今回も始まりました、よすみ編集部のポッドキャスト、よすみの様子見。 この番組は漫画研究者の富山由紀子さんと、よすみ編集部編集長の我谷が日々生まれ続けるコンテンツに飲み込まれる前に、
一度立ち止まって、隅の方からじっくり様子を伺いながら、次の一手を考える番組です。 今回も一緒に様子見していくのは漫画研究者の富山由紀子さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。 そしてですね、ついに今回なんと
番組初めてのゲストが来ております。 やったね。今回のゲストはこの方です。初めまして、めちゃコミックという電子コミック書店で編集をしている
牧野さなおと申します。よろしくお願いします。 いらっしゃいませ。
初めてのゲスト。そうよ。大変光栄です。 こちらこそですよ。ありがとうございます。
富山さんと牧野さんは古い友人というか、古すぎるぐらい古い友人です。 一番最初に会ったのが、それこそ私が担当してた渋谷直角さんという漫画家さんの
初コミックになるのかな。 カフェでよくかかっているJ-POPのボサノバカバーを歌う女の一生というものすごい長いタイトル。いいタイトル。かまなかったなぁ。
あったんですけれども、そこの発売記念のトークイベントでゲストに富山さんが来てくださって、そこからの縁ですね。
2013年の発売なので、もう13年。
あの漫画の中に一瞬私のことが出てくるのよ。それでゲストに呼んでもらったのね。パンケーキの本を出したばっかりで。
パンケーキノートという書籍を出された後で、作品の中に私パンケーキの特集やりたいっていう女の子が出てきて、
いやそんな軽々しくパンケーキを取り扱うもんじゃないみたいな。もうパンケーキノートという完成された、パンケーキの研究については完成された本があるんだから、
なんか素人が軽々しく手を出して特集じゃないみたいな感じの。
高栄なことにあるのよ。
それで完成記念のイベントの一つとして、なんか私とかを呼んで、みんなでワイワイ喋るときに、担当編集者の牧野ですっていう感じで、そこで初めましてだったんですけど、その後結局お互いの家でクリスマスにワクワククリスマス会をやるぐらい
マブになったっていう。ちょっとアイデア端折りましたけど。
そう、だからびっくりしました。牧野さん、最初のゲストで呼びましょうって言われて。
私の友達呼ぶんだ、みたいな。
2人の関係性は僕も本当に浅いですけど存じておりまして、
本当にめっちゃコミックさんに、最近ですか?
2025年の9月に転職しました。
最近ですよね。
そうですね。その前は15年ぐらい、週刊スパという雑誌で編集をやってまして、
なので、漫画編集専門というわけではなくて、
いわゆる普通の一端性週刊誌の特集みたいなのもやりながら、漫画連載も担当しているっていうような、
ちょっと漫画編集としては若干オルタナな感じなんですけれども、
そこで、今話した渋谷直角さんとか、
あとは美根奈佑さんのアラサーちゃんとか、
あとは2巻からですけど、復活連載みたいな形で、
孤独のグルメを担当したりしてました。
っていう、孤独のグルメの編集もされててとか、
アラサーちゃんとかいろいろ作品とかも知ってて、
かつ富山さんとも関係性があって、
その方がめっちゃコミックに行くっていうのを聞いて、
いろいろ興味があるなと思ってお話したいと思って、
ちょっとオファーさせていただいたというところで、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
また、四隅の四隅では皆様からのお便りをお待ちしております。
番組に対する感想や取り扱ってもらいたいテーマなど、何でも送ってください。
詳しくは概要欄のリンク、また漫画ウェブサイト四隅から。
真木野さんといえば過去に、孤独のグルメに携わってたというところなんですけれども、
この番組でも実は結構早い段階で様子見をさせていただいておりまして。
はい。空島という会社のポッドキャストなのに、
もう孤独のグルメ好きすぎて、孤独のグルメの話もうしようみたいな。
もうしたんですよ。
2回目で?
2回目くらいですね。
早い。
早くも。
孤独のグルメのドラマ見てる方はたくさんいるかもしれないけど、
原作みんな読んでほしいっていうのと、
あとはそのご飯を失敗してる回。
ご飯チャレンジ失敗回が好きすぎて、
グルメの漫画でおいしそうみたいな流れよりも、
あの作品に関しては、
すげー失敗してんじゃんっていう回ですっごい笑ったりとか、
あと一周回ってなんか食べに行きたくなったりとか、
なんか不思議な作用がありますよねっていう話をしたんです。
もう1回だけお互いの好きな回言っときます?
私はアルバイトの男の子がイビられる話ね。
僕は新幹線でシューマイ、
真空シューマイ食べて口やけどする話が好きです。
って感じなんですよ。我々のシューマイ。
確かにあの2つは2大失敗ですよ。
2大失敗ですよね。
清けんのZシューマイは今は販売されてないんですけれども、
復活してくれないかなってずっと祈ってます。
あれも近い失敗はみんな経験がありますよね。
あると思いますね。
シューマイじゃなくても、肉まんとか新幹線で食べちゃって
結構周りがいいみたいな顔をするとか、
割とあるあるの失敗があったりして。
匂い問題とかね、やっぱり多いですよね。肉まん、シューマイとかね。
確かに。現代の方がより匂いにみんながあまり寛容ではないというか、
こんなとこでこんな匂いさせるなんてみたいな。
今のが厳しいですよね。
かもしれない。
放っておくと我々ずっとこの話をしてしまうので、
本題に入りたいと思いますが、
今日の様子見へ移っていこうと思うのですが、
まず前編である今回は、
社会的テーマと漫画がどのようにリンクしているのか、
いくつかの作品への様子見を通して深めていきたいと思います。
社会的テーマといえば、
具体的に差別の問題だったりとか、
性に関することだったりとか、
それだけじゃなくても色々とあると思うんですけど、
SNSの問題だったりとかもあると思うんですけど、
牧野さんの中で、
うまく社会と、社会的にこういうテーマとか、
漫画への接続がされている作品とかってあったりするんですか?
最近読む作品は、
ほとんどの作品に、やっぱり色んなシーンで社会性を帯びているなという風に感じることが多いんですけれども、
特に印象に残っているのは、
2025年に完結した渡辺ぺ子さんの
恋じゃねえからという作品です。
はい。私も読んでるし、わらやさんも読んでるね、これね。
読んでます、読んでます。
ちょっと簡単にあらすじいいですか、私から。
はい、お願いします。
まず、赤根さんという40歳の主婦がいますと。
で、中学時代の親友、これゆかりさんがいるんですけど、
そのゆかりさんが当時通ってた塾の先生と、
一応その当時は恋愛だったっていうことで、恋愛関係にあったっていうことを思い出すか、
その四半世紀が経った後に、その先生が彫刻家として活躍してるんだけど、
その恋愛に関係にあったというその少女の裸体を作品にしてるっていうか、
明らかにモデルその子だろうみたいな作品を作ってるっていうことで、
昔のあれは何だったんだみたいな、それで今でもこういうふうに作品作られてるってどういうことやみたいな感じで、
40代の女性2人が、おかしいんじゃないかっていうようなことで、
行動をまずは起こしていくっていう話ですね。
無傷の人間が全然いない加害と被害の世界っていうのを、
かなり複雑で服装的に描いた作品というふうに私は読みました。
まずタイトルが恋じゃねえからって、
タイトルつけた時点で勝ちというか、なんてかっこいいタイトルだと思ったんですけれども、
たびたびニュースでも話題になったりしますけれども、未成年の、
中学生の女性と大人の塾講師の先生の関係っていうのが、
果たして恋愛と言えたのかどうかっていうところがまず一つ問題になっているし、
あとは創作の名のもとに、
過去付き合った女性の裸体というのをモデルにして作品を発表するということが許されるのかっていう、
創作と加害というテーマにも踏み込んでいる。
さらに二人の女性が過去の傷と向き合って戦っていく物語なんですけれども、
戦っていく過程で彼女たちもある種の暴力によって、
過去の傷と向き合って戦う、克服するっていう選択肢を取る瞬間というのがあって、
だからそれはもうシンプルな被害者ではいられない。
被害者だったはずの人が加害側に回ることもあるし、
加害者だった人にも被害者だった側面があったりするというような、
非常にどちらとも言えない服装的な部分というのを非常に丁寧に描いていて、
だいたい分かりやすいエンタメって完全調和区の方がいいみたいな、
悪者とかわいそうな人っていうのは役割がきっちり分かれていた方が分かりやすいし、
楽しみやすいというふうに言われているけれども、
そうじゃなくてもきちんと漫画として面白いエンタメ的な作品になるんだということを、
この作品で強く感じました。
本当そうなんで、これ完全調和区じゃなくてもちゃんと成立しており、
漫画として面白く、すごい、すごい、すごいじゃない、すごいですよね、だって。
僕もこの作品を読んだ時に、扱ってるテーマももちろん、
ニュースとかでも何回か騒がれたことのある、
今の現代人だったら絶対見たことがあるという、ある意味普遍的なテーマを扱いながらも、
漫画として面白すぎますよね。
軍蔵劇なんですよね、これ実はね。
主人公はちゃんとその、そのアカネっていうね、
主婦と、それから中学時代の性被害に遭っているユカリさんのこの2人が一応中心なんですけど、
この2人の戦いからいろんなところにキャラクターが派生していくんですよね。
この中年の女性の親の介護の問題がそこから入っていったり、
今生きてる子供たちの倫理が形成されていくプロセスだったりとか、
あとは実際に現場として性被害があっていくっていう、
本当に多層的というかいろんな時間軸で、
いろんなキャラクターたちがこの事件をもとにどんどん感情とか、
自分たちの価値観とか考え方が動いていくっていうのを、
なるべくこうフラットに捉えようとするみたいな試みを、
ちゃんと漫画としてやってるっていうのがめちゃくちゃ面白いですよね。
今日ね、2人が漫画の編集だから聞きたいですけど、
漫画として面白くして、かつその社会的なものも描き、
あとその分かりやすく完全調揚にはしないっていうのは、
打ち合わせしのほど大変なんじゃないかと思うんですけど、
どうですかって直接の担当編集者じゃないけど、
想像するにすごくない、これ。
ものすごい大変だろうなっていうのは思いますけど、
でも実は完全調揚にならないように、
うまくキャラクターを配置しましょうとか、服装的に描きましょうみたいな、
外側から埋めていくんじゃなくて、
多分キャラクターをとにかく掘り下げるってことを大事にしてたんじゃないかなっていう。
この人は悪者です、加害者ですじゃなくて、
この人は過去にこういうことをした先生です。
じゃあなんでこういう決断に至ったのか、
どういう過去があったから被害を訴えられた時に、
きちんと向き合うことができなかったのかとか、
一つ一つキャラクターを掘り下げていけば、
自然と完全調揚にはならない。
自然とこうなるん?
すごい変動というか結果的にはそうなる。
そしてやっぱり描く人が逃げないなって気がしました。
ストーリー展開を優先してキャラクターを都合よく動かすんじゃなくて、
この人はこういう人だから、絶対こういうシチュエーションになったら、
こういう言葉を発するはずだとか、こういう判断をするはずだみたいなことを、
逃げないで描き続けることによって、
エンザメ性が担保されるのかなという気がしました。
でもとても難しいことですよね。
かなり高度なことね。
かなり高度だと思いますね。
でも本当に牧野さんがおっしゃる通り、
多分キャラクターの掘り下げっていうことをしてると、
どうしても白黒つけられないじゃないですか。
私こう多分キャラクターが多いからこそ、
より白黒つけづらい。
これ登場人物が半分くらいとかだったら、
ちょっと完全調揚的な話に多分気となったと思うんですよね。
白黒つけるって話の方が多分簡単なんで。
ただ多分、ちょっともう推測ですけど、
編集の仕事が適切に行われているのだとしたら、
もうちょっとこういう立場の人間を増やしましょうみたいな
ディレクションはしたんじゃないかなと。
はあ。
確かに。
人ね。
人。
人を増やしてみませんかを言った可能性があるのか。
人が増えると視点が増えて、
またその一つのキャラクターの多機性が生まれていくんですよね。
だからキャラクターの掘り下げって一人の人間と行うよりかは、
十人の人間と行ったほうが確実に多機性って生まれていくと思うんですよ。
でもそれをこう、漫画ってやっぱりデフォルメ化して過剰にして
エンタメにしていくって感じなんで、
多ければ多いほどめちゃくちゃ難しくなるっていう感じがあるんですよね。
はあ。面白い。
今日編集さん二人来てるから聞いてみたかった。
やっぱこういうある種難しいテーマっていうか、
なんかこう分かりやすい完全中枠にしたら
逆にみんななんだってなっちゃうような作品を
どう作家さんに寄り添いながらやっていくのかなっていうのは
すごい気になっていたので、
編集目線でどう読んでたかっていうのが分かって
私は満足しました。
いやまあ本当推測なんであれなんですけど。
そういう意味でちょっと牧野さんの担当作品の話とかも
ちょっと聞いてみたいなと思いまして