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#ポリヴェーガル理論 #凍りつき #解離 #防衛反応 #トラウマ反応 #背側迷走神経複合体 # トラウマ・インフォームド・ケア
サマリー
このエピソードでは、極度のストレス下で起こる神経反応「凍りつき」と「解離」について詳しく解説しています。ポリヴェーガル理論に基づき、青のブレーキ神経(背側迷走神経複合体)の働きが、身体や心をどのように守るか、またこれらの反応がトラウマとどのように関連しているのかを探ります。 さらに、凍りつきや解離への適切な対応方法についても言及し、トラウマに配慮したケアの重要性を解説。「トラウマ・インフォームド・ケア」という概念にも触れています。これらの知識は、人や動物に関わる対人支援の分野で特に重要です。 また、緑のチューニング神経(腹側迷走神経複合体)の育成が、トラウマ反応の回復や予防にどのように役立つかについても探っています。
ポリヴェーガル理論の導入
こんにちは。のびやか四葉カフェをお届けしています。
公認心理師の四葉さわこです。
今回は、徹底解説、
「凍りつきと解離、青の緊急ブレーキ反応」
という内容についてお届けいたします。
あなたは、凍りつきとか解離という反応について、どこまで知っていますか?
神経は、極度のストレスがかかったときには、緊急ブレーキを発動します。
その結果、凍りつき反応とか解離という状態になるんですけれど、
そういう反応が起きるということ、
そのメカニズムとか、そういうものを知ることは、
人とか動物と関わる人にとって、結構不可欠な知識です。
実は、トラウマにもものすごく関係する内容です。
なので、ご興味ある方はぜひご視聴ください。
ではここまで、知っておくと役に立つポリヴェーガル理論ということで、
解説を何回かにわたってしてきています。
ポリヴェーガル理論、大きく3つの神経系に分けて説明するんだとお話してきましたね。
音声版の方は無料で一般公開でお話ししています。
スライド付きの動画版については、
noteで運営しているオンラインサロンのびやか四葉カフェの方に入会していただくと、
過去に配信したものも含めてご視聴いただくことができます。
月額1,000円からご視聴いただけますので、
ご興味ある方はぜひご加入ください。
ちなみに今回の内容は事前の予告とタイトルの言い方が変わっているんですけれど、
内容としてはもともと予定していた内容になっています。
前々回かな、シャープ7の方で緑のチューニング神経について説明してきました。
前々回が赤の方ですね、交感神経、赤のアクセル神経について説明してきて、
前回から青のブレーキ神経についての説明をしてきました。
このブレーキが強くかかるとうつ状態とか、すごく消耗して動けない状態になるというのが前回の内容で、
今回は本当に特別反応ですね、緊急事態に青のブレーキ神経が効くことでこんな反応が起きるよという解説になっています。
じゃあまず最初にね、青のブレーキ神経について前回の内容も軽く復習しておきましょう。
改めて青のブレーキ神経とは、ポリヴェーガル理論では正式名称は背側迷走神経複合体です。
一般的には副交感神経と言われているものに近いですね。
厳密には全くイコールじゃないんだけど、大部分が近いです。
この神経はざっくり説明すると、車でいうとブレーキのような役割なんだと、カラダを不動化させる方に働く。
通常時にはカラダを休ませるとか、食べ物を消化するということになっている神経なんだけれど、
緊急時には、今回説明する内容ですが、凍りつき反応というもので身を守るんですね。
だから青のブレーキ神経の働き、キーワードとしては、休息、消化、凍りつき、この3つを覚えておくと間違いありません。
それをイラストで表すと、このスライドに表したような感じ。
凍りつきと解離の理解
内蔵の消化器官のところに届いているもの、心臓にもつながっているんですけど、そういう神経です。
このブレーキ神経の効き方には幅があるんだという話をしてきました。
本当にブレーキとして休息とかカラダの動きを減退させるっていう日常的な睡眠にも関わる働き方もあるし、
でもこのブレーキが強めにかかるとうつ状態とかにもなるっていうのが前回の内容。
今回の内容が本当に一番端っこですね。緊急停止レベルの凍りつく固まる思考停止、解離麻痺、この辺りの解説になっています。
ではここから本編になりますね。本題です。第2章、凍りつき、解離という極限反応についてです。
最初に結論を言います。今回一番伝えたいことはこれです。
人も動物も極限のストレスがかかると神経が緊急ブレーキを発動するんだということを知っていてほしいんです。
その結果起こるのが凍りつきや解離という反応です。
これらはトラウマ反応にもとても関連していて、これらを知ることは人や動物を理解して適切に寄り添うために欠かせない知識です。
だからこの機会にぜひ学んでいってください。
この章ではこの凍りつきや解離を理解するために次のような流れで説明していきます。
まず極限ストレスと三大防衛反応について、緊急ブレーキ反応はこういうのだよということ、
その緊急ブレーキ反応で起きる大きな2つ、凍りつきと解離について順番に、凍りつきとはこういうもの、解離とはこういうもの、
あと解離性障害というものもあるんですよね。
この解離と解離性障害の違いというか、そのあたりにもちょっと触れてみたいと思います。
ではまず極限ストレスと三大防衛反応について知ってください。
この緊急ブレーキは極限ストレスがかかったときに、降りかかったときに発動するんですけど、その極限ストレスというのはどういう意味か。
その人が耐えられる限界を超えているような強いストレスのことを極限ストレスと私は今回話しています。
これは生命の危機とかトラウマになるようなレベルのストレスのことです。
それが極限ストレス。
「その人」にとって限界を超えるということなので、同じ出来事とかによっても人によって大丈夫という人もいるかもしれないし、限界を超えるという人もいるかもしれない。
これは個人差がもちろんありますね。
でもそういう極限ストレスがかかったときに、体はあるいは自律神経は三大防衛反応を起こすと言われています。
これは聞いたことある人も多いかもしれませんね。
3Fとかも言いますけど、逃走、逃走、凍りつきの3つの反応です。
まず闘争、闘う方ですね。ファイト。
極限ストレスがかかって、なんだよ、びっくりするなって怒鳴るとか、攻撃する、かんしゃくを起こす、暴力を振るうということもあるかもしれません。
そういう闘う方の反応がストレスに対してかかるということもある。
あるいは逃げる方の逃走、英語で言うとフライトですね。
パニック発作もこちらに入ります。
パニック発作、過剰に警戒する、その場からまさに逃げるという逃走反応です。
闘うも逃げるもできないときに起きるのがフリーズ、凍りつき反応です。
声が出ない、カラダが固まるなどです。
これざっくり2つに分けたら、動く方、闘うか逃げるかの可動化反応、逃げる方、動く方、動かす方で反応するか、あるいは動かない、不動化の方の反応で起きるか。
大きく分ければ2つ、3大で分けると逃走、逃走、凍りつきという感じになっています。
不動化反応、止まる方の反応ですね。極限ストレスがかかって緊急ブレーキが発動する。
この緊急ブレーキ反応とは何か。
極限ストレスがかかったことで、最初は強いアクセルと強いブレーキのグッという同時踏み状態みたいになったのが、なるんですね。
次にアクセルの方が外れて、強いブレーキ、つまり背側迷走神経、青のブレーキ神経ですね。これだけがかかった状態になる。
それを緊急ブレーキ反応と私は説明しています。
だから厳密に言うと、神経的には2段階になっているわけですね。
車ですごくスピードを出しているんだけど危ないという時に、車も自動で緊急ブレーキがかかったりするじゃないですか。
その瞬間でアクセルとブレーキのガッと同時踏み状態みたいになりますよね。
その状態です。その後アクセルは外れてブレーキだけという状態になりますよね。
この緊急ブレーキが起きると、凍りつきという反応、あるいは解離という反応が起きるんですね。
この凍りつきと解離の反応について一つずつ説明していきます。
まず凍りつきとは、凍りついて動けなくなる、動かなくなる防衛反応のことです。
定義としては、極限のストレスや危機において体や心が動けなくなるという防衛反応です。
自己防衛のためにカラダがそういう反応を起こしているんですね。
この体や神経の防衛戦略としては、自分を守るために動かないというのを選択しようという意味なんです。
野生動物もそうなんだけど、捕食動物に襲われているとき、シマウマがライオンに襲われているようなときに
反撃すると余計にやられるということがあるわけですよ。
そこで動かない、死んじゃったのかな、みたいな状態になること、無抵抗になることで
それ以上攻撃の手を強めないんですよね、野生動物とかって。
あるいは死んだ動物を食べることって、動物に害があったりすることもあるから
相手が死んでいると思うと、手を出さないみたいなこともあるらしいんですよね。
とにかくそういうふうに動かないとか、死んでいるかもという状態になることは
それ以上攻撃されないという被害を最小限に食い止める効果があるので動かないをする。
あるいはそういうふうに動かないで油断させて、なるべくこのエネルギーを温存しておくことで
チャンスがあったときに隙を見て逃げられるかもしれない。
そのエネルギーを温存しておくという効果もあります。
とにかく身を守るために役立つので防衛戦略としてこの反応を起こすわけです。
防衛反応の具体例
この凍りつき反応のイメージとしては、車を運転する人なんか経験ありますかね。
車が走って猫がいて、走っていて、道路の真ん中で猫が止まっちゃう、動けなくなってる。
あれも凍りつき反応ですよね。
逃げればいいのに何で止まるんだみたいな。
あれ凍りつき反応です。
あとはさっき説明したライオンに襲われるシマウマが動かなくなっちゃうみたいな。
そういう状態も凍りつき反応になります。
動物で説明しましたけど、人間でも私たちでも実は誰でもちょっとした凍りつき反応は
経験していることあるんですね。
その具体例をいくつか出してみました。
まず緊張したり恐怖でカラダが固まる凍りつくって時ないですか。
例えばみんなの前でプレゼンしなきゃいけない。
みんなが見てるっていう時に思わず動かなくなっちゃう、固まっちゃうありますよね。
あとはもうそういうプレゼンの場面もあるかもしれないけど、
すっごくびっくりして大きな物音とか事故を見ちゃったっていう時に
頭が真っ白になったり働かない、思考停止になる。
これも凍りつき反応。
あとその恐怖やストレスで口が動かなくなる。
口が聞けなくなる、出なくなるっていうこともあるし、
あと強いストレスを感じた時にフリーズなんて言葉も使えますよね。
突然犬が出てきたり蛇が現れてフリーズ。
ありますよね。
あれ全部凍りつき反応。
だから実はそんな珍しいことではないというか、
人間動物としてよく実は起きることがある反応です。
次に解離の方ですね。
解離は凍りつきに重なる部分とか近い部分もあるんだけれど、
凍りつきが固まるだとしたらこっちは切り離す。
凍りついた感じと切り離す感じがある反応です。
これも心やカラダを守る防衛反応です。
定義としては、とにかく逃げることも闘うこともできないという時に、
感覚や意識を切り離して心とカラダを守る防衛反応、
現実感が薄れる、感覚が遮断されるみたいなように、
意識や記憶が分離する、切り離されるっていうのが特徴です。
生物としてこの手段を取る防衛戦略としては、
例えば、さっきライオンとシマウマの話をしましたけど、
襲われて食べられてしまうみたいな状況になった時に、
食べられている状況を感じているってきついですよね。
体も痛いし、心も恐怖でいっぱいですよね。
そんな耐えられない状況の時に、
苦痛を感じないように、感じないようにしちゃうんですよ。
感覚を切り離しちゃう。
そうすることで少しでもその苦痛を軽減して生き延びようとする防衛戦略。
あるいはその恐ろしい記憶とか感情を切り離すことで、
その場をこなすとか乗り切るということもある。
痴漢とか不審者に襲われてしまって、
でもその場を下手に動くよりは我慢するというか、
固まって感じないようにしていることで、
そのうちその危険人物が去ってくれるという可能性もあるわけですよね。
そういう防衛戦略なわけです。
ちょっとこういう話をしていると、聞いているだけで反応しちゃう人もいるので、
ふぅー、ちょっと大丈夫ですか?呼吸してますか?皆さん。
足は床とかについてますか?
ちょっとこういう話を聞いていて、
自分も変な感じしてきた人は、ここで見るのを止めたりとか、
呼吸を意識したりとかなさってくださいね。
この解離という反応、イメージとしては、ぼんやりするとか意識が飛んでいる、
その時のことを覚えていないとか、離人感みたいな言い方もしますね。
この解離反応も実は誰でも経験することがあったりします。
具体例をいくつか出しました。
例えば、この受験で自分の進路が決まるみたいなテストの時とか、
長い会議が続いているみたいな時に意識が飛んでぼーっとする。
ちょっと眠くなってみたいなこともあるかもしれない。
凍りつきと解離の理解
あとは、重大な出来事に直面しているんだけれど、
感情が麻痺しちゃって何も感じられないような感覚、心が動かないみたいな感じとか、
事故や衝撃的な場面で時間が止まったように感じるとか、
スローモーションのように感じるみたいなのも解離反応ですね。
そういう衝撃的な場面とかトラウマとなるような状況で、
現実ではないみたいな他人事のような感覚になっている。
大切な人を亡くしたという時に、お葬式とか身内側でやる時に、
他人事のようにその場は取りしきっているんだけれども、
何か現実感を感じていないみたいなね。
それも解離反応です。
ここまで話してきた解離という反応と、解離性障害と言われているものについて、
共通する部分と違う部分を、この機会にちょっと説明したいと思います。
解離というのは基本的には一時的な反応なんですね。
ストレスから心を守るために一過性の反応として起きているもの。
これは誰にでも起こり得る自然な防衛反応です。
現実感が薄れたり感じないとか、そういう状態になるのが解離。
解離性障害という言い方をするものがあります。
これは本来は解離というのは一時的な反応なんだけど、
それが慢性化しちゃったり深刻になっているものが解離性障害です。
障害というぐらいだから、日常生活に支障をきたすレベルの反応ですね。
解離性障害という診断がつくというか、そういう状態になっている方は、
複雑で長期にわたるストレスやトラウマを経験していることが多いです。
私がカウンセリングで関わっている人もほとんどそうです。
この解離性障害というのも、さらにいくつか種類があって、
例えば解離性健忘、これはいわゆる記憶喪失ですね。
ある一定の時期のこの3年間の記憶がないとか、
あるいはもう本当にこれまでの記憶が一切なくって、
私は誰みたいな状態になっているのも解離性障害の一つ。
あと解離性遁走って言って、記憶がないうちに、
本人もわからないうちにすごい遠くの方まで行ってしまって、
記憶がないまま別の人物としてそこで生活しているとかね、
そういうのもありますね。
たまにテレビ番組で、この人知りませんか?みたいなのをやっている番組、
特別番組とかでやっている時ありますよね。
ご覧になったことある人いますかね。
あと解離性同一症、解離性同一性障害って言ったりもしますけど、
今は同一症っていうのかな。
これはいわゆる多重人格ですね。
本人も自覚していないところで、別の副人格が出てきて、
そんなに生活している、その場で言動しているんだけど、
その時の記憶がないとか、そういう多重人格。
ちなみに私、パーツ心理学とかパーツアプローチっていうので、
自分の中にいろんなパーツがいるよっていうのを、
そういう視点やアプローチもしてるんですけど、
パーツ心理学で言ってるのは、自分の中にこういう部分があるなっていうのを、
ちゃんと自覚してる、理解してる、その時の記憶もある。
これは普通なんですよ、誰にでもある。
天使と悪魔じゃないけれど、そういうところ私あるよねって自覚できてるのが、
パーツ心理学の考え方、パーツ視点なんだけど、
これが本当に入れ替わった時の記憶がないとかね、
本当に人格として表に出てやっちゃってるというかね、
そういうのがここで言うカイリツ性、解離性同一症にあたるものです。
だから一時的な反応、自覚できてるかはパーツのことだから、
一時的に意識が飛んだり真っ白になったりする現実感がないっていうのが解離、
それが慢性化しちゃったり深刻になっているのが解離性障害ということになります。
適切な対応方法
じゃあここまで第2章の内容としてね、
極限ストレスと三大防衛反応、闘うか逃げるか凍りつくか、
その凍りつくかの緊急ブレーキ反応、凍りつきと、
それから凍りつきとかなり関連して解離という反応があるということを説明してきました。
はいじゃあ次に第3章ですね、
凍りつきや解離への対応です。
ここまで凍りつきや解離はこういうメカニズムというか反応なんだよという説明をしてきました。
じゃあ次にその凍りつきや解離の反応に対してどう対応するかということを簡単に説明したいと思います。
ポイントは4つです。
まず1つ目、対応の第一歩は理解から。
2番目、安全とつながりを取り戻す。
3番目、トラウマがすごく関わるので、
トラウマへの適切なケア。
4番目、緑のチューニング神経を育てる。
じゃあ一つ一つについてね、順番に説明していきます。
まず第1番目は、対応の第一歩は理解からです。
理解です。
さっき第2章で説明したような、ああいうことをまず知っててほしいんです。
その理解をしていないと、適切なサポートとか寄り添いができません。
対応、適切なサポートという意味で、改めて押さえておきたい、理解しておきたいポイントがこれですね。
まずその凍りつきとか解離という反応、解離性障害なんだけれど、それは正常な生理的反応なんだってことです。
神経系が防衛戦略としてその反応を選択してるんです。
それは異常な反応じゃなくて、極限時に生命を守るように、本能として正常な反応が起きてるんです。異常じゃないよってことです。
それが慢性化してる人、解離性障害とかね、そういう人は、やっぱり虐待だったり、性的トラウマだったり、
そうなってしまう理由や背景があってなっていることがほとんどですので、そういうことをまず理解しておこうということ。
異常じゃないよ、正常な本能として防衛反応として起きてるんだよってことを理解しておきましょう。
そこを理解しておくことで、無理解による二次被害を防止したいんです。
多重人格的なものもそうだし、意識が飛んだとか、その時の記憶がないとか、それに対して本当に疑ったりね、わざとじゃないのとか。
痴漢にあった人の例で説明するとわかりやすいかな。
痴漢にあって怖くて固まって逃げられなかったっていう人の話を聞いたときに、スライドにも書いたんだけど、
何でそこで逃げないのとか、痴漢に襲われるような隙があったんじゃないのとか、
その人にまるで落ち度があったような、何でこうしなかったのみたいなことを言う人がいるんですよ。
そのことで余計に二重に傷つけます。
セカンドレイプなんて言葉もありますよね。
被害者を攻撃する形ですよ。
つい言いがちな、どうして逃げなかったの、その痴漢にあったときどうして逃げなかったのとか、
どうして大声上げなかったの、どうして抵抗しなかったのって言ってしまいがち、思ってしまいがちなんだけど、
カラダが、神経が本能的に自分の限界を超える恐怖とかを感じて固まっちゃって凍りつくっていうことがある。
声が出せないってことがあるんだなっていうことを理解してほしいんですね。
ここを理解してるのと無理解なので全然違いますからね。
だから、大丈夫ですか?こういう話してるとまた反応しちゃう人もいるかもしれないので。
呼吸できてますか?
そういうことを理解しておきたいですね。
まずはこの理解してるっていうことが重要な対応の第一歩となります。
その上で、次、対応をどうすればいいか。
安全とつながりを取り戻すように意識します。
まずはその神経状態、緊急ブレーキかかってるわけだから、
この緊急ブレーキを解除するためには、そこに危機があったら解除できないから、
まず安全な状態に安全な環境に少しでも早く持っていきたいですよね。
そして神経、カラダの状態を安全モードに持っていけるように。
つまりそれは、緑の腹側迷走神経系が働く状態に持っていけるように意識したいわけです。
神経状態と環境を安全に移行させるということを考えたい。
具体的には、環境を安全調整できるならしたい。
危険やストレスから離れて、少しでも安全な環境に持っていきたいし、
そういう反応を起こしている人に安心感を提供できるようにしたい。
暖かい言葉とか、落ち着いたトーンの声かけがやっぱり助けになりますね。
あと、解離っていうのは切り離される、分離する反応だって話もしましたけど、
そういう時に、切り離すの逆は繋がりです。繋がれるように。
例えば、五感で繋がれるように、その人と優しい感じの目と目で繋がるとかね。
肩に触れるとか、あとその人が固まってなった時に、
カラダの感覚を取り戻せるように、五感に戻れるようにちょっと手をグーパー動かすとかね。
そういうこともいいです。
あとは、今ここと繋がれるように、呼吸を意識したり、グラウンディング。
自分、地に足つくって言うけど、床にね。皆さんも今意識してください。よかったら。
床や地に足がついている、重心がしっかり下に行ってるかなっていうことを感じたり、
あるいは周りをちょっと見渡して、今私こういう空間にいるんだよなっていうことを思い出したりとか、
ということも役立ちます。
安全と繋がりを取り戻す働きかけが大事です。
これはね、私が別の教材とかでもご紹介することが多い、
人と関わっているときとか臨床現場で、クライアントさんとか相談者の方が凍りついたりなんだりしているときの
おすすめのプチ調整として、一緒に手足を動かしてもらうとか、
あと緑のチューニング神経を効かせるために顔面部ですね、この顔とか口をちょっと動かすようにね、
働きかけたりするとか、自分でも意識するとか、
あとはさっき言ったように誰か何かと繋がる、動物でもいいし、自然でもいいし、
そういうことを外の景色見てみてくださいとかね、
そういうのがプチ調整として覚えておくと役立ちます。
トラウマへのケア
次3番目、トラウマへの適切なケアですね。
特に慢性化している方とか、解離がよく起きやすい人っていうのは、
そういうふうになりやすいトラウマを経験していることが多いので、それへのケアですね。
基本的には、もちろん専門家との専門的なケアができるのがいいと思うんだけれども、
ここではトラウマインフォームドケアということもご紹介しておきたいと思います。
軽くね、対人支援に関わる人は、このトラウマインフォームドケアということも知っていてほしいんですよ。
トラウマインフォームドケアとは、対人支援に関わる人が、
トラウマに関する知識や対応を身につけておく、分かっておいて関わるということです。
目の前の人にトラウマがあるかないかは分からないけど、
何か行きづらくなっているとか、相談に来られているということは、別に解離とかの反応がなくても、
もしかしたらこの人も生きづらさを抱えているということは、トラウマがあるかもしれないという前提で、
配慮や対応を行うということです。
だから、全ての支援に適応できるようなトラウマがあるかもしれない人には、
こういうところを配慮しておきたいよね、という5つの柱があるんですよ。
それがこれですね。スライドにも書いてあるけれど、まず1つ目は、
今日説明したようなことです。解離とか凍りつきとか、そういうのがトラウマ反応として、
すごい極限のストレスを感じた時に起きることがあるんだということを知っておくということ。
わざとじゃなくて、もうカラダが無意識にそうさせているんだということを理解しておくということです。
2番目は、これまで言ってきた内容と重なるんだけどね、
やっぱり安心・安全、安全な環境を提供できることが大事ですよということ。
3番目の柱は、信頼関係を構築するということ。
やっぱり人間関係でそういうトラウマになったり危険な目にあったりということは、
人間に対しても怖いとか警戒する部分がやっぱりあることが多いから、
そこで信頼してもらえるように、自分の言うことに一貫性があるようにするとか、
必要な情報をちゃんと率直に伝える透明性とかね、
そういうのも意識で信頼関係を構築できるようにするということも大事な柱。
あと4番目は、その人、その相談者さん、
その方が自分でサポートしてもらう方法を選べる、
こうしなさいって押し付けるとかじゃなくて、
その人に自分で選んでもらえる、自己決定してもらえるということを尊重する。
その尊重ですね。
5番目は、力を引き出すアプローチ。
生きづらい部分とか苦手な部分もあるかもしれないけど、絶対強みとかもあるわけですよ。
その強みを生かす。
感じやすいっていうことは、人のことを思いやれる優しさでもあるって、
トラウマインフォームドケアの重要性
この解釈や見方で、それ弱みでもあるけど強みでもあるよねっていう、
そういう支援の仕方もありますよね。
だからこの辺りを踏まえることが、トラウマがあるかもしれない方にも大事なことだし、
トラウマがなくてもやっぱり重要じゃないですか。
トラウマインフォームドケアっていう言い方を最近なされています。
こういうことを特に対人支援に関わる方とか、
子どもや動物に関わる方とかは知っておいてほしいです。
動物でも一緒ですよ。
次に4番目の対策、凍りつきや解離への対策とか予防として、
緑のチューニング神経を育てるっていうことですね。
この神経系、ずっとポリヴェーガル理論で説明してきましたが、
神経系っていうのは改善や育成ができるんです。
脳もそうだけど、脳や神経には可塑性 があります。
変わる。これは大人になってからでもそうです。
神経を再形成したり再配線したり、強化させることはできます。
トレーニングすることで筋肉育てるのと同じ。
それ使ってなかったら筋肉が衰えていくのとも一緒です。
安心・安全を感じるときに活性化するこの緑のチューニング神経っていうのは、
人によってすごく発達具合に個人差があって、
チューニング神経がしっかり育ってよく働くようになってればなっているほど、
凍りつきとか解離っていう急ブレーキの神経、青い神経使わないで
チューニング神経で落ち着かせるみたいなことができる。
この神経をいかに育てるかっていうことが大事なんですよ。
この神経を育てるポイントとしては大きく3つで、
安全・つながり・顔面部がポイントになります。
前のカラダ視点シリーズ、シャープ7の緑のチューニング神経のところでも説明してるんだけど、
チューニング神経というのは、この顔面部に集中して、
その神経が働いている、コミュニケーションを取るところって言いましたよね。
なので、この辺りを動かすようなこと、
笑顔とか、
その神経の動かし方とか、
この辺りを柔らかく、気持ちよく動かすようなことをするのも役立ちます。
あとは、チューニング神経を効かせて育てる9つの方法なんていうのも、
今私がポリヴェーガル理論困った時の自己調整というのも、
そのチューニング神経を使って育てる、
9つの方法なんてご紹介しています。
ここでは詳しくまではやらないけど、
9つの方法だと言ったら、
これまでにもちょっと言ってきてるんだけど、
今こことつながるようなこと、マインドフルネス的なこと、
3番目、天地とつながる。
よくセンタリングなんて言ってね、やったりするんだけども、はい。
あと、自然とつながる。自然をね、五感で感じたりとか、
お日様浴びるとか、そういうことも大事です。
あと、人や動物につながる。
6番目、大いなる存在。
神様だったり、宇宙大自然とか、
岐阜の池のねんとか、
すごいなーって感動するような大いなる存在とつながる。
宗教とかも、信仰とかね、そういうのも場合によって、
ここまでつながる内容ですね。何かとつながる。
あとは、顔を動かしたり、ほぐしたり、
耳を心地よい音楽を聴く、バイオリンの音とかもいいとか言うけど、
聴く、使う、あと声を歌ったり、
抑揚のある声を出したりして、声を心地よく使う。
このあたりの方法が、
チューニング神経を活性化させる、使うことになっているので、いいんですね。
はい、というものを紹介。
動画教材の方では、より詳しく紹介しております。
ここまで、凍りつきや解離への対応ということで、
ポイントを4つ説明してきました。
まず対応の第一歩としては、防衛反応とかがあるんだということを理解すること。
安全とつながりを取り戻すということ。
トラウマへの適切なケアとして、
対人支援に関わっている人は、トラウマインフォームドケアのポイントも知っておきたいし、
できるようになりたいよねということ。
あと、その中で、緑のチューニング神経を育てるような働きかけとか、
予防のための意識とか、
全部共通してますよね。
キーワードは、安心・安全・つながりのあたりなんですよ、全部。
対応として大事なことになります。
緊急ブレーキ反応の理解
今回の配信で、一番伝えたかったことはこれです。
人も動物も、極限のストレスがかかると、
神経が緊急ブレーキを発動します。
その結果、起こるのが、凍りつきや解離という反応です。
そういう反応があるということを知ることは、
人や動物を理解し、適切に寄り添うため、欠かせないことです。
はい、じゃあ、凍りつきと解離、青の緊急ブレーキ反応とはということで、
解説をしてきました。
次回は、ポリヴェーガル理論の解説の一番最後の内容になりますね。
安全っていうのがポリヴェーガル理論は最重要ワードなんだけれど、
この安全感には個人差があって、
ニューロセプションっていうポリヴェーガル理論でいう専門用語があるんだけど、
そのニューロセプションについて説明をしようと思います。
はい、ではここまで。ご視聴いただきありがとうございました。
44:13
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