2024-02-15 31:00

#38 ゲスト回 「離婚」のリアルな胸の内

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■今回の内容:ゲスト:くりきよさん/ジャグアタトゥーのビジネスを手掛ける/頭をよぎっても、踏み切ることは少ない離婚/理想の家庭を描き、自分を大事にできなかった過去/息子さんが7歳の時に訪れた「我慢の限界」/徹底的に自ら「負ける」/手に入れた「孤独な自由」と「発火装置」/「完全な白」には永遠に戻らない/良かったとは言い切れなくても、それでも前を向く
■パーソナリティ:伊藤希美(⁠⁠⁠https://twitter.com/nozomi_itoh⁠⁠⁠ ) 二男児をワンオペで育てながら、スタートアップで働くワーママ。東京大学薬学部卒同大学院薬学系研究科修士課程修了。野村総合研究所コンサルタントから薬局薬剤師・本社勤務を経て、現在は薬局向けITベンチャーで勤務。開発・CSを経てコミュニティマネージャーにキャリアチェンジ。同時に、30代半ばから歌に真剣に取り組み、ライブにも定期的に出演中。

サマリー

ワンオペワーママのぞみによる特別回では、離婚を経て経営者として成功したクリキオデザイン代表のクリキオさんがゲストとして招かれています。離婚の背景や理由について語りながら、頑張りすぎて自分を失ってしまった経験も共有されています。離婚を決断するまでには葛藤がありましたが、葛紀夫さんの頭の中では比較検討することができず、最終的にはすべてを放棄しました。失ったものは真剣であり、手に入れたものは自由と悔しさを消化するための発動機です。別れた瞬間にハッピーになるわけではないというところが、リアリティを感じられますね。当分つらい時期が続くでしょう。どのくらいの時間が必要かは個人によって異なります。

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ワンオペワーママのぞみのそれでも前を向く、このポッドキャストは、ワンオペ育児会社員ワーママの私が、ワンオペ育児、共働きならではの悩みやもやもや、気づきを共有しながら、聞いてくださっている皆さんと一緒に少し前向きになっていく番組です。
おはようございます、Itoh Nozomiです。更新自体が非常に久しぶりとなってしまって申し訳ありません。
今日はですね、久しぶりのゲスト回をお送りしたいと思います。はい、私がお話ししたい素敵な働くお母さんをお呼びしてお話を伺っていく特別回です。
クリキオさんの離婚と経営者への道
今回のゲストは、クリキオデザイン代表のクリキオさんです。ジャグアーアートというですね、ボディーペイントに関する事業をご自身でやられている経営者のクリキオさん。
私との出会いは、フライヤーさんがやっているポッドキャスト講座の野村キャンプというものです。
クリキオさんはですね、お別れした旦那さんの元に一人の息子さんがいるお母さんでもあられます。
このパートナーとのお別れ、つまり離婚を経てですね、今の経営者としての人生というところをですね、徐々に作り上げていったという方になります。
働くお母さんならですね、一度は頭をよぎったことがあるんじゃないかなというのがこの離婚というものかなと思います。
いろんなことがあって喧嘩とかしたりするとですね、この先、この人と一緒にずっといられるだろうかと思うことってあると思います。
その意思決定とかですね、それによってこう失ったものや手に入れたものといったところについてですね、お話を伺っていきたいなと思います。
それでは本編をどうぞ。
はい、では栗紀夫さんよろしくお願いします。こんにちは。
よろしくお願いいたします。
じゃあ、コアンオペワーマー望みのそれでも前を向くというポッドキャストのゲストに来ていただきましてありがとうございます。
ありがとうございます。よろしくお願いします。
じゃあ、このリスナーさんにですね、ぜひちょっと栗紀夫さんのご紹介もしたいので、自己紹介を簡単にお願いしていいでしょうか。
はい、私、小五県在住の株式会社栗紀夫デザインの栗紀夫と申します。よろしくお願いいたします。
今回野村キャンプ課題でこちらを収録させていただいてるんですけども、ちょっと緊張しちゃって。
よろしくお願いいたします。
いや、でも栗紀夫さんは普段同じグループで時々会話させていただくんですけど、すごいフォロワー化した感じで、もともと素敵だなと思ってたので今回手を組ませていただいて。
そうなんですよ。リクエスト送っていただいてたみたいで、ちょっとびっくりしました。ありがとうございます。
栗紀夫さんあれですよね、今栗紀夫デザインのっていうふうにおっしゃってましたけど、ボディーペイントの素材?インク?
そうですね。植物染料ですね。植物で肌が染まるという特殊なフルーツが中南米パナマ共和国ジャングルに厳選していて、
このフルーツを社会課題を解決するっていうことを目的として日本に輸入して、それは制度販売してるんですけど、肌が染まるので、
アマゾンの原住民の人とかが顔とか体にペイントしてますよね。トライバルな模様。あれは実は掘ってるんではなくて、植物の染色効果で止まっているので、
だいたい1週間から2週間で自然に消えるっていう植物なんですけど、それを日本および海外に向けてボディーペイント、消えるタトゥーを楽しみたいっていう方のために、
そういったインクの制度販売を手掛けているのが主な仕事ですね。
今、ズームの画面越しにチラッと見える手がですね、素敵なタトゥー、ジャグアータトゥーですか、細かくレースとかお花みたいな模様になっていて、
それ自分で描かれてるんですか?もしや。
そうですね、もともと。
本当ですか?自分の手ですよ?左手に右手で描いてるみたいな、そういうこと?
これね、多分反転してるから逆になってるかもしれない。
右手に左手で描いている?
そうですそうです。もともとインドとか中東で身体装飾で、ヘナ、メヘンディって聞いたことあります。
ヘナは聞いたことあります。
茶色に染まる、あれを一番最初にやったのがきっかけで、そこから他にも世界にはもっと肌を染める植物性能があるんじゃないかっていうのを調べていって、
今から大体10年くらい前にその存在を知って、実際にパナマまで背いて、現地の農家さんとかサプライヤーの方とお話しさせていただいて、
それから事業をゆっくりゆっくりマイペースに進めている状態ですね。
結構特殊なというか、特殊な仕事をしていると思います。
今までの人生で初めてお会いしたんですけれども。
そうですよね、本当に。
そんなクリキオさんにすごくユニークなと言いますか、人生を歩まれているんじゃないかなというふうに思っているんですけど、
実はクリキオさん、お母さんでもあられたというか、お子さんもいらっしゃるというお話を伺ってまして、
この番組がですね、ワーキングマザー、働くお母さんが前向きになるっていうところがコンセプトの番組なんですけど、
まさにクリキオさんはお母さんでもあられたし、今その自分らしいというかユニークなご事業もやられているというところですごくピッタリだなと思って、
今回一緒にやらせてくださいということをお伝えしたんですけど、その背景にですね、実は、実はみたいなところがあって、
なかなかですね、働くお母さんだったら一度は頭をよぎったことのある、あれを実際にやられたというところをですね、
伺いまして、今日は、本当にいろんなところをクリキオさんに伺いたかったんですけど、時間も限られているので、
ちょっとですね、そこにフォーカスしてお話を聞いていこうと思っております。
何でも聞いてください。
それは一体何かというとですね、パートナーとお別れするっていう、日本語で言えば離婚というやつなんですけど、
人生のってことですよね。
そうですよね。人生の伴侶だった方とお別れして、しかもお子さんもいてっていうところを、なかなか子供がいて別れるっていう判断をできないっていう方も多いし、
あえて選んでないという方ももちろんいらっしゃると思うんですけど、
今日はですね、今こうやってご自身のやりたいことをやって、自分らしく生きているクリキオさんのですね、
お別れするっていう決断のところについて、ちょっとフォーカスを当ててお聞きしていきたいと思います。
暗い話でも何でもないので。
ありがとうございます。
何でも聞いてください。
もう消化しちゃったんで。
ありがとうございます。
じゃあちょっともっとフランクな感じでね、ぜひ聞いていきたいと思うんですけど、
我慢の限界と選択
まず離婚というか別れるっていう選択肢が出てきた背景とか理由とか、そのあたりについて伺っていいでしょうか。
たぶん離婚でも何でもそうなんですけど、誰かと別れ離れになるっていう時って本当多様で、
パターンはいくつかあると思うんですけども、私の場合はなんで別れる決定だっていうか、積み重ねてきてもって、最後にいわゆる我慢の限界ですね。
我慢してたんですよ、ずっと。
なるほど。
ずっと我慢してて、当時は私は完全に被害者だと思ってたんですけども、20年経ったから思えるんですが、今となれば相手だけが一方的に悪いとは思わなくなりましたね。
何を我慢してたかっていうと、いろんなことありますよ。
それは一旦置いといて、何を我慢してたかっていうと、多分若さゆえというか、そういう年齢だったのかもしれないんですけど、相手に好きになってもらうために、相手を怒らせないために都合のいい人間になろうとしてたんだと思うんですよ。
それはもう聞くだけで辛いですね。
で、その好きになってもらうための相手の理想の人格っていうのが、私の本来持っていた性格ではなかったっていうのと、その当時自分はどういう人間かもわからなかったんですよ。
ただ誰かに好きになってもらいたいとか、こういう家庭っていうものに憧れてたのがあって、これを壊すのが嫌で、いいお母さんになろうとしたりとか、いい奥さんになろうとしたりとか、いいパートナーになろうとして、未熟ながらすごく頑張ってたんだと思うんです。
ただその頑張り方が本来の自分がなかったので、全く別人格になってしまったんですよね。
ただですら我慢している、我慢というか自分を抑えている状態なのに、さらにあれこれ欲求されるわけですよ。
なるほど。ただでさえいろいろやってるのに、もっともっとと。
ただでさえ我慢して相手に好かれるための人格を作り出したのに、これはダメだ、これはやってない、これはできてないっていうふうに、やることなすこと全てダメで制限されてしまうんですよね。
なるほど。
本人は制限してるつもりはないんでしょうけど、私がそこから出れなくなったんですよ、怖くって。自分の欲求を相手に言えないみたいな感じになって、今から本当想像できないぐらい別の人間だった頃が10年ぐらいありましたね。
へー。
だから別れる選択っていうのは、おそらくこの質問の答えで言うと我慢の限界で選択をして別れようってわけじゃなかったんですけど、背景で言うと我慢の限界がきたっていうのが、もうそこでスタートであり終結ですね。
ちょっと伺ってもいいですか。さっき会社を立ち上げてから10年くらいっておっしゃってて、今20年っていう単語も出てきたんですけど、ご結婚されて10年くらいでお別れして会社を立ち上げたみたいな時系列であってます?
時系列って言うと、大学生の時から一緒にいて付き合ってて、そのまま卒業と同時にほぼ出産したような状態で、23の年にはもう子供を産んでたんですよ。
なるほど。
そこからもめてもけて、その方と一緒に過ごした期間が大体10年くらいあって、30になる前くらいに、とうとう書類上では離婚をしたっていう感じですね。
じゃあお子さんとしては7歳くらいのタイミングで。
そうですね、小学校上がる前ですね。ちょうどその前くらいには別の戸籍になったって感じですね。
安藤なんてもちろん揉めるんですけど。
さっき言った企業というか株式会社になったのはずっと後で。
それまで35までは普通に会社で働いてて、普通にってわけじゃないんですけど派遣会社みたいな形で。
頑張りすぎて自分を失う
仕事場を失ってしまって、いろいろあって失ってしまって、そこからどうしようって話で、個人事業として今さっきちょっと紹介したボディアート趣味でやってたやつを、そのまま事業にせざるを得ない感じになって。
なるほどなるほど。
小遣い稼ぎしながらじゃないんですけども、細々とやっていって、あるとき天気が訪れて法人なりしようっていうふうにやってる感じですね。
ありがとうございます。23歳で大学卒業と同時にお子さん、息子さんでしたっけ?
息子です。
ご出産されて、そのときもいいお母さんとかいい奥さんっていうのを頑張って演じてらっしゃって。
そうですね。目指してたと思うんですけど。でもダメだったみたいですね。
そこには結構共感するものもあるなと今聞きながら思ってて、やっぱり最初って自分を何とかすれば環境がうまくいくんじゃないかみたいな感じにしちゃうんですよね。
現状を維持するために、やっぱり努力の方向間違ってたのかなって。多分自分がないからそうなってたのかもしれないですね。自分という人間を大事にしなくて。
言葉で言いますと自分を大事にしようって意味わかんないですよね、本当に。
そうですね。
自分を大切にするってちょっと意味がわからなかったんですけど、ようやくこの歳になったら自分を大切にするってこういうことなんだなっていうのがわかったかなっていうのもありますね。
当時は自分の大切、自分というものと家族とか夫とか子供っていうものの大切にするバランスみたいなのがすごく偏ってしまっていて、その結果クリキヨさんご自身に結構無理がたまって、もう無理だっていう風になっちゃったというところを今伺って。
でもその決断するまでには葛藤もあったんじゃないかなと思ったりはするんですよね。感情的にはもう限界みたいなところがあったとしても。
ギリギリまでは頑張ってましたけどね。
そうですよね。
ギリギリまではめっちゃ頑張ってました。
とはいえ、私も頭をよぎったことはあるんですよね。これはもう離婚するかみたいなのが脳内によぎったことはあって。
でもそれでもやっぱりそこに至らなかったのって何かなって思うと、金銭的なものももちろんあるし、子供を養うみたいな意味でもやっぱり考えたりすることもあったんですけど。
そのお別れするっていう決断をするまでに、栗紀夫さんの頭の中ではどういう葛藤とか比較検討がありました?
多分なんですけど、私がさっき言った自分の経済的な状況とか、子供を育てれるかとか、自分の環境が変わることとか、相手の家族と他人になってしまうこととか、子供に与える悪影響だとか。
それはもちろん葛藤はあったんですけど、直前の直前までずっと我慢してたので、いわゆる我慢の限界だったので、全部放棄したんですよ、比較検討すること。
なるほどね。
これだから、当時は放棄したんですよね。だから例えば自分の仕事がどうこうとか、子供がどうこうとか、自分の周りの環境がっていうことから、全部比較しなくなったんですよ。
もうそれは置いとくと。
そういう段階ではなくなってしまってて。
今考えてみると、戦うこととか、敵人からも逃げてしまって。
当時は逃げるしか、逃げ切るしかなかったんですね。
例えば自立することとか、自分の貯蓄なんてゼロ円だって全部私家族のお金だったので、自分の数百円しか持ってなかったんですけど。
将来の展望とか、いわゆる天秤にかけて存得勘定をしているうちは、たぶん離婚できないような気がするんですよね。
なるほどね。
真剣と自由の喪失
それによっては、離婚した方が精神的にという上乗せはもちろんあると、精神的に楽になるだろうという上乗せもあるし、
例えばどちらかが打撃的な原因で別れだるを得ないとか、というような場合もあると思うんですけど。
私の場合は葛藤は人並みに普通にあったと思うんですけど、例えて言うならば、譜のフラッグにめがけてダッシュしたようなもんですね。
譜のフラッグ?
そう。だから例えば、フラッグって取った人が勝つじゃないですか。
ああ、砂浜にフラッグさしておいてダッシュして取るやつですね。
勝ち取るわけじゃないですか。
私の離婚は勝ち取るんではなくて、負けの、自らすべてにおいて負けを選択して、
あれをもうあげる、これもいらない、あれも手放す、だから私をここから逃がしてほしいというぐらい精神的に追い詰められていて。
そうなんですよ。なのでもう全部いらない、全部負けていい、どうも損してもいいし、もう何もかもあなたの欲しいものは全部あげるからもう離してほしい。
なるほど。
だから私が悪くてもいいしっていう極限だったと思いますね。
うーん。
地獄でしたよ。
いやでも今のすごい実感がこもってたというか、すごい今感情がちょっと共有できたような感じがしますね。
いや誰もがあると思います本当に。
もう本当無理っていうことですよね。もう本当全部あなたの思う通りにしていいから私だけはもう諦めてくださいっていうそういう状態ですよね。
そう、もう全部私が悪くていい、誰に責められてもいいし。
分かってもらえなくても全然構わないと。
もういい、もう構わない、何もいらないからっていう状態までいった感じですね。
なるほど、それは大変でしたね。
いや大変でしたよ。
でもその選択を30なりたてぐらいですか?
うすうす何度も喧嘩したりとかそういう状況何度も何度もあったんですよ。
でその度に私は別れたくなかったので、離婚したくないっていうふうにもうすがりつきまくってたんですよ。
私の悪いところは治すし、みたいな感じで。
なるほど、それってちなみにそのすがりついてたのは、さっき相手のことが好きだからっていう話も出てきたと思うんですけど、それが主だったんですか?
まあもちろん好きだったと思います。もちろん好きで結婚したんだと思うし、
すがりつくっていうか、自分はこうなりたいっていう、こうであったらいいなって、幸せな家族像とかっていうのがあって、それを手放すっていう恐怖もあるし、
ようやくここまで我慢してあれもこれも我慢して飲み込んで、やっとここまで来たのに、
やっぱいじめじゃないんですけど、いじめて加速するじゃないですか。
そうですね。
だからこの私が乗り越えなければいけない試練もどんどんどんどん高くなっていくんですよ。
はいはいはい。
でさすがにもうこれは乗り越えれない。無理だと。もう私は自分のことを変えることがこれ以上は無理と。
でなんてもう負け、もう全部いらないから、じゃあ今まで持ってたものはもう全部いらない。私が悪くてもいい。世界一ひどい母親でもいい。
っていう感じでもうパーンってなった感じですね。
いやーなるほどなー。
なんかこれを言うとなんか私が被害者のように聞こえるんですけど、今思うと私だけが被害者じゃなくて、じゃないと思います。
私が自分がそういうふうにしてしまってたんでしょうね。で相手の欲求を飲むもんだから。
もうねもうそこはどっちがどっちというよりは何かがあった時にどう反応したかで次がまた作られていっちゃうみたいな。
なんか相手に命令されることではない部分も多分喜んでじゃない。進んでそうしてない方がいいんだろう。そうして私の幸せなんだみたいな感じで。
多分こう積み重なってたのかなーっていう感じがして。
どっちが悪いか今となればもうわかんないですけど、悪いとすれば私かなって思います本当に。今思えば。私が悪かったなーってめっちゃ思いますね。
ここでどういうふうなのがいいとか悪いとかはちょっと言い切れないところはあるんですけど、それでも多分その時にはその決断しかなかったと思うし、
手に入れたもの
多分今こうやって自分で事業をされてすごく私に見える感じでは穏やかにのびのびと自分らしくきっとやられてるんだろうなっていうふうに思うんですけど、
何かお別れしたことで失ったものと手に入れたものみたいなところに名前をそれぞれ作るとしたらどんな感じになりますか?
失ったものは真剣ですね。真剣は取り合ったっていうよりもとにかく怖かったんですよね。相手が怖くて、圧力をかけられると全部はもうダメです。
あなたの思うようにしてくれみたいになってしまって、お金がなかったっていうのもあって、頼る人がいなかったっていうのもあって、
例えば弁護士に相談したら、弁護士も安くないですからね。例えば無料相談とかあるんですけど、行かれた方は多分同じことを思うかもしれないんですけど、あんまり役に立たないんですよ。
役に立たないってことはないんですけど、それを赤の谷に話してる段階でもつらくてつらくて、相談っていうふうに吐き出すことすらつらいんで、その現実を認めないとダメなんで。
相談したところで、相談イコール戦いが始まるじゃないですか。
それは相手との?
相手との戦いがもうとにかくできなくて。
エネルギーがこっちにないと戦えないですよね。
そうです。どうしても相手を責めるような体制でいれば、あなたが悪いとかっていうふうに言えるんですけど、私そういうふうに精神が病んでしまってたので、戦うことができなかったので、失ってしまったのは真剣かなっていう感じですね。
逆に手に入れたものっていうと、いわゆる時間っていうか自由ですよね。
その自由と後にちょっと話ししようかなって思ってるのが、悔しい気持ちを消化する発動機。
どういうこと?めっちゃ知りたいんですけど。
そこで多分発動機が発動して、今私こんな感じになってるんだと思うんですけど。
悔しい気持ちを消化する発動機を手に入れたんですね。
急に手に入ったわけではないんですけど、いわゆる時間っていう自由ができて、自由っていうと何やら楽しいものに聞こえると思うんですけど、世には悲しい自由っていうのもあって。
悲しい自由。
悲しい自由ですね。だから何もないんですよ。何もないんです。
ただ時間と悲しさだけがあって、ちょっと楽しいことでもちょっと嬉しいことでもすでに重い十字架を背負ってるんで、すぐ不幸な現実に引き戻されるんですね。
例えば白い絵の具の上に黒色の絵の具をポトンと落としたらグレーになりますよね。
その後ずっとこの白い絵の具を足しても、永遠に白にはならないじゃないですか。
そうですね。
例えて言ったらそんな感じで、染みとは言わないんですけど、白い絵の具の上に黒いものがあると、何をしてもやっぱり永遠には白にはならないっていうようなイメージが今俯瞰して感じるんですね。
その後も仕事を失ったりとかいろんなことがあって、さらに自分の中で低迷期に入ってしまうんですよね。
それがあまりにも不幸すぎて、不幸というか不運すぎてだんだん腹が立ってきたんですよ。
腹が立ってきたんですね。
なんで私、やることなしこと全部うまくいかないし、何も持ってないし、お金もないし、権力もなければ信用もないし、職もないし。
だんだん腹が立ってきて、この悔しい気持ちみたいな感じを消化するための発動機っていう話になるんですけど。
なるほど。
とにかく発動機をかけて、プラスにじゃなくてゼロに持っていこうとしたんですよ。
しざを変えるって言ったら今どきの言い方かもしれないんですけど、ずっとマイナスの地底にいて、とりあえず土の上に行けるようにっていう感じで、プラマイゼロにしようみたいな感じで。
そっからその上に上がるのまた別問題で、ゴムで弾くとかいろいろあるかもしれないんですけど。
でもとりあえず土の上に立てるぐらいに、種から芽と根を出そうっていう気持ちで。
いきなり地中から空に飛ぶのは無理だと。
花咲かすのは何年も先なんですよ。
とりあえずこの種から地上に出るぐらいのことを、その悔しい気持ちを発動機にして、とにかく土の上に立ってやるみたいな。
本当にやること無しこと全部なんて運がないなというか、不幸とは言わないですけど、なんて恵まれてないんだっていう。
だんだん腹立ってきますよ。
なんでっていうふうになって。
手に入れたものっていうのが、悲しい自由と悔しい気持ちを消化するための発動機っていうのがイメージですね。
その発動機が結局その後に起業したりとか海外に行ったりとか、やりたいことをとりあえず全部やってって感じですね。
大振りな感じがすると思うんですけど、実はめちゃめちゃ堅実で、小さなとこからちょっとずつ土に向かってみたいな感じがイメージですね。
別れのリアリティ
なるほど、でもすごい別れた瞬間にハッピーになるわけじゃないんだなっていうところが、すごいリアリティを感じましたね。
当分つらいですよ。
どのくらいの時間が必要でした?
私の場合は子供を置いてきてるっていうのもあるので、私がちょっと元気になったかなって思い出したのは5年。
5年っていうと短く感じるか長く感じるかわかんないんですけど、それぐらいから1日のうちつらい時間とそうでもない時間っていうのが結構わかってきて、
つらいって思ってた時間が徐々に減っていくのを体感するイメージですね。35ぐらいからちょっと気持ちは落ち着いてきたかなって感じですね。
35から今ちょうど今年で49なんですけど、そこから結構穏やかな感じで、いろいろありますけどね、あるんだけど、その発動機を悔しいことがあるたびに頑張るみたいな感じですね。
いやーなんかそのいつも見せていただいているそのクリキオさんの穏やかな笑顔とかの裏にそんな歴史があるのかっていうところと、やっぱりその得るために支払った代償って言うとあれですけど、結構大変なものを抱えて過ごされて、今それでクリキオさんとしてここにいらっしゃるっていうところが知れて、私としてはなんか何ですかね、リスペクトですね。
リスペクトの気持ちが今胸に沸き上がっております。
いや褒められたもんではないと思うんですよ、本当に。よくはないと思う。自分の理想とはかけ離れてしまいましたね、でも。
でも理想を追って自分を殺していくよりは、多分今いろいろなものは大変なこともあったし、このまま手放したかもしれないけれども、この選択の方がホタルとしては自分として良かったと思える。
いや何とも言えないですね。
そうなんですね。
正直そうでハッピーですっていうこと、でもやっぱり曇りが残ってるので。
そうですね、先ほどのインクの。
そうですね、後悔もすごくしてるし、でももう時間戻れないし、自分が決めた選択っていうのはもうどうにもならなくて、もうそうです、もう後ろ向きにはなれない感じだから、重いまま、重いエンジン乗せたままノロノロ走ってる感じ。前にしか進めないじゃないですか。
そうですね。この番組のタイトルにもあるんですけど、それでも前を向くっていうタイトルをつけてるんですけど。
あー良かった。
本当にいろんなことがあって、本当に過去について、本当におっしゃる通りで、これで良かったわって思えることばっかりではもちろんないけども、それでも人生は続いていくし、それぞれの決断をこれからも正解にしていくしかないのかなみたいなところもあるのかなと思って。
はい。本当にあの、なんだろう、さらけ出してというか、いろんなところを話してくださって、しかもすごく率直に、セキララに、でもすごく、なんだろうな、言葉を選んで、くりきおさんの本当に思っている気持ちをすごく届けてくださって、ありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。
はい。ではちょっとここでお時間もあれなんで、もし今度、その授業の方の話もですね、ぜひ聞きたいなと思うので、またゲストに来てくださったら嬉しいなと思います。
ぜひぜひ。ゲスト向いてるんで。
どうぞよろしくお願いします。
はい。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
くりきおさんでした。
はい。いかがでしたでしょうか。
お話しさせていただいてね、私がとても印象的だったのは、ご自身を大事にできなかったっていう過去とですね、息子さんへのやっぱり思いですよね。
全然これでよかったわーみたいな感じではなくて、重りを引きずりながら生きているような感じですっていう言葉だったり、それでも今ね、自分の人生をちゃんと選んで歩んでいるんだなっていう、その全体のお話というのがすごく胸を打たれたものがあるなと思いました。
自分の人生を自分で選択して歩んでいるくりきおさんをですね、私これからも応援したいなというふうに思いました。
はい、皆さんはいかがでしたでしょうか。
この特別回、ゲスト回ですね、およそ2ヶ月に一度放送していきたいなと思ってはいます。
次は4月でしょうかというところなんですけれども、こんな感じのお話を聞きたいとか、あるいはご出演いただけるよという方はですね、番組概要欄のお便りフォームからぜひお寄せください。
それでは、毎週月曜日に更新できるようにこれからも頑張ってまいります。
お相手は伊藤臨でした。ではまた。
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