ART×ROOMへようこそ。この番組は、アートが好きで作家さんを応援したいという気持ちから、YouTube、ブログ、インスタグラムから展覧会情報や作家情報、作品の情報などをお届けしている、DE アートの活動の一つとして始めました。
今回は、番組を作るに至った経緯や、どんなことをお伝えしていくのか、少しお話ししたいと思います。次回からお届けするのは、作家の朝日菜健さんのお話です。
朝日菜健さんのプロフィールです。 絵描き
1997年、バージニア工科大学に交換留学。1999年、横浜国立大学建築学科卒業後、独学で絵画を学ぶ。2005年、須藤美術館の海外研修生としてマドリッドに留学。初個展。その後、欧米のアートペアを中心に作品発表。近年は国内外で国際交流企画を主催しております。
2018年、星野リゾート海戦国谷において、アーティストインレジデンスを主催しております。
朝日菜さんのお話を聞く中で、どんな風に制作をされているのか、どんな風に作品が出来上がっていくのか、
作家さんは作品を作りながらどんなことを考えているのか、展覧会があるその時までどんな気持ちでいるのかなど聞きながら、皆さんに知っていただけたら嬉しいなと思います。
というのもですね、朝日菜さんから連絡があったんですね。
展覧会があるんですが、作品を作っているといろんなことを思うので、それを文章にしてフェイスブックに載せているんですけれども、その文章を作る時間がないんですっていう連絡があったんですね。
朝日菜さんはいろんなことを考えながら制作をするそうなんですが、それを文章にしたいなぁと思っているそうなんですよね。
作品を作る上で見ていただく方たちにそれもお伝えしてみたいということなんですが、
制作ってとても時間がかかるので、そこに文章に起こす時間っていうのがなかなか取れない。
だけれども、展覧会をする上でやっぱりたくさんの人に見てほしいなっていう気持ちがあるので、
そういう作品を作っている時の気持ちとか思いとか、あとはどんな意図で作っているっていうものを発信したいなっていう思いがあるそうなんですね。
そこで私が朝日菜さんに提案したのが、文章に起こすの大変だったら話してみたらどうですかっていうふうに提案したんです。
私あのポッドキャストすごく好きでよく聞いているんですけれども、朝日菜さんが話したら面白いんじゃないかなっていうのを思ったんですね。
じゃあ話してみましょうということになってこの番組を立ち上げました。
今回は朝日菜さんの展覧会まで何ヶ月かあるので、朝日菜さんの思いというのを聞きながら何回かにわたってお届けして、
展覧会までの気持ちをですね、ちょっと追っかけていきたいなと思って、何回になるかちょっとわからないんですけれども、
4月30日から5月12日で開かれる展覧会に向けてこのポッドキャストを進めていきたいと思っています。
展覧会後はまた話したいなとかこんな思いがあるんだよという作家さんで出演したいなという方がいれば一緒にポッドキャストを収録してお届けできれば嬉しいなと思っています。
ただ今はまだその先のことは何も決まっていないので、朝日菜さんの展覧会に向けて進めてみようかなと考えています。
ここで私の自己紹介を少ししたいと思います。
私は美大にも行っていなくて、何か学芸員とかそういう資格もあるわけではなくて、本当にただアートを好きなだけなんですよね。
だからこの発信をしていいのかなっていう思いもあったんですけど、
自分で今している活動としては、私の身の回りにいる制作をしている作家さんたち、作家さんというのはものを作っているアーティストの人たちのことを読んでいます。
その作家さんたちの展覧会や、あとは人柄とかアトリエの様子とか、私は見ててすごい面白いと思っていて、
彼らの話す話もすごく面白いので、私はただそこに関わりたいなっていう一心でやってるんですけれども、
元はですね、高校生の時ですね、私の実家の近くにちょっと面白いギャラリーができたんですね。
名前はスペースユーというギャラリーだったんですけど、私の住んでいるところ、ギャラリーとかできる場所ではなかったんですよね。
群馬県の田舎の本当に住宅地の一角に突然そのギャラリーができてですね、
高校生の私は美術がすごく好きだったので、気になって気になってしょうがない場所だったんですけど、
同じ町内にあるけれども、なんか入っていいんだか悪いんだかもわかんなくて、
ただちょっとその前をうろうろするっていうのを、どのぐらいかな、何ヶ月かしましたかね。
そこのギャラリーがコーヒーも出すようになったんですよね。
喫茶店もついて、そしたらなんかちょっと入りやすくなって、火を消して一人で入ったんです。
そうしたら展覧会をやっていて、コーヒーもあの喫茶店として提供していて、
高校生の私はですね、なんかとりあえず見たいから入っちゃったけどどうしたらいいんだろうと思ってたんですけど、
オーナーの和田さんがすごく心よく迎えてくれて、それから私はしょっちゅうそこに行くようになるんですね。
家の近くなんですっごく行きやすいんですけど、私の町内の人たち誰もそこに行ってんの見たことないっていう感じで、
ちょっと異質なギャラリーでやっている展示も、そうだな、現代アートだったので、
ちょっとこう意味がわからないものもいろいろありましたかね、言葉がなんか書いてあるのが飾られてたり、
写真もなんかちょっと何かよくわかんないのが飾られてたり、抽象画っていうのもあんまり見たことなかったので、
とにかく私には新鮮で、そこで来ている人たちの話もなんかちょっと哲学的で、
私が聞いてもよくわかんないものもあったりして、それをこううんうんうんって、ただ聞いているためにそこにいるっていう時間を高校生ぐらいのときに過ごして、
それからそこでデッサン会とか参加したり、
皆さんと仲良くなって、私も作品をそこで一緒に参加して作ったり、
なんかいろいろと楽しいことを一緒にさせてもらったりとかしましたね。
で、それから私が仕事を始めてからはなかなか行く時間が取れなかったんですけど、
縁があって、銀座のギャラリーに勤めることになって、
そこの縁をつないでくれた者も、スペースユーで親しくさせていただいていた現代美術作家の方だったんですけれども、
その銀座のギャラリーで働いているときも、そのギャラリーもちょっと変わったギャラリーで、
名前を須藤美術館と言います。
世界一小さい美術館としてご自宅を開放して始められた須藤一郎さんと、その奥様ののりこさんの二人が手がけているギャラリーで、
そこでスタッフとして働いていたんですけど、このホワイトキューブと言われるギャラリーの中だけじゃなくて、
出前美術館といっていろんなところに作品を持って行って展示したり、ワークショップをしたり、いろんなことをしましたね。
須藤美術館で働く日々は私にとって本当に楽しくて、
展覧会っていうのは一週間単位で変わるので、日曜日に搬出と言って、前の展覧会の作品を全部片付けるというのをするんですけど、
その次に搬入といって次の展覧会をする方の作品を出して飾るっていうのもするんですね。
その搬入と搬出私すごく好きで、作品を箱から出してどんなものが今から出てくるのかなって思いながら根本を解いていくんですけど、
作品が出ると今度はそれをどの位置にかけていこうかなっていうのが始まるんですね。
作品一つ一つもすごく見ごたえはあるんですけど、その作品を描ける空間っていうのが、
作品の描ける位置によって変わるんですよね。
で、そうだな、みんな主観でやってるけど、ピシッと決まるときあるんですよ。
これは違うな、これはこうだなとかみんなで話し合いながら、作家さんとそこにいるみんなでその空間を作っていくんですけど、
そうですっごい楽しいんですよね。
で、その搬入をして展覧会が始まって、展覧会中は作家さん割と在籠している方が多いので、
いろんなことをね、そこでまた話すんですけど、また作家さんの話がそれぞれ面白くてですね。
でも私、結婚と出産期にそこを辞めるんです。
家族の事情もあって、私が仕事をしながら子供を育てていったり、その家族のサポートするっていうのは無理だろうというふうに判断して辞めたんですけど、
私その辞めた時に、まっすぐ戻ってこれるだろうなって思ってたんですよね。
思ってたんですけど、戻ってくるまで何年かかったかな。
15年ぐらいかかっちゃったかな。
そうですね、10年全く社会で働くっていうことはできなくて、
3人子供がいて、それぞれのことをしていると10年はちょっと社会的な働きっていうのはできなかったので、
そうすると社会に出て自分が働けるかどうかっていうのが、ちょっとわからなくなるんですよね。
それまではPTA活動とか、それぞれ地域のこととか、働くっていうことはしてるんですけど、
賃金をもらって働くっていうことはしてないので、その責任が私に負えるかなとか考えちゃって。
で、まずパートとかから始めるんですけど、
4時間ぐらい働いて、子供が帰ってくるまでに戻るっていうのをしていて、
そこでやっぱりこう、願わくば、
あの素敵な作品、素敵な作家さんいますよーって伝えたいなーっていうことで始めた活動なので、
展覧会を見に来てくれる方が増えればいいなーとか、
この作家さん知らなかったけど、こんな作家もいるんだーとか、
こんな作品あるんだーっていうことを知ってもらうっていうことが、
まず一番願いとしてはありますかね。
タイトルをアートルームにしたのは、
部屋にアート作品があるっていうことが、私はとっても素敵なことだと思っていて、
その須藤美術館で働き出して、その須藤ご夫妻が家に作品すごくたくさん描けてるのを見て、
家に作品を描けるってすごく素敵だなーって思ったんですよね。
アート作品を買うってそんなに馴染みのない方が多いかなと思うんですけれども、
ギャラリーに行くと作品って買うことができるんですね。
今はインターネットとか作家さんの持っているオンラインストアとかでも買うことはできるんですけれども、
ちなみに私もオンラインストアやってますので概要欄の見ていただけると嬉しいんですが、
私は少しずつ少しずつ自分の買える範囲で気に入った作品を少しずつ買いながら家に描けるっていうことをしています。
そうですね、須藤美術館で働き出した20代の頃から少しずつそれを始めたんですけれども、
数はそんなになくても、一つ作品が部屋にあるっていうだけで存在感結構あるので、
なんかいいんですよね。
何がいいかというと、その作品と私の間に、毎日暮らしの中にそれがあるので、
関係性ができていくような感じがあるんですよね。
何かのりにふっとそれを見るとか、無意識にも目に入っているとか、
一回作品を壁にかけると、壁にかけないもので置いたりするものもあるんですけど、
その壁にかけてある作品を一回外すとですね、もう寂しいんですよね。
壁に作品がかかってないっていうことがもう寂しいんですよね。
その存在感結構ありますね。
なかなか伝わらないかなぁ。
その作品の向こう側に見えているものっていうのも、なんとなく感じるんですけど、
例えば、作家さんが思っていることとか考えていることって別に直接間違いなく伝わらなきゃいけないっていうことではないと思っていて、
作家さんは作家さんでその作品と向き合って作っていく中で、思うこととか考えることがあって、
アウトプットとしてその作品はできていくんだと思うんですけど、
その作品を受け取る私としては、もう一言一句間違いなく受け取らなきゃいけないってことは全くなくて、
私とその作品との関係性になっていくから、
私とその作品のつながりと作家と作品のつながりはまたちょっと別なんですよね。
それでも作品の向こう側にはその作り手がいて、そこともつながっている感覚っていうのはあるんですよね。
作品を通して私はその作家ともつながっている感覚がありますね。
余計に私知っている作家の作品が多いので、お会いしたことない方の作品も持っているんですけど、
知っている方の作品もお会いしたことがない方の作品も、
その作品の向こうにどんな苦悩とか葛藤とか喜びがあったんだろうかとか、
思っちゃいますよね。
で、自分が苦しい時とか、なんかそれを思うだけですごい支えになったりとかしますね。
本日はまだ朝比奈さんとは収録をする前なので、
朝比奈さんからどんな話が出てくるのか、どんな思いで今作っている作品と向き合っているのか、
これから聞くのがすっごく楽しみです。
どのくらいの方に聞いていただけるかわからないんですが、
私が面白いなと思っている作家さんの話を共有できたら嬉しいなと思っています。
ではアートルーム第1回をこれでおしまいにしたいと思います。
次回もよろしくお願いいたします。
作品とのいい出会いを。