2026-01-21 14:57

#78 車中雪1(2024年度大学入試共通テスト本試験国語第3問)

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主人公は突然、雪を観に別邸に出発しますが……

サマリー

ポッドキャストの最新エピソードでは、2024年度共通テストの国語本試験に出題される古文「車中の雪」について詳しく解説しています。この作品は江戸時代の偽古文で、主人公が冬の景色の中、別荘に向かう物語です。このエピソードでは、雪が積もることなく消えてしまう瞬間の残念さや、雪景色に変わる景色の描写が話されています。主人公は法輪寺の行事を楽しみにしながら、雪見をしている心情が描かれています。

古典文学の紹介
吉村ジョナサンの高校古典講義、このポッドキャストは、高校で学ぶような古典文学を楽しむ番組です。
今回は、2024年度共通テストの国語本試験の
古文のところからご紹介したいと思います。2024年の1月に行われた試験ですね。
こちらはインターネットでも文章を見ることができますので、よろしければご参考ください。
この時の出題というのがですね、草原集、草の緑を集めたという作品集から車中の雪という作品
車の中の雪と書いて車中の雪ですね、と書かれたものになります。前書きでこのようにあります。
主人公が従者と共に勝田京都市西西京区の地名にある別邸、本文では院に向かう場面から始まるとあります。
これはいわゆる偽古文ですね。これ書かれたのは江戸時代ですかね。江戸時代だと思うんですけれども、江戸時代なんだけれども平安時代に書かれたような
そういう作風になっているんですね。ですからそういうのを偽古文って言ったりします。日本の現代で言うと時代劇みたいなもんですかね。
時代劇って大河ドラマなんかでもね、江戸時代について書かれることとかもあったりしますけれども、
やっぱり江戸時代について今の立場から書くとこんな感じかなっていうふうに想像して描かれるわけですね。
小説でもね、時代小説ってありますよね。江戸時代を舞台とした小説なんかもありますよね。
それを江戸時代の人が平安時代を舞台に、平安時代の文学っぽく書いているってものですね。
我々が時代小説を読む時にはもちろん時代小説は現代語で書かれていますから、そこまで読みにくいってことはないかと思うんですけれど、
ただこの古文、偽古文っていうのは、これはやっぱり古文なんですね。平安時代っぽい文章で書かれておりますので、
もちろん江戸時代の人からしてもちょっと読みにくかったかもしれませんね。それでも本当の平安時代に書かれたものと比べるとちょっと読みやすいんですよ。
やっぱりちょっとした言葉の使い方とか、あとは場面ですかね、場面があまり省略されてなかったりとか、詳しく描かれていたりとか、
現代の我々が普通の小説を読む感覚に近い感覚で読むことができるので、この江戸時代に書かれた文章っていうのは偽古文であってもちょっと読みやすい。
やっぱり千年前に書かれたものと数百年前に書かれたものではやっぱり読み口が違うわけですね。
物語の流れ
さて、では今回の文章をまずは読んでまいりましょう。
かつらのいん、つくりそえたもうものから、あからさまにもわたりたまわざりしよ。
ともまつゆきにもようされてなん、ゆくりなくおぼしたたすめる。
こうようのおんありきには、みなもとのしょうしょう、どうしきぼをはじめて。
いまのよのゆうそくときこえるわこうどのかぎり、かならずしもめしまちまつばしたりしよ。
とみのことないければ、かくとだにもほのめかしたまわず、ただしたしきけいしよたりいったりして、とぞおぼしをきてたもう。
いまこのかつらのいんっていう別荘ですね、簡単に言うと別荘があって、そこがせっかくできたので、もちろん行きたいと思ってるんだけれども、ちょっとなかなか都合がつかなくって、まだ行ってなかったっていうんですね。
かつらのいん、つくりそえたもうものから、かつらのいんをおつくりになったけれども、あからさまにもわたりたまわざりしよ。
あからさまっていうのはほんのちょっとの時間、少しの時間もってことなんですけれども、ほんの少しの時間もわたりたまわざりしよ、わたるっていうのはそこに行くってことですね。
ですから新しくできたかつらのいんに全然行く機会がなかったって言うんですね。
ともまつゆきにもようされてなん。ここは注釈にもあります。ともまつゆきというのは、あとから降ってくる雪をまつかのように消え残っている雪とあります。
ということで季節はどうやら冬のようですね。雪があって、まだ雪が残ってるんですね。雪が残っていて、まだ降るかもしれないなぁなんて状況なんでしょうか。
そんな時にゆっくりなくおぼしたす、たたすめると、なんかふと思い立ったのか、紅葉の御ありきには、このような御ありき、出歩いてあちこち行くことですね。
そういう時には、源の将将、統治基部、こういう人物ですね。そういった人たちを始めて、今の世の裕足と聞こえる和行土の鍵、今の世の中でそういった優雅な風靡な人たちっていう人を必ずしも召し松はしたりしよう。
そういう人を引き連れて、かつらの院、その別荘に行って、風靡な何か催しでもやるんだけれども、民のことなりければ、急なことだったので、かくとだにもほのめかしたまわず、そういった人たちを誘ったりしてですね、一緒に行こうよなんていうことはしないで、そういう気配も見せないで、
ただ親しき兄子よたり行ったりして、ただ親しい身の前の人を四五人だけ連れて、そのかつらの院に行きましたということですね。今のところもう一度言いますね。
かつらの院すくり添え給うものから、あからさまにも渡り給わざりしよう。とも待つ雪に催されてなん、ゆっくり泣くおぼしたたすめる。
雪の描写
紅葉の御ありきには、源の少々、陶式部をはじめて、今の世の裕足と聞こえる和行土の限り、必ずしも召し松はしたりしよう。富のことなりければ、かくとだにもほのめかしたまわず、ただ親しき兄子よたり行ったりして、とぞおぼし起きてたんも。
では続きです。
やがて御車ひき入れたるに、空より花の陶式をしたりしも、めでゆく間に間に、いつしか土地流せぬるは、かくてやみぬとにやらん。
猿は忌みじきひできえにこそと、人々死にかえりねたがるを、げにあえなく口をし、とおぼせど、さてひきかえさんもひとめばろかり、ばろかめり、ばろかんめり、なお法林の八孔八孔にことよせて、とおぼしなりて、
ひたやいに急がせたもんほど、またもつつ闇に曇り満ちて、ありしよりけに散り乱れたれば、道のほとりに御車立てさせつつ見たもんに、なにがしの山、くれがしの河原も、ただ時の間におもかわりせり。
やがて御車ひき入れたるに、そのままよし、かつだのえに行こうと思って、そのまんま車を出してですね、ぎっしゃを出して、向かって行きました。
その道中も、空より花の、これも注釈がありますが、これは古今和歌集の効果で、
冬ながら、空より花の散りくるは、雲のあなたは春にあるらん。
冬であるけれども、空から花が散ってくるっていうのは、雲のあちら側は春なのだろうか。
要するにこれ雪のことを花にたとえているわけですね。これは今雪を見に行ってるわけです。
冬で雪を、きれいな雪が降っている様子とかを眺めに行きたいなと思って行ってるわけですね。
ですからその気分に合うような効果、古今和歌集にあるような和歌を読みながらですね、楽しくは楽しみ、楽しいな、楽しみだなとか言っていたけれども、
めでゆくまにまに、いつしかとちりうせぬるわとあります。
ところが、雪が降っていくんだけれども、
めでる、要するにあっきれいだなと思ったら、いつしかとちりうせぬる、いつしかってすぐにことですね、すぐに消えてしまうと。
おそらくそんなに雪が強く降ってなかったんでしょうね。
雪の無情
ですからあっという間に雪が消えてしまうくらいの、そんな状況だったんでしょう。
で、「かくてやみぬとにやあらん。」
あーなんだこれで終わりかーと。
これで降らないで終わっちゃうのか、もう消えちゃうのかと思って、せっかく雪を見に来たけれども、あんまり思った雪がちゃんと降ってくれないっていうことですね。
まあしょうがないですよね。
そこで、さるはいみじきいれきえにこそ、あーもうなんともすぐに出ては消えてしまう、出てすぐにね消えてしまうんだっていうふうに残念がっているんですね。
とてと、ひとびとしにかえりねたがるを、しにかえりって面白い表現ですね。
これはとても強くっていう意味を強める表現だそうです。
人々がとってもねたがる、あーなんか残念だなぁと思っていた。
で、げにあえなくくちをし、ほんとにざんねんだと思いなっていた。
主人公が思いなっていたんだけれども、さてひきかえさんもひとめばろかんめり。
このまんま家に戻ってしまうのも、なんとなくひとめについて、なんかどうしたんだろうと思われてしまう。
だから、なおはちりんはっこうにことよせてと。
このはちりんはっこうってありますね。これは、はちりんじゃない、ほうりんですね。
ほうりんってのはほうりんじってお寺があるそうですね。はちこうと読むんですかね。
これは、ほうえんのことですね。そこでやる仏教の行事だそうです。
ですから、ほうりんのはっこうがあるから、今出かけていたんだってことにしようと思って、じゃあもうほうりんじに行こうぜっていうことになったと。
と思って、ひたやりに急がせたものほど、もう一回切り替えて、そっちに行こうってことになったときに、またもつつ闇に曇り満ちて、
そうしている間に、また闇が真っ暗になってきた。暗くなってきた。
要するに、さっきまでちょっと天気が悪かったところから、もしかしたら少し晴れてきちゃって雪が消えちゃったのかもしれないですね。
で、そこからもう一度曇りがちになって、まあ雪がおそらく降ってきたんでしょうね。
また雪が降ってきた。で、アーディシーよりけに散り乱れたれば、
ああ、そのさっきね、降っていたよりもまた散り乱れたれば、やっと強く雪が降ってきたって言うんですよ。
さっきはね、すぐ消えてしまうような雪だったけれども、今回は結構勢いよく降ってくれた。
道のほとりに御車立てさせつつ見たもに。で、道のほとりに車を立たせてですね、まあ車をそこに置いてというか、
何でしょう、義車ですからね。義車の牛をずっと繋いでいると牛が動いちゃうから、一回牛を離してですね、車だけを固定してね、
あの台の上にその義車の牛を繋いでいたところを置いてですね、固定して、そこでゆっくりと雪見をすることにしたんでしょうね。
そうしたら、何がしの山、くれがしの河原も、ただ時の間におもがわりせり。
あの山、この河原、いろんなものが一瞬で変わってしまった。もう景色がね、雪景色になったってことなんでしょうね。
あっという間に雪が降ってきて、あっという間に雪景色に変わってしまったって言うんですね。
法輪寺の行事
で、次でございます。一回、今読んだところを読みしますね。
やがて御車引入れたるに、そだより花の、と打ち拒じたりしも、
めでゆく間に間にいつしか、と散りうせぬるは、かくてやみぬとにやらん。
猿は忌みじき入れ家にこそっと、人々死にかえり寝たがるを、
家にあえなく口寄しとおぼせど、さて引きかえさんも人目ばろかんめり、
なお法輪の発行にことよせてとおぼしなりて、
額に急がせたもうほど、またもつつ闇に曇り満ちて、
ありしより家に血に乱れたれば、道のほとりに御車立てさせつつ見たもうに、
なにがしの山、くれがしの瓦も、ただ時の間におもかわりすり。
では一旦ここで起動かと思います。
お聞きいただいてありがとうございました。
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