いよいよ別邸から迎えが来ます。日も暮れてきた中で、主人公はというと……
サマリー
このポッドキャストは、2024年度大学入試共通テストの国語第3問、車中の雪を題材にした最終回です。主人公は、雪の中での出来事を通じて、桂の里の美しい月明かりと銀の風景を描写しています。急な出発によって迷惑をかけた様子も伝えられています。このエピソードでは、主人公は雪の中を進む人々の様子や、彼らが早く目的地にたどり着きたがる気持ちを描写しています。そして、主人公は独自の視点からその美しい景色を楽しみながら、他の人々の苦労にも思いを馳せています。
雪と月の美しさ
吉村ジョナサンの高校古典講義。このポッドキャストは、高校で学ぶような古典文学を楽しむ番組です。
今回も引き続き、2024年度大学入試共通テスト
国語本試験から第3問、車中の雪からお送りします。
今回最終回でございます。前回は、雪を見に出かけた主人公のところに
一人の少年がやってきて、源の少々からの手紙を届けるんですね。
で、それに対して応答したっていう場面でございました。 では最後の場面読んで参りましょう。
20行目からでございます。 ようよ遅れかかるほど、さばかり雨切らいたりしも、
いつしか名残なく晴れ渡りて、何を里の月陰華やかに差し入れたるに、 雪の光も厳しく映えまさりつつ、
雨土の限り、白金打ち延べた欄河ごとく煌き渡りて、 綾に眩き夜のさまなり、
ようよ遅れかかるほど、だんだんと日が暮れていくうちに、 さばかり雨切らいたりしも、
あれほど雨切らい、天のに霧がかかっていた、 つまり曇っていた。
曇っていた天気も、いつしか名残なく晴れ渡りて、 あっという間に名残なく残さず、晴れ渡っている。
さっきまで雪が降って、吹雪いていたのかもしれませんね。 で、曇っていた様子が一気に晴れていたと。
夕方になって暗くなってきて、いつの間にか天気が良くなっていたっていうんですね。 何を里の月陰華やかに差し入れたるにと。
これは何を里の月陰華やかにってこれね、 何を里の月っていう風にこの月にかかっていくんですね。
何を名前に追っている里っていうのは、これは桂の里。 桂の陰のことを言うわけですね。
今向かっている桂の陰っていう名前は、 その月を連想させるものですよと。
そんな月陰、月陰って月の光のことです。 つまりこれは晴れたから月が見えるんですね。
さっきまで雪が降っていて、月なんて見えなかったんだけれども、今晴れたから、 しかも夕方になって日も暮れてきて、今月が見えているんですね。
ですから今向かっていく桂の里、桂の陰の名前と 関係しているその月の光が華やかに出ていた。
月の光の中で雪の光もいとどしく晴れまさりつつ、 また雪が綺麗に光っていたというんです。
雨、土の限り、しのかね、うちのべたらんがごとくきらめきわたりてと。 天も地も見渡す限りが、しろかね、白銀をうちのべたらんがごとく、
引き延ばしたように銀色に輝いて、きらめきわたっていたって言うんです。 あやにまばゆき夜のさまなりと。
非常に鮮やかで、まばゆい、まぶしい夜であったって言うんですよ。 ですから、日が暮れて、
空は晴れていて、月の光によってあたりが照らされて、 白銀の光景が非常に美しかったということですね。
では今を読みしたところをもう一度読んでおきます。
ようよう暮れかかるほど、さばかり、あまぎらいたりしも、 いつしか名残なく晴れ渡りて、何を里の月陰華やかに差し入れたるに、
雪の光も厳しく晴れまさりつつ、雨土の限り、 白金うちのべたらんがごとききらめきわたりて、あやにまばゆき夜のさまなり。
銀のあずかりの登場
では最後の場面です。 銀のあずかにも入れきて、
こう渡らせたもうとも知らさりつれば、 とくもむかえたてまつらざれしこと、など言いつつ、
かしだももたげれ、よろずに追従するあまりに、 牛のひたいに雪かきはろうとては、くびきにふれてぼしをおとし、
おん車やるべき道きよむとては、あたら雪をも踏みしらきつつ、 あしての色をえびになして、かつだかぜをひきあるく、
ひとびといまはとくひきいれてん、 かしこのさまもいとゆかしきをとて、
もろそそきにそそきあえるを、げにもとはおぼすものから、 ここもなおみすぐしがとおって。
銀のあずかり、これ新たな登場人物です。 銀のあずかりっていうのは、かつだの銀の管理人の存在ですね。
ですから、今、銀に向かう、かつだの銀に向かうってことがわかっているので、 そっちの方からもなかなか来ないなぁと思って、多分迎えに来たんでしょうね。
で、こうわたらせたもうともしらざりつればとくも、 迎えたてまつらざりしこと、このようにおあたりになる、
この銀に来るなんてこともわからなかったので、 早く迎え申し上げられませんでした。っていうわけなんですよ。
だからちょっと遅くなっちゃってごめんなさいっていうわけですね。 これは急に出発を決めたからっていうところもありますよね。
などと言いながら、かしらももたげれ。 かしらも頭ももたげないで。
頭もあげないでってことですね。 なんかちょっと恐縮している様子でしょうかね。
恐縮している状態で、よろずに追従するあまりに。 もういろんなところにですね、追従する、なんかこう
へこへこしてるって言うんですかね。 ちょっと申し訳なさそうにしてるんですよね。
牛の額の雪、かきはるをとっては。 今、たぶん牛ね、牛さんいたと思うんですけど、牛さんたぶんじっとしてたんでしょうね。
ですから、じっとしてなくても雪がだいぶ降ってたから、 雪が牛にめちゃくちゃ積もってるわけですね。
その雪をかきはらうときにも、くびきにふれてえぼしを落とした。 くびきにあたってね、車の部分にあたって、えぼしを落としてしまって。
えぼしってかぶってる帽子ですね。 なんかこう、あたふたしている様子が浮かびますよね。
えぼしを落としてしまって、おんくればやるべき、みちきよむとては。 この偉い人が車で移動するときには、先のね、先に
雪道の困難
その従者たちが先行して歩いていくわけですね。 まあ、つゆはらいって言ったりもしますけれども、
偉い人の前にね、先に行って、そこの いろんな、なんて言うんでしょう、道にあるものをどかしたりとか、
あとは、おふれをしてね、今から偉い人が通るぞーって知らせて歩いたりするわけですね。 まあ、そういうことをみちきよむと、道をきよめるって言うんですね。
で、車を移動するために道を先に行ってね、きよめるときには、あたる雪をもふみしだきつつと。
そこでは、あたらしくね、つもったその雪ですね。
なんでしょう、雪がいっぱいつもっている雪もね、例えば、
結構、つもってしばらくした雪ってちょっと汚くなっちゃうんですね。土と混ざったりとか汚れついたり。でも、降ったばかりの雪ってすごい綺麗なんですよね。
で、そういった雪をやたらと踏みしだきつつと、もう、踏み荒らしちゃうっていうんですね。
踏み荒らしちゃうっていうか、まあ、そりゃ先を行ってね、雪をちょっとどかすくらいはしたかもしれませんね。
なんていうか、雪道を義者が通うの大変ですからね。 だから、ちょっとこう雪が、雪をどかしたりとか、固く踏みしめたりするわけですよ。
雪の上を歩いてね、ふわふわした雪の上を歩いて、あの、義者が通うの大変でしょうから、ちょっと踏み固めてしたのかもしれませんね。
踏み固めて、そこの準備をしたわけですよ。でも準備をするとですね、そこがちょっと汚くなっちゃうわけですよ。
で、それを、あー残念だなぁとか思ってるわけですね。で、足手の色をエビになして、かわいそうにね、足や手の色をエビのようにしてって言うんですよ。
要するに、真っ赤にしてってことですね。寒いからね、かわいそうにね。
かつだ風を引き歩くっていうね、これはちょっとした洒落な言い方ですけど、かつだ風っていうのは、かつだの風ですね。
その、かつだの院のこの、寒々しい冬の風ですね。風を引き、で、これ風を引くっていうのが、まあ掛け言葉のようになっていて、もう風を引くようにしてね。
風を引くようにして、引き歩く。引き歩くっていうのは、その引きずれ歩いていく、引きずれて歩いていくっていうのが、まあ全部混ざり合っている表現ですね。
まあ古文の言い回しとしては、こういった一つの文、かつだ風を引き歩くっていうものの中に、かつだという場所の寒々しくも美しい景色、
雪の中の人々の苦労
そこを流れる風、そしてその風をそこで風を引いてしまうような人々、そして主人公たちを引きずれ歩いていく人々っていうところまでが、全部この一言に込められているわけですね。
まあこれが平安時代っぽい言い回しかっていうと、なんとなくもうちょっと江戸時代っぽい言い回しな気もしなくはないですけどね。
ちょっと平安時代に言い回されても悪くはないけど、ちょっとなんか、なんでしょうね、少し強引というか、少しわかりやすすぎる感じもない気にしもあるかもしれませんね。
まあいずれにせよそういう風にして、みんな苦労しながらね、かつだの意にお送り届けようとしているわけです。もう夜も更けていくからね、寒いですからね、きっとね。
で、そんな中で人々はこのように言っています。人々、今はとく引き入れてんと、もう今はもう早くとくって早くですね、早く引き入れようと、もうかつだの意に早くお連れしようって言うんですよ。
そりゃそうですよ、寒いからね。で、賢の様もいとゆかし来ようって言うわけですよ。
あちら側の様、様子もね、いとゆかしとても魅力的だよって言うんですよ。
ですから、まあこの場所ね、今これ道の途中なんですね。道の途中で雪を見るのもいいけど、もうかつだの意まで行ってしまったら、かつだの意はかつだの意で、すごく美しいですよって言うわけですよ。
もうとにかくね、みんな時にはね、早く主人公を連れて行きたいわけですよ。
もうとっとと連れて行って、もう寒い寒いとか、もう早く家に入りたいと思っているわけですよね。
とって、もろそそきにそそきあえるを、もうみんなね、そわそわしているわけですよ。
どういうことかっていうとね、主人公はたぶんのんびりしてるんですね。
あー綺麗な景色やなーとか思って見てるわけですよ、ここではたぶんね。
そりゃそうですよ、主人公はね、もう比較的車の中にいるんでね、ちょっと暖かいわけですよ、他の人たちに比べれば。
他の人は雪の中でね、もう体に雪とか降り積もっている中で、しかもたぶんね、晴れた時って寒いじゃないですか。
しかも夜でね、晴れた夜の冬の空ってもう寒いですよね。
しかも雪もめちゃくちゃ積もってるしね。だからみんな早く買いたいってか、
要するにその勝田に行ってしまいたい、別荘に行ってしまいたいって思ってるわけですよ。
だからそわそわしながら、早く買いたいなーって思ってるわけですね。
それに対して主人公は、下にもだよねーって、そうですよね、下にって本当にねってことですけど、だよねーって
おぼすものから思っているけれども、ここもなお見過ごし方って、ここもね、まだ見過ごし難い、もうちょっと見ていたいなーとか思ってるわけですね。
いやこういうね、人の元でお使いすると迷惑ですよね。もう風流なのはいいけどね、寒い言うてんねみたいな。
主人公の視点
手とか足とか真っ赤にしてね、雪とか積もってて、しかも急に移動するからね、急に来るからね、もう管理人さんもすごい困った感じでね、急な対応を迫られて。
こういう急なことを言い出してね、しかもこういう道のほとりでね、自分はね比較的暖かいからいいけど、みんな苦労している中でぼんやりしてね、
あーそうだよねー大変だよねーとか言いながらでも美しいなーとかぼんやりしてるっていうね、なかなかイライラさせるような展開でもありますが、まあこういうものをね、あら風流ですねーと受け取るもよし、ちょっと滑稽味のあるね、おやおや、昔のこういう高貴な方は困ったものだなーと見るのもまたよしじゃないでしょうかね。
はい、というような作品でございました。
最後の場面もう一度読んでおきますね。
陰の預かりも入れきて、子を渡らせ給うとも知らざりずれば、徳も迎え立てまつらざりしこと、など言いつつ、頭ももたげれ、よろずに追従するあまりに、
牛の額に雪かきはろうとてば、首機に触れてえぼしを落とし、御車やるべき道きよむとては、あたら雪をも踏みしらきつつ、足手の色をえびになして、勝田風をひきありく、人々今は徳引入れてん、賢の様も色ゆかしきをとて、
もろそそきに注きあえるを、下にもとはおぼすものから、ここもなお見すぐしが通って、出典は2024年度大学入試共通テスト国語本試験、車中の雪からでございました。
ではまたお聞きください。 ありがとうございました。お案内は吉村ジョナサンでした。
15:33
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