YCAMオリジナルの鑑賞ワークショップ三角トーク
YCAMぐるぐるラジオ第6回、11月26日土曜日、山口情報芸術センターYCAMからお届けしております。
現場にいるのは、YCAM教育普及担当のこんのと、はらと、山岡です。よろしくお願いします。
いつものメンツが3人、1面ですね。また揃いましたね。
このラジオ・ポッドキャストでは、YCAMがアーティスト、リサーチャー、山口の人たちとともに、
メディアテクノロジーのこと、アート作品のこと、暮らしのことについてなど、
様々な問いを立てたり、悩みを相談したり、そんな頭をぐるぐる動かしている様子を発信しています。
1ヶ月間が空いちゃいました。お久しぶりです。
1月ぶりのラジオの収録ですね。
俺、2月ぶりなのよ。
あ、そうなんです。
普通に緊張してます。
どういう風にやってたんだっけ?
久しぶりだね。
前回が9月末に公開収録で、10月の頭にオンラインで公開した放送になるんですが、
その時、私とはらちゃんと、ミハイルくんってその時YCAMでインターンをしてくれていた人が、
パーソナリティで話していたので、山岡さんは2ヶ月ぶり。
2ヶ月ぶりです。
そうか。確かに。でも先日のラジオ、前回のラジオも、多分暑いとか言ってた?
いや、めちゃめちゃ暑がってた。
まだ全然秋来ないみたいなこと言ってたけど、今はもう落ち葉がん落ちしてます。
あっという間ですよ。
落ち葉がん落ち。2022年も残すところあと1ヶ月。
怖い話だね。
今、あと1ヶ月とも言ったんですけど、YCAMは芸術の秋ということで、
この時期のYCAMはかなりにぎやかなことになっていて、
いろんなイベントとか、いろんな行事とか展示とかやったりしてるんですけれども、
そのあたりの話とかも、私たちの視点から今日お話しできればなと思っています。
では、本日のお品書きいきたいと思います。
今日のぐるぐるラジオは、おすすめ紹介スペシャル!
イエーイ!
ちょっとスペシャルというのにもだいぶ、
毎回スペシャルやってる。
そうなんです。ちょっと心苦しくなってきたんですけれども、
でもスペシャルってつけたら、すごい頑張らなきゃとか、特別にやるぞっていう気合が入っていいね。
お昼ご飯スペシャルとかさ、お休みスペシャルとかさ、
お風呂スペシャルとか言って生活するの面白そう。
思わぬライフハックがね、生まれたところで。
今日のスペシャルでは、私たち教育普及のメンバー、YCAMの教育普及メンバー、
特に山岡さんがですね、去年から中心となって実施している鑑賞ワークショップ三角トークについてご紹介したいと思っております。
紹介します。
これいつか紹介したいなと思っていて、このタイミングでね。
そうだね、あっためてたね。
あっためてました。
満を持して。
ついに。
満を持して、ついに今日。
満を持してスペシャルで紹介させていただきたいと思います。
スペシャルなので、いつものお悩み相談についても三角トークの紹介と絡めた関係するようなトピックをピックアップさせていただきました。
なので前半はまず三角トークをじっくりご紹介させていただいた後に、後半お悩みに生で生返答させていただきたいなと思っております。
それでは早速おすすめ紹介からいきましょう。
おすすめ紹介。
すみません、SEがいつも手弁当なんですけれども。
今後アップデートしていければなと思って。
我々のSEの語彙のアイディアのあまりにも。
ごめんなさい、YouTubeの効果音。
それではね。
早速2021年から実施しているYCAMオリジナルの鑑賞ワークショップ三角トークをご紹介したいと思います。
山岡さん、ズバリ三角トークってどんなワークショップなんでしょう?
ズバリ答えたいところなんですが、三角トークの説明を始める前に、そもそも鑑賞について導入って感じで話してみたいと思います。
お願いします。
けなちゃんもさっき鑑賞ワークショップって言ってくれてたんだけど、鑑賞って別に一人でできるじゃんって思うじゃないですか。
てか一人でしてるじゃないですか。
かなり一人でしてますね。
映画も一人で行くし、美術館博物館も一人で行くことも多いし。
複数で見るって言っても、友達とかさ、あと家族ぐらいなもんじゃないかなと思う。
普段はそうだね。
デートで行くとかね。
ほっこり。
ほっこりしちゃった。
だけど、以前もいくつか紹介させてもらったこともあるんだけど、一人で見る以外の鑑賞法っていうのもあるんです。
なんかそれは以前、第3回?
2回か3回だったかな。
2回か3回の時に、私もアートがわからないっていうのの、それこそおすすめ紹介のコーナーで、一人で見る以外の鑑賞法取り入れてるよねみたいな話もしてたから、多分それに近いことだよね。
そうですね。そこでは年齢も経験も違う、本当に様々な場所から複数の参加者、複数の鑑賞者が同じ時間、同じ場所に集まって、同じ作品を目指す。
で、そこで何が起きるかっていうと、自分一人じゃ気づけなかった作品に対する新しい視点を発見できるってことがあるんですよね。
確かに友達と言ってたら、これ面白いみたいなのがわかるみたいなのとか、家族と言ったら、あんたの小さい頃のこんなやつがみたいな。
共有できる話題っていうのがすごい多いかなって思うんだけど、知らない人とか、まだ会ったことない人と視点を発見するっていうのってありそうでなかったかもしれない。
知らない意見とか、考えたことがないこととかね、教えてもらえそうだよね。
例えば映画見終わった後に、隣のカップルとかが結構面白そうな質問っていうか、
あれ、この映画ってハッピーエンドだったね、みたいなことを言うと、そうか?みたいな、心ざわついたりする。
めっちゃある。その時に、すみませんって言って、入りたい気持ちを唇噛みしめて、涼しい顔をして、コーヒーをカフェで飲まなきゃいけないっていうことは何回もあった。
その度通る経験あります。
だからそういうのがもっと話せたらいいのになって思ったことももちろんある。
だからその鑑賞のイベントでは、普段なかなか話をしないような違う場所の鑑賞者、参加者が集まって、同じ作品について話をしていくんですね。
そうやって普段以上にしっかり作品を見る。
鑑賞者の積極的な鑑賞
ただただ見たなーみたいな感じで、自動的に見るんじゃなくて、よっしゃ見るぞみたいな。
がっつり見るぞ。
じっくりじっくり、隅から隅まで見尽くすぞみたいな気持ちで、そこまで能動的に鑑賞すると、ただ受け取っている自動的な鑑賞じゃなくて、むしろ積極的に作品についての見方とかを作り出すようなクリエイティブな活動になってくると思うんですよね。
なんかそれ聞くとさ、ちょっと楽しそうとも思うけど、難しそうとも思って。
なんでかっていうとさ、家族とか恋人だったら、それこそ言わなくても分かる。
共通した経験があるとかだから、ほらあれに似てるじゃん。
この間のさ、あれねとか言って通じることが。
例えば年がすごい離れた人とか、小さな子供に同じような気持ちを伝えようとする時に、すごい工夫して考えなきゃいけない。
難しいね。
みたいなことがありそうだなって思ったし、前紹介した対話型鑑賞でも同じようなことが起こってたなっていうのを今思い出しながら聞いてます。
一人じゃ分からなかったけど、クリエイティブに作り出せたな、新しい視点見つけたなっていう例とかって何かありますか?
昨日ね。
ほかほかだ。
ほかほかなんですけど、例えば昨日、Yカムの人とは全然関係ない友達4人で、見返り美人図っていう作品を見たんです。
見返り美人図って教科書とかに載ってる着物の人が描かれてる絵だよね。
Yカムで作られた作品でもなんでもない。
映画でもなく、絵ですね。
絵を見たんです。
僕最初、見返り美人図見たときに、見たことあんな、知ってんぞみたいな。
はい、あれね。
しかもこれどこが美人なの?みたいな、ちょっと舐めて描かれてたんです。
舐めてる。
ただ、他の人と一緒に作品見てみると、一人がね、この絵に描かれてる美人と言われてる人ってダボダボな着物を着てるね。
そこにちょっと違和感があるなみたいな話をし始めたの。
確かに今ね、こちらでもググって画像を見てるんですけど、確かにめちゃめちゃダボついてるね、足元がね。
足見えないぐらい裾引きずってるように見えそう。
なんか萌え袖みたいなね、意見もあるんですけど。
萌え袖。
こんなダボダボで、ある種だらしないようにも見える着物を着てる人が美人ってどういうこと?みたいなことをだんだん話が進んでいって、
これが美しいってなんなんだろう?みたいな話になってきたんです。
で、この美人って言われてる人が、今見たら全然本当に美人のようにも見えないし、
それがほどさらに作品になって、何年も何百年もこうやって保存されてるってなんなんだろうな?みたいな話にもなったんです。
だから最初は、結構舐めて描かれた。
ただ美人、その当時美人って言われてる人が描かれてるだけの絵だと思っていたんだけど、
美人って何なんだろうとか、美しいって何なんだろうなっていうのを、僕ら自身が見返してたっていうか、振り返りをしてたなって思ったんです。
時代が変われば変わるほど、どんどん美人の基準も変わってくると思うんですよね。
その時代ごとに、その美しさとか美人っていうのを、その時代に生きている人自身がそれを考えるための作品にもなり得るってことに気づいたときに、
この作品ってどこが面白いんだろうなって思ったところが、少し納得できたところがあって、
そういうのが新しい視点を発見できたなっていう体験だと思います。
なんかあれだね、ちょうど昨日、模擬立ての他の経験談を話してくれたけどさ、
多分一人だったら素通りするってことだよね。
知ってるし、見返りもせずに素通りする。
でも他の人がそれダボダボじゃんって気づいちゃったら、
もうそれについて自分たちも考えていってみようっていう場になってくるってことが面白いなって思った。
それが新しい見方を作ろうとするとか、複数で作るっていうことになった話だなって思った。
だから素通りせずに深く考えてみようみたいなそういう感傷の形、
そういう経験とかを参考にして生まれたのが三角道具。
YCAMの作品でもこのくらいクリエイティブに見方作れるんちゃうかっていうことで三角道具が生まれたっていう。
ただただ作品を展覧会に行って、ただ見ただけじゃなくて、
訪れた鑑賞者の人が作品を見て、自分はこう思うのとか、
作品こういう意味あるんじゃないかみたいな、鑑賞者自身が考えて作っていく。
YCAMのメインミッションって、共に作り共に学ぶってことなんだけど、
それがYCAMとかスタッフ、アーティストだけで終わるんじゃなくて、
作品を見た鑑賞者も共に作ったり共に学んだりするってことができないかなって思って、
生まれたのが三角道具なんです。
三角道具の三角っていうのは、作品と自分それから他の人の間を三角形のように行き来しながら鑑賞を深めていこう。
っていうものなんです。
三角トークとは?
それに加えて、作品に対して三角する。
参加者の三に角数の角の三角するっていう思いも込めて、この三角トークっていう名前をつけています。
作品を作ることに携わるみたいな感じなのかな。
そうだね。
じゃあその三角トーク、具体的にどんな内容なのかっていうのを聞いていきたいんですが。
三角トークはマイカムがオリジナルで作った鑑賞ワークショップの一つです。
参加者にはまず紙と鉛筆っていうのが配られます。
参加者はその紙に作品を鑑賞して考えたことっていうのを文字で書いて、
手紙のように他の鑑賞者とやり取りを進める、そんなワークショップです。
だから作品の前で集まって話すってことでは違う形ってことだね。
そうですね。紙を使って文字に書くっていうところがちょっと特徴です。
具体的にどんなことをするかっていうと、前半は作品を見て疑問に思ったこととか、
他の人に聞いてみたいこと、それから自分は分からないけど他の人と一緒に考えてみたいこと、
みたいな問いとか質問を書きます。
他の人っていうのは、他の一緒に鑑賞した鑑賞者の人ってことだよね。
三角トークの流れ
これはさ、あれ?なんで着物ダボダボなんだろう?みたいなことだよね。
さっきの絵でいうと。
で、アシリデーターの人はその質問が書かれた紙を時間が経ったら集めて、
シャッフルして、別の参加者の手元に届けていきます。
だから参加者の人たちには後半になると、他の参加者が書いた作品に対する問いが手元に届くんですよね。
だから自問自答の形じゃないってことだよね。
なんで着物ダボダボなんだろう?っていう問いを自分で考えて答えを書くんじゃなくて、
集めて誰かの手にランダムに渡る。
渡った人がなんでダボダボなんだろう?を書いていくってことだね。
そうです。
そういうふうに手紙みたいにお返事を書くつもりで後半は進んでいくんだけども、
前半も後半もシートには名前を書かないで匿名でやり取りを進めていきます。
最後は書かれたシートっていうのをみんなで読みながらディスカッションをして終わる。
2時間くらいのワークショップになります。
これさ、シート書いてる間ってめっちゃ静かなんだよね。
静か。
なんか張り詰めてるよね。
いい意味でね。いい緊張感があるというか。
参加者の人たちは前半の問いを考えるのに20分くらい、
返答を書くのにも20分とか30分くらい、
結構じっくり時間をかけて問いも回答も書いていくんですね。
限られた時間の中なんだけど、すごく集中して言葉を書き進めていくから、
普段の交互でやり取りするコミュニケーションとは少し時間の間隔が違う、
少し遅いコミュニケーションをしている、そんなワークショップです。
リズムと密度が違うって感じかな。
そうだね。
参加者の人たちの様子を見ると、ペンが止まっている瞬間っていうのがただ見受けられて。
サラサラって書いてるんじゃなくて、どうしようというか、なんて書こうみたいな。
迷っている時間っていうのが結構あるんです。
どういうふうに回答するのがいいんだろうっていうのをすごく悩むというか。
自分も前、かつて三角トーク一回参加しているのを見た時に、
20分で書くって時に、15分間かけてサラって書いてたのを一回全部消して、
最後の5分で違うものを書いてたって人もいました。
時間の長さによって、自分はこう考えてたけど、やっぱ違うかもみたいなことって起こるんだと。
面白いね。
それも面白かった。
言ったことって取り消せないけど、紙ベースだとそうやって一回消すこともできて。
でも、消し跡が残る。
完全に消えるわけじゃなくて、悩んだ形跡みたいなものは残ってるって。
これ、お手紙ならでは、三角トークならではって感じですね。
そうだね。
まず、そもそもどういう経緯で三角トークを開発したのかっていうのを一緒に紹介できればなと思うんですが。
三角トークを開発するきっかけになったのは、2021年に発表した。
交通年とマイカムの一緒に作った作品、ボイス・オブ・ボイドの時に関連イベントとしてこの三角トークを作ったんです。
このボイス・オブ・ボイドっていう作品は、第二次世界大戦当時における日本の哲学者たちを扱う映像を用いた作品でした。
展覧会の会場では、ささやき声みたいな音を使って映像を見せているんです。
だから、その会場の中で喋ると、作品そのものを邪魔してしまうとか、感傷を妨げてしまう。
だから、作品を上演している展覧会の中で、みんなどう思いますか?みたいなことを口頭でやりたりするのは難しいっていうのがまずありました。
加えて、感傷の場には政治に対するスタンスが全然異なる人とか、違う姿勢感とか宗教感を持っている人が集まってくるんです。
だから、そこで皆さん楽しく自由に喋ってくださいみたいな風に言っても、簡単には言葉にすることができない。
そういうふうな作品の時に、悩んでいることもすごく大事な時間だと思うんですよね。
それを悩ませないようにすぐ早く言葉を出させるようなプログラムじゃなくて、しっかりわからなさに向き合う、じっとするような時間。
それも感傷に組み込むようなプログラムが作れないかなというので、三角トークを作りました。
ワイカムではこれまでにも感傷イベントがずっとあったじゃない。ギャラリーツアーとかギャラリートークとかそういうのがあったと思うんだけど、
このVOVでは特にその姿勢感とか政治に対する思いみたいなのが、異なる人が感傷に来てくれそうっていうのがあって、
なんか違う形で悩む時間とか考え込む時間みたいなのも中に組み込めないかなと思って出来上がったってことだよね。
そうですね。
そもそもなんでこれを書くとか文字みたいなのは、音の作品だからっていうのはわかるんだけど、他にもどんな意味があるものだと思って。
よく聞いてくれました。
三角トークの特徴の一つは文字で書くことっていうのと、得目であることっていうのがまずあると思います。
まず文字で書くことの意義というかメリットとしては、まず会場の音を妨げない、邪魔しないってことがあるんだけど、話すのが苦手な人でも参加しやすいっていうのがあるんです。
これ僕自身が結構話すの苦手で、他の人と話す時にちょっと時間くださいみたいなところがあるんです。
だからそういう人でも作品を一緒に鑑賞するってことがどうやってできるかっていうのがあって、文字で書くっていうのが一つ方法としてこの三角トークで用いています。
さっきもちょっと伝えたように、じっくり時間をかけて言葉を発することができるっていうのも文字で書くことのメリットかなと思います。
じっくり考えながら、好きに筆を止めたり休めたりしながら自分の考えとか問いみたいなものをじっくりじっくり形成できるって感じかな。
そうですね。あとその得目であることの意義、メリットっていうのが、普段はちょっと聞きづらいような深刻な質問だったりとか、問いも他の人に投げかけて一緒に考える、一緒に悩むことができる。
それが得目のメリットの一つかなと思います。全然知らない人に知性感に関わるような質問ってちょっとしづらいじゃないですか。
だけどそれが得目であることによってちょっと聞きやすくなる。そのルールがあることによって安心して発言しやすくなるっていうのがあるんじゃないかなと思います。
口で発するとドキドキしたりとか、ちょっと変な摩擦が起きちゃいそうな問いかけとかでも紙だと安心してじっくり悩めるっていう感じかな。
そうですね。まずこの三角トークは最初に質問をするってところからシートを書き進められるんですよね。
YCAM新作パフォーマンス作品
だから鑑賞者がわからないっていうところから鑑賞をスタートすることができるんです。
いきなり感想を話してくださいだと、自分がこれまでわかったところから話し始めるんだけども、そこがそもそもわからなくても大丈夫。
わからないからこそ他の人と一緒に考えることができるんじゃないかっていうので、そういう風な構成にしています。
これまでいろんなバリエーション、いろんな作品を対象に実施をしてきました。
映画だったりとか、パフォーマンス作品だったりとか、大きなインスタレーション、空間を使った作品でも行ってきたんですね。
ちょっと最近の事例とか紹介していきますか。
はい、そうしましょう。
最近だと11月12日土曜日からYCAMで始まった新作パフォーマンス作品でも三角トーク実施しましたよね。
この新作パフォーマンス作品アンラーニングランゲッジっていう作品なんですけど、タイトルのアンラーニングは学び直すとか学びほぐす、アンラーニング。
で、ランゲッジは言葉とか言語とか訳されますよね。
この作品はAIと人間の違いっていうことをテーマに、両者のコミュニケーションのあり方についてちょっと考えてみようっていう作品になってます。
パフォーマンス作品って言ったんですけど、パフォーマンス作品っていうとアクターがいて、それを私たちが見に来てみたいなイメージがあるかもしれないんですけど、
この作品は観賞者自身、見に来てくださった方自身が体を動かしたりとか声を出したりとかする、いわゆる体験型の作品になってます。
で、この体験型の作品をまさに体験していただいた、参加していただいた方に向けて三角トークを過去にも実施したし、これからも実施していこうとしています。
で、この前行ったこのアンラーニングランゲッジの三角トークも、いろんな問いとか返答出てきましたよね。
そうですね。これまで俺がずっと喋り続けていたから、まるで俺だけがやってたみたいな風に聞こえてきたかもしれないんだけど、
もちろんこれエデュケーションチームで作ったプログラムなので、原さんとか本野さんとも一緒に作って実証してきたんです。
ずっと知らない奴ら風に、インタビュアーみたいな。何なんですか?とか聞いてたけど、全然全部知ってました。
アンラーニングランゲッジの三角トークも一緒にやったんだよね。
そこでは例えば、作品の中でAIと人間の違いとは?ってことがテーマに挙げられているように、人間らしいってそもそもどういうことだろうな?みたいな質問が投げられていたりとか、
他にどんなシートがありました?
面白かったのは、ここはAIに負けてないって思うとこはどこですか?っていう質問があって、
言われてみたら何だろう?って改めて考えちゃうし、自分の思ってないところから返事が来るみたいなのを体験しているみたいなのがあって、面白かったなっていうのと、
あとどんなのがあったかな?これからAIに支配される世界は怖いと思いますか?楽しいと思いますか?って質問とか、あと何があったかな?ちょっと思い出せる?
なんか私は結構突き詰めると、どの三角シートの問いとか遠投も、だんだんだんだん私たちってどういう人間だっけ?とか、人間ってなんだっけ?みたいな話になっていくのがすごく面白くて、
バラバラの視点でバラバラのことが見つかってるんだけど、なんかさっき言ってたようにその場でしかない議論みたいなこととして、
人間ってなんだっけ?みたいなのが中心になってる気がするっていうのがすごく面白かったかな。
なんか体験した時間も多分みんなバラバラだったんだよね。作品を。時間ごとに回があって。
別の回をみんな見てた。
体験したことも自分が発した言葉の動き方もみんな違ったはずなんだけど、改めてシートを持ち寄って回答してみると、
35ミリフィルムの映画
割と同じようなところに収束するというか、なんだみんな違うことしてたけど似たようなことを考えていったんだねとか、
そういうことを考えさせる作品だったのかもしれないね。
みたいなことが三角トークで分かっていくっていうようなものだったように振り返ってみると思います。
まさに他の鑑賞者、参加者の人から問いが投げかけられないと、そもそもそういうことをちょっと考える機会っていうのがなかったかもしれないし、
それで最後にはみんなが書いたシートを見合わせて、他の人ってこういうふうに見たんだとか、
そことの違いを実感できたりもするんですよね。
回答も、回は違えど、この作品のこういうところから自分はこう思いますよみたいなふうに、
やっぱりだから作品と自分と他の人、その間を聞きしながら、さっき原さんが言ってくれたような質問に対して自分なりに回答していくっていうものだったんですね。
もう一個事例紹介してもいいかな。
もう一つの事例としては、ぐるぐるラジオでも何回も特集させていただいているYCAMCINEMA。
YCAMCINEMAの上映作品でも三角トークを実施しました。
この時に三角トークさせてもらった、ちょっと言葉がおかしいかもしれないけど、三角トークをやった題材の作品が35ミリフィルムの作品で、
YCAMで35ミリフィルムの映画の特集上映をしたときにやったんだけど、特集上映の中のナルセン・ミキオ監督の作品
メシっていう映画で三角トークを行いました。
幅広いフィールドの三角トーク
このメシっていう映画、1951年公開の作品で、なんだろう、51年っていうと、
70年前。
終戦直後?
終戦5年以内。
5年後くらい。
なんだろう、こういう風に、アンラーニング・ランゲージが新作パフォーマンス作品って話をしたけど、
本当にYCAMと作家さんと一緒に新しく作った作品だったり、
でもこの35ミリフィルムの映画は、本当めちゃめちゃ前に作られた作品だったり、
幅広いところで三角トークができてるっていうのが、結構三角トークの売りポイントかなと思ったりしてます。
そうですね。幅広いフィールドでもできるし、さっき言ってくれたナルセ監督のメシって作品は、
当時の夫婦間のコミュニケーションについて扱ったような作品だったんですね。
参加者の人たちもすごく年齢層を幅広くいって、
本当に高齢者の方から今の大学生の人たちまで。
大学1年生の方とかもいたから、10代から。
70代くらいですかね。
そうだね。
YCAMでの三角トークについて
そういう人たちが一緒に作品を見て、見終わった後に結婚ってどうなんですかねとか、
女らしさとか女の幸せって何なんですかねみたいな話を、
静かにシートを書きながら鑑賞を進めていったっていう、そんなメントになりました。
日常生活でなかなか話し合う機会ないよね。
それこそさっきの一人でも見れるとか、家族や友達だったら話すことかもしれない。
友達とだったら、結婚って何が幸せなんみたいなことは言えるけど、
自分より遥かに年の離れた人に、女の幸せって何だと思いますかって、
マジでカフェでは聞けないじゃないですか。
そういう作品を見てるようで、自分たちの考えてきた価値観とか、
これってどう思うみたいなのが、作品経由でできるっていうのが、
面白いところだなと思います。
なんかね、YCAMでさ、すごく公開している作品だったりとか、
あと上映している作品だったりって、
なんだろう、すごい美しいとか楽しいとか面白いって、
もちろんそういう作品もたくさんあるんだけど、
やっぱりさっきその戦争とか、その時の哲学思想みたいなものをテーマにしてたりとか、
AIと人間の関係も、なんだろう、楽しいだけじゃなかなか終われない。
ちょっとヒヤッとする内容とか、ドキッとするとか、
少し不快になるとか、もやもやするとか、楽しいとか、すぐ快感で終わらないっていうか、
そういう作品が多いなって思う。
なんかそういう中だからこそ、すごく三角トークみたいなものが、
なんかね、あのさっき山岡さんを中心に、でも私と原ちゃんも入って作った時に、
そんな状況だからこそ、すごく意義があるものになるんじゃないかなと思って、
開発した側面がすごく大きいよね。
そうですね。
なんかいい感想ってさ、必ずしも笑顔でさ、気持ちよかったじゃないもんね。
これ何だったんだろうなとか、もやもやすんなとかさ、
三角トークに参加したところで、でもやっぱり分からないことは分からないままだったりもするんですよ。
シート書き終えた後も、あれ本当にこういう書き方でよかったのかなとか、
この質問でよかったかなとか、思い出しながら書いたりもするんです。
でもそれって、じゃあまた次、鑑賞を続けてみよう。
もっと作品を次はこういう目線で見てみようかなっていうヒントにもなると思うんですよね。
お客さんが笑顔で書える以外にも、
三角トークでの作品鑑賞と自己発見
あ、今日は充実した鑑賞ができたなっていう体験が持って帰ってもらえればと思って、
日々日々アップデートしながら実施を進めているという感じです。
これが三角トークです。ありがとうございました。
私たちも悩みながら作っていることとか、このラジオの話からも聞けたんです。
漏れ出てたというか、感じていただけたんじゃないかなと思うんですけど、
本当はその鑑賞して帰る方の中には、まだこれがどうよかったか咀嚼できてないんですけど、
今日これてよかったですみたいな感想をくれる方も結構三角トークとかも多くて、
それすごく素敵な状況だと思っていて、一緒に悩める、一緒にわからないことを起点に、
それでも食らいつけるって言うとちょっと言葉がおかしいけど、
一緒に探せる仲間みたいなことに、YCAMも鑑賞者の人たちもみんなでなっていける状況みたいなものを、
今後も三角トークを始めとしていろいろ作れたらいいなと。
長くなるけどちょうどいい一言。
三角シートを三角トークが終わった後とかに、ぜひ展示できたらいいねみたいなことも私たちは話してるじゃないですか。
実現に向けていろいろ頑張っているけど、
シートを見た時の重みじゃないんだけど、よくみんな感想で、
なんでみんなシート字綺麗だなっていうの。
あれって字が上手い人が集まってるんでは必ずしもないと思ってて、
真摯に書こうと思った字だなって見たらすぐわかるっていうか、
殴り書きとか雑に書いてるとか、付箋に走り書きしたみたいな字じゃないくみんな書いてるっていうのが、
それをぜひラジオでは結構これ伝えれないから、
もし今後映画とか作品とかで三角トークがあったら、
それにまず参加してもらいたいなって思ったし、
参加できなくても他の人がこれを見て何を思ったんだろうっていうのを、
ぜひ見る機会こちらも作れたらいいなってことを次の目標として思っています。
ぜひ今後とも期待してもらいたい。
もう一個だけいいですか?
どんどん長くなっちゃうんですけど。
作品に対しての新しい視点を発見できるって話を最初にしたんだけど、
たぶん新しい視点を発見できるのは作品に対してだけじゃないんだよね。
さっきの原さんが言ってくれたような、
この人をすごく丁寧にちゃんと伝えようとしてくれてるみたいな仕草が、
文字の書き様によって発見することもできる。
し、自分自身が返答とか質問を書いた時に、
自分ってこんなことを思ってたんだとか、
これに対してこういうふうに回答できるんだみたいな、
自分に対する見方っていうのもどんどん更新されて、
結構びっくりすることがあるんだよね。
お悩み相談と35ミリフィルム特殊上映
私ってこんな字書くんだみたいなのない?
あるある。
手書き書く機会あんまないからそもそもそこちょっとびっくりするよね。
そういういろんな視点が発見できる三角トークです。
今後も実施を続けていく予定なので、ぜひ参加してください。
YCAMのポータルサイトにアクセスしていただくと、
今後の三角トークの実施の情報なども公開しておりますので、
ぜひご興味がある方チェックしてみてください。
お願いします。
今日のラジオは長いぞ。
熱々のおすすめ紹介でした。
それでは次のコーナー行きたいと思います。
お悩み相談。
パオパオパオパオパオ。
ありがとうございます。
先ほど三角トークのおすすめのときにちょっとご紹介した
35ミリフィルム特殊上映に絡めてちょっとこう一つお悩みというか
ご質問をいただいたので、そこに対してぐるぐるとアンサーしていきたいなと思います。
それではお悩み紹介します。
ラジオネームはちょっとこの方ないんですけれども、内容はこういう感じです。
アナログ vs デジタルの映像制作
現在自主映画を撮るのにアナログとデジタルではどちらの方が安価でやれるのか?
また手間労力はどちらの方が合理的か?というコメントをいただきました。
アナログとデジタルでどっちの方が安価でやれるか?そして合理的か?
これまずねいただいた時にすごく思ったんだけど、作り手の質問だよね。
そうだね。
これから作品を作ろうとしている方なのか、それとも過去に作ったことがあってそれを振り返って今聞いているのかっていうのはちょっとわからないんだけど
何かしらこう手を動かそうとしている人がくださったメールというかお便りかなと。
のように見えるね。
作る時の手法の差を知りたいというか、安価とどちらが安くコストが抑えれるかみたいな話なのかなっていうふうに読みました。
例えばこれをYCAM的な視点で返答しようとすると、YCAMでもYCAMフィルムファクトリーというプロジェクトを過去にやっていたことがあって
YCAMプロデュースのもと新作映画を制作するというプロジェクトだったんだけど、その第3弾2016年に制作した
染谷翔太監督作品のブランクっていう映画があるんですが、これは16ミリフィルムの作品でした。
私すごくこのプロジェクトにコアに関わってたわけじゃないので、ちょっとまた劇的な話になってしまうところもあるんだけど
この16ミリっていう上映素材というか、映画素材を選んだ理由は合理っていうよりはやっぱりどんな作品にしたいかとか
どういうふうに見せたいかっていうところで選んでたっていう記憶と印象があります。
難しいね。多分2016年だったらデジタルで撮ってる方が楽じゃないですか。
編集もしやすくて、もうかなり今と近いぐらいの機材も軽いとかさ。
あるんだけどここであえて16ミリで撮ってたっていう事例だよね。YCAMのこのフィルムファクトリーの例って。
そうですね。やっぱり2016年もそうだし、今この時代っていう意味でも、単純に値段とか、あとコスト、労力、コスト、ちょっといろんな言い方があるけど
値段、手間、労力っていう意味ではデジタルの方が、言葉が難しいけど、簡単なのかなっていうふうには思ったりします。
iPhoneだけで映画を撮影する事例と、映画を制作する事例みたいなのも結構たくさん出てきてるし、
あとフィルムはね、最近我々も35ミリフィルムをすごく知る機会があったから、かなりいろんな新しい知識が身についたんだけど、
編集するのにも上映するのにも特別な道具が必要だったり。
まず場所が、広い場所が必要。
そうだね、かなり広い場所が必要だし、あとなんだろう、私たちもボタン一つで巻き戻し、再生、進めるみたいな感じの感覚になってるんじゃないかなと思うんだけど、
その巻き戻し一つとっても、でかい道具をぐるぐるぐるぐる動かしてっていうような、なんだろう、手作業みたいなことがたくさん発生してくるから、
やっぱりなんだろう、デジタルに慣れた我々世代というか、デジタルに慣れたこの時代を生きる人間としては、
フィルムって結構大変、アナログって結構大変なんじゃないかなと思ったりはします。
ただ、この方の合理的かどうかって、なんだろう、すごい面白い基準っていうか難しい基準っていうか。
この質問してくれた方に追加で私が聞いてみたいのは、一体どんな映画を撮ろうとしてるんだろうっていうのがすごく知りたい。
なんかその内容によって、デジタルっていう手法を選んだ方がすごく見てもらう人にマッチするなとか、
フィルムであえて撮ってみることによってコストはかかるけど、伝えたいことがバシッとフィルムの方が決まるなとか、
撮ったプロセスがすごく大切にしている、時間がかかるとか、付き合いが長くなるみたいなのが大事な作品なのかなとか、
合理って聞くと理にかなってるかどうかとか、もともとのコンセプトにマッチしてるかどうかって意味なのかなって思うと、
どんな風に作品をどんな作品を作りたいかによって選択があるなって思いました。
何に対しての合理かっていうのがすごく。
安く作りたい一択で、作品の内容は後から決めますみたいなことだったら、
けなちゃんの言うように技術は置いといて、導入はデジタルの方が楽なのかもしれないって思う。
でももしこの人がすでにアナログの環境バッチリ整ってますみたいな人だったら、
そういう意味でももしかしたらアナログの方が合理的なのかもしれないし、
そもそも合理っていう言葉がこんなに多義的なのかっていうのをすごくメッセージをもらって思って、
わー、興味深いなと思って。
作るのに対して合理的なこととメッセージを伝えるのに対して合理的なことは多分違う気がして。
でも冷静に考えるとパソコンとかも割と値段もするし、スマートフォンも高いから、
本当にどういう作品を作りたいかにめちゃくちゃよる気もするね。
家電屋さんとかで、メルカリとかで安いビデオテープとかビデオカメラを買って、
ダダ流しっていうか録音のボタンをスタートして止めて、別の場所に移動してスタートして止めて、
みたいな風に編集をしていったり作るんだったら、安いのはむしろアナログっていう可能性も全然あるなと思うんです。
だけど本当にそう、まずどういう作品なのか、自主映画で伝えたいことは何なのかとか、
どういう内容のものをやりたいのかっていうのによって変わってきそうだね。
イベント開催の形について
すごいさ、これってさ、何だろう、うちらに帰ってくるというかさ、
すごくコロナのこととかもあってさ、私たちもイベントをオンラインでやりますとか、
でもさっきの紹介させてもらった三角トークとかは今のところね、
マイカムに実地で集まって行ってたりするじゃない。
何だろう、それって昔だったら、特にちょっと話が飛んじゃうかもしれないけど、
コロナの前だったらオンラインできたとしてもそんな考えたこともなかったし、
とにかくイベントっていうのはその場所でやるものみたいな感じだったと思うんだけど、
何だろう、その両方を知ってしまった今は、
何かそのイベントをどういうイベントにしたいかとか、
何をしたいかによって手法とか場所を選ばなきゃいけないなってすごく最近考えていて、
何だろう、これ本当にオンラインでやる必然性あるんだっけとか、
これ本当にみんなで場所に集まってやらなきゃいけないことなんだっけみたいなことをすごくこう、
反省というか振り返る機会が多くなってきたので、
何かこのメッセージを読んでいるとすごくそのこととかを思い出して、
アナログもデジタルも両方知ってる。
何だったらすごくデジタル進んでるけど、
そのこうリバウンドというか反発じゃないんだけど、
何かアナログ憧れみたいなものもすごくあるじゃない、最近。
何だろう、ゲームで、何かビットゲームが流行ってたりとか、
あえてスマホの写真もノイズをかけたりとかね。
フィルムカメラ風のやつとかね。
作るとか。
何か両方知ってるし、両方の良さみたいなこともちょっとずつ体の中にインストールされてるからこそ、
何がしたいかで選び取らなきゃいけないみたいなのが、
何か今を生きてるとすごい。
Yカムもそうだし、一人の自主制作映画を作る方もそうだし、
何かみんながそういう決断を迫られてるとか、
判断を求められてる時代なのかなみたいなことを思って、
何が私にとって合理的なんだろうとかってすごく。
そうだね、令和になった後のコミュニケーションっていうか、
オンラインとか遠隔みたいなのがどんどん当たり前になっている中で、
それをテーマにした映画をフィルムで撮るとかってどういう意味なんだろうって考えさせるんだ、
だったらすごく効果的な、合理的なやり方だと思うし、
ものすごい未来のSFみたいなのを撮ろうとしている時に、
あえてフィルムで撮るってどういうことなんだろうって、
鑑賞者に思わせたいとか考えてもらいたいだったら、
フィルムの意味超あると思うし、コストかけていいって思っている。
あるいは、なんだろう、ものすごい、これずっと妄想なんですけど、
ずっと温かみのある人との長いやりとりをデジタルでiPhoneで撮る、
みたいなのってどういう意味なんだろうとか、
そういうのを考えさせたいみたいな、
どんな作品かにするかによってフィルムがデジタルか以外でも、
どんな風に撮るかとか、カット割りどうするかとか、
全部決まるんだろうなって思ったりしますね。
とは言ってもさ、ここまで言ったけど、
うちらもさ、これYCAMの裏側とかちょっと喋っていいんですよね。
もちろん。
同じ作家と一緒に作品とか展示とかイベントを作るときに、
絶対避けて通れなくて、頭の隅っこにあるのは予算と期限。
この人も限りある制約の中でとか、時間の中で作品を作りたい。
だから、できるだけ安くとか短く抑えたいって気持ちも超わかる。
だから、本当そのバランスだよね。
そういう物理的な制約と、本当にそのもの、その作品を通じて実現したいことのバランスの中に、
バランスを図る中にしか合理みたいなことっていうのが言えないのかも。
大学の授業のこととか思い出しながら聞いていて、
本当に情報を一方的に伝えるだけだったらオンライン便利だし、
それぞれの時間に録画しておいて見ておいてもらえばいいんだけど、
やっぱり現地に集まるっていうのは今もはや、
より便利なものが出てきた今もはや、
現地じゃなきゃできないことっていうのが求められているよなって思いながら聞いていて。
それ多分映画でも同じだと思うんだよね。
iPhoneでも映像って撮れるし、
面白いなって思ったのは、これまで普通だったことが、
より便利なものが出てくると、あえてそこにちょっと戻っていくときに、
さっきのオンラインイベントとか、それをまたさらに実地でやるってなって、
これまで実地めっちゃ普通だったのに、
実地じゃなきゃできないことがどんどん求められてくる。
いいとも悪いともいず、そういうところがあるなって思いながら聞いたんですよね。
1951年にはフィルムしかなかった。
フィルムにしかできないことがあって、
思って撮ってなかった可能性があった。
飯のときね。
そう、飯のとき。
だから今はiPhoneで全然撮れる。
安い。パソコンもある。すぐ終わる。
部屋で編集とか何でも作業ができる。
3畳あればできるみたいなのが、
でもあえてフィルムを使うってどういうことだろうって考えざるを得なくなっちゃったっていうのが、
江戸時代の見返り美人と令和の見返り美人を見るときの違いかもしれないし、
いいこと悪いことっていうよりせざるを得なくなったっていう感覚かな。
それなしでは語れなくなってしまった。
フィルムとか別の手法なのかなって思って。
だからこういうお悩みが届くってことなんだと思う。
返答っていう感じじゃないけど、
そういうバランス、何を自主映画を通じてしたいのかっていうことと、
物理的な制約の中でのバランスみたいなことを考えてみてほしいし、
作品も見せていただきたいというか、
どんな映画を撮ろうとしているのかを聞いてみたいなって思いました。
お悩み募集とラジオの呼びかけ
三角トークだってしたい。
すごくこうやってレスポンスというか、
教えてもらって、また話してみたいなことができたら楽しいなと思って取り上げさせていただきました。
質問というか、アナログで本当はやりたいけど、
そこにどういう魅力があるかなみたいなものも聞きたいみたいな気もするよね。
これは本当にうちらの邪推かもしれないけど。
分かんないね。どういう裏側があるのかは本当に測り知ることが難しい。
パソコンの導入もまだしていないけど、フィルムもどうやっていいか分からない方なのかもしれないし、
詳しく声かけてください。
このラジオを聞いていたら、より詳細な情報を。
一緒に考えましょう。
でもすごくいろいろ自分も見返ることができるようなお悩みを本当にありがとうございました。
ありがとうございます。
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さて、早いものでもう1時間が経過しようとしておりますが、第6回のYCAMグルグルラジオいかがだったでしょうか?
もう第6回で落ち葉ががん落ちで寒くなるねって始まったものですが、次会えるのはいつだろう?
年明けかな?
そうだね。じゃあ次はみんなサンタさんに何もらったかを話そう。
教えてくださいね。さっきお悩みというか、お悩み募集してますって話もさせてもらったんだけど、
本当にどんな話でも、どんな内容でも、さっき聞いてもらったから伝わってると思うんですけど、このぐらいガチで話すので、
ぜひいろんな視点、それこそいろんな視点をもらえたらなと思っているので、
サンタさんにもらったものもそうですし、お年玉をどう使ったかでもいいですし、ぜひぜひメールはお待ちしております。
スタジオでは多分三角トークの話を結構長くしたんだけど、やっぱりまだ言葉にしきれてない部分っていうのが、僕らスタッフの方でもあるなっていうふうに、
自分自身があるなというふうに思っているんです。だからまだ言葉になってない部分は、自分もそうだし、自分というかYCAMのエデュケーションチームもそうだし、
参加してくれたお客さんと一緒に何か作っていったり考えていければなというふうに思っているので、また今後ともよろしくお願いします。
生っぽいところ、本当にまだ作っていて、作り途中の料理の様子を見せてしまったかもしれない。
でも自分に言うのもなんだけど、すごく真剣に考えて、頑張って喋ろうとしています。
ラジオもみんなと一緒に育てていければいいなと思っているし、それでYCAMのものすべてとも言えて、
新作だったりとか、作っている過程にみんなに入ってもらっているという感覚があったりするので、今後も一緒に。
そうですね。それが頑張って、なるべく僕らもさ、あとはよろしくお願いしますみたいな感じで、一緒に頑張ってくださいっていうふうに適当に渡すんじゃなくて、
なんとか誠実にここまでは頑張って作りましたみたいなふうに渡そうと思っているので、
ここから一緒にお願いしますみたいな。
皆さんもぜひお付き合いいただければと思います。
本日の内容は、先ほど最初にも紹介させていただいたようにPodcast、Spotifyで聞いていただけるんですが、Podcastでも順次公開予定です。
YCAMグルグルラジオについての振り返り
これまでに放送した第0回から第5回も公開しておりますので、ぜひアクセスしてみてください。
今、YCAMのインフォメーションスペース、いつも映画の予告などが流れているところですね。
そちらのQRコードか、Spotify、もしくはWebブラウザで、YCAMぐるぐるラジオと検索してみていただければと思います。
ここまで聞いてくださった皆様、ありがとうございました。また来年のラジオでお会いしましょう。
良いお年を。
早いな。
良いお年を。
そうか、年末。
次回予告