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コーノ
はい。で、読みました。
なんか、これ、あとがけじゃないわ。解説に書いてあったんですけど。
ポーさん
はい。
コーノ
6つぐらいあるらしいですね。
ポーさん
あらしいですね。
コーノ
訳が。
うん。
本文社古典新訳っていうことで。
はい。
読みやすいかなと思って。
うん。
ポーさん
はい。
この翻訳家の方は、文庫の頃にプロフィールでどういった作品を訳しているのかって書いてますけど、
割と有名なものを訳されているみたいで。
やっぱりですね、和尾石黒もいっぱい訳してますね。
コーノ
ああ。
ポーさん
日の名残とか。
コーノ
そうですね。そういえば。
ポーさん
私を離さないでとか。
コーノ
早川のときの、早川文庫の和尾石黒の訳はこの人でした。
うん。
ポーさん
割と見る名前だなと思ったら。
そもそもですけど、これ今回何読むかって話のときに。
はいはい。
河野さんからバージニアウルフでっていう提案があったじゃないですか。
うん。
これはどういった理由だったんですか。
コーノ
たまたまです。
別に前から気になったけど読んでない本の中の一つで。
うん。
特に理由はないですけど、女の人の本っていうのもあるし、女性の作品をあんまり取り上げてないっていうのが。
うん。
ポーさん
あったじゃないですか。
はい。なるほど。
コーノ
特に直接喋ったのが、キム・ロサイコ。
ポーさん
そうですね。
コーノ
ぐらいでしたっけ。
ポーさん
あと乙女の密告の。
コーノ
あ、そっかそっか。日本の人はだからたくさん喋ってるんですよね。
そうですね。
で、その、何だったっけ。アゴタ・クリストフを読んだ感想は喋ってないでしたっけ。
ポーさん
そうですね。ここでは喋ってないですね。
うんうん。
そうですね。そんなにここで話してる女性作家は少ないですね。
コーノ
うん。
だから、外国人の女性作家も、あんまり読む機会もないんで。
うん。
で、いつかどっかで読んでおきたいっていうぐらい。
うん。
で、作品自体は別になんでもよかったんですけど、新訳があるやつの方が読みやすいかなと思って。
ポーさん
そうですね。
コーノ
途中で変えたって感じですよね。
ポーさん
そうですね。
コーノ
東大Aが一番有名やから、東大Aかなと思ってたけど、ちょっと若干これよりも長いし。
うん。
このダロウェー夫人よりも。
うん。
ポーさん
なんか少し前に本屋さんで、このナミっていう作品が、
はいはい。
割と平積みされてた時期があったんですよね。
うんうん。
単行本で。
うん。
だから、それですればバージン・アウルフ読んでないなっていうのは、私もなんとなく思ってたところだったんで。
コーノ
うん。
ポーさん
いい機会でした。
コーノ
この解説を読んでると、やっぱりナミは気になりますね。
ポーさん
なんか曲北、小説の曲北みたいな見方してますね。
うん。
コーノ
結構終盤に出た本ですよね、ナミは。
ポーさん
そうですね。
コーノ
で、このダロウェー夫人は割と序盤の方かな。
ポーさん
なんか割と作家としていい状態というか。
コーノ
デビューとかではないけど、年齢的にも多分若めの時のやつなのかな。
ポーさん
でもナミは結構読みづらそうというか、難しそうな印象。
コーノ
分厚いんでしたっけ?
ポーさん
分かったかな。
まあでも結構それなりに分厚かったかな。
コーノ
あ、でも一生くらいか。323ページって出てるから。
ポーさん
まあでも単行本でだからちょっと長さは違った。
コーノ
はい。だからあんまりこう、選んだのは明確な理由があったわけではなく、どっかで拾っておきたい作品やったり、どっかのタイミングで。
ポーさん
なるほど。
コーノ
作品というか、作家。
ポーさん
はい。
コーノ
まあまあ、またというか、全然読んだことない感じでしたね。
ポーさん
ああ。
コーノ
そんなことなんですか?
ポーさん
うーん、私は何て言うんでしょう。解説にも書いてましたけど、ユリシーズっぽいなというか。
コーノ
ああ、そっかそっか。ユリシーズ読んでたら、結構文体びっくりしたんですけどね。
ポーさん
ああ、文体どういうところですか?
コーノ
なんか、詩っぽくないですか?
ポーさん
詩っぽいっていうのは。
コーノ
物語を順番に辿っていくっていうよりは、その情景情景の描写が、すごい詩を感じる。
はい。
こう、詩を書いてるみたい。なんか、詩を読んでるみたいな感じに思いましたね。
うーん。
だから、話がこう、淡々と進んでいくっていうよりは、もう、ずっと表現じゃないですか。
ポーさん
まあ、そう、話が進むって言っても、そうですね、これ一日の話ですからね。
うん。
だから、そんなに時間的経過もないし、人物の思ったことが、ずっと。
コーノ
そうですね、心理描写やたら多いし、情景描写とかも。
うん。
だから、現場のことを喋ってんのか、こう、感情のことを喋ってんのか、こう、イメージのことを喋ってんのかが、すごい、なんか、こう、分からんようになる瞬間があって。
うん。
だから、なんか、すごい、物語っていうよりは、詩っぽいなと思って、ずっとこう、歌詞読んでるみたいな感じに、
うーん。
ポーさん
思いましたね。
なるほどね。
コーノ
筋とかが、すごい、僕は、飲み込みにくかったんですよ。
うん。
うんうんうん。
話の筋というか、流れというか。
ポーさん
ちょっと、普通の小説を読んでいて、これを初めて読むと、確かに、どういう話なんだっていうのは、なりますよね。
コーノ
結構、読まんと、なんか、流れが掴めなかったですね、途中まで。
ポーさん
あんまり、こう、かぎかっこも、使われないし。
コーノ
うん。
だから、登場人物とかも。
ポーさん
はい。
コーノ
説明とか、あんまりないじゃないですか。
ポーさん
そうですね。
コーノ
その、物語を追っていって、どういう人か、どんどん分かっていくっていうのは、あるんですけど。
うん。
急に現れるし。
うん。
結構、僕、ほんま、すごいなと思ったのは。
ポーさん
はい。
コーノ
あのー、視点めっちゃ変わるじゃないですか。
ポーさん
変わりますね。
コーノ
今、誰が喋ってんのかっていうのが、分からない、なんか、一瞬分からなくて、で、後ですぐ分かるって言って、あっ、なんか、登場人物、喋ってる人、変わってるっていうのは、
うん。
めっちゃ、こう、目移りするというか。
ポーさん
特に、終盤は、すごい変わりましたね。
変わりましたね。
コーノ
あの、パーティーの。
ポーさん
人増えるんでね。
うん、そうそう。パーティーの場面では、すごい、あの、変わりますね。
コーノ
僕は、この文体は、ちょっと、見たことなかったんで。
うん。
まず、誰が喋ってる?みたいなのから、行くじゃないですか。
はい。
普通はというか、今まで読んでたやつが。
ポーさん
うん。
コーノ
だから、そんなんは、読んだことなくて。
ポーさん
そうですね。
私は、なんか、こう、最初に、その、まず、あ、あの、ユリシーズも、録画。
うん。
あの、ユリシーズも、6月の日の話なんですよね。
はい。
で、あの、ダロベ・フジも、6月の話で、で、最初に、こう、ロンドンの地図が。
うんうんうん。
ポーさん
これ、このページ、ずーっと、だろうえ夫人の、あの、心理描写をずっとするとなったら、大変だなって思ってたんですけど。
はいはい。
気づいたら、あの、別の人。まあ、例えば、その、だろうえ夫人の昔の恋人だったり。
うん。
コーノ
ピーター。
ポーさん
うん。で、まあ、ピーターは、まだ、かろうじて、だろうえ夫人との関わりがある人ですけど。
うん。
全く関係ない、ロンドンにやってきた、あの、夫婦の、夫婦の、
はいはい。
描写に変わったりで、まあ、コロコロコロコロ、描写が、視点が変わっていくっていうので、結構、あの、面白いなと思って。
うん。
あの、飽きずに、読めましたね。
コーノ
映画とかやったら、結構あるんですよね。
うん。
ポーさん
こういう、群像劇。
コーノ
はいはい。
的なやつ。で、こう、すれ違ったあの人の視点にすぐ変わるみたいなとか。
うん。
あの、同じ町で、こう、暮らす、いろんな人の、こう、物語を、一個の作品に集めるみたいな。
うん。
だから、そういうのっぽいなとは思いました。
ポーさん
そうですね。確かに、映画とかだと、映像的なのかな。
コーノ
その頃、この人はこう考えてたみたいなとか。
うん。
この人がこうやってる時間、この人は何してたみたいな。
うんうんうん。
とか、っていうのも、なんか、映像ではよくあるなと思って。
うん。
でも、その、なんか、その、シームレス感がすごかった。
うん。
あの。
ポーさん
まあ、確かに、あの、私も、あの、すごいと思いますよ、これは。
コーノ
昭和系もせず、
うん。
その、急に変わるから。
ポーさん
そう、なんか、読むのも、どこで休憩しようか、なんか、わからないですよね。
コーノ
そう、なんか、その辺はね、あの、失われた時を求めて、に近い思いがあったんで。
その、社交界の話とかも。
うん。
貴族の話やし。
ポーさん
うん。
コーノ
パーティー。
パーティー、社交界じゃないですか。
はい。
そういうのも、その、日の名残とかも、割とそういう話だったんで。
うんうん。
なんか、そういう意味では、こう、まあ、読んだことがある。えっと、失われた時を求めてとか、日の名残とかで、読んだことある、こう、社交界の感じっていうのが。
うん。
一応、頭にあったから、あ、こういう感じかっていうのは読めましたね、最後の社交界のページとかは。
うん。
ポーさん
社交界はもう、これ、全部で330ページぐらいだけど。
うん。
最後の30ページか、40ページ、40ページぐらいかな。
コーノ
ほんま、なんか、フィナーレって感じですもんね。
ポーさん
そうですね。
コーノ
うん。
いや、これ、これも、なんか、すごい、オチみたいな話になると思うんですけど。
ポーさん
はい。
コーノ
もう、最後、終わり方めっちゃ良かったなと思って。
ポーさん
えー、もう、本当の一番最後の。
コーノ
そうです、そうです。
ポーさん
修行のとこですか。
コーノ
はい。すごい、好きな終わり方でしたね。
ポーさん
あー。
なるほど。
コーノ
なんか、文学っぽいじゃないですか。
ポーさん
そうですね。まあ、確かに。
コーノ
あの、エンタメやと、ちゃんと、この後の会話まであるけど。
あー、なるほどね。
うん。で、こう、どうだったんだ、どう思ってたんだ、とか、その、やりとりがあって、まあ、ハッピーエンドにしても、バッドエンドにしても、ちゃんと、こう、描く。
うん。
のは、なんか、エンタメ映画とかのやり方やけど。
うんうんうん。
で、この、終わり方すごい良かった。
ポーさん
そうですね、確かに。
かっこいい。