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内科医たけおの 心身健康ラジオ 皆さん、おはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所 院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわるちょっと役に立つ小話を毎朝5時50分くらいに配信しています。
毎朝5時半からライブをやっていて、公開のマシロックや皆さんからのご質問やリクエストに直接お答えしたりしています。
アフタートークも人気で、ぜひご参加ください。
この冒頭の挨拶、変えようと思って変えてないのがバレていて、なんか噛みますね、毎回。失礼しました。
今日は声の書評として、青木先生が翻訳された認知行動療法の治療関係みたいな本が先月かな、出たんですけれども、
それをご紹介しようかなというふうに思ったんですけれども、内容が難解すぎる上にですね、
ちょっとあれ、やっぱり専門性なんで、一般の方には高い上に本当に難しいなって、
ちょっと私も理解できているかどうか微妙なんでっていうので、
ちょっと私が書評できる。
レベルに達していないっていうことが判明しましたので、急遽予定を変更しまして、論文紹介をしてみたいと思います。
今日ご紹介する論文はですね、先月だったかな、そうですね、先月出たばかりの論文なんですけれども、
British Journal of General Practiceっていうですね、イギリスの家庭医療系の雑誌みたいなんですけど、ちょっと私ね、家庭医療系の雑誌あんまり追ってないんであれなんですけれども、
そこに載っていた論文がね、比較的よく見られていて面白そうだったんで、これを取り上げることにしたいと思います。
タイトルはですね、プライマリーケアにおける息切れの診断の遅れみたいな、これの質的研究っていう、そんな感じのタイトルになっておりまして、
そもそも質的研究って、多分ほとんどの方は、なにそれ、おいしいな的な感じなんだろうと思うんですけれども、
研究はですね このチャプターのリンクに 私のツイートのまとめを貼ってありますけれども
研究ってですね いろんな研究の手法があるんですけれども
大きく量的研究っていうのと 質的研究っていうのに分かれるんですよね
量的研究っていうのは 一般的によくあるような数ですね
なんかアンケート調査をしたりとかですね
あとはRCTも量的研究に含まれるんですけど
RCT ランダマイズコントロールトライアルっていうですね
ランダム化比較試験っていうやつですけれども
こういう数を持ってきてですね
それを統計手法で有利さがあるとかないとかですね
こういう感じでやっていくのを 量的研究っていうふうに言うんですけれども
これが世間的には一番いいというふうに 言われてるんですけれども
ただ質的研究ですね 今回の研究もそうなんですけれども
インタビュー調査をして そこから何らかの法則性を
見つけていくとかですね
こういうのも研究の手法の一つとしてあって
非常にそれも重要なときもあるんですね
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実際 私自身も修士論文 私 修士論文 コミュニケーションに関して
やったんですけれども これも質的研究でありましたし
あとは先日行われた緩和医療学会ですね
でも特に看護師さんを中心に 質的研究が得意な方っていらっしゃって
非常にいい研究をされてらっしゃるなっていうのが
いくつかあったりしました
実際 優秀院大の中にもあったんじゃないかな
っていう感じで 大きく量的研究と 質的研究っていうのに分かれるんですけれども
今回ご紹介するのは その中でも質的研究っていう
インタビュー調査を基にした研究結果っていう
そんな感じになっています
ちなみに 中間っていうか 両方のいいとこ取りをした
混合研究っていうのもあるんですけれども
混合研究法っていうのもあるんですけど
ちょっとそれ話すと長くなってしまうんで
今回 質的研究 インタビュー調査を基にしては
研究なんですっていう そんな感じですね
タイトにあるように これ 息切れの研究なんですけれども
息切れの原因って ものすごいいっぱいあるんですよね
呼吸困難とは言いますけれども
よくあるのが 特に高齢の方に代表的なのは
心不全ですね 心臓が悪くて 息がゼーゼーするみたいな
これ 一番多いんですけども
ただ 他にも COPDですね
いわゆる排気臭っていうものとか
あと 全息ですね
全息とか あと肺炎とか貧血とかですね
もう本当にありとあらゆるものが
息切れの原因になりうるんですけれども
それの診断の遅れですね
このタイトルにありますように
診断の遅れがね なぜ起こるのかっていうのに
注目した論文っていう そんな感じになってます
で 背景としては
そういう診断の遅れのエビデンスが不十分だから
それを調べてみようっていう そんな感じで
実際 どういうことをやったかというと
10個のクリニックですね
で その慢性的な息切れを訴えてる
実際の患者さんですね
と お医者さん ドクターですね
これを対象にしたっていう感じで
どういうことをやったかというと
反構造化面接っていうふうに言うんですけれども
ある程度 質問のフォーマットが決まってる
インタビューみたいなのをやって
で その中から そんなピシッとこう
絶対それどおりやらないといけない っていうわけではなくて
そこからちょっと少し話脱線してもいいよ みたいな
そんな感じのインタビュー手法なんですけれども
これを患者さん何人だったかな
34人ですね と
ドクターですね ドクター10人ですね
に対して行ったっていう そんな感じになっていて
それを解析しましたっていう
そんな研究結果になっています
患者さんの年齢が平均68歳ですね
医者の平均経験年数が17年
だから私と同じぐらいですね これね
っていう方たちにインタビューをした
っていう そんな感じになってます
で そこから分かったこととして
いくつかの 5つかな
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5つの要素が分かったっていうことが
この研究の中では言われていて
1つが息切れの症状を認識して確認する
要は息切れがあるよねっていうことを
共通理解するっていうことですね
が重要っていうこと
で 2つ目が息切れに対して
臨床的な意思決定ですね
どういう診断を どういうふうにやっていくかとかですね
この辺が
非常に難しいっていうことですね
で 3つ目は診断が確定しない場合ですね
この場合にはまだちょっと会話の内容としてですね
難しさが生じるっていうこと
で 4つ目としては臨床医ですね
医者は症状の管理よりも
その診断ですね
の管理ですね
診断の管理 疾患の病気の管理ですね
これを優先するっていうことで
で 5つ目として患者さんの経験が
医者ですね
臨床医のコミュニケーションのスタイルによって
かなり影響されるんだっていうことですね
どういうふうに感じるかっていうことですね
この5つのテーマに集約されたっていう
そんな感じの研究結果になっています
で これね 非常に面白いなと思って
特にね 息切れに関しての
慢性の息切れは
自覚症状がないことも結構あるんですよ
この1番目の話ですけれども
そもそもあなた息切れ生じてますよっていうふうに伝えても
そうなんですかみたいな感じになることって結構あって
これはCOPDとか
心不全でもそうなんですけれども
もう明らかに外来歩いてきてですね
もう目の前に座ってひいひいなってるんですけども
客観的にはですね
なんですけど本人的には
ケロッとしてるっていうか
そうですかみたいな感じでなる方もいるんで
ここら辺でね やっぱりギャップが非常にあるなというふうに思いますし
あとはさっき言ったように
考えるべきことってものすごいいっぱいあるんですけれども
ただ患者さんとしてはね
息切れあるんだったら早く何とかしてほしいって思うじゃないですか
でさっき言った
例えば心不全とね
COPDでは全然治療の方向性が違うし
なんなら心不全とね
基幹自然則って真反対の治療とかになることもあるんで
その辺はね
我々としては
その診断をしっかり確定させてから
治療に入りたいんですけれども
患者さん側からすると
早く息切れ
息苦しいの何とかしてほしいってなるよなって
それはそうだよなっていうふうに思いましたね
で あとは
合併してきたりすることもあるんですね
例えば
COPDの患者さんに
心不全が起きるとかですね
あと病気的に合併してる
COPDプラス全則っていうような概念とかもあるんで
栄光っていうような概念とかもあるんで
この辺でなかなかね
その病気自体をピシッと区別できないこともあるっていう
難しさもあったりとかして
それがね
余計に治療の難しさにも直結してるっていう部分もあったりしますね
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で 結局で最終的には
その5番目のテーマに書いてあるように
やっぱり臨床医のコミュニケーションスキルもね
重要だなというふうに思っていて
だからそこらへん患者さんにね
いかにこううまく説明して
理解していただけるかっていうのの
臨床医のスキルが
臨床医側のスキルも求められるんじゃないかな
というふうに
この論文を読んで改めて感じた次第です
はい ということで
皆さん 息入れ感じたときはですね
お医者さんにかかるとは思うんですけれども
そこでよくコミュニケーションをとってですね
医者はこういうことを考えてるんだよっていうのを
少しでも知っていただけたらいいかな
というふうに思って
取り上げさせていただきました
何かの参考になれば幸いです
では 今日も幸せな日にしてありますように
お会いしては内科医の竹代でした
興味津々