、もう一点がですね、そろそろ作家が帰港しているので、29人の作家に加えてですね、それを訳している方々も素晴らしくて、
藤井ひかりさん一人で訳しているわけではないので、
何人いるんだろう、結構アメリカの作家だけではなくて、
本当にヨーロッパとか、南米とか、アフリカとかですね、本当に書き手の幅もすごい広いので。
22、23人くらいそうですね。
かなりの人が関わって発刊されているので、
作家に関して言うと、今まで読んだことあるすごい好きな作家もいれば、いつか読もうと思っていた作家も私多くて、
これで初めて読めたっていうところもあるんですけど、何を読むのか興奮するのは、まだ日本で翻訳がほとんどされていない作家も、
都の作家の方も今回初めて翻訳されてないというパターンもあると思うので、なかなかこれはすごい本でしたね。
この人の本もっと読みたいって思ってしまう作家が多くて、興奮してしまいますね。
自分のツンドクが増えてきますよ。読みたいって思う本がどんどん増えてしまう。
翻訳家の方もすごかったので、こんな読み応えのある本ってなかなかないんじゃないかなと思っています。
具体的に本の内容に入っていきたいんですが、この本ですね、まず作品が29入ってるんですが、その前に序文が入ってます。
ケイトリー・ローパーという方による序文が入ってるんですけど、ニューヨークタイムズマガジンの方だと思うんですが、この本が始まった経緯なんかが書かれています。
09:00
文学が持つ可能性とか希望なんかが結構力強く書かれているので、まずこの序文を読むだけでもすごく面白くて、
私印象的だったのは、こういうことをちょっとやってみたいみたいな話をしたら、数々の作家から私だったらこういう話を書くみたいなのが次々と来て、すぐすぐ決まっていったんだなっていうのがこの序文から感じるので、
この3小説家たちの意識の高さみたいなのがすごく感じられて、私はそれでもちょっと感動した。序文からちょっと感動するっていう序文だったので、すごくよかったですね。
世界中の作家が一丸になっているような。僕が印象に残ったのは、この序文の最後の方で書かれている一文で、「最良の文学作品とは、読み手を遠くに連れて行くだけでなく、自分たちがどこにいるのかをはっきりと理解させてくれるものなのだ。」と改めて実感させられたという言葉で、
よく文学作品って遠くに連れて行ってくれるとかですね。そういうのを言ってますけど、それだけではないっていうのを感じさせてくれる。そういう小説で短編集できたし、それが序文に書かれていて、まさにその通りだなと思いましたね。
その後続く理由がガルチェンの始めにという。このデカめのプロジェクトのことをちょっとサイトの、序文とは違う形で触れてるんですけど、ここもね、本当に面白くて。
じゅんようページの最後に、「困難な時代に物語を読むことは、その時代を理解するために、さらにはその時代を耐えぬくための痛みなのだ。」とあって、これは非常にすごくいい言葉で、これ、私、この最後の締めのこともすごく好きで、「メメントモリ、死ぬ身であることを忘れるな。それは忘れがちな平穏な時代には必須のメッセージである。」で、このコロナ禍においてっていうことだと思うんですけど、「メメントウィーウェー、生きなければならないことを忘れるな。」というのがこのデカメロンのメッセージなのだって書いてあって。
このやっぱり脅かされてない時には、「死ぬことを忘れないでくれ。」っていうことがメッセージになるけれども、この命が脅かされるような、このコロナ禍では生き抜くことを忘れるなっていうメッセージが必要になるっていうのはね、結構ちょっと感動しましたね。
そうですね。 序文と始めが既にいいっていう。 名言が詰まってましたよ。 気になる方はまずここからちょっと読んでみて、読むか読まないか、買うか買わないか決めてもいいかなと思います。じゃあちょっといきましょうか、作品に。でもこれ29個あるんで、もう一番良かったやつを最初に出しちゃいますか。
そうですね。ちょっと一番早速発表しましょうか。 姉さん一番良かったのどうぞ。
僕はですね、ロサンゼルス川ズレズレ話という、これはコルム・トビーンというアイルランドの作家が書いた作品なんですけども、これすごい良かったですね。
主人公が結構社会適合できない部類の人間で、そもそもコロナ前からですね、おそらく生きていくのとかはなかなかちょっと苦労しそうなタイプだったと思うんですけども、その主人公がコロナ禍になってどうなったかというと、ネットである作家をフォローするようになってですね、小説家なんですけど。
12:21
小説家が同性愛者で、結構同性愛者のパートナーとすごい楽しくやってますよっていう投稿をしていて、フォローしている作家の投稿を見て元気になるというか励まされるというですね。
その主人公がパートナーもいるんですけども、なんだかんだフォローしている作家に追いかけて励まされて、コロナ禍なんですけど、なんだかんだ殺送と生きていくというんですかね。すごくコロナ前から結構大変だったはずじゃないかって思いつつ、いやでもコロナ禍になってもこうやって殺送と生きていってるんだっていうのを、
本当に短い話で数ページで完結するんですけど、それが書かれていてですね、しかもすごい面白くユーモラルに書いていて、めっちゃすごいなと思って、面白かったんですけどなんかすごい感動しましたね。
それでもね、すごく変なリアリティがすごい強くて、読んでてなんだけど、最初ね、同性愛って書かれてなかったから、主人公が女性で男性と同性してるのかなみたいな印象でちょっと最初に見つめてて、彼氏さんなのかな、パートナーの嫌なとこ書いてるじゃないですか。嫌なとこっていうか趣味の悪さみたいな。
映画とか音楽とか、ちょっと面白くて、なんかいいスピーカーに書いたら、パートナーが聞いている音楽の嫌なところが際立ってしまったみたいな。
趣味が真逆なんですよね、パートナーと。
なんか面白いよね、コロナ禍で強制的に一緒になる時間が増えてみたいな感じもあるんだろうなみたいな。そういう背景も見れて面白かったですね。
そうですね、今回読んだ中ではこのコルム・トビーンの小説ですね、何冊か翻訳もされているんで、ちょっと読みたくなりましたね。
正直ちょっと意外でした。もうちょっとなんか深刻なやつ選ぶかなと思ってました。
三重さんは。
割とこの29の中で、深刻さもありつつ、でも切羽詰まった気感みたいなのもちょっと薄くて、ちょうどいい作品だったなとは思いました。
そうそうそうなんですよ。
いやでもそれをね、考えてみるとコロナになってすぐのタイミングで。
あーそっか。
なんかサラッとした感じというか、しかも主人公の立場を考えると、こういう人がサラッと書いて、なんか本当に人生を誘って生きようとしているっていう姿を書いてて。
15:12
逆に一番勇気をもらえた気がしますね、この作家は。
そういう意味では確かにそうですね。一応徹底は3月11日で、もうロックダウン開始した直後からの話ですもんね、この展開はね。
なるほど。このコルムとビーンはちょっと今年何か紹介しましょう。私もすごい読みたい。
そうですね。なんか身長クエストとかがね、出てたりするんで、紹介したいですね。ではダイチさんはナンバーワン。
ナンバーワンですね。結構最後の方の作品なんですけど、バルセロナオープンシティっていう付近で、ジョン・レイさんという方が描かれた付近ですね。
テーマと構成がすごく面白くて、主人公はコロナになってしまって外出ができなくなってしまい、仕事ができなくなっちゃって、
結局このアパートの家賃どうするみたいな問題に悩まされている男で、彼が2匹犬を飼っているんですよ。
で、なぜかロックダウン中でも犬の散歩だけは許されている。他は結構厳しく。
実際ニュースでリアルでそうでしたね。
犬の散歩だけ外出が許されるっていう状況なので、彼は外出したい人に犬を貸すっていうビジネスを始めようっていうことを思いつくんですよ。
それに当たっては、そういうことをやろうと思うみたいなことを周りに言い出したら、結構反応があって需要がありそうだと。
だから人をちゃんと選ばなきゃいけないんだよ。ちゃんと犬が好きな人とか、いくつかルールを決めて、何回以上やり取りしてからとか決めて、
人を選んでこのビジネスを始めるんですけど、この時にちょっと綺麗な女性が急に現れるんですよね。
で、この主人公はそれまで決めたルールがいくつかあって、それをずっと守って犬を貸して散歩させるって人を選んできたのに、
この人だけは、あ、でもなかなかあっちが結構上手というか、自分に主人公側からするとその綺麗な女性の方が強く見えちゃって、
従ってしまうっていうか、そんな感じになってしまって、自分が決めたルールを守らず貸し出しすることを決める。
結果ちょっとこの子と関係ができてきちゃってみたいな話になってくるんですけど、ロックダウン中一緒に住むようになり、このビジネスを一緒にやるっていうパートになるんだけど、
詳しい筋を知らないんですよね。話は進んでいって、ロックダウンが解除されたらその子も去っていってしまったっていうのが結構筋です。
で、これね、もうね、最後のページのところで大分この小説に持っていかれたんですけど、この話一人称だったんだっていうのがね、ちょっと分かる瞬間が来るんですよ。
18:12
で、あーってなって、ちょっとそういう仕掛けとかもあって、最後この犬を貸した男はもう一回ロックダウンしないかなとか思ったりする。
あれとかもすごい面白くて。
笑える作品でしたよね、これは。
うん、笑えるけど、この笑いが何ていうか、単純な面白いじゃなくて結構皮肉がこもってるやつで。
結構ね、切ないところもあるし。
えーっとね、みえさんと一緒で重さがあんまりなかった気もするんだけど、でもなんかすごいこのコロナの中のこの、何だろうな、出会いと別れみたいなのがちょっと描かれていて、すごい面白かった。
結構ね、結構面白いポイントいっぱいあったんですけど、やっぱりこの最初の方でこの男がね、犬の散歩のビジネス、いろんな人から問い合わせというか、犬貸してほしいって言うんですけど、結構しょうもない理由ばっかりでみんな、それで男がなかなか犬を貸さないんですよね。
貸したりはするんですけど渋々、お金稼がないといけない。でもなんか犬の散歩、連れて行ったお坊さんとかかな、なんか嫌というか、貸したくないのにとか、いろんな気持ちがあると思うんで、そういうのとか面白かったですね。
あいつまた明日も来るのかなみたいな。あいつ明日また狩りに来るのかなとか思ったりして、ちょっと暗い気持ちになったりするところがね、結構面白いですよね。なんで私はこのジョン・レイさんをちょっと推したいなと思ったんですけど、残念ながらこのジョン・レイさんですね、2本で読める本が1冊もないっていう。
確か、翻訳はされてなさそうですね。まだ若い人みたいですね。
あ、でも71年生まれか。
でも2001年にデビューしてるから、30の時にデビューして、2005年の時に最高の若手作家の一人で評価されたってこう、作者紹介にありますね。で、全然翻訳されてないっぽいっす。
そうですね。
ちょっと読みたい。
確かに、すごいストーリーテーラーな感じがする。
すごい期待でしもう。
じゃあちょっとお互いの一番一旦で、あれですが、ここからちょっと気になった作品を。
そうですね、他の作品触れていこうと思います。
まずちょっと最初に触れたいのが、収録作の中に大きな赤いスーツケースを持った女の子というレイチェル・クシュナーという人の作品があって、実はこれは去年ラジオでも紹介してまして、
モンキーのここにいいものがあるという、それを特集した時の収録作の一つだったので、過去に紹介済みで。
21:05
今回この作品の内容には割愛するんですけども、やっぱり後々思うとこのデカメロンプロジェクトに一番ふさわしい作品だったなと思って。
モンキーをそれで見返したら、柴田本幸さんがこのデカメロンプロジェクトのことを思いっきり言及していて、結構そことが面白かったんですね。
去年モンキー読んでるときは、全然デカメロンプロジェクトって柴田さんがちょっと触れてはいたんですけど、全然そこに気づかなくて、
今こうやって読み返すと柴田さんが、コロナ禍で出てきた作家の文章の大半が日記的だというのを言っていて、
その中でこのデカメロンプロジェクトは縛りがあるというか、ちゃんと日記とかじゃなくて小説を書きなさいという、そういうのでしっかりと企画されたプロジェクトで、
これは面白いというので褒めていてですね。
その辺を読むと面白かったですね、この柴田さんが書いてるところが。
そういうところもちゃんと研究されていたわけですね。全然気づけなかった。
流してしまった。
レイチェル・クシュナーが、たぶん期間短かったと思うんですけど、デカメロンプロジェクトで小説を送ってくださるというのは、
その中であの大きな赤いスーツケースを書いたんだというのがすごいと思いましたね。
そんな時間なかったと思うんですけど。
面白かったもんな。ウイルスが迫ってくる前の話だけどね。
本当に構成がよくできてて。
じゃあ次、私のちょっと気になった作品を紹介してもらいたいんですけど、
まず一つ目が石という作品をちょっと話したいと思います。
そんな内容はレイラ・ツリマリさんの方が書いた小説で、小説家がトークイベント中に石を投げつけられる話なんですよ。
犯人に捕まらなかったんですけど、そのせいで彼は一躍有名になり、時の人になります。
結局その後、警察が捜査するんですが、石を投げた犯人を捕まらず、
その後ですね、その犯人が今度逆にSNSでヒーローに仕立て上げられていくようになって、
逆に小説家の方がまた今度は攻撃対象になるっていう、ちょっと面白い話で。
これ何が面白いかというと、コロナっていうワードがほぼ出てないんですけど、
コロナっぽいっていうところが、この小説家は自分がこうなりたいって思ってないのに、
有名になっちゃったり、攻撃の対象になっちゃったりっていう、
自分の意思とは関係なく、外部のいろんなウイルスのせいで報道される私たちのように報道されてるなっていうところが、
すっごい面白くて、結構私はこれだいぶ印象に残りましたね。
これはすごい良かったですね。
24:00
良かったよね。
かなり意味深な作品だなと思いましたし、
この小説家が三文小説家であって、中身のない恋愛小説を書いて、
それでベストセラーになってるみたいなんですね。
文壇からとかは全然注目されていないし、でも本は売れるしというような、
そういう設定とかがまた面白かったですね。
モロッコの作家みたいなんですけど、他の作品も押して読んでみたいなと思います。
次が、ちょっと二人同時になっちゃうんですけども、
一つがリクター・ラヴァルト、人の禁止感。
これ二人とも、僕は作品を読んだことがあって、
リクター・ラヴァルトがブラック・トムのバラードという、
かなり暗い幻想小説で、
ラブクラフトの下敷きに書いていて、
リクター・ラヴァルトがタイガーズ・ワイフで、
リクター・ラヴァルトがブラック・トムのバラードという、
かなり暗い幻想小説で、
ティア・オブレシトがタイガーズ・ワイフという作品を書いていて、
この人は確かセルビアの旧ユーロスライブラーの、
あちらの方からの移民の人で、
その二人の昔読んだことのある小説の特徴というのが今回の短編にも出ていて、
リクター・ラヴァルトはブラック・トムのバラードのような、
幻想性というところまではないんですけども 結構ラストは鳥肌もので面白かったですし
ティア・オブレストもこのストーリー自体 本当に面白いんですけども
やっぱりどこか単純な面白さというのだけじゃなくて どこか悲しみがあると言いますか
自分のルーツというか そういったところに というのが感じ取れる
そういう雰囲気を持っている短編で どちらも良かったですね
そうですね 面白かったですよね 騎士館は私 結構一番最初の話ですよね
結構割とコロナ間の生活みたいなものが 描かれていて すごい映りやすかったですし
ティア・オブレストのモーニングサイドは コロナで人がいなくなっちゃったところの話だったりするので
ちょっとそれも面白くて
ちょっと今回本編では紹介するのが これで最後にしたいんですが
シバス19号系統 ウッドストック通りからクリセット通りという作品で カレン・ラッセルさんが書いてます
私はこれが2番目に面白かったと思ってます
バスと救急車両が正面衝突しそうになる話で この時バス側の運転手のバレリーは 時が止まったような感覚を味わいます
コロナでもバスは走っていて乗客も少なっているが 利用者はいます
その中でこの緊急事態の中でも 人々は歌って悪夢を分かち合うというのが 描かれている作品だなと思っています
27:07
バスと緊急車両が正面衝突になる時に 時間が止まるんですよね
バスの中の乗客とかが 止まった時間の中で自由に動けて
でもなんで時間が動かないんだみたいになって
まあ何とかしようとするんですけど
正面衝突を何とか開始しようとした後に 時間が動かないみたいになって
その時間を動かすために歌を歌ってみたりとかして
みんなが一概になって何かすれば動くんじゃないかとか 色々試行錯誤していく話なんですけど
コロナと関係なさそうな話なんだけど
でもこのコロナのことも感情っていう部分では 結構キーになっていて
すごい面白い作品だなと思いましたね
そうですね これ本当でも構成とかすごい面白い
最初に意外と乗客のことも書いていて
乗客にも色んな人がいるんで その話とか書いていて
それが後でみんなで歌を歌ったりするところとかで 意外と感動しましたね
やっぱりバスの運転手も乗客も コロナ禍でバス乗ってるっていうところで
なかなか大変な人生を歩んでいる人たちが多いという
そういった人たちに起きる時が止まるかのような出来事というので
これは本当単純に面白かったですし
やっぱ緊迫感とかもすごい感じれて読みごたえありましたね
僕も確かにトップ3に入ってるかもしれないですね これは
そうなんだ
そうですね 2番か3番には入ってそうな気がします
これね 終わりもいいんだよね 本当ね
その描写の仕方とかね ちょっと言いすぎると
あれをそこになっちゃうかもしれないけど
コロナが終わった後っていうのを 冷静させるような感じもあって
すごくいい作品だったなと思いましたね
じゃあそんなところで 作品紹介は終わりにしまして
有名なところで言うと マーガレット・アトウットさんが書いた
ちょっとSFっぽいおとき話
SFっぽいおとき話っていうか 多幸エイリアンが出てくるSF話があるんですけど
イー・ユンリーさんの木蓮の木の下にはとかあって
印象的な作品が本当に多かったでございます
この後ちょっと他5作軽く紹介しようと思ってるのと
あとちょっとですね リンクするところで
私好きな画家で大岩オスカールっていう
日系ブラジル人の作家で
今マンハッタンに住んでらっしゃる方がいるんですけど
その大岩オスカールさんも
このコロナ禍をドローイングシリーズっていう絵で描いてます
これがちょっとウェブで無料で公開してるので
30:01
ちょっとこの作品とリンクするところがあるので
URL概要欄に貼っておくので ぜひ見ていただければなと思います
というところに留めておいて本編は
追加で5作とこの大岩オスカールさんの作品について
サポーター特典のYouTubeにさせていただこうと思っておりますので
もし気になる方はそちらもチェックしていただけるとありがたいです
では最後に今回のデカメロンプロジェクトを元に
ちょっとテーマを投稿したいなと思ってまして
お題がもしも自分たちにニューヨークタイムズマガジンから
原稿依頼が来ていたらどんな話を書いていたか
というありえない話なんですけど
もしも〇〇だったらという
愛知産と考えてみたいなと思います
このプロジェクトが2020年7月に確か発表されたので
実際原稿依頼っていつだろう
2020年4月とか5月とか
その辺りを仮定してですね
そういう前提で考えてみたいなと思います
愛知産はどんな話を
そうですね
このデカメロンプロジェクトに参加するってことですよね
30人目と31人目
だとしたら
このデカメロンプロジェクトをテーマに合わせると
明るい話だと
2020年5月からみなさんとやりだして
ラジオを始めようと思ったのは
コロナじゃなかったらならなかった流れだと思うので
このラジオのことを書いた
自伝的ノンフィクション作品みたいなのを書いてみたいですね
結構明るく書きたい
コロナだけど楽しいぜみたいな
オンラインで人と人と繋がるっていう話とか
そういうの面白いですよね
あとは思いっきり暗い話を書いてみたいですね
自分の中でも焦りっていうか
不安みたいなのがコロナになった瞬間大きかったんで
そういうのが全部現実になるみたいな
自分の周りでどんどん人が死んでいくとか
そういった時のことを仮定してみてどういう感情が生まれたのか
みたいなのは書いてみたいなと思います
それが例えば
自分の生活とか感情にどういう影響を及ぼすのか
どういう部分を及ばせないのかみたいなのを考えてみて
ちょっと作ってみたいなと思うんです
自分が知ってる人じゃなくて結構遠い人が死んだ時
友人じゃないけど知人が死んだ時とか
ちょっとまた距離がある時ってどう思うんだろうとか
そういうのも考えてみながらその感情っていうのを
深掘って書いてみたいなと思いました
そういうのはすごく思いますね
ちょっと暗い話になるかもしれないなと思って
これは自分が抱えていたことでもあったんですけど
3.11の震災の時ですね
この時に仕事とか
主に仕事なんですけど
人生でちょっと疲れていてですね
なかなかそういう状況で震災が起きて
33:00
僕はその時京都にいたんですけど
現実に向き合おうとしなかった自分が
いたんですね
そのモヤモヤっていうのが結構その後残っていて
そういう中で今回コロナ前で
仕事であったり趣味であったりで
忙しいんですけどそれなりに楽しい日々を
過ごせるようになってきたというタイミングで
今度コロナに直面したという
そういう話ですかね
そこに現実にというかコロナに向き合うことができた
現実にというかコロナに向き合うことが
できるのかどうなのか
そこで終わりそうな気がするんですけど
そんな話がねパッと浮かびましたね
我々は3.11っていうものも
いろんな流れもあって
コロナっていうところに来てるから
この流れは確かに他の国ではない感じですよね
今回テーマトークを
考えてみて思ったのがやっぱりちょっと日記的になってしまうな
というのを思ったんですよ
自分の体験とかに結びつけて考えてしまう
それがもちろんいいことだと思うんですけど
それを自伝的要素のない
フィクションに仕上げてしまう作家さんって
やっぱすごいなって思いましたね
自分というのを除外したら
全然描けなさそうというのをすごく思いました
そういう意味でやっぱり一線の作家たちですね
29名
最後どんな人に読んでもらいたいか
感想を言って終わりたいと思います
私の方から
この本ですね何度も伝えてますが
本当すごいやばいほど贅沢な読書体験でした
たくさんの作家とたくさんの翻訳が出てくるっていう
海外文学好きには絶対たまらない人たちなので
ぜひ翻訳してほしいなと思います
コロナが始まった時の自分たちがどんな気持ちでいたか
思い出せる作品になっているので
すごく感じたのはなかなか言語化が難しい部分って
コロナであったなと思うんですよ
コロナになって出てきた感情の中では
なかなか言語化が難しい部分はあったんじゃないかなと思うんですけど
それが物語の形になるということで
すごく補ってくれる部分があるんだなと改めて思いました
だからこそこういう作品を読むと
先に進めるような気がしていて
人類ってこうやってもしかして先に進んできたんじゃないかなとか
ちょっと思ってしまった作品でもあります
かなりおすすめなのでぜひ皆さん読んでいただけたらなと思います
このデフォメロンプロジェクトが
2020年のコロナになって
比較的すぐ企画が始まってすぐ出版されたっていうのを
知ってすごい感慨深かったです
思ったのがこれは文学についてというところかもしれないんですけど
自分が知らないであったり
36:02
想像もしようもない物語があるからこそ
現実を生きていけるなと思いましたし
コロナになって2年近くなりますけど
もしかすると人によってはこのデフォメロンプロジェクトを読むことで
当時を思い出す確定
そこが人によっては重く感じるかもしれないなと思ったので
全ての人に説明という系ではないんですけども
読めるタイミングで読んでもらえたらなと思ったりもしています
個人的にはコロナから2年ぐらい経った今のタイミングで
これを読んだっていうのはすごく良かったなと思って
あとは最初の方でも紹介した
コルム・トビーンという作家がコロナになっても
殺草と生きる物語っていうのを書いていて
本当に良かったので
作家の想像力というか文章の力というか
そういうのを改めて読んでいただけたらなと思っています
これを一冊目に紹介できて良かったと思っています
次回も実はパンデミック文学をお届けします
最後のライオニーという
韓国パンデミックSF小説集をご紹介いたします
文学というSFですね
楽しみにしていてください
最後のライオニーという
韓国パンデミックSF小説集をご紹介いたします
最後のライオニーという
韓国パンデミックSFですね
楽しみにしていただければなと思います
番組の完成やリクエスト
またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました
読み返しましたら
ツイッターやインスタのDMや投稿などでお待ちしております
メッセージ本も番組情報欄に載っておりますので
そちらを書いたりでも大丈夫です
積極的に拡散共有していただければなと思います
37:47

コメント

スクロール