1. デザインのまわり
  2. デザインと余白
2021-10-19 19:48

デザインと余白

デザイナー 山下一樹(ヤマシタカズキ)がデザインのまわりにあるテーマをもとにお話します。今回のテーマは「デザインと余白」。見た目やレイアウトを想像しがちな余白ですが、伝え手から受け手にとって心地の良い余白を設計することについても触れました。

サマリー

山下一樹氏はデザインの中で、デザインと余白について話しています。余白の重要性や余白を意識する際のポイントについて考察しています。デザインや情報伝達において、全部を説明するのではなく、余白を残し、読み手にイマジネーションや想像力を働かせることが重要とされています。

デザインと余白の重要性
デザインのまわり デザイナーの山下一樹です。このポッドキャストでは、私がデザインの仕事をしながら感じたこと、思ったこと、
デザインの周りにあるお話をお届けしています。 そして今日も僕の話をうまく噛み砕いて進行してくれるこの方も一緒です。
アジスタントの草野です。コミュニティ運営や企画運営の中で、人と人の接点を増やす仕事をしています。
今日もよろしくお願いします。お願いします。 今回のテーマは、デザインと余白ということで聞いておりますけれども、
余白を取り扱おうと思ったのは、何か理由があるんですか? 割とデザインの書籍を見ていると、余白について書かれたことが
増えてきた気がしていて、ここ数年ぐらい、余白がだんだんメインになってきたような感じを受けましたね。
なるほど。じゃあデザインの周りとしても、それを取り扱った話を一回ぐらいしてみようかなという感じかな。
そうですね。 余白難しいですね。
そうなんですよ。余白って意識してデザインしてますかって言われると、無意識でやってるようなところが多くて、
僕らがデザインをするときっていうのは、要素をマウスで選択をして、グルーピングをするようなイメージで、
こことここは開けようかとか、やりながら整理していくんですけど、それで勝手に余白が生まれていくような感じですよね。
余白とは勝手に生まれるものである。
終わるぜ、それ。 以上、みたいな。
何なんだろうね、余白。でも、わざわざ最近取り立てて、本とかもあるしね、そういうのがあるってことは、
今まではなかったけど、最近みたいな話なのかな。
どうやったら綺麗に上手くデザインできますかって言われたときに、一つ特徴的な要素の一つなんですよね、余白って。
グラフィックデザインの小学者とかのものを見てると、やっぱり余白の取り方がアンバランスだったりとか、
結構ギュウギュウになってたりとかするものがあって、
そこを打破するために、ちょっと余白っていうものを考えてみたらどうですかっていう、そういうのが言いやすいんかなと思って。
ギュウギュウになっているものを見て、もっと余白があったらいいデザインになって、思っている人たちが動き出したってことなのかな。
それがトレンド?
余白を作るための工夫
いや、トレンドとかではないですね、余白って。
どっちかというと、これ僕日本人はって言ってしまっていいのかどうかあれですけど、
決まられた制約の中にどんだけ詰め込むかが勝負みたいなところってないですか、職人芸的な。
職人芸。よくこれだけの情報を入れましたみたいな。
そうそうそうそう。なんかそれが、デザインのやってる立場で考えてると、乗ってくるとどんどんどんどん詰めていく感じがするんですよね。
あれなのかな、でもよくパワーポイントとかが文字ぎっちりみたいなパターンとかもあるじゃないですか。
確かにそうですね。
文字で伝えようとしがちなのかな。イラストじゃなくて文字で説明したがるみたいな。
したがるというか、日本語しかなかったから文字がみんな読めるからそれでいいかってなったのか。
敷地率っていう意味ではね、高いですもんね、日本では。
そうなんてこともあるかもしれない。
確かにさっき言ってた、このエリアにどれだけ詰め込めるかみたいなのが、クライアントさんからこの情報を入れてください、ボンみたいな感じで来たやつとか、
全部入れなきゃいけないのか、みたいなことするとそうなりがちだな、みたいなこと思ったりとか。
看板とかやっぱりそういう成果物っていうのは、伝えたい側とそれを作る側ってやっぱり分かれてるし、
前回の話じゃないですか、18中の関係で、そういうワークフローになっちゃってると文字削るなんていうこともできずに終わっちゃうみたいな。
結果めっちゃぎゅうぎゅうで文字が小さくなるっていうのはあるかもしれないですね。
確かに確かに。
こういうところで使われるから、そんなにいっぱい詰め込んでもみたいな話ができるクライアントさんだったらいいんだけど、
そうじゃないと余白を作りたくても作れないみたいなこともあるのかもしれないですね。
そうしたところの一つの継承として、作り手側が余白をもうちょっと強く意識をして声を上げていくというか、
もうちょっとここに余白を置くには情報量を減らさないとみたいな、そうしたアプローチも本が出てきたきっかけなのかなという気もしています。
余白の重要性みたいなものって、デザインをやってない人にどうやって伝えたらいいんですかね。
当然何かを作るっていう目的があるはずで、お客さんにこういう情報を知ってほしいとか、こういうことをしちゃいけませんっていうのをきっちりと書いておくっていう、
一つ目的があると思うんですけど、余白を取らずにそれをやってしまうと、結局何が大事なのかがわからなくなったりとかしがちなので、
単純にその文章と文章の余白だけの話ではなくて、情報のコントラストをつけるというか、そういうのを分けるために使うものかなって思います。
なるほど。
なんかよく聞いたことがあるのが、ここ空いてるじゃんみたいなこととか言われたりとかして、
いやいやいやみたいな感じの時とかに、なんかどうやって説明するのかなとか、なんかそんなことをちょっと思ったので今聞いてみました。
これはね、まさにこの間自分の受けた仕事であったのが、
はい。
価格表を作ってたんですけども、この価格が円マーク数字で書いていったんですけども、その横に税込みって入れてほしいっていうオーダーが来て、
あーなるほど。
今って消費税の表示のルールで、全部税込みにしないといけないんですよね。
うんうん。
あえて書く必要はなくて、一番下の方に表示価格は税込みですっていう注意書きも入れてたんですけど、
なんかその数字のインパクトが高く見えるから、あえて税込みって入れてほしいですっていう要望がありましたね。
数字のインパクトを落とすために税込みって入れてほしかったんですね、そのぐらいの差は。
そうそうそうそう。
それだったら値段を下げたいのになって思ったんですけどね。
もともこも。
でも他にもインパクトを落とす方法って何個もあるだろうから。
そうですね。
でもなぜそれをしてほしいのか言ってくれると、なんか対応できる感じは。
そうですそうです。こちらもね、いろんな、別に税込みって書かずに文字の強さを落とすとか、
そういう対応もいろいろ考えられるので、やっぱりこれを入れてほしいですって言った時に入れちゃうのがギュギュになっちゃう原因の一つかなと思います。
確かに確かに。
特にその辺の設計のところからクライアントさんと関係が取れてれば、余白はより取りやすかったりとかもするかもしれないですね。
そうですね。今まで言ってきたみたいに、きちんと情報設計をして、
必要な情報の優先度とか、分量とかを調整できていれば、おそらくそういうことは起きにくいんですけど、
ただやっぱりレイアウトの余白のところだけに注目している本って、そこまであんまり言及されてなくて、
デザインにおける余白の意味
そこ込みで本当はデザインの教本らしくなるのかなとも思います。
何か余白は他にも考えたり意識したりすることとかってあるんですか。
そうですね。
これ後半のつなぎのところやな、今。ブリッジやな。
それでもいいし、別のことでもいいしと思って振ってみたけど。
収録をするってことをツイートしたときに、今日はデザインと余白の話をしますって書くと、
デザイナーの坂本隆さんからコメントをいただいて、ちょっと読んでみますと、
余白はコミュニケーションにおけるリズムであり、光学での遊びだと思っています。
作り手や発信者の視点だと、受け手のイマジネーション、想像力をかきたてるための意思疎通の技術ではないでしょうかといただきまして、
この一言に尽きるみたいなコメントをいただいたんですけども。
私たちデザイナーが意識すべきところっていうのは、本当に見た目の要素感の余白っていうところよりかは、
コミュニケーションで言えばそのリズム、どれだけ間を取るかによって、
情報のインパクトをつけたりとかつけなかったりとかするものに使うこともあるし、
僕が割と前回の放送で言ってたやつっていうのは、この後半のイマジネーションをかきたてるためのものっていうところに近くて、
あえて完成の一歩手前ぐらいにしてやめるみたいなところを意識し始めました、最近。
考える余地みたいな話ですか?
そうですね。またこれ例えがわかりにくくなったら申し訳ないんですけど。
お弁当ってあるじゃないですか、お弁当。
お弁当ってお弁当の箱に詰めていくもので、当然ぐらぐらしないように詰めるんですけど、
きっちり詰めていきますよね、あれって。
そうですね。
あれって、お弁当はもうあれ一つで完成形なんですよね。
対して、お膳の料理ってご飯あってお吸い物があって、メインがあってみたいな感じじゃないですか。
そのお膳を見たときに、もう一品何か足そうかなみたいな瞬間があるんですよね。
なんか料理してると。
でも足さずに一歩手前でやめてみると、意外とちょうどだったとか思うことがあって、
なんかそれをうまくデザインの設計に取り入れられないかなっていうのが今ちょっと考えてることです。
なんかどうしても足りなかった量だから一個足しちゃおうって思っちゃうお膳だろうな。
食べ始めてひもじくなったらって思っちゃうけど、そうじゃないってことなのね。
なんだろう、重すぎないみたいな感じなのかな。
単に分量とかのね、なんかそういうものじゃなくて、
パッとお膳を見たときにちょうど良さっていうのがなんかあるんですよね。
バランスというか。
ここがちょっと言語化の難しいところかな。
でもやってると分かってくるのかな。
なんかついそこに足しがちなのをちょっとやめたいなっていう気持ちです。
別の話ですと、便箋に手書きで手紙書くことなんて少なくなると思うんですけども、便箋いっぱいに書こうと思わないじゃないですか、普通。
なんか伝えたいっていうものがあって、お元気ですかみたいなところから始まってお手紙書くじゃないですか、普通って。
その満パンにしようとしないで、こうやっぱり下が開く状態っていうのが自然なんですよね。
デザインと余白
受け取りやすいみたいなことなのかな。
うーん、かな。
でもなんか今便箋のお手紙の話についてあったときに、よくこう全部を言わずに点点点みたいな表現ってあるじゃないですか。
うんうんうん。
なんかその点点点に当たるところなのかな、みたいなふうには。
うんうん。
なんかちょっとこうニュアンスっぽいものとか、なんかそういったものを。
全部書くことはできるんだけど。
うんうんうん。
そうじゃなくて、なんか全部は言わないけれども、含みみたいなものがあるよね、みたいな。
うん、それに近いですね。
イメージかな。
うん。
なんかこう、全部説明するって、全部このことですってなんか伝えられてるような感じがあって。
うんうん。
なんか今言ってた話って、なんかその大元のものはあるけど、そこからどっちの方向に行くかは読み手次第みたいな。
うんうん。
そういうのが結構イマジネーションみたいな話なのかなとか、今聞きながらイメージしてました。
そうですね、うん。
もちろんそのマニュアルみたいに本当に伝えておかないといけないようなものもあるんですけど、
そういうものとは違う、その情報媒体だったり、ポスターでもいいですし、
なんかそういうところに全部こう載せるというよりかは、
見た人がこういうことなんだな、みたいなことが思うスペースをね、一個作ってあげるっていうのがなんか言いたかったこと。
うん。
うん。
あー、そのさっきのもう一品っていうのは、もう一品何か起きたいなって思ってるっていう、
その思ったことがもう想像力になってるっていうことか。
うん、そうですね。
はーはーそういうことか、やっと分かった感じします。
すいません。
ごめんなさい、ごめんなさい、私の理解力が。
いやいやいや。
でもそっか、だから全部が埋まってて、なんか完璧だったら、
あー、なんか美しいものですねとか以上だけど、
もしもうちょっと足したいな、自分だったら何足すかなって、
その自分の賢が入ってきてる時点が、
イマジネーションか、想像力になってるのか。
そうだと思います。
なるほどねー。
面白いですね。
なんかそういうものがいろいろあって、
僕のその余白っていうものに全部つながってるんです。
うーん。
なんか一言に余白って言っても結構幅のある話だから。
そうですね。
ね、いろんなこう、まだまだもしかしたら出てくるかもしれないしとかね、ありそうですね。
デザインの効果
そうですね。
でもツイッターでこうやっていただけるのめちゃくちゃ嬉しいですね。
嬉しいですね。
なんか感想とかもね、いただけたらここで話せるネタになるんで。
こういう余白もありますよね、とかね。
でも坂本さんのツイートの、その高額での遊びっていうところは、
同じこと聞きたかった。
初めて発見したやつで。
高額での遊び、私言うとごめんなさい、高額での遊びって言うと、
私言うとごめんなさい、高額がよくわかってないかもしれない。
ものづくりって捉えてもいいかもしれないですね。
遊びの部分があるみたいな。
そうそうそう。
そういうことか。
よくDIYとかできっちりとしたものを作ったら、棚が開けにくいとか、なんかそういうことかな。
うーん、確かに。
引き出しもね、完全にきっちりなわけじゃないもんね。
そうそう、捉えました。
確かに、物事はスムーズに動く。
面白いですね、コミュニケーションの手段、意思疎通の技術ってことも言っていただいてて、
それもそのスムーズにいくってことじゃないですか。
うんうん。
高額での遊びもスムーズにいくみたいなことじゃないですか。
うん。
まあそれだけじゃない意味もあるかもしれないけど。
全部この言葉で、こう理解ができますように。
確かに。
物を作るときに、だからあえてスペースを作ったりとかしてるってことなんだと思うんですけどね。
それが絶妙な使いやすさになってたりとか、そういうのは使っててもなかなか気づかないポイントだなと思いました。
そうですね。
なんか物もギチギチに置いてあるよりは、ちょっとスペースがあると。
たまにキャパオーバーしたときに置ける場所になったりとか、そういうのもあるじゃないですか。
家の内の自分を助ける場所でもあるかもしれないとか。
そうですね。
一時休憩みたいな、そういう意味もあったりとか。
これなんか永遠に語れちゃいそうですね。
予約を残して。
確かに、それだ。またこれ全部語りましたねって言うとまた重くなるので。
すごいね、この坂本さんの後半言語化していただいたところが良くて、作ったときに相手が思うスペースを残しておくっていう。
でもあれですかね、全部を語っていくときっと余白が足りなくなってくるから。
この辺でみたいな。
はい。じゃあ今日はこのところで大丈夫でしょうか。
はい、大丈夫です。
はい、じゃあ今回トークテーマデザインと余白ということでお送りしましたが、次回は何か決まってるんですか。
次回はデザインと教育。
教育。
というところで、教育って言ってもその本当の教育問題とかそっちじゃなくて、デザインのその教え方とか、そういった話をちょっとしようかなと思ってまして、
まだ何も考えてないので、ぜひツイッターとかメッセージいただけましたら。
確かに。またね、こうやって坂本さんのように、いいやつ、いいやつくださいって言うと緊張しちゃったりするわけではありそうだけど、
思ってることとかね、こういうこと最近考えてますとか、そういうのとかあったら嬉しいですね。
そうですね、お待ちしております。
お待ちしています。
今日は何か、そういえばオフィシャルサイトができたっていうのも。
オフィシャルサイトっていうか、僕がだいぶ放置してたブログに、デザインの周りというタイトルをつけて、
ポッドキャストの音声も、リンクとかも集約していってるサイトがあります。
デザインの周りで検索すると割と上の方にあるはずなので、ぜひ覗いていただければと思います。
はい、じゃあ今日はそんなところでしょうか。
はい、それでは今日も聞いていただきありがとうございました。
ありがとうございました。
ではまた。
19:48

コメント

スクロール