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内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
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ということで、今日はだいぶ久々ですかね。1ヶ月ぶりぐらいかな。そんなにはならないか。
論文紹介をしていきたいと思います。
今日ご紹介する論文もですね、できたてホヤホヤの、これいつかな。
先週ですね、1月の30日に出た論文で、
Analysis of Internal Medicine っていうですね、これ、米国の内科学会があるんですけど、
私そこ入ってるんですけど、そこの雑誌っていうものですね。
その中にですね、ちょっと皆さん読めないと思うんですけれども、
ちょっとタイトルとアブストラクトだけ、英語なんですけどね、見ていただけたらなというふうに思うんですけれども、
要は何の論文かというと、医療従事者のですね、共感ですね、これが患者満足度に影響するかっていうのを、
いろんな論文を集めてきてパッケージしましたよみたいな、システマティックレビューっていう方法なんですけど、
系統的レビューっていう方法なんですけれども、これがこのAnalysis of Internal Medicineに出ていましたので、
これはね、ぜひともご紹介したいなと思って取り上げます。
はい、で、あの論文のタイトルがですね、もうそのままなんですけれども、
患者満足度に医療従事者の共感が与える影響ということで、
Randomized Trialですね、RCTっていうですね、比較試験の系統的レビューをやってみましたよっていうような、その論文になってます。
はい、で、どういうふうな処方をとったかというと、14件ですね、このランダム化比較試験っていうのがあるらしくて、
それを、その中にはですね、80人の医療従事者と1980人の患者が含まれるらしいんですけれども、
これのレビューを行いましたということで、研究の対象もですね、だからいろんな国にわたっていて、
北米、ヨーロッパ、アジアとかアフリカとかですね、いろんなところの研究を引っ張ってきましたっていう、そんな感じになっています。
で、結論ですね、結論は共感的な介入ですね、これは患者満足度の改善と関係してたっていうような結果で、
まあ、そりゃそうですよねっていう感じかもしれないですけれども、でもね、こういう研究ってね、すごい評価の仕方とかね、
何をもって共感とするかみたいのは難しくって、これね、最後のところにも書いてあるんですけれども、
研究の異質性って言うんですけれども、要は似たような研究が少ないんですよね。
一応共感について調べていたりとか、満足度について調べているんですけれども、その評価指標が違ったりとかですね、
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あとは何をもって共感としてるかっていうのの評価尺度が違ったりとかですね、ということで非常に難しいのと、
あとは、共感のトレーニングをするっていうことで、ただトレーニングもね、何をもって共感をトレーニングできるのかっていう問題あるじゃないですか。
で、これね、ちょっと論文の内容から外れますけれども、私もですね、以前に大学に勤めていたときに4年生から、
今、医学部4年生にOSCEっていう試験があるんですね。
これ、要は医学生が実習に出るための登竜門みたいな試験なんですけれども、
その中に医療面接っていうところがあって、要は患者さんが来たときにどういう問診、どういう診察をするかみたいなところがあるんですけれども、
その中に患者さんが例えば頭が痛いんですとか言ってきたりするじゃないですか。
それに対して、それは大変ですねっていうですね、そういう共感的態度っていうのの評価項目があるぐらいで、
それぐらい共感って大事なんですけれども、でも、よく考えていただいたら分かると思うんですけれども、
早すぎる共感って非常に危険なんですよね。
あんたに私の辛さが分かってたまるか、みたいな感じになることってあるじゃないですか。
これ、共感って非常に難しくって、しかも、それは大変ですねって棒読みする方とかもいるんで、
それは全然共感じゃないよ、みたいな感じになって、だから、ノンバーバルなことも含めた共感っていうのを評価しないといけないんで、
そういった点で共感の研究って非常に難しいんですけれども、今回の論文の中でもその点に関して触れられていて、
今後の研究で共感の訓練ですね、そういうのをちゃんと確立されたRCTですね、
ランダム化比較試験が必要だよね、みたいな、そんな感じになっています。
これはそうだよなっていうふうに思うと同時に、あとは文化的な影響もかなり受けると思うんですよね。
もし英語を聞ける方は、このホームページに飛んでいただいたら、著者の方がお二人動画で出てるんですけれども、
僕も初めて知ったんですけど、アメリカはカンズさんの満足度って半分ぐらいの人しか満足していなくて、
ヨーロッパだったかな、ヨーロッパは3分の1ぐらいの人しか満足していないっていうことがあるらしいんですけれども、
日本はもうちょっと高いんじゃないかなって、肌感覚で思いますけれども、
でもね、やっぱり何をもって患者満足とするかみたいなのって、
昨日の雑談配信でも言いましたけれども、やっぱり共感もそうですし、他の要素もいろんなところで患者満足度って決まってくるので、
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共感一つとってどうこうっていうのも難しいかなというのと、あとはさっきから言ってるように、何をもって共感かっていうのですね。
これね、結構、研修医とかコメディカルの方とかもそうなんですけれども、
結構ね、患者さんに対して共感的に接したみたいなカルテを残す方っているんですけれども、
僕ね、これ見ると毎回ちょっと突っ込みたくなってしまうっていう、何をもって共感かっていう、どういう対応をしたのっていうふうに突っ込みたくなってしまうんですけれども、
そんな感じで、本当に共感の評価って非常に難しいんですね、っていうのがあります。
あとは最後にちょっと心療内科的な共感っていう文脈でいくと、これ多分以前も話したと思うんですけれども、
心療内科って治療的事故っていう、こういう概念を非常に大事にしてるんですね。
Therapeutic Selfっていう英語で言うんですけれども、
これマトキンスっていう方が治療的事故っていう書籍を書かれてるぐらいなんですけれども、
その中にも共感、書籍の中で共鳴って出てくるんですけれども、
っていうのは大事だよっていうことで、それも治療的事故の中で評価していこうみたいな、そんな試みとかもあったりとかして、
本当に医者に限らずですかね、医療従事者のあり方みたいなのが患者満足度とかに大きく影響するんだよっていうのは、
この論文を見ててもそうかなというふうに思ったりしました。
はい、そんな感じですかね。非常に面白い論文で、
ちょっと多分全文読むことはできないと思うんですけれども、
もし英語は読める方は小6の部分とかですね、
あと動画とかご覧いただけたら面白いんじゃないかなというふうに思いました。
はい、ということで、
今日も幸せな一日でありますように、お会いしておらないかいの竹でした。
興味津々。