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2024-12-14 13:20

#21 子供への愛ゆえの苦悩、子育てという尊い煩悩 / ヘルマン・ヘッセ『シッダルタ』 その5

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今回は、ヘルマン・ヘッセの代表作である「シッダルタ」

本作は、私が私自身になる、真の私を目指す物語。

主人公は、世俗にまみれることが、かえって彼を深い境地へ導く。
ビジネス、子育てをしながら、彼が成熟していく生涯を描かれる。

私、阿世賀も最も影響を受けた小説の1つです。
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次はね、163ページのところなんですよ。
ここね、バズ・デー・バっていう、この川の渡し漏りをしている人、愛好がありましてね。
はい、超重要。バズ・デー・バさん。
この場面はあれなんだよね。ここ、シッダルタもさっきの、自分が属性まみれになっているっていうことから抜けて、
このバズ・デー・バっていう渡し漏り、川と川を船に乗せて繋いでいくっていうね、何か、これもある意味象徴的なんですけど、
何かこう、何かと何かの間を繋ぐものっていうね、何かこういう。
川を向こう岸に渡す役割の人ですね、象徴としては。
そう、これとってもいろんな象徴が入っていると感じられるんですけど、そのもとで一緒に過ごしていくんですよね。
このバズ・デー・バに出会って、お前は川に学べって言って、一緒にね、この渡し漏りの仕事をしていくんですけれども。
で、場面としては、この時に、まあこれ自分の子供と出会うんですよね。
はいはい。
まあちょっとだけまあこれ、あの、ネタバレしちゃうんですけど、まああの、一緒に住んでたカマラっていう女性がね、離れたんですけど、
カマラにまさか、自分の子が宿っていた、見こもっていたっていうね。
うんうん。
で、そのカマラと子供と出会い、まあ子供たぶん俺10歳ぐらいだったかな。
うん、男の子ね。
ね、出会って。
で、しかもこれカマラがね、まあ亡くなってしまうんですよね。
そうそうそう、ヘビでしたっけ、どっかのね。
そう、カマラね。で、まあそのシーンもすごく重要なんですけど、それでまあこの子供をですね、まあ引き受けていくっていうね。
そうそうそう。
で、子育てしていくっていう。
うんうん。
場面で、だから急に突如、まさか自分の子供がいるとも思っていないし、突如10歳のパパになるっていう。
そうなんだよね。
しかもこの子供が、もうカマラによって甘えに甘やかされ、何とわがままな子供に育っているかっていうね。
そうそうそうそうそう。
ちょっと手のかかる感じの、いわばね、難しい感じの年頃でもあるんだよね。
そう。1歳になるとはもう悟ってるわけですよ。
そうそうそう。
っていうね、場面で、ものすごい苦労をするっていう。
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僕ね、ここの場面がなんかこの、もっともなんか、尊いなって思ったシーンなんだよね、これ。
え?それどういうこと?もうちょい聞くとどういうことそれ?尊いなって?
うーん、ま、ちょっと読んでみていいですか?
まず読んでもらおう。
まずね。
はい、ありがとうございます。
バズ・デーバは美少を、バズ・デーバの美少は一段温かく輝いた。
そうだとも、彼もまた、これ、バズ・デーバがシッダールタに語ってます。
で、彼もまたって言ってるのは、この彼は子供のことなんですよね。
バズ・デーバがシッダールタに対して、あの、まあ、この子育てについて語りかけてくれるわけですよ。
そうだとも、彼もまた選ばれた人間なのだ。
彼もまた永遠の生命を受けているのだ。
しかし、私たち、君と私には、果たしてこのことが分かっているだろうか。
彼が何を成すべく選ばれているか。
どういう道、どういう仕事、どういう苦しみへ向かうべく選ばれているかということが、
彼の苦しみは決して些細なものではないだろう。
彼の心はあのように傲慢で堅くなだ。
こういうふうに生まれついた者は、随分と苦しまなければならない。
随分と迷いの道をたどらなければならない。
随分と過ちを犯し、随分と罪証を背負わなければならない。
ところでどうだ、友よ。
君は、君の子を教育してはいないだろうか。
強制してはいないだろうか。
鞭打ってはいないだろうか。
罵してはいないだろうか。
イーヤバーズデーバー、私はそんなこと一切しない。
私はそれを知っていた。
君は彼を強制しない。
討ちはしない。命令はしない。
それは君が、
自由は業よりも強く、
水は岩よりも強く、
愛は力より強いことを知っているからだ。
それは大変いいことだ。
私は君を褒めたい。
けれど、
君が、あの子を強制しない、
罵しないと思っているのは、
君の思い違いではないだろうか。
君は、君の愛であの子を縛っているのではない、なかろうか。
君は毎日、あの子を恥じさせているのではなかろうか。
君の寛大と忍耐とで、
ますますあの子をたまらなくさせているのではなかろうか。
君はあの傲慢な、気ままに育てられた少年を、
バナナで命を繋いでいる二人の老人の小屋に生活しろと、
強制しているのではなかろうか。
その老人たちには、
米の飯さえ珍味なのだ。
とても、あの子がその老人たちと同じ考えになることはできないのだ。
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彼の心は老いて、
静かなこの老人たちの心とは違った歩調を持っているのだ。
これでも、あの子は、
強制されてはいないだろうか。
忘れられてはいないだろうか。
レユーバナナ。
うん。なんか、
読んでてやっぱり、
さっきの芯の話にちょっと逸れちゃうかもしれないけど、
読んでてこれすごくやっぱり、
気持ちよさそうだね。
そうだね。
ちょっとね、余談だけど。
確かに確かにこれ、何とかではなかろうか。
なかろうか、なかろうか。
ね。
確かにこういうところなんだね。
彼が死だって言ってるのはね。
うん。
さっきジョンさん、尊いって言ってくれて、
これを引用してくれたけど。
いやー、なんかねー。
なんか、
まあ、シッダールドは、
バーズ・レイバーにこれを言ってくれてね。
これを言ってくれる。
これをバーズ・レイバーが見抜いているってこともすごいし、
それをね、ちゃんと言ってくれるって。
しかもこの言い方も、
結構素敵じゃないですか、この言い方。
うんうん。
あーそうだろう、君はそう思うだろうって。
なんかね、
その言い方もすごいし、
なんだろうな、だけども。
でね、シッダールドはね、ここでホッとするわけですよ。
そうだって。
でも、こっからね、
分かっててもやめられないんですよ。
彼は。
息子への愛があって、
母らのためにも
育てないといけないっていう責務もあるし。
っていう、
勢いというか、
猛愛というか、
猛目的な愛というか、
まあそういう、
まあ、
ことを、
痛感するわけで、なんですけれども。
うん。
なんだろうな。
その、
このシッダールドだって、
最初から、まあ、
ちょっと悟ってる、
悟ってる境地の人なんですけれども、
それは悟りのごく一面でしかないってことを、
彼自身も分かっていた。
で、だから彼は旅に行ってたわけですよ。
で、
彼にやっぱり足りなかったことは、
こういう部分なんだ、納得点だと思うんですよ。
うんうんうん。
彼はやっぱり、
うーん。
族の人たちを、少し、
見下してみてたところがあったというか、
自分はこうにはならない。
自分は欲を捨てられる。
欲を捨てられる。
でもこれは欲なわけですよ。
うん。
っていう、なんだろうな。
うーん。
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彼はこれを経験することによって、
うーん。
人間の欲とか苦悩への、
なんかまなざしを、
得ていってるんだと思うんですよ。
うーん。
なんか、おばくをしていく人とかも含めて、
うんうん。
なんか、ねえ、俺はああならない。
とは言えないっていうことを、
感覚していくんですよ。
うんうん。
で、そこの苦悩に対する、
慈悲のようなものが、
芽生えていってるっていうことなんだと思うんですよね。
うーん。
確かにね。
この子育てというか、
子との関係に関しても、
うーん。
すごくこう、生活的なままならなさがあるというか。
ねえ。
きれいな論理の世界に、
収まらないままならなさが、
何かある感じがしますね。
ねえ。
すごくそれが生活的な感じがします。
なんとなく。
ねえ。
そうか。
こういうのを知っていく旅をしてきたんですね。
うん。
これなんか、
なんだろうな。
これ、この、
このわがままな子供の、
この、
ねえ。
どういう苦しみに向かう、
べくして生まれてきているか。
こういうものは、
ずいぶんと迷いの道を、
歩まねばならない。
ずいぶんと過ちを犯し、
ずいぶんと罪証を背負わなければならない。
いうじゃないですか。
それは知ったあなたも分かってるんですよ。
だからこそ俺が何とかしなければ。
って、
思ってるわけなんですけれども。
後へ、親子の問題であっても、
その子固有の問題に、
他者が介入することはできないんだ。
ってことなんですよ。
バーツデーは言ってるんですよね。
そう。
これはなんか、
なんだろうな。
親子の問題としても、
なんか、考えさせられましたね。
なんかね。
ああ。
純三自身の。
親として、確かに果たさねばいけない、
親の責任というものもあるでしょう。
っていうのは事実あるんだけれども、
その子が、
その子として、
やはり解決せねばいけない。
その子自身の固有の問題なんだ。
っていうね。
誰にも手出しができない、
領域の問題があるんだって。
うーん。
お前に今、
できる最大限のことは、
もうこの子を解き放て。
もうこの子を手放して。
この子が欲しがる世界に、
連れて行ってやれって。
うんうんうん。
なんかそれをすごくこう、
冷たいって言う人もいるでしょうね。
パッと聞いた時もね。
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うーん。
ねえ。
ねえ。
そんなことできないんですよ。
できないからこれ知ってあるだもん。
ねえ。
行ってから。
何回も見に行っちゃうんですよね。
そうそうそうそう。
これも含めてなんか、
親心が見事に現れてて、
なんか、
その知ってあるための苦悩も見事に描かれてて。
うん。
程いなあって。
うーん。
確かにね。
これバーズ・デイバーが言った通りのことを
スッとできちゃってたら、
ちょっとその尊さとはまた違う感じしますもんね。
この何て言うんですか。
頭では分かってんだけど。
っていうのが描かれてますもんね。
ねえ。
うんうん。
うーん。
すごく尊い。なるほどな。
この知ってあるたでさえも、
ねえ、そうやって
揺れ動きながら。
うん。
最終的にはちゃんと彼を、
ねえ、もう
手放すというかなんか、
わけなんですけど。
うん。
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