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2024-06-28 16:16

具体的対応、どこを見るべき?まずはどこから?

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前回の続きになります。「傾聴とねぎらい」で関係づくりができたその後。具体的な問題解決をするために、どこに注目して、どんなアドバイスを考えるか? 問題対応の時、点検すべき3つの側面と、その優先順位をお話します。
 

▼noteでは、番組内容を1枚の画像とポイントでまとめています。
 視覚的に確認したい方はこちらをご覧ください。
 https://note.com/yotsuba_cafe/n/n796cea0c2640

 

■質問やコメントは、noteやLISTENで受け付けています。

 

#愛知県一宮市 #三姉妹殺害 #母親 #事件 #完璧主義 #育児ストレス #相談 #コンディション

サマリー

前回の続きで、関係づくりができた後の具体的な問題解決について話します。問題の原因や解決の鍵を注目すべき3つの側面、コンディション、外的要因、内的要因について説明します。カウンセリングや話し合いをする際には、相手のコンディションや自身のコンディションを確認することが重要であり、問題対応には外的要因、内的要因、コンディションを点検すべきである。

00:04
こんにちは。のびやか四葉カフェをお届けします。
公認心理師の四葉さわこです。
この番組は、しんどい、生きづらいと感じている人を、のびやかにできるような、
自分にも、周りにも、仕事にも役立つセラピー理論を、少しでもわかりやすく、と思ってお届けしています。
今回は、前回の続きです。
前回の内容は、
完璧主義ママの悲劇、一宮三姉妹殺害事件、あなたならどう対応する?というタイトルでお話をしました。
このようなケースは身近にもたくさんあります。
あなたがもし、そのようなお母さんに相談されたら、どう対応する?という内容でしたね。
そして、まず最初にすべき最低限の対応として、傾聴とねぎらいをしてほしい、という話をしました。
そのことで、まずは関係づくりをしてほしい、とお伝えしました。
今回の内容は、この関係づくりができた後の話ですね。
関係づくりの後の具体的な問題解決
悩んでいる人から様々な事情とか気持ちを聞いた後、
具体的に問題を解決するために、どこに注目してどんなアドバイスを考えるか、
問題の原因や解決の鍵をどこに見出すか、という内容になります。
この時、注意点があります。
ついやってしまいがちなことです。
私も気をつけたいと思っている注意点です。
それは、問題の原因や解決の鍵を、その悩んでいる本人の問題に注目して、そこを改善させようとすることです。
具体的には、本人の見方や考え方、性格、これまでの対応、そこに原因があるとみて、
その本人に改善を求める、つまり意識改革を図ろうとする視点やアプローチです。
今回の事件報道でも、母親の完璧主義で真面目な性格に注目して説明されていました。
私がやっているカウンセリングの場でも、基本は本人にできることや心理的なことに注目することが多いので、そうなりがちです。
もちろん、それも重要な視点ですが、そこだけに注目するのは危険です。
何か問題が起きたとき、原因が一つだけとか、問題を起こしたその人だけが悪いということは、まずありません。
問題の原因は、大抵複数あって、絡み合っていて、複合的なんです。
特に人間関係の悩みはそうです。
これは私がカウンセリングを17年、1万件やってきて強く実感していることですね。
だから、本人だけに問題があって本人に改善させよう、その視点だけに偏ってはいけません。そこは注意してください。
問題が起きたとき、点検して対応すべき側面は、少なくとも3つあります。
私がカウンセリングを行うときも、この3つの側面は必ず意識して確認とか観察をするようにしています。
これからその点検すべき3つの側面を順番に説明しますね。
まず一つ目は、コンディションです。
問題解決における3つの側面(コンディション)
裁判でも母親がその時に責任能力があったかどうか、心身喪失状態にあったかというのが争点になっていました。
コンディションというのは、その時の状態のことです。
これにはベースの健康状態とその時の心身状態の2つがあります。
その人がその時どんな状態だったかというのは、必ず注目すべきポイントです。
次に見るべき側面は、外的要因です。
これは環境要因とも言えます。
外的要因とは、本人の外側の問題です。
この事件の場合は、殺人事件を起こしてしまったお母さんの外側、家庭環境、夫の協力、姑との関係、相談できる人の有無、こういうものを点検することが重要です。
またマイホームを建てて住んでいるということでしたが、ご近所さんとの関係とか、その地域の地域性、
それから利用できる子育て支援なども確認すべきです。
問題解決の時に、本人の改善だけではなく、その周りの環境や周囲がどうだったか、そしてそこに働きかける必要があるというケースも多いのです。
3つ目の側面は内的要因です。
内的要因とは、相談に来たその本人の内側、内面の要因です。
先ほどお伝えした本人の性格、見方、考え方、能力などに注目する視点ですね。
事件報道では、母親の完璧主義や真面目な性格、責任感が強い、自分を責めているといった内容が多く取り上げられていました。
カウンセリングで私が対応するときも、もちろんこのような本人の内面部分には注目します。
そして、本人の価値観や思考癖には、それまでの経験とかトラウマ、コンプレックスなどが影響していることも多いので、そこにも注意を向けますし、必要に応じて対応を考えます。
問題解決における3つの側面(外的要因、内的要因)
誰かに相談を持ちかけられたとき、あるいは何かの問題解決を考えるとき、少なくとも先ほど挙げた3つの側面を点検する必要があります。
さて、その3つの側面が分かったところで、ここでもう1つ質問です。
あなたは、その1つ目のコンディション、2つ目の外的要因、3つ目の内的要因、この中でまず見るべき、まず取り組むべき内容は、1から3のどれだと思いますか?
相談ケースによって多少変わることはありますが、私が考える、まず見るべき、整えるべきところは、1のコンディションです。相談してきた方の健康状態やその時の心身状態です。これが最優先です。
なぜなら、2の外的要因や3の内的要因に取り組むにしても、本人のコンディションが悪すぎると取り組むことができないからです。
例えばこの事件の場合、夫に問題があるとか、夫と話し合いが必要ということがあります。
カウンセリングでも、パートナーとの別居や離婚を考えた方がいいケースも少なくありません。また、地域の子育て支援や行政への相談が必要ということもあります。
しかし、外的要因に対してそのような交渉をしたり、行動を起こしたりするには、エネルギーが必要なんです。
周囲がこうすべき、こうした方がいいと言っても、それを行う本人に、それを行う気力や体力がなければ、そうは言ってもできないという状況になることが多いんですね。
外的要因にアプローチする、行動をするためには、エネルギーも使うし、その実現は簡単なことではありません。
また、その行動を起こす前には、ある程度の準備とか作戦が必要なことも多いです。
ですから、外的要因に取り組むためには、まず本人の健康状態や心身状態を確認して、それが思わしくないようなら、まずはそこを整えることが優先です。
例えば、本人のうつ状態があまりに強いとか、夜も眠れない睡眠不足状態が続いているなら、まずは医療にかかること、睡眠や休養を最優先にとることが必要です。
外的要因に取り組むためにも、まずはコンディションを整えることが最優先になるんです。
これは、内的要因に取り組む際にも同様です。
内的要因に取り組む際にも、一定の心身状態が必要です。
人は、あまりに疲れ切っていたり、いっぱいいっぱいになっていたりするときは、物事を冷静に考える力や、言われたことを受けとめる余裕を持つことができません。
私はトラウマ療法を扱っていますが、よくこう言います。
トラウマよりもコンディション。
カウンセリングや話し合いにおけるコンディションの重要性
トラウマに取り組むにしても、改善した方がいい思考癖とか、完璧主義に取り組むにしても、その人がそれを受け入れられるコンディションになっていなければ、その取り組みは負担にしかなりません。
それなら、やらない方がいいですよね。
ですので、私はカウンセリングを行うとき、毎回必ず最初にクライアントさんの体調を伺っています。
また、その時の顔色や姿勢、雰囲気などから、今日のコンディションをしっかり観察しています。
その時のクライアントさんが不安で高ぶりすぎていたり、いっぱいいっぱいになっているときには、まずはその状態を少しでもクールダウンというか、落ち着かせることに取り組みます。
そうでないと、カウンセリングの効果も上げられないからです。
これは、カウンセリングの時だけではありません。
例えば、あなたが誰かと話し合いをしようとするときや、相手を説得しようというようなシチュエーションでも同じです。
その本題に入る前に、その人が今、それを受け入れられる状態にあるか、その人のコンディションを確認し、今のタイミングがふさわしいかどうかを測る必要があります。
ちなみに、このコンディションを確認すべきなのは、働きかけようとする相手だけではありません。
カウンセリングだったら、カウンセラー側。
話し合いや説得をしようとするときは、それを働きかける側のコンディションを確認することも重要なんです。
働きかけようとする側が、説得してやろうと思って、すごく力が入って興奮しすぎていたりとか、
あるいは、仕事で疲れすぎていたりとかすると、どうしても言い方がきつくなったり、圧が強かったり、
あるいは感情的になったりして、相手が受け取れないとか伝わらない可能性があります。
だから、誰かの相談に乗るときや話し合いをするときは、相手もそうですけど、自分自身についても、
そのときのコンディションを確認して、コンディションがちょっと荒れてるなとか乱れてるときは、
少しでも整える、それを行うことが大事なんです。
では、長くなりましたが、今日の内容をおさらいします。
今日の内容は、問題対応のときに点検すべき側面が3つあるよという話でした。
その3つは、外的要因、内的要因、そしてコンディションのことです。
何か問題が起こったとき、その問題の原因は一つということはありません。
問題の原因は複合的で、外的要因にも内的要因にも取り組まなくてはいけないというケースがほとんどです。
しかし、そこに取り組むためには、まずコンディションがある程度整っていないといけません。
ですので、まずはコンディションを点検し、不安定すぎるときは、そこへのケアや対応が最優先になります。
そのコンディションは相手だけではなく、相談に対応しようという自分自身も確認が必要ということです。
コンディションの点検と対応
今日はコンディションという内容をキーワードとしてお話ししてきましたが、
このコンディションを確認するというのが、私がずっと四葉視点で一番重要だと言ってきたカラダ視点にもなるんですよね。
実はこのカラダ視点の内容については、3、4週間前に導入の話だけして、一旦保留状態となっていました。
ですが、次回からまたカラダ視点について詳しい内容に入っていきたいと思います。
これからの四葉カフェの内容で、少しずつ、その今日お話したコンディション、あるいはカラダ視点ですね、
そこを具体的にどのように点検すれば良いのか、対応すれば良いのかというお話をしていこうと思います。
引き続きご視聴いただければ幸いです。
では皆さん、ぐれぐれも自分のコンディションを確認して、必要なケアやフォローをしてあげてくださいね。
ここまでご視聴いただきありがとうございました。
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