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今回は、方丈記)の書いた随筆ですが、こちらの暗元の大火の続きを読んでいきたいと思います。
暗元の大火という火事が発生しました。こちら暗元3年、1177年の頃のことでございます。
この当時は鴨の長名が23歳の頃と言われております。 今回はその非常に詳細な模様についての部分を読みたいと思います。
それではまず本文を読んでまいります。 火元は樋口富小路とかや)
毎人を宿せる狩屋より入れ来たりけるとな 吹き迷う風にとかく移りゆくほどに
扇を広げたるが如く末広になりぬ 遠き家は煙にむせび
近きあたりはひたすら炎を地に吹きつけたり 空には灰を吹き立てたれば
火の光にえいじてあわねく紅なる中に 風に絶えず吹き切られたる炎
飛ぶが如くして一二丁を越えつつ移りゆく その中の人移し心あらんや
あるいは煙にむせびて通れ伏し あるいは炎にまぐれてたちまちに死ぬ
あるいは身一つかろうじて逃るるも 死罪を取りいずるに及ばず
七陣万法さながら皆陣となりに来 その次へ幾層爆ぞ
その度九行の家十六焼けたり ましてそのほか数え知るに及ばず
すべて都のうち三分が一に及べりとぞ 何よ死ぬる者数十人馬牛の類変妻を知らず
では訳してまいりましょう 本元は樋口富野工事とかや
本元日のとのことですねつまり出荷場所です 出荷場所は樋口富野工事と呼ばれる場所であったと
これはちょうど 平安京のちょうど
そうですね
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北東にあるものですね北東の方真ん中たりですかね にあるとですねそこらしいと
どうやらそこは舞人を宿せる狩り合いより入り来たりけるとなんと 舞人舞う人ですね舞う人ですから何かこう
踊りを踊られる方でしょうかね ちょっとこれも諸説ございますけれどね前人を宿すが宿せるや狩り屋
宿泊していた狩り屋場所から 出てきた出荷されたんじゃないかと言われているというんです
実際の日元については様々諸説はあるようでございますね 場合によっては人間の仕業ではないなんて噂も大変流れたようです
吹き迷う風にとかく移りゆくほどに扇を広げたるが如く末広になり 吹き迷う風非常に風が強かったですのでそれがとかく移りゆくほどにどんどん
燃え移っていった それがまるで扇を広げたように末広末広がりと思いますね
扇を広げたようにどんどんどんどん広範囲に燃え広がっていったというんですね 陶器家は煙にむせび
近きあたりはひたすら炎を地に吹きつけたり 遠い家については煙のことですね 煙にむせえだ
つまり非常に煙が広範囲に行き渡った外まで遠くまで飛ばされたということで
非常にそれが煙たかったということですね それで非常に被害があった
また近いあたりその出荷元から近い場所は ひたすら炎が地に吹きつけていたというんですね
空には灰を吹き立てたたれば 空には灰を吹き立てていた
もちろん風も強かったですので灰がどんどんどんどん撒き散らされるわけですね
また日の光に映じて 日っていうのはこれは出荷の火の日ですね火曜日の火の日です
火の光に映えて 光に照らされてあまねく紅になる中に
あまねくってすべてがそのあたりにあるすべてが紅であった 真っ赤に染まっている中で風に耐えず吹き切られたる炎
風に耐えきれなくって吹き切られた炎が 炎が吹き切られるってどういうことかっていうと
要するに火の子が飛んだということでしょうね
火の子が風に飛ばされて遠くに流されてしまって 飛ぶが如くして一日町を越えずつ移りゆく
飛ぶようにして一日町 町というのは町という字を当てます
これは一日町単位ですね 距離の単位ですが要するにだいたい1日200mとかそんな感じですかね
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100m、200mを越えてどんどん燃え移っていったっていうんですね 火の子が飛ばされていったと
その中の人 移し心あらんや その中に巻き込まれた人は移し心
移すというのはこれ現在の現ですね と書いて移しといって移し心
これは正気ですね正気ではなかっただろうよと 現実感がない感じですよね
移し心 夢移すという言い方がありますね
夢っていうのはぼんやりしている感じだとか 寝る時に見る夢のことですね
ですから移すというのはこれは現実のことなんですが その移すがない心 移し心があるだろうかと
ないだろうって言うんですね 現実感がなかったろうよと言うんですね もしくは正気ではいられなかっただろうよ
あるいは煙にむせびて倒れ伏し あるいは炎にまぐれてたちまちに死ぬ
ある人は煙にむせで倒れ伏して これ今でもありますよね 火災の場合にはこの煙によってお亡くになる方っていうのは結構いらっしゃるとも言われておりますよね
あるいは炎にまぐれて まぐるっていうのはこれも様々と出ますが例えば紛れる
炎に巻き込まれてしまってと取るとか あとはまぐっていうのは目で見ることを待っていったりするんですね
ですからまぐるっていうのは これは要するになんか目が見えなくなってしまうというか 炎に照らされて目がもうくらんでしまってとか言いますね
個人的には炎にまぎれてしまった 炎に巻き込まれてしまった でたちまちに死ぬと即死してしまったってことですよね
ですから遠くに多少遠くであっても煙に巻き込まれて呼吸困難で亡くなってしまうとか あとは炎にてすぐに焼け死んでしまうとかそういったいろんなことがあった
これもわかっても非常にリアリスティックな文章ですよね あるいは身一つ辛うじて逃るるも死罪を取り捨ずに及ばす
しちちんまんぽうさながら怪人都内に行き またあるある人は身一つ身一つで辛うじて逃れる
逃げることができても死罪を取り捨ずに及ばす死罪 火罪一式とか必要なものとか貴重品とかね
いろんなものを取り出すことはもちろんできないわけですよね そんな余裕はなくてしちんまんぽうしちんまんぽうとかしっぽうとも言いますね
これは要するに様々なお宝のことですね財宝のことです 例えば金とか銀とか当時はそういった装飾品としてルリとかハリとか
サンゴとかメノウとかですねそういった鉱物のようなものもありますね そういう鉱物系の綺麗なものとかを含めたそういった財宝のことを
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しちんまんぽうと言ったりしますねそういったものはさながらというのは全部 灰塵とないにき灰塵これは灰と塵ですね
灰塵になってしまったもう完全に燃えてしまったって言うんですよね 実際燃えないものとかもあるでしょうけどね
基本的には燃えてしまってダメになってしまったわけですね そのついへいくそばくぞ
そのついへっていうのはそれによって消費したものはいくそばくぞ いくそばくってこれまいくばくといったにもしますがどれくらいかってことですね
ですから非常にその 被害はどれほどあったんだろうかと
ことですね でその度まあその時その時の対価で九行の家
16やけたり九行の家が16県16 定って言うんですかね
16やけたと言うんですね 九行というのは大きな
偉い方なので大きなお屋敷ということですね 大好きに大きなお屋敷だけで16
ましてその他数え知るに及ばずましてやその他の 一般の方々の
民百姓の家っていうのは数えることはできないって言うんですね ですから代表的なものだけでも16でそれ以外にも数多くの家が焼かれたと
言うんですね 全て都のうち3分が1に及べりとぞ
都のすべてのうち3分の1に及んだって言うんですね これはなかなか大変な事態でございますよね
何よ死ぬる者数十人馬牛の類変際を知らず 何よこれ男女のことですね男も女も死んだものは数十人数十人のを呼ぶと
なんか数十人と呼ばれるとなんか少ない感じもいたしますが もちろんこれは実数ではないでしょう
なんとなく把握しているだけで数十人とかあと諸説ありますねここも非常に 何百何千といたという説もございます
まあおそらく数本当に数十人ってことではなかったでしょうね 馬牛の類変際を知らずましてや馬や牛の類っていうのは変際っていうのは
これは限りのことです限りを知らない つまりも数えきれないくらいの牛や馬などの家畜については失われたと言うんですね
もちろん当時から人間だけではなくてそういった家畜の被害もあったということで もちろんお亡くなりになる方はもちろんのこと
様々な家や財宝や家財がなくなってしまう また馬や牛といったものも失われてしまうといった非常に大きな影響を与えたということですね
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このように言いますと非常に細かく状況について書かれているということがお分かりになるん じゃないかな
では最後にもう一度本文を読み出しましょう 本は樋口富野康二とかや
毎人を宿せる狩屋より入れ来たりけるとな 吹き迷う風にとかく移りゆくほどに
扇を広げたるが如く末広になりぬ 遠き家は煙にむせび地下家あたりはひたすら炎を地に吹きつけたり
空には灰を吹き立てたれば日の光に映じてあまねく紅になる中に 風に絶えず吹き切られたる炎飛ぶが如くして一日を超えつつ移りゆく
その中の人移し心あらんや あるいは煙にむせびて通れ不死あるいは炎にまぐれでたちまちに死ぬ
あるいは身一つ辛うじて逃れるも死罪を取りゆずに及ばす 湿賃満方さながら皆人となりに来
そのついへ幾層爆増 その度苦行の家十六焼けたり
ましてそのほか数え知るに及ばす すべて都のうち三分が一に及べりとぞ
何よ死ぬる者数十人馬牛の類変妻を知らず こちらテキストは門川ソフィア文庫
ビジナーズクラシッククラシックス日本の古典の方条記から読みいたしました 今回もお聞きいただいてありがとうございました