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最後に、お二人にメインの質問をしたいんですけども、
この本を見ること、アートを読むこと、当然、アートブックと切っても切れないキーワードだと思うんですけども、
先ほども少し私はお話ししましたけど、今日こちらにいらっしゃっている皆さん、当然、アート大好きな方がほぼ99%だと思うんですけども、
例えばそういう方でも、本は読まないって方もいらっしゃると思います。
で、僕なんかは、アートもともと食わず嫌いでしたし、アートとか本って、なんか読まず嫌い、食わず嫌いって方結構いてもったいないなと思うんですけども、
そんな方々にも含めてですね、改めてそれぞれ専門のお二人から、アートブックとの付き合い方ってハウトゥーではないんですけども、
こういう感じで接したらいいんじゃないかみたいな部分をお二人からお聞きしたいなというふうに思っています。
冨井さんから、いかがですか。
冨井大裕さん,とりあえず、まず本屋さんに行ってください。
とにかく手当たり次第、全部見てみることですかね。
特に深く考えなくていいわけですね。
あと、これをちょっと言うとまた美術館の方に失礼なんですけど、図録を買っても文章は読まなくていいです。
文章は読まなくていい。
想定と図版だけ見てください。それでいいです。
いいです。今日も名言が残っちゃいましたね。
それあえてもうちょっと突っ込むと。
まず読むと難しくなっちゃうから、ますます苦手になりますよね。
頭で考えちゃいますよね。
面白い本ぐらいの感じでいいです。
アーティストブックって基本的にはそういうものが多いんですよね。
面白い体験ができる本っていうか。
体験。
だから作りとか想定もそうだと思うし、別に例えば僕の作品史を買ったと思わなくていいんですよね。
なんか変な作りの本だとか。
そういうぐらいいいと思っていて、そういう本が本屋にいっぱいあるので、とりあえずどんどん見ていってほしいというか。
レンタルビデオ屋でビデオを本気で探そうとするとずっといられるでしょ。
その探した時が一番楽しかった。
そうなんですよ。僕も2時間ぐらいで仮に帰ることが多いんですけど。
やっぱり。
で、その時に結構映画がわかるんですよね。
それはそれで一つの映画の体験だと僕は思う。
だからそういう感じから入っていただいたらいいんじゃないかな。
買う必要はないっていうのはちょっとわかりづらいですけど。
まずは行ってほしい。で、ガンガン引っ張ってほしいんですよね。
面白い本だよって言って、すごい本当は価値のある本を、ただ面白い本って投げ捨ててもいいですから。
じゃけ買いみたいなのを勧めます。
中身見なくてもいいですよ、そしたら。
表紙だけ見て、ズコンズコンってこう、投げ捨ててもらうだけでもいいんで。
でもね、僕、たまにドイツとか写真集探しに行くんですけど、そういう時って、
本屋さんも行くんですが、ディストリビューター、取り継ぎやってる人の倉庫とかに行かしてもらうんですよ。
で、2万冊ぐらいの本を、じゃあ今日いいよここ1日ずっとこう見てる。
なんかね、やってるともうね、背拍子のタイポグラフィーの感覚とか、その形とかで、もう結構ね。
匂う、この本みたいな。
わかりますもん。あれは何でしょうね。
一度僕、寿司屋と話した時にそれわかるって、マグロもそうとか言って言われたことがあって、
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本当にびっくりしたんですけど、なんかあるんですよ。
あるんですよ。それはね、やっぱ感じ方っていうか数かな。
重ねることで。
いっぱい見てるとわかってくるかもしれないですね。
数って時に全部わかんなきゃいけないって数じゃなくて、ただ数でいいと。
そこにあんまり理屈はいらないと。
そのための本屋ですよ。
そのための本棚だと思うね。
じゃあまず本屋へ足を運べと。
そうですね。本棚見て、帰りにビールでも飲んでっていうのを3回くらい繰り返す。
ここがメインかもしれないですね。
濱さんいかがですか?
本は買わなくてもいいという話だったんですけど、僕もやっぱり基本は手に取るっていうことが一番重要だと思います。
まず1ページ開いてみるっていうんですかね。
まずとにかく手に取ることが重要。それはもうすごく同意します。
でも次の段階で迷ったら買えみたいな。
それはやっぱりすごくありますよね。
結局購入する未然に起きることによって別にそれは自分の一部になることになっていくと思うんですよね。
特に図録みたいな大きい本を買うっていうことは。
さっき富井さんもおっしゃったように、もちろん正解の読み方とかはないんですけれど、
それがやっぱり自分の近くになるべくそれで買ったら置いておく。
寝るときに枕の横にとか、本と一緒に寝るとか、風呂入るとかね。
やっぱり体の近い場所にそれがあると、トイレでもいいんですけれど、パラッと見ると何か感じるものがある。
どうしても今美術って文脈病みたいなところに陥っちゃっていて、そっちのほうが重要になっちゃってるんですよね。
これはこういう美術史観っていうんですかね。
美術史のヒストリカルに見るとこういう価値があって、こうだからこれは良いとかこれは良くないとかなんですけど、
そういうものはあくまでもプロフェッショナルに任しておくとして、自分は自分の楽しみ方でそれを読む。
さっきもコスとかなんて別にミニマルアートのプロからしたら、そんなのは別にあれはこういう意味があって作品でこうやっておっしゃられるかもしれないんだけど、
それも一つの見方だよねっていうふうに笑顔で答えられるようになりたいというんですかね。
それが正解ではないし、それがあくまでも作家の言いたかったことなんていうのは探しても絶対見つからないんですよ。
それは多分アートだけじゃなくて小説とかも全部そうで、どうしても僕たちは答えを求めて本を手に取ろうとしがちなんですけれども、
そうではない、自分なりのその本との付き合い方とか関係とか距離感とかを作ることに注力していればどんな本だって楽しく読めるっていうんですかね。
そういう気はしますけどね。
なるほど。ありがとうございます。
お二人からすごく素晴らしいヒントを得ましたね。
皆さん、本、そしてアートブックに対して今日何か得たヒントを明日から活かしていただければというふうに思います。
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本の教室プレイベントでラジオ美術館の第1回公開収録でもあります。
この本を見ること、アートを読むこと、お二人とも長時間にわたってありがとうございました。
どうもありがとうございました。