1. ザッソウラジオ
  2. 吉田満梨さんとザッソウ第1回..

ザッソウラジオは、ソニックガーデンの代表・倉貫義人と仲山考材の仲山進也が、2人の友だちをゲストにお招きし、ゆるーくおしゃべりするポッドキャストです。

3月のゲストは、神戸大学大学院 経営学研究科 准教授の吉田 満梨(よしだ まり)さん。

2023年8月に共著で出版した、「エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」」が、経営者のあいだで話題の一冊となっています。

吉田さんとエフェクチュエーションの出会いや、「なぜ今エフェクチュエーションなのか?」など、エフェクチュエーションについてたっぷりおしゃべりしました。

今回のザッソウ▶ようこそ、吉田さん/エフェクチュエーションの広まり/なぜ今なのか/センスの体系化/コーゼーションバイアス

そもそもエフェクチュエーションとは?

サラスバシー先生(ヴァージニア大学ダーデンスクール サラス・サラスバシー教授)による『「予測」ではなく「コントロール」によって不確実性に対処する思考様式』という定義のこと。

手中の鳥/許容可能な損失/クレイジーキルト/レモネード/飛行機のパイロットという、5つの原則があるとされています。


くわしくは、こちらの記事をお読みください。

両利きの経営を起業家的な思考と行動で実践する「エフェクチュエーション」とは。神戸大学吉田准教授に聞く | Biz/Zine(ビズジン)

「エフェクチュエーション」の日本初の入門書。

エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

吉田 満梨 著/中村 龍太 著(ダイヤモンド社)


こちらの本を読んだ倉貫さんとがくちょが、エフェクチュエーションについて初めておしゃべりしたザッソウラジオの回がこちらです。


倉貫とがくちょの2人でザッソウ|エフェクチュエーションとは何か(#85)


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サマリー

吉田満梨さんは神戸大学大学院経営学研究科の準教授であり、マーケティング論を専門とし、新しい市場ができるプロセスの研究をされています。書籍「エフェクチュエーション優れた企業家が実践する5つの原則」が話題となり、学長とゲストとして雑草ラジオで話を盛り上げたことから、今回の出演に至りました。エフェクチュエーションとアジャイル開発は類似しており、エフェクチュエーションにはアカデミックな意味があると考えられています。また、企業家やデザイナー、エンジニアなどのエキスパートが体系化されていなかった合理的な方法を生み出すための手段として、エフェクチュエーションが役立っています。エフェクチュエーションの普及プロセスと日本における普及プロセスについて話され、関西学院大学のビジネススクールの方々がエフェクチュエーションを実践していることに触れています。

ザッソウラジオの紹介と吉田満梨さんのご紹介
スピーカー 1
くらぬきです。
スピーカー 3
中山です。
スピーカー 1
ザッソウラジオは、くらぬきと学長こと中山さんで、僕たちの知り合いをゲストにお呼びして、雑な相談の雑草をしながらイルコをしゃべりしていくポッドキャストです。
3月のゲストは、神戸大学大学院経営学研究科、準教授の吉田満梨さんです。よろしくお願いします。
スピーカー 2
よろしくお願いいたします。
スピーカー 1
ということで、最初にゲストの吉田さんをご紹介させていただきますが、吉田さんはマーケティング論を専門にされていて、新しい市場ができるプロセスの研究をされております。
これまでにも様々な著者を出されているんですが、2023年の8月ですね、教書で出版されたエフェクチュエーション優れた企業家が実践する5つの原則というのが、経営者の間で話題の一つとなっているということで、
僕と学長も出てすぐ呼びまして、雑草ラジオで盛り上がって、2人会をそれだけで話終わるというぐらい話題に、僕らの中では最高に話題沸騰した一冊でしたね。
スピーカー 3
それを吉田さん聞いてくださって、今日に至ってますよね。
スピーカー 2
雑草ラジオで取り上げてくださったことを知って、私も興奮しまして、そのちょっと後に学長と直接お会いする機会があったので、楽しみに参りました。
スピーカー 3
ありがとうございます。その機会というのが、吉田さんとその協調者の中村隆太さん。中村隆太さんは裏抜きさんの繋がりあるんですか。
スピーカー 1
繋がりはあるんです。もともとサイボーズの方、今もサイボーズ?
僕はサイボーズの青野社長も含めて仲良しというか、よくお仕事もさせていただいたりしているので、その関係で中村さんともお話したこともありますね。
スピーカー 3
吉田さんと中村さんが東京でエフェクトチュエーションのイベントをやるということで、主催者の谷口さんからおいでって言って呼んでいただきまして、イベントの前に何人かでランチするから来ませんかって言われて、そこで初めましてでですね、っていう繋がりです。
スピーカー 2
たぶん谷口さんも初めて初対面だったんですよね、学長と。
スピーカー 3
そうですね、リアルは。
スピーカー 2
すごい好きで、一回お会いしたかったので、これだけしましたって。
スピーカー 3
そんな繋がりです。
スピーカー 1
なるほど。じゃあ学長と吉田さんはその時に会ったきり?
スピーカー 3
そうです。
スピーカー 1
そうなんですか。その時はゲストで、ゲストというか、学長は普通に参加者で。
スピーカー 3
僕はもう一参加者。
スピーカー 1
一参加者で。
スピーカー 3
一参加者で。
そういうこと?
吉田さん、中村さんとランチを一緒に食べられる件付き参加者です。
スピーカー 1
いやいや、一番いいビップ席じゃないですか。一番いいチケットを手に入れましたね。
スピーカー 3
いや、本当参加者の方々が豪華すぎて、ちょっと恐縮するような感じのイベントです。
エフェクチュエーションの広まりと日本での反響
スピーカー 3
でも本当、それこそさっき楽屋でも話に出ましたけど、今日の日経新聞にもエフェクチュエーション広まるとあるって出てましたよね。
スピーカー 2
はい、おかげさまで、すごいいい記事にしていただきまして、確かに最近、急速に知ってくださっている方がますます増えているというふうに思っているんですけども、
でも多分、お二人も含めて共感して、それを発信してくださっている方々も多くいらっしゃるので、その効果がすごく大きいのかなというふうに思っています。
スピーカー 3
今、引っ張りだこじゃないですか、吉田さん。
スピーカー 2
いやいやいや、でも私は本当は10年くらい前に1回、提唱者の本を翻訳するということをやりまして、それで英語から日本語にして読めるようになったから、これで広まるかな、もう私の仕事は終わったなくらいに思ってたんですけど、
その後、結構、お手に取っていただいた方がいらっしゃるかもしれないですけど、すごい分厚くて、6,000円くらいして重たいっていう、通勤で持ち歩けないし、高すぎるし、博士論文がベースの本なので、そもそも中身も難しすぎるとかっていうので、
はい、今回もう1回出させていただく機会をいただいたんですけど、でも、今回こそ2回目の翻訳をアカデミアの言語からビジネスパーソンの方々に伝わることができていたとしたら、やっとここで私の仕事は一定終わったかなというふうには。
スピーカー 3
そんなすぐ終わらへん。
スピーカー 1
いやいや。
スピーカー 2
なんか、はい、たぶんこの後より現場に近い問題をいろいろ見てらっしゃるとか、支援されている方々がそれぞれの活用のされ方とか、言い換えも含めてされていかれると、ますます広まっていくみたいなところがすごく重要かなというふうに思っております。
スピーカー 1
もともとは10年ほど前にもうすでにあった考え方というか、なんですよね。
スピーカー 2
そうですね、最初にサラスバシーという提唱者が論文を発表したのが2001年のことで、それも結構有名なジャーナルっていう学術雑誌に載って、そこで一定のインパクトがあったのを私が初めて知ったのが2009年とか10年とかだったんですけど、
その時にすごい新しいと思ってびっくりして、だけど探してみたらすでに10年くらい前に提唱されているっていうのでますますびっくりしたみたいな感じのやつが、世界的にトレンドができてきて、今日本にもそれが入ってきて広まっているという感じだなと思ってます。
スピーカー 3
世界的にもエフェクチュエーションが広まりつつあるのが最近の感じなんですか?
スピーカー 2
そうですね、でも結構ビジネス教育とかには10年くらい前の段階でも結構ビジネススケール向けのテキストブックとかは何百個とかで採用されていますみたいな話があったので、一定普及している状況だったとは思うんですけど、
でも結構日本でのここ最近のこのエフェクチュエーションの広まり方とか素晴らしい反応とかっていうのは、多分他の国と比べてもかなり盛り上がってるんじゃないかなって私個人的には思っていて素晴らしいなと思ってます。
スピーカー 1
今だからこそ、なんとなく僕は去年本出されて、タイミングとしてこの今の時代にめちゃくちゃ合ってるなっていう感じがやっぱりしたので、それこそ20年前とか10年前、例えば10年前だと僕が創業したのが2013年に創業してるんですけど、
その前に2年間社内ベンチャーってやった時に、やっぱりその大きな会社の中で社内ベンチャーの企画書を作ったんですよ。で、その時はめちゃくちゃ高税賞な企画書を求められたし、まあそれこそお前それは前例がみたいな、もしくはそれはマーケットなんちゃらしたのかみたいなとか、まあまあなるほどみたいな世界観があったんですけど、
でも今その日本だとそこからITが広まり、スタートアップのブームが来て、新記事がやる人が増えてきた中で、なんかもう予想するだけじゃなくて、それこそリーンスタートアップとかなんかいろんな流れがあった中で、柔軟に対応していかないとうまくいかんよねっていう空気感が醸成されてきて、
で、エフェクチュエーションが出て、あ、それってちゃんと学術的にもなんか考えられてるのに合致してるんだっていうのが、なんとか僕が読んだ時の感じだったんですよね。
スピーカー 2
でもすごく共感します。なのでタイミングが本当に良いタイミングで、私が関わらせていただいたとは思ってまして、多分そのそれまでの新規事業開発の試行錯誤があって、やっぱりその構成性的なやり方だけだったらうまくいかない問題があるってことを多くの方が認識したみたいなこともそうですし、
これまで安定的だと思ってたビジネス自体が結構コロナみたいなことがあって行き詰まったみたいな経験をされた方も多かったので、すごく関心が高まってるタイミングであるってのは本当にそうだなと思ってます。
スピーカー 3
で実際、いろんな人、いろんな人というか僕が一番最初にエフェクチュエーションっていう単語を聞いたのは多分竹林さん、Cさんだった気がするんですけど、でもエフェクチュエーター、エフェクチュエーションを実践するタイプの人でエフェクチュエーターと呼ぶとして、エフェクチュエーターの人たちははいはいはいいいよねこれって大体なるじゃないですか。
わかるわかるみたいな。で、だんだんそういうコーゼーションの人にエフェクチュエーションの話をする機会が多分増えてると思うんですけど、どんな、今のコロナ時にはどんなですか?
スピーカー 2
とってもいいご質問だと思ってまして、やっぱり本当そうなんです。海外でも日本でも多分この話を広げてくださってる方ってもともと言葉にはしてなかったけど、エフェクチュエーション的なことをやってらっしゃる方がそういう言葉があるんだとか、すごくそれはよくわかるみたいな話なんですが、この私教育に結構7年8年くらい関わらせていただいてるんですけど、ビジネススクールでやっぱこう教えるときに、
そういった方ももともとやってらっしゃる方も混じってはいらっしゃるんですが、そうじゃない方に本当にこれが学習できるのかなとか、わかっていただけるのかなっていうようなところがあったんですが、結論からするとこれ考え方を知っただけだったら多分やったことがない方はかなりわからないっていうか、どういうことなのかとか本当かなとかって思われると思うんですけど、
ただその授業とかでも演習と組み合わせて、かつエフェクチュエーションやってる方が混じってる感じの演習とかでやると、かなりその行動を伴って自分が経験するとかなりわかるようになっていくんだなっていうふうに思ってますので、
ですので、多分ちょっと思われてる通り、これ全くその馴染みがない方っていうのは、まだなんだろうっていうふうに思っていらっしゃるんだろうなと、よくよくたまに出てくる新しい海外から来た一つのバズ的な考え方かなっていうふうに思われてる方もいらっしゃるかもしれないですけども、
やってみるとそうじゃないとか、なんか自分の普段コーゼーション的に仕事をしたとしても、自分のあの経験ってエフェクチュエーション的だったんじゃないかみたいに、なんか自分ごと化していただける方がすごく増えて広がってるのかなっていう印象はすごく持ってます。
スピーカー 1
おだしょー 自分は演習というか、エフェクチュエーションを体験する演習があるんですか?
スピーカー 2
森 そうですね。あるというか、もともとの海外で使われているテキストブックとかも演習ベースではないんですが、こんな問いを考えてみましょうみたいなやつから私が拾ったりとか、あといろんなところからこれは使えるんじゃないかみたいなものを組み合わせて、なのでビジネススクールとかであれば3時間かける8日の2ヶ月間くらいで授業が組まれてるんですけども、
エフェクチュエーションとアジャイル開発
スピーカー 2
その毎回の授業のセットで、次回までに考えてきてほしいみたいな演習課題をお願いしてまして、職場会であれば手持ちの手段を棚出ししてきて何ができるかみたいなことを考えてくださいね。
それを次回の冒頭でみんなで共有するみたいなこととかを繰り返し繰り返しみたいな感じですね。
スピーカー 1
なるほど。エフェクチュエーションは確かに本を読むだけで納得できるもんじゃないというか、日本語の言葉の理解はできるけど、よくわからないなって方はやっぱりいらっしゃるので、そういう体験してみないとわかんないやつだなっていうのは、
なんかそれって、僕はエフェクチュエーションどちらかというと読んで、学長ともそうだったんですけど、まあそうだよねとしかまずないみたいな。
スピーカー 3
これ以外でうまくいかないよね、新しいの。
スピーカー 1
でもこれのやり方、言葉なかったけどエフェクチュエーションって言うんだねっていう共通言語になったっていうのが、読んだ時の感覚で、
でもこれはね、僕が昔というか、システム開発をやってる人間なんですけど、そのアジャイル開発っていう考え方があって、でそのアジャイル開発っていうソフトウェアの作り方を知った時と同じ感覚だったんですよね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
で、感覚もそうだし中身もそうなんですけど、その感覚としては、僕はいいプログラミングとかいいソフトウェア開発したいと思って、独自にいろいろ考えていたやつをアメリカのケントベックという人が言い出したアジャイル開発の本を読んだ時に、
自分のやってたやつはアジャイル開発だったんだって思ったので、そっから僕はそのアジャイル開発っていうのを自分の理想の姿を言葉として使うようになったっていうのと同じように、自分が経営してきたやつなんか他の人とちょっと違うんだけど、何て言ったらいいのかなと思った時に、
エフェクチュエーションって言えばいいんだみたいな感覚を持てたなっていうのが、なんか本当に同じ感覚、言葉を見つけてきてくれたというか、こういう言葉でいけばみんなに説明するのめちゃくちゃショートカットできるなみたいな。
スピーカー 2
大平 素晴らしいです。アジャイル開発もやっぱりもともとやってらっしゃって同じ感覚で受け入れられた方々がいらっしゃるってこともすごい初めて、確かにそうだろうなっていうふうに思いましたし、すごくよくわかりますね。
スピーカー 3
結局、コーゼレーション型のウォーターフォールっていうやり方だと、みんなうまくいかなくなって、スコーナー人が増えてるなっていうところからのアジャイルですよね。
スピーカー 1
だし、僕からすると、アジャイルをずっとやってきた人間からすると、エフェクチュエーションは、アジャイルを経営とか人生とかに応用したものに感じられるというか。
スピーカー 2
大平 なるほど。
スピーカー 1
エフェクチュエーションとアジャイルが近く、コーゼレーションとウォーターフォールが近いっていう感覚は僕の中ではあるんですね。
スピーカー 2
大平 すごくそれは共感します、そうだと思います。なので、多分アジャイルとかと近いって言われることがあるのは、デザインシンキングとかも多分エフェクチュエーションと近いって言われたりするんですけど、個人的な解釈としては、やっぱりそれは既存のコーゼレーション的なウォーターフォール的なやり方だと立ち行かなくなってるっていうのは問題に、
エフェクチュエーションの神話性
スピーカー 2
大平 なんか試行錯誤で対処されてきた熟達者の方々が経験的に生み出されたうまくいく方法みたいなことで、アジャイル開発みたいなやり方が生まれたのと同じように、多分企業家の方が同じような形で生み出されたと。
大平 なので、それぞれにやっぱり熟達、エキスパートのデザイナーの方とかエンジニアの方とか企業家の方っていうのが、多分これまでうまく体系化されていなかったような合理的な方法を生み出すっていうところから来てるので、そこはやっぱりすごく神話性があるっていうのは納得するなっていうふうに思ってます。
スピーカー 1
確かに、職人芸というか、アートに近いというか、多分企業家でうまくいってる方も体系化されてないので、その人ならではのセンスみたいな、今まではうまくいってる企業家はセンスがいいからうまくいってるみたいなふうに思われていたものが、それを体系化するとこうなったんじゃないみたいなことって、
多分アジャイル開発もいいプログラマーがなんとなくセンスでやってたとみんなから思われてるんだけど、それを体系化するとみんなできるようになるかもしれないっていうのが、それが多分アカデミズムの意味があるところなんじゃないかなと思うし、なんかそれをされてるのかなっていうふうには今聞いてて思いましたね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 3
しばやん あと僕ちょっと思うのが、今までって企業家の人が上場するなり成功した後にインタビューとか受けると、最初の頃からこういう夢を描いて頑張りましたみたいな、コーゼーション的な枠組みで答えたりとかしがちじゃないですか。
だから。
スピーカー 1
しばやん そのほうがかっこいいね。かっこよく見えちゃうね。
スピーカー 3
しばやん そう、夢を諦めなかったらできましたみたいな。
スピーカー 2
しばやん いや、本当に学長のおっしゃることその通りで、だから私も含めてインタビューをさせていただく、成果を出した方の事例とか分析させていただくってことは研究者はやるんですけども、多分語る方にとっても明確な因果関係があったかのようなストーリーで語ることってすごい説明がしやすいですし、賢い感じもしますし。
我々としても解釈しやすいし、ストーリー化しやすいので、なんかそのコーゼーションバイアスで全部のストーリーが割とちょっといがめられてきたみたいなところっていうのはすごくあると思います。
しばやん それがあるな。
エフェクチュエーションの説明と誤解
スピーカー 2
しばやん 方法論にもあるんだと思ってまして、彼女の先生がハーバート・サイモンっていうノーベル賞を組織論の分野でも、ノーベル経済学賞を取られた先生ですけども、その後、人工知能のパイオニア的な研究をされる中で、思考のパターンみたいなことを抽出するプロトコル分析っていうのを開発されて、そのやり方で意思決定実験でリアルタイムにこの問題にどういうふうに考えて対応するかみたいなことのやり方で、
やってもらったら、そのコーゼーションのストーリーに回収されないエフェクチュエーションのパターンが出てきたっていう。なので、はい、そのコーゼーションバイアスがかからない方法だったから、多分、今になってこれが発見されたっていうことはすごくあるのかなと。
スピーカー 3
おー、なるほど。
スピーカー 1
そうなんですよね。取材とか、僕も受けたりしたときに、取材受けてしゃべる方からすると、個々の出来事なので、筋道立てて説明できちゃうんですよね。
で、そのときそのとき、そんなに筋道考えて考えたというよりは、その場にあるもので何とかやってきたんだけど、取材で振り返って聞かれると、順応と説明すると、いやーさすが、もう案外作られてきましたねとかって言われて。
で、このコロナのときに、僕らの会社リモートワークって言って、みんなずっと全員リモートワークで自己仕事をしてるんですけど、そのコロナ以前からやってたんですね、僕らね。
で、2016年ぐらいからオフィスなくして、みんな在宅勤務でお仕事するっていうのをやってたんですけど、これも社員の採用を考えたときに、東京一極集中だと採用難しいので、地方の社員でもいいから人採用しようってして、地方でいい人がいたら採用するのを続けていったら、リモートワークしかないという状況になってた結果、コロナになったときにめちゃくちゃリモートワークで注目されたときに、
くらなきさんさすが先見の銘ありますねとか言われて。
スピーカー 3
おだしょー 出た先見の銘。
スピーカー 1
おだしょー いやー、まあそうですねとも言えず、でも違うとも言えず、なんか言われるんだけど、でも取材する側からすると、多分先見の銘があり、そこを考えてやった経営者の人って取材したいんでしょうね。
スピーカー 3
おだしょー 質問、質問リストがCausationOSのリストが並んだ。
スピーカー 1
くらなきさん OSの感じで来られちゃうから、いやーCausationになっちゃうんだな、結果としてのいろいろ分析する側がどうしてもそのほうが理解しやすいので、因果で説明したくなっちゃいますもんね。
スピーカー 3
おだしょー エフェクチュエーションOSがない人がその話聞いても、なんかやっぱ成功者は運がいいっていうことですか、みたいになりますね。
スピーカー 1
おだしょー 確かに。なんかで読んだけど、人間は何か起きたときに、全部因果をつい考えちゃうらしいですね。
因果関係本当はないんだけど、占いで悪いこと言われて、本当に悪いこときたら、これはやっぱり占いで悪いこと言われたから、悪いこと起きたんだっていうふうに脳が勝手に結びつけちゃうらしいですよね。
っていうのが人間の性質がある、脳の性質があるって聞くので、多分そのうまくいってる人の話を聞くときに、なんかあったからうまくいったんでしょっていうふうに聞きたがるし、
言ってる方も、やっぱあれがあったからだなっていうふうに言えたら、それだけじゃないはずなのに、全部その逆因果というか、その説明になっちゃうんじゃないっていうのは、これなんか人間コーゼーションバイアスあるんだなって。
スピーカー 3
いろんな複雑系で物事起こってんのに、後から簡単に説明しようと思ったら、一本の因果の数字を話すしかなくなります。
スピーカー 1
そうそうそうそう。無数の可能性があったはずなのに、逆に引いてくと一本に見えちゃうのは、逆に引くとそう見えちゃうっていう。
スピーカー 3
フジルさんに伺いたかったのが、前にお会いしたときに、自分もともとエフェクチュエーションみたいなタイプじゃないみたいなことをおっしゃってた気がするんですけど。
スピーカー 2
されてましたね。
これもちょっとエフェクチュエーションバイアスかもしれないですけど、後で知って自分のことを振り返ると、多くの方そうかもしれないけど、要素としてはやってるなみたいなところの自覚はあるかもしれないですが、
私が結構言われることが多いのは、企業家でも経営者でもないので、何偉そうなこと言ってんだってことだと思うんですけど、エフェクチュエーションを知ってほしいと思って説明すると、あなたは何をされたんですかみたいな。
エフェクチュエーションの普及プロセス
スピーカー 2
エフェクチュエーションはあなたのエフェクチュエーションなんですかって言われるんですけど、確かに私先ほど経験しないと結構分かりにくいって申し上げた通り、私経験してるから分かってるんだろうなっていうのはすごい思ってまして、
何だったかというと、もともとエフェクチュエーションを理論だけ知っていて、いろんな論文とか読んでいて、こういう考え方だっていうのは言えてたんですけど、腹打ち感がないっていうか、なぜこの5つなんだろう、6つ目はないのかとか、なぜ3つじゃいけないんだろうとか、全然わからなかったんですけども、
今はそこの整合性がすごく見えるようになってるのは、エフェクチュエーションの普及プロセス、日本における普及プロセスがかなりエフェクチュアルに進んでいって、その中心に巻き込まれて関わってて、エフェクチュエーションを体験してるっていうのが多分私の一番大きな経験かなっていう。
スピーカー 3
おもしろい。まさにそうですよね。おもしろいとか知り合った人が、おもろいこの考え方って言って、はしゃぎ始めて、何か転がっていくみたいな感じですよね。
スピーカー 2
そうですそうです。だから私は、もともとは新しいマーケット創造みたいなところを説明する理論として、これが妥当かどうかも判断できるくらいのベースはなかったんですけど、初めて新しいないところに市場ができていくみたいな、同じ問題意識を持ってるグループの人たちがいるっていうのに興奮して、研究を始めて役所を出して、
なので、そこまでで一定仕事終わったって思ったのは、これが私みたいな関心持ってる方も多くないだろうし、どう使われるかわからないけどと思ってたんですけど、実際に当時は研究者の中でエフェクチュエーションどうこうみたいなことが今よりもまだまだ少なかったので、ほとんど無反応みたいな、私がエフェクチュエーションのことを説明しても無反応みたいな感じだったんですけど、
やっぱりやってらっしゃる実務家の方々のコミュニティとお会いしたときに、これすごい良いからもっと広めた方がいいっていう、なんか思ってもなかったポジティブな反応をいただいて、そうなんですかとかって言って、
で、関西学院大学のビジネススクールの方々がその最初のグループだったんですけど、すぐに授業を作るっていうふうに動いてくださって、授業を作っていただいて始めたら、なんかますますその私帰ってくるフィードバックがポジティブなやつが大きくなってきて、どんどん実践者の方々、エフェクチュエーション実践していろんな活動を生み出す方々が増えてきたので、
ちょうどその時に文科省のエッジプログラムっていうので、サラスバシ先生が日本に招聘されて、初めて直接お会いしたり、一緒にワークショップしていた機会があったときに、これをすごい知ってほしいなっていうふうに思って、サラスバシ先生との関係が深まり、
サラスバシ先生に知ってほしいと思ったきっかけで、私が当時いた立命科大学でやったワークショップに、エフェクチュエーションをやって関心を持っている方々がたくさん来られていて、その人たちがますます盛り上がって、それこそ今回の本の出版につながるような普及をどんどんやっていきましょうみたいな感じで、私を巻き込んでいただいた結果、
いろんなパートナーの方々が、それこそお二人も含めて出会って、今に至るっていう感じですね。
スピーカー 1
エフェクチュエーション、エフェクチュエーターですね。
関西学院大学のビジネススクール
スピーカー 2
結果的に。
スピーカー 3
クレイジーキュート大増殖中な感じですね。
スピーカー 2
私は自分からことを始めるっていうよりかは、巻き込まれたものからレモネードを作るみたいなところは、すごくやってるかもしれないっていう自覚がある方なんですけど、だから結構巻き込んでいただいたおかげで、多分自分では考えていなかったみたいな、すごい遠くの場所まで行けるようになってるっていう感じがすごくしてます。
スピーカー 1
この話はまだまだ続きそうなので、第1回としてはもう十分なトレーダー化になりましたので、引き続きお話をお伺いしていけたらなというふうに思います。ということで、今週はこの辺で。また来週。
28:38

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